花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

東京国立博物館「茶の湯」展サクッと感想(1)

2017-05-03 23:45:50 | 展覧会

「バベルの塔」展の感想が続いたが、東京国立博物館「茶の湯」展を観た感想もサクッと書いておきたい。

東博が1980年以来だという総力を挙げたこの「茶の湯」展だが、利休の侘び茶に先行する足利将軍家の東山御物から茶の湯の歴史を説いてくれる。故に、オープニングが私的初見の牧谿《観音猿鶴図》だったもので、眼がすっかり喜んでしまった。長谷川等伯も模写している三幅対の実物を漸く観ることができたのだから。

《観音猿鶴図》 牧谿筆 3 幅 南宋時代・1 3 世紀 京都・大徳寺 

しかし、今回、一番感激したのは《青磁下蕪花入》だった!!

《青磁下蕪花入》 中国 1 口 南宋時代・1 3 世紀 東京・アルカンシエール美術財団

私が今まで観てきた砧青磁とは青の色合いが違うのだ。釉薬の中から発光するような清明な天空色は今まで観たことが無い。更に凄かったのは、花入れの口「◎」に薄く湛えられた青磁釉のなんとも言えぬ透明感のある輝き!!空色の滲む水の如し、だと思った。この花入れを観ることができただけでも大満足である。 

もちろん東博が企画するのだから、展覧会の見どころは多過ぎる程にある。しかし、心に染み入る一点があるだけでも幸せ感が味わえるのだよ(^^ゞ