平泉・新潟・佐渡は、未訪地。広島は、「広島平和記念資料館」がリニューアルされる前に一度訪れた。宮島の嚴島神社もほんの数時間だけ立ち寄った。そんな記憶が残る。
いずれの地も行ってみたい。まずは本書で基本的なことを楽しみながら学ぶことに。
「平泉」は2016年12月10日放送、「新潟」は2016年7月30日放送、「佐渡」は2016年9月3日放送、「広島」は2016年9月24日放送、「宮島」は2016年10月1日放送である。
本書の監修はNHK「ブラタモリ」制作班で、2017年9月に出版された。
本書の基本構成コンセプトは繰り返しになるがまずご紹介しておこう。
*ブラタモリの番組放映のテーマについて、番組の流れに沿って論点を説明。
*番組では語り尽くせなかった部分の補足説明(番組出演した研究者等のVOICE)
*番組で採り上げた地域の観光スポットのガイド
*同行アナウンサーの番組裏話 本書は近江有里恵さんのトーク
である。
例によって、本書から私が学んだ要点を覚書としてまとめてみたい。それが本書を開いてみようという誘いになれば幸いである。
<平泉> テーマ「黄金の都・平泉はなぜ栄えた?」
*平泉は平成23年(2011)に世界文化遺産に登録された。:中尊寺・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山の5つで構成される。
中尊寺金色堂の上棟は天治元年(1124)。高欄に象牙を使用⇒海外との交易の証拠
*中尊寺は高さ100m、長さ約1kmの崖の上に建つ。北と南(大和朝廷)との国境のヘリに立地
奥州藤原氏の政治拠点は柳之御所跡:北上川沿いで、水運を利用した南北の交易拠点。
*北上川の東側、北上山地は1~5億年前の古い花崗岩の地層。日本一の砂金の産地だった。
砂鉄川沿いの猊鼻渓は全長2km、高さ50mの岸壁が続く。花崗岩の”ヘリ”。砂金採取
平泉の繁栄は金の産出にある。
*平泉の地層は砂岩層が地表に露出し水が染み込みやすく、斜面のヘリで大量の湧水。
たくさんの涌水地が存在。多くの人々が生活できた。毛越寺の池は湧水による。
*藤原清衡は地元の豪族たちと朝廷側との間で政治的バランス感覚に秀でていた。
中央政界ともつながりを持っていた。京都から優秀な官吏や僧侶を平泉に導入した。
<新潟> テーマ「新潟は”砂”の町?」
*信濃川と阿賀野川の二大大河により形成された「新潟砂丘」から新潟ができた。
砂丘の距離は約70km、最大標高は約50m。海に向かう上り坂、坂の頂上の先に海を展望
*古新潟は信濃川と阿賀野川の河口にあり、水運の拠点で川岸を利用した湊町だった。
その後、大量の土砂の堆積でできた中州に町をそっくり移動させ縦横に堀を巡らせた。
新潟は湊町として再生・発展。西堀・東堀と直交する5本の横堀 ⇒地名に痕跡が残る
*江戸時代中期、北前船が新潟をさらに繁栄させる。湊町の繁栄を物語る花街・古町。
古町にある新潟きっての老舗料亭・鍋茶屋が湊町として賑わった新潟の一端を示す。
*新潟の中心部から10kmほど内陸部は穀倉地帯。事例:亀田郷はもとは水はけの悪い砂丘
新潟の平野部には海岸線とほぼ併行に砂丘が10列ある。水溜まりの象徴が鳥屋野潟。
*現在は親松排水機場という巨大施設が稼働する。巨大排水施設が亀田郷の水はけを解消
<新潟> テーマ「”黄金の島”佐渡は”キセキの島”!?」
*佐渡の北西に位置する相川地区に、佐渡金山のシンボル「道遊の割戸」。佐渡の原点
慶長6(1601)年、本格的に金の採掘開始。山頂から露天掘り。幅約30m、深さ約74mに
この割れ目。上から30mまでは江戸時代の手掘りによるとか。
佐渡金山は1tの石の中に金が平均5gで良質な金鉱脈。通常は2~3gで採算が可。
*事例:江戸初期の坑道の1つ「宗太夫坑」。岩盤の硬さが縦横無尽の坑道掘削を可能に
タガネをはさむ「上田箸」が硬い岩盤を掘る道具に。タガネ1本の持ちはわずか2日!
