眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

「ウ冠たくさん書いていらっしゃる暇でござるかtalk with me」感想文

2019-10-03 11:22:00 | 【創作note】
 目の前にいるのはひたすらウ冠ばかりを書く人だ。
 見れば見るほどウ冠。
 ノート一面を埋め尽くすウ冠は、見方を変えればスーパーの駐車場にも見える。瞬きをして見方が変われば、ローカル線の車窓から見える墓地のようにも思えた。けれども、それはみんな錯覚だ。
 指先を注視し書き順を追う内に、そこにあるのはただ多くのウ冠だということがわかる。

 ウ冠の周りに見えるのは考えられるばかりの謎だ。

 先にあるテストに備えて彼女はウ冠を書くのだろうか。
 呪術の一環としてウ冠を並べるのだろうか。
 寝ても覚めてもいつもウ冠と共にある。そのような人物なのだろうか。その先に見えるのは何だろうか。

 その手が生み出すウ冠は遙か宇宙の誕生へとつながっている。

 もしもそれが本当なら、彼女は時を持て余しているのではなく、惜しんでいるのだ。
 意を決して彼は彼女に話を持ちかける。
 果たして彼女は手を止めてくれたのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする