眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

人魂

2011-12-12 21:42:08 | 忘れものがかり
夜気の降りかかる
階段の途中
昨日と一緒で点滅している
エコ

ガソリンスタンドの天井は
太陽の展示会のように煌びやかに
泣き虫たちを招こうとしている
「あれは人魂ですよ」
ほら
一斉に降りてくる
密閉されたカプセルの中から未練と
光芒を引きずって

わあわあ追ってくる

流れる電車に
救いを求めて手を伸ばす
それはただの電光
野菜と楽曲を切り売りするスーパー

7月荘の中から
出てくるのは冬の人々
間違っているので話しかけられない
父の背中からは子供が
台詞のように突き出している

「こんなところにへその緒を入れたのね」
女が言ったので
途中で歌うのをやめた
タッパーを抱えて立っていた
「やめるから誰も立ち止まらないのよ」

左折した車のあとから
馬が現れて
踏み潰されると身を引くと
それはトランクだった
馬のように力を持ったトランクが
蹄を鳴らして歩く
アーケード

「私が好きなのは、屋根と建物の境界にある隙間なの」

シャボン玉のように上がっていく




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