花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ローマ「da Guercino a Caravaggio(グエルチーノからカラヴァッジョ)」展(5)

2014-12-07 23:58:18 | 展覧会
ドメニキーノ(il Domenichino)、本名ドメニコ・ザンピエーリ(Domenico Zampieri, 1581 - 1641)はボローニャのカラッチ派の画家である。身体が小さかったことからドメニキーノと呼ばれた。
私的には結構気に入っている画家だ。ボルゲーゼ美術館《狩りをする女神ディアナ》(1617)など、見応えのある作品を描いている。

さて、今回の展示作品は

・《クーマ(クマエ)の巫女》(1610)ボルゲーゼ美術館(ローマ)

ドメニキーノらしい作品である。レーニよりも愛嬌があって案外好きなのだ(^^ゞ。展示作品ではない巫女のフレスコ画像を見たことがあるが、ミケランジェロのシスティーナ巫女坐像に似ていた(^^;

・《マグダラのマリアの空中浮揚》(1620)エルミタージュ美術館(サントペテルブルグ)

《マグダラのマリアの空中浮揚》は『黄金伝説』に由来するテーマで、プロヴァンスで苦行中に天使の力を借りて浮揚するという神秘体験シーンを描いたもの。以前、拙ブログでボローニャ派の「浮揚」の系譜を探ったことがある。興味のある方はこちらをご参照あれ。

・《川とボートのある風景》(1603-1605)ボローニャ国立絵画館(デニス・マーホン委託)

ボルゲーゼ《狩りをする女神ディアーナ》の風景を想起する。フランドル絵画の光を見る向きもあり、平滑な絵肌からも案外そうかもと思ってしまう。ちなみに、師匠格のアンニバレ・カラッチのドーリア・パンフィーリにある風景画が1603年だから、師匠の影響で風景画に目覚めたのだろうか?ランフランコも《マグダラのマリアの空中浮揚》(カポディモンテ美術館)で鳥瞰図的風景画を描いているし…。