片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

Japan as NO.1 から 心豊かに生きる時代へ ~阪神淡路大震災から20年~

2015年01月18日 | 22世紀を目指して
私が社会に出た50年ほど前のことを思い出している。
社会が熱病に浮かされたかのようだった。
戦後の復興から高度成長へと快進撃を続ける日本に、誰もが酔っていた。
学生運動も激しかったが、そんなことは、ダイナミックな経済活動の中ではほとんど無視された。
騒いでいるのはマスコミだけという雰囲気だった。

私は、勤めていた電機メーカーの労働組合の機関紙に寄稿したことがある。
「今は正論を吐ける時代ではない。羊の群れのように羊飼いに従って盲目的にみんな突っ走るのみだが、これでいいのか」と。

日本は、世界からはエコノミックアニマルと恐れられた。
安くて良い日本製品を売り浴びせて、その国の産業をガタガタにしても、勲章くらいにしか思わなかった。

そんな時代が長く長く続いた。

しかし1990年代に入って日本経済は空回りを始めた。
それでも気分は「歯を食いしばって頑張る」だった。


しかし阪神淡路大震災で、そんな気分に冷水をぶっかけられた。
いい加減に目を覚ませという警鐘のようだった。
そして東日本大震災と福島原発事故、これで日本人のベクトルの方向が変わった。

GDPを追い求めない国になろう。
慎ましく暮らそう。
本物を提供する国になろう。
物質的な豊かさより、家族の絆や近隣の人達との絆を大事にしよう。
ふるさとを大事にしよう。
世界の平和のために働こう。

日本は、そんな国になろうとしているかのようだ
正論、あるべき論を語っても、人が聞いてくれる時代にようやくなってきた。


しかし、過去が間違っていたのではない。
過去があったからこそ、そういう社会を目指そうと考えられるようになったのだ。

1868年の明治維新から147年。
ようやく日本人が自立しようとしている。

これからの日本がとても楽しみだ。
ワクワクする。