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中世キリスト教会史 関西学院大学2008年

2012年04月19日 | 復習用入試問題

次の文中の   に最も適当な語を語群から選び,また下線部に関する問いに答え,それぞれ最も適当な記号1つをマークしなさい。08年 関西学院大学商

 ローマ帝国は,4世紀末に�テオドシウス帝が死去した後,東西に分裂し,再び統一されることはなかった。その後,西ローマ帝国の滅亡,ゲルマン民族の移動,そしてフランク王国の成立と,歴史の舞台は地中海世界からヨーロッパの地へと移っていくようにみえる。しかし東方世界では,�東ローマ帝国(ビザンツ帝国)が健在であり,1453年に�オスマン帝国によって滅亡させられるまで,独自の歴史と文化を形成していく。
 ビザンツ帝国の歴史の中でも,イコンをめぐる論争は時代を画する出来事であった。イコンとは,主にキリスト教の教会堂の中に飾られている聖画像を指す。このイコンを敬うことを�偶像崇拝として退ける立場と,反対にこれを擁護する立場に分かれて争いが生じたのである。
 ことの発端は, イ の20年代に皇帝レオン3世の出した聖像禁止令であった。以後1世紀以上にわたり,聖像破壊運動(イコノクラスム)がビザンツ社会に大きな影響を与えた。レオン3世を継いだ息子コンスタンティノス5世は公会議を開催して,イコンを正式に偶像であると決議させた。転機が訪れるのは禁令から約60年後である。権力を掌握した�皇后イレーネ(後に女帝となる)が新たに公会議を主催し,聖画像を承認する決議を行った。その後,再びイコノクラスムが行われた時期もあったが,東方正教会においてイコンは崇敬の対象として守られていく。
 イコンは偶像でないとする根拠のひとつに,神の子�イエス=キリストが受肉によって人間となり,目に見える存在となったことがある。また,聖画像が文字を読めない人々の教化に役立ったことも忘れてはならない。つまり,人は文字が読めなくても,イコンをみることで,イコンを越えてそこに描かれているものに至り,信仰心を養うことができたのである。けれども,イコノクラスムが�ビザンツ帝国と西方の�ローマ=カトリック教会との関係に与えた影響は重大であった。この出来事を機に深まった東西教会の溝は,やがて ロ の中頃に決定的な分裂へと至ることになる。

[語 群] 
イ a.6世紀 b.7世紀 c.8世紀 d.9世紀

ロ a.9世紀 b.10世紀 c.11世紀 d.12世紀

[問 い] 
� テオドシウス帝の事績に関する記述で,誤りを含まないものはどれか。
a.ニケーア公会議を開いてキリスト教内の教理論争を調停した。
b.キリスト教の国教化を実現した。
c.コンスタンティノープルに都を定め,官僚制度を整備した。
d.帝国の東西それぞれに正副両帝を定め,四分統治を実施した。

� 東ローマ帝国のユスティニアヌス1世の事績に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.トリボニアヌスに命じて,古代ローマ法を集大成した『ローマ法大全』を編纂させた。
b.旧ローマ帝国領の回復に努め,ガリア地方を再征服した。
c.中国から蚕卵を入手し,絹織物業を育成した。
d.コンスタンティノープルにおいてハギア=ソフィア大聖堂の建設を行った。

� オスマン帝国が関与しなかった戦闘はどれか。
a.コソヴォの戦い b.アンカラの戦い
c.パーニーパットの戦い d.プレヴェザの海戦

� 偶像崇拝の禁止は『旧約聖書』の十戒に遡るが,この十戒を神から授かったとされるのはだれか。
a.ダヴィデ b.ソロモン c.アブラハム d.モーセ

� 皇后イレーネと同時代の人物であるカール大帝に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.カロリング朝を創始したカール=マルテルの息子である。
b.ランゴバルド王国を攻め,これを滅ぼした。
c.アヴァール人を撃退した。
d.イギリスの神学者アルクインを招き,学問・文芸の復興に努めた。

� イエス=キリストについて,その神性と人性の両方を認め,単性論派を異端とした公会議はどれか。
a.ニケーア公会議 b.エフェソス公会議
c.カルケドン公会議 d.コンスタンツ公会議

� ビザンツ帝国に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.コンスタンティノープルの教会はローマと首位権をめぐって争った。
b.帝国独自の軍管区制(テマ制)は6世紀には完成していた。
c.セルジューク朝に対抗するため,西方に援軍を要請した。
d.ラテン帝国が成立した時のローマ教皇はインノケンティウス3世である。

� ローマ=カトリック教会の成立・発展に関する記述で,誤りを含むものはどれか。
a.教皇レオ1世はフン族のアッティラからローマを守った。
b.修道士フランチェスコはモンテ=カシノに修道院を開いた。
c.教皇グレゴリウス1世はアングロ=サクソン人への布教に尽力した。
d.アウグスティヌスが『神の国』を著した。


