花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

東京国立博物館「茶の湯」展サクッと感想(3)

2017-05-05 23:57:32 | 展覧会

茶道を嗜まない私が「茶の湯」のお道具類を観るのが好きなのは、多分、使ったり所有したりする人たちの美意識がそこに見えるからかもしれない。もちろん、今回の展覧会でもわかるように、その「道具」自体のもつ「美」は現代の私たちをも魅了するのだから、その美意識は脈々と現代にも引き継がれているに違いない。 

茶の湯門外漢の見当外れな感想かもしれないが、東山御物に見る美意識は、中国の高度な技術によって作られた端正な造形や希少性にあるように思える。 

《油滴天目》 中国・建窯 1 口 南宋時代・1 2 ~1 3 世紀 大阪市立東洋陶磁美術館

この《油滴天目》は釉薬の垂れたゆがみのある建盞型であるが、口縁の金環の効果が素晴らしい。 油滴のような斑紋が降る濃色に円い金環が華やかに上品にきりりと引き締めるのだ。実に雅で品格のある茶碗である。

東山御物を観ると、高級外国ブランド茶道具を並べて悦に入る足利将軍の姿を想像してしまう。この貴重な高級品をより一層際立たせるための(将軍家のご威光を見せるための)鑑賞法とコーディネート例が『君台観左右帳記』なのだと思うのだ。(美術ド素人の暴言をお許しあれ(^^;;) 

しかし、その後の茶の湯は、個人の美意識そのものを映す道具を「発見」し「創造」して行くように思われる。それが「侘び茶」なのだろうね。

ということで、続きます(^^ゞ