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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

内なる世界

2012-09-17 10:07:54 | 日記
 火星表面では今、地球から送り込まれたロボットが一人デコボコ道を乗り越えて前進を続けている。月表面では残念ながら現在活動中の地球由来のマシンは存在しない、はずだ。今後火星に乗り込んで大規模なコロニーを造るにしても、まず月をベースキャンプとして利用するのが妥当だろう。順序は逆になることも考えられるが地球を周回する大型の宇宙ステーションも中継地として建設が待たれる。もちろん、火星軌道上にも同様のステーションを持ち込むことになるだろう。火星でのコロニー開発にめどがつけば、小惑星帯周辺の探査と開発が進むに違いない。
 
 これまでは何年もかけて高度に訓練を積んだエリートだけが宇宙に登り、丸い地球を外から眺めることができた。どんな人でも安全に簡単に月や火星に行って生活したり仕事をしたりできるテクノロジーが一般的になるまで、私は生きていることができるだろうか。
 
 太陽系内部の惑星や衛星、小惑星などをひと通り探査し資源開発などをし尽くす頃、また次のテクノロジーが生まれて、われわれ人類は太陽系外の別の恒星系を目指すだろう。2009年に公開されて大人気となったアバターという映画は、そんな未来のひとコマを描いた物語だった。
 
 ヒトの「内と外」の意識は教育により作られるものだが、教育はそこに生きる人々の歴史と時代の空気を反映したものであって、未来の空気を反映したものではない。

 16世紀のことであるから今から4~5百年も前の話になるが、当時の甲斐の国、今の長野県にあった川中島を挟んで行われた武田家と上杉家の壮絶な領土争いは有名な話だ。当時の人々にとって「内」は「家」そのもの。自分が所属する武田家の領地「甲斐」や上杉家の領地「越後」が「内」で、それ以外はみな「外」だった。当然、代々の教育がそうであったのだろう。彼らは「内」を守るために戦い血を流した。山梨県と長野県の県境争い戦争のようなものだ。現代のわれわれが持つ「内」の感覚とは大きくかけ離れている。当時の最速移動テクノロジーは馬であった。人の意識にある「内」の世界を押し広げるには、馬を超える別の何かを待たなければならなかったのだろう。
 
 内燃機関の発明により大型の船が建造され汽車が生まれ自動車が生まれた。そして飛行機が生まれた。発明されたテクノロジーが一般に広く行き渡ることによって、人々の、”自分が所属する「内」と内を取り巻く「外」の世界”に関する意識や認識が大きく変わった。「内」が大きく広がったのだ。そのおかげで大規模な戦争が起き、大勢の人が亡くなったのは事実だ。しかし、広がった「内」を持つ目で冷静に「外」の世界を観察する力も向上した。われわれの住む世界が宇宙の中のちっぽけな存在であることを知り、地球に生きる生命がかけがえの無いものであることを知った。さらに次に進むために、もっと進化したテクノロジーが一般化する必要があるだろう。

 誰もがあたりまえに、真っ暗な宇宙の中で青く輝く地球を遥かに眺めることができる日がくれば、人の「内」の意識は、もはや地球どころか太陽系になっているかもしれない。また、もしかすると、他の生命が存在しないことを知った孤独感から命あるもの全てに強い共感を持った従来に無い「内」の意識を持つようになることも考えられる。
 
 いずれにしても、星系を移動するテクノロジーを持つ頃には映画アバターに登場した地球人たちのような過去の地球にあった狭い「内」の感覚を持った地球人はおそらく存在しないだろう。期待を込めてそう思う。
 
 わが社は新しいテクノロジーを生み出し、推し進める仕事の一端を担っている。未来を生み出す仕事である。少しでも内なる世界を押し広げる役に立ちたいと思っている。(三)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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