コーヒーには代わりがないのだろうか。僕は本当にコーヒーが好きなのだろうか。ふとした時に疑問は湧いてくる。2時間持つというコーヒーは何リットルもあるのか? 本当に好きならすぐになくなるのではないだろうか。好きな漫画や小説を一気読みするみたいに止まらなくなるのではないか。本当はそんなにも好きではないのかもしれない。
毎日毎日、好きでもないのにつき合っているのか? だったらあまりに馬鹿らしいから好きである必要があるのではないか。今更嫌いになるわけにはいかない。他に行くところがないではないか。コーヒーとポメラがあれば落ち着ける。落ち着いているのに時間は早くすぎる。時間は不思議だ。
ふとした瞬間など存在するのだろうか。最初から全部組み込まれているということはないか。時々そのように考えることもある。
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「発車まで5分ほどお待ちください」
それでさえただ待つとなると長く感じられる。時間は意識するきつくなることがある。
「まだ15時か」
退勤時間を気にしながら時計を見ているようでは、時はなかなか経たないだろう。
「もう2時か」「もう3時か」
眠れない夜に時計の針だけが進んでいくのも苦しいものだ。
「もう7時か!」
一度も時計を見ずに(意識せずに)一気にまとまった時間を飛び越えるのは、充実している証拠だ。布団の中でそうなったのなら熟睡できたということで、理想的な睡眠と言える。
「塩麹をつけて冷蔵庫で3時間ほど寝かせてください」
3時間?
初めてそれを聞いた時、僕は地球の外に放り出された時のようなめまいを覚えたものだ。3時間は長すぎる。確かに3分と比べればあまりにも長い。だけど、ずっと意識する必要はない。覚えておくことはない。冷蔵庫の前で正座して3時間待ち続けなくてもいいのだ。一旦冷蔵庫に入れたら忘れていればよく、忘れてから思い出せばいいのだ。上手く忘れることができれば、3時間などないに等しいとわかる。
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