*江戸時代の坑道の総延長は400kmに及ぶ。地下650mまで堀り進めたという。
*相川地区の吹上海岸から切り出された「球顆流紋岩」(球状の石英の粒が含まれている硬い石)が鉱石を砕く「石麿(いしうす)」に使われた。
*慶長8(1603)年に建てられた「佐渡奉行所(当初代官所)」は、金山開発、政治機能に加え、小判製造も担う。海岸段丘のヘリに立地。城さながらの鉄壁の守りの拠点。
現在、復元公開されている。
*精練技術の進歩で、佐渡で金がもっとも多く再堀されたのは昭和5(1940)年。
年間1537kg。これは江戸初期のピークの約3倍。江戸時代に質の悪い金鉱石が集められ、埋め立てに使われた下戸海岸の金鉱石が、昭和の金精練のソースになったと言う。
海岸段丘斜面を利用した「北沢浮遊選鉱場」跡が残る。当時の最先端工場。
*砂金の発見は1400年代にさかのぼり、1460年代から、島の南西部に位置する西三川砂金山で砂金が産出されていた。島内で確認されている鉱山は40ヶ所以上と言う。
<広島> テーマ「広島は”ス”テキなシティ!?」
*広島は、太田川が造った5つの三角州からできている町。
原爆ドームの南東方向で現在の広島の中心部に位置する「白神社」境内の岩が、この辺りは約600年前、海岸べりだった痕跡を示す。約430年前に広島城の築城が開始され、城下町が整備され始める。
*三角州に坂道がある。干拓堤防が築かれていた痕跡。陸側の海水を排水し、埋め立てて陸地化する。江戸時代を通じて干拓事業が行われた。『広島町新開絵図』(広島市蔵)
*現在の黄金山は、かつては瀬戸内海に浮かぶ仁保島だった。今は陸続きになった。
*広島は遠浅の海の三角州に形成された町で、水運が発達。潮の干満で水位差が大きい。
最大4mの水位差がある。川のあちこちに雁木(≒船着き場)がある。雁木タクシーあり。
平和記念公園周辺の川沿いには雁木がズラリと。かつては「お召し雁木」も存在。
本川と元安川には特に雁木が多い。ここが大量の物資運搬河川となっていた。
*川の分岐点にできた小さな中州(サギ島)が400年以上前の広島の原風景。
*海から約6km離れた川のあたりで汽水域(淡水と海水が混合)に棲息するヤマトシジミがとれる。汽水域は広島の川の広範囲にある。大粒のシジミは意外な名産。
*江戸時代、広島藩の米蔵だった場所に、大正時代に広島県物産陳列館(のちの広島県産業奨励館)が建てられた。そこが、原爆投下により、原爆ドームに。広島の中心部。
*三角州地は地盤が弱く地下鉄に向かない。広島に路面電車が発達した。
福岡、京都、大阪などの路面電車が広島に集結する結果に。昭和の電車も現役!