【解答3】 
イ c ロ c
� b � b � c � d
� a � c � b � b


板書(44)教皇権の盛衰

2012年04月19日 | トリオDE世界史

(1)東西教会の分裂 �726年�800年�1054年
�聖像禁止令
�カール戴冠
�東西教会分裂
(2)叙任権闘争 �事件�年�終結
�カノッサの屈辱事件
�1077年
�ヴォルムス協約
(3)カノッサの屈辱事件 �教皇�皇帝�争点
�グレゴリウス7世
�ハインリヒ4世
�叙任権闘争
(4)教会の腐敗 �問題2つ�批判した修道院
�聖職者妻帯
�聖職売買
�クリュニー修道院
(5)十字軍遠征 �依頼したビザンツ皇帝�提唱した教皇�全盛期の教皇
�アレクシオス1世
�ウルバヌス2世
�インノケンティウス3世
(6)教皇権の全盛 �教皇�破門された英王�問題点
�インノケンティウス3世
�ジョン王
�カンタベリー大司教叙任問題
(7)アナーニ事件 �年�教皇�国王
�1303年
�ボニファティウス8世
�仏王フィリップ4世
(8)アヴィニヨン捕囚事件 �年�教皇�国王
�1309年
�クレメンス7世
�仏王フィリップ4世
(9)教皇権の衰退 �1077年�1303年�1378~1417年
�聖職者叙任権闘争(カノッサ事件)
�教会領課税権闘争(アナーニ事件)
�教会大分裂(グレート=シスマ)
(10)事件3つ �1077年�1303年�1309年
�カノッサの屈辱事件
�アナーニ事件
�アヴィニヨン捕囚事件
(11)フィリップ4世 �三部会�アナーニ事件�アヴィニヨン捕囚事件
�1302年
�1303年
�1309年
(12)教会大分裂の教皇庁3箇所
�アヴィニヨン
�ローマ
�ピサ
(13)グレート=シスマ �開始年�収束させた公会議�その年
�1378年
�コンスタンツ公会議
�1414~17年
(14)コンスタンツ公会議 �目的�焚刑された人物�開催した皇帝
�グレート=シスマの解消
�フス
�ジギスムント
(15)フス �出身大学�焚刑させた年�影響
�ボヘミアのプラハ大学
�1415年
�ボヘミアでフス戦争が発生


板書(46)イギリス王権の盛衰と議会制

2012年04月19日 | トリオDE世界史

(1)プランタジネット朝の時代 �12世紀�13世紀�14世紀
�十字軍
�議会制度の発達
�百年戦争
(2)リチャード1世 �十字軍�イスラム指導者�相手国
�第3回十字軍
�サラディーン
�アイユーブ朝
(3)13世紀の3人の王
�ジョン王
�ヘンリー3世
�エドワード1世
(4)13世紀の年代3つ
�1215年
�1265年
�1295年
(5)13世紀の議会制度の成立 �1215年�1265年�1295年
�マグナ=カルタ
�シモン=ド=モンフォールの議会
�模範議会
(6)ジョン王 �失った領土�破門問題�1215年
�北フランスのノルマンディ公領
�カンタベリー大司教叙任問題
�マグナ=カルタ
(7)マグナ=カルタ �年�意義�内容
�1215年
�法による統治の開始
�課税承認権を国王に認めさせる
(8)シモン=ド=モンフォールの議会 �年�国王�議会勢力
�1265年
�ヘンリー3世
�州騎士代表・都市代表が下院を形成
(9)模範議会 �年�国王�特徴
�1295年
�エドワード1世
�身分制議会の成立
(10)英王エドワード3人 �エドワード1世�エドワード3世�エドワード6世
�模範議会
�百年戦争開始
�一般祈祷書
(11)模範議会の構成員
�諸侯・聖職者代表
�州騎士代表2名ずつ
�都市貴族代表2名ずつ


板書(47)百年戦争とバラ戦争

2012年04月19日 | トリオDE世界史

(1)百年戦争の開始 �英王�仏王家�年
�エドワード3世
�ヴァロア朝
�1338年
(2)百年戦争の原因 �経済面2点�直接的原因
�フランドル地方の領有権問題
�ギエンヌ地方の支配権
�仏王王位継承問題
(3)百年戦争初期 �活躍した英指導者�部隊の特徴�戦い
�エドワード黒太子
�長弓隊
�ポワティエの戦い
(4)百年戦争中の反乱 �イギリス�フランス農民�フランス都市市民
�ワット=タイラーの乱
�ジャックリーの乱
�エチレンヌ・マルセルの乱
(5)ワット=タイラーの乱 �年�精神的指導者�主張
�1381年
�ジョン=ポール
�身分制度の否定
(6)ジャックリーの乱 �年�軍事的指導者�原因
�1358年
�ギヨーム=カイエ
�封建反動に対する抵抗
(7)百年戦争の終結 �仏王�英雄�大商人
�シャルル7世
�ジャンヌ=ダルク
�ジャック=クール
(8)シャルル7世 �ピンチ�即位式の都市�最後に残った英領
�オルレアンの包囲
�ランス
�カレー
(9)バラ戦争 �年�白バラ�赤バラ
�1455~85年
�ヨーク家
�ランカスター家
(10)バラ戦争後 �再統一した国王�王家�貴族の裁判所
�ヘンリー7世
�テューダ朝
�星室庁
(11)星室庁 �場所�設置した国王�強化した国王
�ウェストミンスター宮殿星の間
�ヘンリー7世
�エリザベス1世


板書(45)フランス王権の伸張

2012年04月19日 | トリオDE世界史

(1)カペー朝の王3人
�フィリップ2世
�ルイ9世
�フィリップ4世
(2)中世叙事詩文学3つ
�ローランの歌(カール大帝)
�ニーベルンゲンの歌(ブルグンド族)
�エッダ(北欧)
(3)フィリップ2世 �十字軍�異端遠征�征服地
�第3回十字軍
�アルビジョア十字軍
�英領ノルマンディ公国を征服
(4)アルビジョア派 �影響したアジアの宗教�場所�宗派
�マニ教
�南フランス
�カタリ派の一派
(5)ルイ9世 �十字軍2回�異端征服�派遣した使節
�第6回・第7回十字軍
�アルビジョア十字軍完成
�ルブルック
(6)フィリップ4世 �1302年�1303年�1309年
�三部会開催
�アナーニ事件
�アヴィニヨン捕囚事件
(7)カペー朝断絶 �次のフランス王家�反対した英王�戦争
�ヴァロア朝
�エドワード3世
�英仏百年戦争