眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

友情猫出演(猫大接近)

2020-11-28 21:19:00 | ナノノベル
 偶然を装った猫が通ることによって、話のきっかけとなる。予定時刻ちょうどに、猫が通りすぎた。
「この辺りは猫が多いみたいですね」
「そうなんですね」
「……」

チャカチャンチャンチャン♪

 猫がまた戻ってきた。

「やっぱり多いですね」
「ほんとですね」
「何か探してるんですかね?」
「そうかもしれませんね」
「……」

チャカチャンチャンチャン♪

 猫がまた戻ってきた。
 一瞬立ち止まり、通り過ぎた。

「またきた」
「よくきますね」
「犬派と猫派どっちですか」
「どちらかと言うと犬ですね」
「犬もいいですよね」
「かわいいですよね」
「……」

チャカチャンチャンチャン♪

 猫がまた戻ってきた。

「猫か」
「……」
「猫は水が苦手みたいですね」
「どうしてでしょうか」
「どうしてですかね」
「……」

チャカチャンチャンチャン♪

 猫がまた戻ってきた。

「猫多いですね」
「同じ猫じゃないですか」
「同じか……」
「……」

チャカチャンチャンチャン♪

 猫が雨の中を戻ってきた。
 足を止めじっとこちらをみつめている。
 しばらくそのまま目を逸らさない。
 そのまま向きを変えず店の中に入ってきた。
 受付の前で足を止め、尾を立てた。
 作戦には含まれない行動だ。

「お腹空いてるのかな?」
「でしょうか」
「……」


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