*太田川の西の分流2川が太田川放水路として整備され広島での洪水の発生がなくなる。
<宮島> テーマ「宮島は”神の島”!?」
*宮島の姿(地形)から人々は「神の島」と感じた。女神の横たわる姿。観音様の寝姿
*島そのものが信仰の対象で、そのために神社が建立された。厳島神社/伊都岐島神社
593年、安芸の豪族・佐伯鞍職(さえきくらもと)の創建。カラスがその場所に導く。
現在の神社の形は、平安時代末期、平清盛の社殿造営による。
*海に浸かり、傷んだ柱は「根継ぎ」の方法で取り替えて、建物の維持を行う。
*高舞台(奥)の手前の平舞台は石柱で板の間に隙間があり、筏状。防波堤の役割。
平舞台は約550㎡の広さ。筏様の床板が波の力を吸収。大風や高波には「非常石」を使用
*宮島の最高峰は弥山。宮島は約8000万年前に地下深くでマグマが冷え固まってできた
島全体が花崗岩。節理に水が浸食し、風化で巨岩が石・土に。花崗岩の性質が決め手
*山地の稜線は北北東~南南西に平行に走る。岩に節理の走る方向も同じ。
*弥山には弘法大師が開いたと伝わる霊火堂(消えずの火)があり、背後に節理露出の巨岩
不動岩、くぐり岩などの場所もある。風化による自然の造形。
*江戸時代から紅葉谷公園周辺は観光名所。紅葉谷川には大きな一枚岩の”なめら石”がある。
天保13(1842)年「藝州嚴島神社紅葉谷納涼」図。
*紅葉谷川には自然景観に配慮した防砂工事が施されている。岩の間をコンクリート固めにし、ゆるやかな段差を設けた。渓岸の縦横浸食の防止を図る。
大凡こんなところか。この知識が現地探訪の写真や地図、軽やかな語り口でエピソードを交えながら、わかりやすく解説されていく。そのプロセスが本書の魅力である。
ご一読いただきありがとうございます。
本書を読み、関心事項をネット検索してみた。一覧にしておきたい。
開山 中尊寺 公式サイト
天台宗別格本山 毛越寺 公式サイト
平泉の文化遺産 ホームページ
新潟県の地形・地盤 :「ジオテック株式会社」
地形の特徴 :「新潟県」
潟の成り立ち :「新潟市潟のデジタル博物館」
新潟地形散歩。川と砂のまち、新潟の水との長い闘い :「LIFULL HOME'S PRESS」
史跡 佐渡金山 ホームページ
佐渡奉行所跡 :「にいがた観光ナビ」
JG HDR 新潟 佐渡金山奉行所跡(史跡) Niigata Sado Goldmine Bugyosho (Samurai office)(Historic Site) YouTube
国際平和拠点ひろしま ホームページ
原爆ドームについて :「広島市」
原爆ドームの基本情報 :「ひろたび」
広島平和記念資料館 ホームページ
国立広島原爆死没者追悼平和記念館 ホームページ
レトロな路面電車が大集合 広島電鉄イベント YouTube
75年、変わる風景 変わらぬ思い 広島「被爆電車」 YouTube
嚴島神社 ホームページ
[美しき日本] 広島 厳島神社 YouTube
[国宝へようこそ] 4K 厳島神社 世にも稀な海上の社 | Itsukushima Shrine in Hiroshima | BS4K8K | NHK YouTube
恋人の聖地「弥山」は絶景の宝庫!地元観光ライターが教えるおすすめの巡り方:「花ぐるたび」
インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。
(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
こちらもお読みいただけるとうれしいです。
『ブラタモリ 1 長崎 金沢 鎌倉』 角川書店
『ブラタモリ 2 富士山 東京駅 真田丸スペシャル 上田・沼田』 角川書店
『ブラタモリ 3 函館 川越 奈良 仙台』 角川書店
『ブラタモリ 4 松江 出雲 軽井沢 博多・福岡』 角川書店
『ブラタモリ 5 札幌 小樽 日光 熱海 小田原』 角川書店
『ブラタモリ 6 松山・道後温泉 沖縄 熊本』 角川書店
『ブラタモリ 7 京都(嵐山・伏見)志摩 伊勢(伊勢神宮・お伊勢参り)』 角川書店
『ブラタモリ 8 横浜 横須賀 会津 会津磐梯山 高尾山』 角川書店
