指揮=三ツ橋敬子 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団演奏会
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団演奏会
指揮=三ツ橋敬子
6月22日(金) 午後7時開演
りゅーとぴあ・コンサートホール
曲目:
スメタナ:交響詩 「わが祖国」 より ”モルダウ”
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ピアノ/山本貴志(第70回日本音楽コンクール3位)
ドヴォルザーク:交響曲第9番 「新世界より」
三ツ橋敬子の指揮は、軽快な身振りで音楽を表現する。
きちっとしたメトロノーム指揮タイプではなくて、
小澤征爾風の身体全体を使った表現方法で、
音楽ストーリーのある指揮ぶりは、見ていてさわやかです。
チャイコフスキーピアノ協奏曲の山本貴志のピアノが素晴らしかった。
彼のピアノは、はじめて聴いたが、演奏も会場も盛り上がりました。
若々しいステージマナーや初々しいしぐさに好印象です。
演奏終了には、指揮の三橋敬子と抱き合って、互いに演奏をたたえ合う場面もほほえましかったです。
しかし、ピアノがPPで繊細な演奏しているのに、オケが大きな音で、
特に木管軍のアンサンブルはもっと弱音で演奏してほしかった。
そして、ドヴォルザークの「新世界」演奏で、いくつか・・・・
第1楽章の最初の静かな出だしのときに、客席からカサカサとビニールの袋を空ける音、
さらに携帯電話のマナーモードのブーッブーッという音が、10秒くらい、これも気になった。
静かな楽章では、ハ虫か、はえか・・・、ステージ上空や1階の客席の上を飛び回っています。
虫は、いい音楽を聴いて、気持ちよさそうに、ぐるぐる舞っています。
観客の視線は、ついついその虫を見てしまいます。
客席では何人もが、その虫を見ているようで、あちこちでからだが揺れて動いている。
・・・オーケストラの団員は、演奏しながら気づいたのでしょうかね?
そして、第4楽章の途中で大ハプニングが
燃える指揮をしていた、三ツ橋敬子の指揮が激しすぎて、
指揮棒が、2ndヴァイオリンの前に飛んで行った。
そのまま盛り上がるフィナーレは、指揮棒を使わない小澤征爾の指揮のように、
両手で、小さな身体をいっぱい使っての身振り手振りで感動の指揮でした。
やっぱり師匠小沢征爾の影響でしょうか、指揮の感性を受け継いでいます。
演奏では、第2楽章のコールアングレの“家路”が、素晴らしい名演でした。美しい音色です。
しかし、
“スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団”は、全体に高度なレベルではなく
フルート は、最初の“モルダウ”やチャイコフスキーピアノ協奏曲、ドボルザークのソロも
名演と言えるほどではなく、演奏テクニックは好印象ではない。
さらに気になったのは、ホルンが、ときおり危なげな演奏であった。
アンコールは、
ドボルザーク:スラブ舞曲第10番でした。