
いつのまにか夜になっていた。
仕事は一段落なんてつかないけれど、でも自転車はとりにいかなくちゃ
車でそっと駅の裏手まで入って、朝停めた自転車置き場に向かう。小走りで行く途中で
知らないおばさんが
あら、なにかしら。こんなところに車が… 出られないじゃない
これ見よがしにひとりごとを・・
その人はきっと、少し奥にある駐車場から車を出す人なんだろう…
その人がこの場に、今度は車で戻ってくるころには絶対ぼくはいないはずなのに…
いやみなおばさんをしり目に、そっと自転車を車に乗せると一目散に去っていく
どうにか巻いて巻いて…さて。暗い道を通って、家に方角に戻る。
さっき乗ってきたわけではない、JRのほうの踏切に引っかかって、遮断機のすぐ手前で頬杖を
ついて、ハンドルのところから通り過ぎる電車を眺めていると、引越してまた流れている自分の
身の上がなんだか、とてもさみしいものにおもえてきた。
ぼくは、思うと思わざるにかかわらず、これからもいろいろ流れ流されて生きていくだろう。
ひとりが好きで、ひとりでいたいって、いつも思う癖にさみしがるのは悪い癖だ。
もう少しいいこともあるかもしれない。さっき通り過ぎた電車に乗る人たちもきっとたくさんHappyと
Luckyを持ち合わせているように。
Shall we dance 大貫妙子
誰とも踊らない夜に。
周防正行はこの主題歌と同タイトルの映画でこうまとめている。
もう一度、人生に恋してみよう。
さて、ぼくにいいことは待っているだろうか。
残業帰りの地下鉄のプラットホーム、遅い時間で人もまばら。
これからどうなっていくのだろうか?すれ違う人はみな、幸せなのだろうか?
あの時、なぜ、この道を選んでしまったのか?あの時のままのほうが幸せだったのでは?この土地でこのまま生きて行くのだろうか?そんな時にドン!とすれ違い様に急ぐ人にあたっていかれ、涙がほとほろと出た事も思い出しました。
色々と違う道を選んだ自分と葛藤しながら帰途についていたのを思い出します。
そして最後にPさんの
「もう一度人生に恋してみよう」という言葉。
今の私にグッと来ました。shall we dance ♪
よいですね~
しますよね。
ましてやひとりだったりすると、その選択が正しかったとすら思えなくて。誰も修正も補強もしてくれないですし
ましてや今回は本当に、自分や家族や…いろんなものに対して敗北感を味わうような気分の引越だったのでよけいにそう感じるのかもしれません。
それでもなにかいいものがあるといいのだけれど…と前を剥くことにしました。今までだってそうしてきたからです