おいわどん音楽日記 (コンサート鑑賞、演奏会出演日記)

フルート、篠笛、リコーダー、クラシック、吹奏楽、オペラ、バロック、ジャズ、演劇、ミュージカル、映画、能楽・・・音楽日記

映画 「ナンネル・モーツァルト 悲しみの旅路」 新潟シネウインド

2011年07月18日 | 映画
映画 「ナンネル・モーツァルト 悲しみの旅路」

平成23年7月18日(月・祝)
新潟シネウインド
(興行収入を目的にしない、名映画だけを選んでがんばって上映している小さな市民映画館。)

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの姉ナンネルを主人公に、
モーツァルト家のさまざまな模様を映し出し、
天才・神童モーツァルトがどのように育てられたか・・・

本当にあった、事実や真実かどうかは疑問と思いますが、
全体的に良くできている、いい映画だと思いました。

女性は作曲をすることを許されなかった時代を生きたナンネルは、
頭の中にも、ときおり美しいメロディが浮かんでくるけど、楽譜に書くことを許されない。
ヴァイオリンも弾きたかったけど、弾かせてもらえない。
父の言われるままに、クラビコードで、弟のヴァイオリンの伴奏をするしかない。

ナンネルの楽譜帳(レオポルドがナンネルの練習用に作ったクラビコード教則本)に、
ウォルフガングが5歳で作曲した父のメモが書いてあった。
弟の才能を伸ばしたい父の気持ちがわかって、
女性であるナンネルは、作曲ができなくてつらかったでしょう。
もしかして、
その作曲されたK(ケッヘル)1はナンネルの頭の中にあった曲かもしれない。

映画の中のナンネルは、自ら書いた楽譜を焼き払い、
作曲をあきらめ、神童のウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの陰に隠れてしまった
犠牲者だったのかもしれません。

謎の多いモーツァルトの生涯に、
さらに疑問を投げかけるこの映画は、モーツァルトファンには、必見の映画だと思います。