『ブラタモリ 10 富士の樹海 富士山麓 大阪 大坂城 知床』 角川書店
『ブラタモリ 11 成田山 目黒 浦安 水戸 香川(さぬきうどん・こんぴらさん)』 角川書店
『ブラタモリ 13 京都(清水寺・祇園) 黒部ダム 立山』 角川書店
『ブラタモリ 14 箱根 箱根関所 鹿児島 弘前 十和田湖・奥入瀬』 角川書店
『ブラタモリ 15 名古屋 岐阜 彦根』 角川書店
『ブラタモリ 16 富士山・三保松原 高野山 宝塚 有馬温泉』 角川書店
いずれの地も行ってみたい。まずは本書で基本的なことを楽しみながら学ぶことに。
「平泉」は2016年12月10日放送、「新潟」は2016年7月30日放送、「佐渡」は2016年9月3日放送、「広島」は2016年9月24日放送、「宮島」は2016年10月1日放送である。
本書の監修はNHK「ブラタモリ」制作班で、2017年9月に出版された。
本書の基本構成コンセプトは繰り返しになるがまずご紹介しておこう。
*ブラタモリの番組放映のテーマについて、番組の流れに沿って論点を説明。
*番組では語り尽くせなかった部分の補足説明(番組出演した研究者等のVOICE)
*番組で採り上げた地域の観光スポットのガイド
*同行アナウンサーの番組裏話 本書は近江有里恵さんのトーク
である。
例によって、本書から私が学んだ要点を覚書としてまとめてみたい。それが本書を開いてみようという誘いになれば幸いである。
<平泉> テーマ「黄金の都・平泉はなぜ栄えた?」
*平泉は平成23年(2011)に世界文化遺産に登録された。:中尊寺・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山の5つで構成される。
中尊寺金色堂の上棟は天治元年(1124)。高欄に象牙を使用⇒海外との交易の証拠
*中尊寺は高さ100m、長さ約1kmの崖の上に建つ。北と南(大和朝廷)との国境のヘリに立地
奥州藤原氏の政治拠点は柳之御所跡:北上川沿いで、水運を利用した南北の交易拠点。
*北上川の東側、北上山地は1~5億年前の古い花崗岩の地層。日本一の砂金の産地だった。
砂鉄川沿いの猊鼻渓は全長2km、高さ50mの岸壁が続く。花崗岩の”ヘリ”。砂金採取
平泉の繁栄は金の産出にある。
*平泉の地層は砂岩層が地表に露出し水が染み込みやすく、斜面のヘリで大量の湧水。
たくさんの涌水地が存在。多くの人々が生活できた。毛越寺の池は湧水による。
*藤原清衡は地元の豪族たちと朝廷側との間で政治的バランス感覚に秀でていた。
中央政界ともつながりを持っていた。京都から優秀な官吏や僧侶を平泉に導入した。
<新潟> テーマ「新潟は”砂”の町?」
*信濃川と阿賀野川の二大大河により形成された「新潟砂丘」から新潟ができた。
砂丘の距離は約70km、最大標高は約50m。海に向かう上り坂、坂の頂上の先に海を展望
*古新潟は信濃川と阿賀野川の河口にあり、水運の拠点で川岸を利用した湊町だった。
その後、大量の土砂の堆積でできた中州に町をそっくり移動させ縦横に堀を巡らせた。
新潟は湊町として再生・発展。西堀・東堀と直交する5本の横堀 ⇒地名に痕跡が残る
*江戸時代中期、北前船が新潟をさらに繁栄させる。湊町の繁栄を物語る花街・古町。
古町にある新潟きっての老舗料亭・鍋茶屋が湊町として賑わった新潟の一端を示す。
*新潟の中心部から10kmほど内陸部は穀倉地帯。事例:亀田郷はもとは水はけの悪い砂丘
新潟の平野部には海岸線とほぼ併行に砂丘が10列ある。水溜まりの象徴が鳥屋野潟。
*現在は親松排水機場という巨大施設が稼働する。巨大排水施設が亀田郷の水はけを解消
<新潟> テーマ「”黄金の島”佐渡は”キセキの島”!?」
*佐渡の北西に位置する相川地区に、佐渡金山のシンボル「道遊の割戸」。佐渡の原点
慶長6(1601)年、本格的に金の採掘開始。山頂から露天掘り。幅約30m、深さ約74mに
この割れ目。上から30mまでは江戸時代の手掘りによるとか。
佐渡金山は1tの石の中に金が平均5gで良質な金鉱脈。通常は2~3gで採算が可。
*事例:江戸初期の坑道の1つ「宗太夫坑」。岩盤の硬さが縦横無尽の坑道掘削を可能に
タガネをはさむ「上田箸」が硬い岩盤を掘る道具に。タガネ1本の持ちはわずか2日!
