美濃屋商店〈瓶詰の古本日誌〉

呑んだくれの下郎ながら本を読めるというだけでも、古本に感謝せざるを得ない。

信仰復興会等における回心現象について嘗て語られたこと(エームス)

2022年12月04日 | 瓶詰の古本

 信仰復興会に起る回心及それに使用する方法は、主に催眠術の結果方法であるといふ点に於ては、今日の宗教心理学者多数が一致する所である。注意を集注させたり、暗示によつて人心を操縦したり、一寸した挙動で悔改の意を示せとの訓令的勧誘をしたりなどすることは、催眠術の方法なることは疑ない。被催眠者は自分の意志を棄てゝ与へられたる観念行為に順はねばならないやうに感じ、外来の力によつて誘出されたやうな念に捕へられ、往々之が彼の経験中最も貴重なることであると思ひ、自分の意志を棄て、これに信頼し、これを信仰するやうになる。是は確に催眠を促す態度気分である。コー教授は曰ふ。『信仰復興会、天幕伝道会、黒人の集会に就いて頂点に達した心的現象は催眠幻覚の状態と直接に関係して居る。』『メソデストの歴史に霊力として知れて居る現象は今日では催眠術として広く知られて居る方法である。』(コー「精神生活」一四一頁、「自然心理宗教」九章、スターバツク「宗教心理学」一七一頁、ダベンポート「信仰復興の原始的特性」十二章「暗示によつて起されたる回心」)。

(「宗教心理学」 エームス著 高谷實太郎譯)

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