街中華が夏休みのためいつものリズムが狂った。肉もやしにしようかと考えていたのだ。鶏肉の黒湖沼炒め、鶏肉の甘酢炒め、鶏肉とカシューナッツ炒め、そうしたものも選べなくなった。代案はうどんの他に浮かばない。冷たいぶっかけを頼んでトレイに天ぷらを載せる。前と全く同じものを選んだのに、値段が微妙に変わっている。量り売りでもないのに。10円単位で突き詰めるのも面倒だ。平日と週末で料金が変わるシステムか、あるいは時々サービスデーみたいなものがあって、その時に限って安くなるのかもしれない。
手際よくさばいたレシートが勢い余ってかしわの上に落ちた。店員は大層慌てたような様子だ。
「天ぷらを取り替えましょうか?」
もはやレシートを被った天ぷらなど廃棄するような勢いだ。
「大丈夫です」
僕も慌て気味に答えた。
まさか、絶対、いずれも……。
レシートをポケットに引き取ると逃げるようにその場を離れた。
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