*江戸時代の坑道の総延長は400kmに及ぶ。地下650mまで堀り進めたという。
*相川地区の吹上海岸から切り出された「球顆流紋岩」(球状の石英の粒が含まれている硬い石)が鉱石を砕く「石麿(いしうす)」に使われた。
*慶長8(1603)年に建てられた「佐渡奉行所(当初代官所)」は、金山開発、政治機能に加え、小判製造も担う。海岸段丘のヘリに立地。城さながらの鉄壁の守りの拠点。
現在、復元公開されている。
*精練技術の進歩で、佐渡で金がもっとも多く再堀されたのは昭和5(1940)年。
年間1537kg。これは江戸初期のピークの約3倍。江戸時代に質の悪い金鉱石が集められ、埋め立てに使われた下戸海岸の金鉱石が、昭和の金精練のソースになったと言う。
海岸段丘斜面を利用した「北沢浮遊選鉱場」跡が残る。当時の最先端工場。
*砂金の発見は1400年代にさかのぼり、1460年代から、島の南西部に位置する西三川砂金山で砂金が産出されていた。島内で確認されている鉱山は40ヶ所以上と言う。
<広島> テーマ「広島は”ス”テキなシティ!?」
*広島は、太田川が造った5つの三角州からできている町。
原爆ドームの南東方向で現在の広島の中心部に位置する「白神社」境内の岩が、この辺りは約600年前、海岸べりだった痕跡を示す。約430年前に広島城の築城が開始され、城下町が整備され始める。
*三角州に坂道がある。干拓堤防が築かれていた痕跡。陸側の海水を排水し、埋め立てて陸地化する。江戸時代を通じて干拓事業が行われた。『広島町新開絵図』(広島市蔵)
*現在の黄金山は、かつては瀬戸内海に浮かぶ仁保島だった。今は陸続きになった。
*広島は遠浅の海の三角州に形成された町で、水運が発達。潮の干満で水位差が大きい。
最大4mの水位差がある。川のあちこちに雁木(≒船着き場)がある。雁木タクシーあり。
平和記念公園周辺の川沿いには雁木がズラリと。かつては「お召し雁木」も存在。
本川と元安川には特に雁木が多い。ここが大量の物資運搬河川となっていた。
*川の分岐点にできた小さな中州(サギ島)が400年以上前の広島の原風景。
*海から約6km離れた川のあたりで汽水域(淡水と海水が混合)に棲息するヤマトシジミがとれる。汽水域は広島の川の広範囲にある。大粒のシジミは意外な名産。
*江戸時代、広島藩の米蔵だった場所に、大正時代に広島県物産陳列館(のちの広島県産業奨励館)が建てられた。そこが、原爆投下により、原爆ドームに。広島の中心部。
*三角州地は地盤が弱く地下鉄に向かない。広島に路面電車が発達した。
福岡、京都、大阪などの路面電車が広島に集結する結果に。昭和の電車も現役!
*太田川の西の分流2川が太田川放水路として整備され広島での洪水の発生がなくなる。
<宮島> テーマ「宮島は”神の島”!?」
*宮島の姿(地形)から人々は「神の島」と感じた。女神の横たわる姿。観音様の寝姿
*島そのものが信仰の対象で、そのために神社が建立された。厳島神社/伊都岐島神社
593年、安芸の豪族・佐伯鞍職(さえきくらもと)の創建。カラスがその場所に導く。
現在の神社の形は、平安時代末期、平清盛の社殿造営による。
*海に浸かり、傷んだ柱は「根継ぎ」の方法で取り替えて、建物の維持を行う。
*高舞台(奥)の手前の平舞台は石柱で板の間に隙間があり、筏状。防波堤の役割。
平舞台は約550㎡の広さ。筏様の床板が波の力を吸収。大風や高波には「非常石」を使用
*宮島の最高峰は弥山。宮島は約8000万年前に地下深くでマグマが冷え固まってできた
島全体が花崗岩。節理に水が浸食し、風化で巨岩が石・土に。花崗岩の性質が決め手
*山地の稜線は北北東~南南西に平行に走る。岩に節理の走る方向も同じ。
*弥山には弘法大師が開いたと伝わる霊火堂(消えずの火)があり、背後に節理露出の巨岩
不動岩、くぐり岩などの場所もある。風化による自然の造形。
*江戸時代から紅葉谷公園周辺は観光名所。紅葉谷川には大きな一枚岩の”なめら石”がある。
天保13(1842)年「藝州嚴島神社紅葉谷納涼」図。
*紅葉谷川には自然景観に配慮した防砂工事が施されている。岩の間をコンクリート固めにし、ゆるやかな段差を設けた。渓岸の縦横浸食の防止を図る。
大凡こんなところか。この知識が現地探訪の写真や地図、軽やかな語り口でエピソードを交えながら、わかりやすく解説されていく。そのプロセスが本書の魅力である。
ご一読いただきありがとうございます。
本書を読み、関心事項をネット検索してみた。一覧にしておきたい。
開山 中尊寺 公式サイト
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平泉の文化遺産 ホームページ
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地形の特徴 :「新潟県」
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史跡 佐渡金山 ホームページ
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JG HDR 新潟 佐渡金山奉行所跡(史跡) Niigata Sado Goldmine Bugyosho (Samurai office)(Historic Site) YouTube
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原爆ドームの基本情報 :「ひろたび」
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恋人の聖地「弥山」は絶景の宝庫!地元観光ライターが教えるおすすめの巡り方:「花ぐるたび」
インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。
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その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
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『ブラタモリ 1 長崎 金沢 鎌倉』 角川書店
『ブラタモリ 2 富士山 東京駅 真田丸スペシャル 上田・沼田』 角川書店
『ブラタモリ 3 函館 川越 奈良 仙台』 角川書店
『ブラタモリ 4 松江 出雲 軽井沢 博多・福岡』 角川書店
『ブラタモリ 5 札幌 小樽 日光 熱海 小田原』 角川書店
『ブラタモリ 6 松山・道後温泉 沖縄 熊本』 角川書店
『ブラタモリ 7 京都(嵐山・伏見)志摩 伊勢(伊勢神宮・お伊勢参り)』 角川書店
『ブラタモリ 8 横浜 横須賀 会津 会津磐梯山 高尾山』 角川書店
『ブラタモリ 10 富士の樹海 富士山麓 大阪 大坂城 知床』 角川書店
『ブラタモリ 11 成田山 目黒 浦安 水戸 香川(さぬきうどん・こんぴらさん)』 角川書店
『ブラタモリ 13 京都(清水寺・祇園) 黒部ダム 立山』 角川書店
『ブラタモリ 14 箱根 箱根関所 鹿児島 弘前 十和田湖・奥入瀬』 角川書店
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