映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『失われた肌』

2010年09月29日 | Weblog
ふつう

ヘクトール・バベンコ 監督
ガエル・ガルシア・ベルナル、アナリア・コウセイロ、アナ・セレンターノ、モロ・アンギレリ、マルタ・ルボス 出演

翻訳家のリミニとその妻ソフィアは幼なじみで若くして結婚したカップル。しかし12年の結婚生活は突然の終わりを迎える。離婚したリミニは寂しさを埋め合わせるように何人もの女性と肌を重ねていく。一方、ソフィアはリミニに対し異常な執着を見せはじめ、次第に常軌を逸した行動でリミニの新生活を破壊するようになるが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333064



話がわからないしつまらない。

狂気の愛を強調するのならば、誘拐→殺人とエスカレートさせるべきだし、マルタ・ルボス演じるフリーダが鍵を握っているのならば(そのようにも見えるのだ)、それをわかりやすく説明すべきだ。

12年の結婚生活の破局ぐらい実社会でゴロゴロしていて、もうちょっと状況説明をうまくしないと話にのめりこむことができない。

『大陸横断超特急』

2010年09月26日 | Weblog
よい

アーサー・ヒラー 監督
ジーン・ワイルダー、ジル・クレイバーグ、リチャード・プライアー、パトリック・マクグーハン、ネッド・ビーティ、リチャード・キール、レイ・ウォルストン、クリフトン・ジェームズ 出演

ロスからシカゴに向かう大陸横断超特急シルバーストリーク号を舞台に、殺人事件に遭遇した事から、組織の大掛かりな陰謀に巻き込まれた主人公の冒険を描いた痛快娯楽作。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=13936#1



テレビで何回か観たことがあるが、DVDでは初めて観た。
日本語音声で観た。主演のジーン・ワイルダーの声が広川太一郎だからだ(笑)。

コメディメインだと思うが、観る人が決めればいい。

同じ列車から3回落ちる主人公というのも珍しいが、その落ちてから列車にもどるまでが圧倒的におもしろい。

ピロートークのかみ合わない会話、牧場でのかみ合わない会話、保安官とのかみ合わない会話、会話のシーンがすばらしい。

『地球爆破作戦』

2010年09月26日 | Weblog
よい

ジョセフ・サージェント 監督
エリック・ブレーデン、スーザン・クラーク、ゴードン・ピンセント、ウィリアム・シャラート、レオニード・ロストフ、ジョーグ・スタンフォード・ブラウン、ウィラード・セイジ 出演

米政府の援助で開発された巨大コンピュータ・コロッサスが自我を持ち始めた。制御を図る設計者フォービン博士をよそに、コロッサスはソ連の同型コンピュータとのリンクを要請すべく合衆国脅迫の手段に出た……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=14477#1



自己修復・自己発展型の防衛コンピュータが人間を服従させようとするシリアスSF。

2010年でもパソコンは故障が多いのだが、コロッサスは完全無敵なのだろう。

最近の作品ならば、どこかコンピュータの盲点をついてどうにかこうにか破壊してハッピーエンド……となるはずだが、本作は徹底している。そこがおもしろいところだ。

『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』

2010年09月20日 | Weblog
ふつう

ウェイン・クラマー 監督・脚本
ハリソン・フォード、レイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッド、ジム・スタージェス、クリフ・カーティス、サマー・ビシル、アリシー・ブラガ、アリス・イヴ、メロディ・カザエ、ジャスティン・チョン、メリク・タドロス 出演

9.11テロ以降ますます複雑化・深刻化しているアメリカの不法移民問題をハリソン・フォード主演で描く社会派群像ドラマ。I.C.E.(移民税関捜査局)捜査官の主人公が職務と良心のはざまで苦悩を深めていく姿を通して、不法移民たちの置かれた過酷な現状と移住をめぐる様々な問題をリアルに描き出す。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333888#1



浅薄!

こういう題材が深刻でもドラマがチープな作品だとシラけてしまう。

エンディングをまるくおさめようとするアメリカナイズの特徴がよく出た作品。主人公を徹底的に善人にしたのも失敗だ。

不法越境者たちの悲劇と不理解を描いているが、シナリオの都合がよすぎる。

オープニングがかっちょいい。

『恋するポルノ・グラフィティ』

2010年09月20日 | Weblog
よい

ケヴィン・スミス 監督・脚本
セス・ローゲン、エリザベス・バンクス、クレイグ・ロビンソン、ジェイソン・ミューズ、トレイシー・ローズ、ジェフ・アンダーソン、ブランドン・ラウス、ジャスティン・ロング、リッキー・メイブ、ケイティ・モーガン 出演

家賃を滞納していたせいで、ついに電気や水道を止められたザックとミリ。金策に困り果てる2人だったが、あのブランドンがゲイポルノ俳優として稼いでいることを思い出したザックは、自分たちもポルノ映画を撮って一儲けしようと提案。そしてスタッフを集め、パロディ・ポルノ映画の撮影を開始する。しかし、台本にはザックとミリのセックスシーンがあるため、2人は互いを意識し始めてしまう……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336319



さまざまなダメ人間、オタク、ナード、モラトリアム人間を描いてきたケヴィン・スミスの作品。今回はビデオスルーとなってしまったようだ。

これまでのケヴィン・スミス作品と比べると話をシンプルにしてオタク色を薄めた代わりに一般性が増し、誰にでもとっつきやすい内容になっている。

極論すると会話が足りないバカップル物語になってしまうのだが(笑)、理解してくれる友人のいる快適さをときにシモネタをいれながら観るのも悪くはない。

ケヴィン・スミスにはもっとガンガン作品を撮ってほしいなぁ。

『ゴシップ・カフェ』

2010年09月20日 | Weblog
よい

ジョン・コスグローヴ 監督
ミーナ・スヴァーリ、ブレッキン・メイヤー、マーシャ・トマソン、マーク・ペルグリノ、カラム・ブルー、キャサリン・ハイグル、ダズ・クロウフォード、アンドリュー・リー=ポッツ、マイク・ヴォーゲル 出演

ロンドンのコーヒーハウス「ブラックキャット・カフェ」では、今日も多彩な人間模様が繰り広げられていた。誰もが人には言えない秘密の性癖をもっているものだが、それが相手にバレてしまったカップルたちが、なぜか、街の片隅のこのカフェに大集合!彼女が元ポルノ女優と知り絶句する青年や、女装趣味の男と結婚してしまったマジメ一直線の女弁護士、当の店長もシェフである彼氏の浮気に我慢限界・・・。ひと癖もふた癖ある人々による、おバカ群像撃の決定版!

ストーリーはワーナー・ホーム・ビデオより
http://www.whv.jp/database/database.cgi?cmd=dp&num=9839


このアップの多用はテレビムービーだと思うのだが、フィルムフェスティバルで上映されたのが最初のようで、よくわからない。

まとまりがないのとシモネタが多いのがちょっとマイナスだが、基本的に楽しいコメディ。

別の職場に応募している責任者と浮気がばれたその恋人や、ボケかけたおばあちゃんを連れてきたり、まじめだがぐちっぽいゲイ、出版直前で仕事が手につかない小説家志望などとんでもないスタッフたちに加え、客もこれまた変なのばっかで騒動を起こしまくる。

『SR サイタマノラッパー』

2010年09月13日 | Weblog
よい

入江悠 監督・脚本
駒木根隆介、みひろ、水澤紳吾、奥野瑛太、杉山彦々、益成竜也、上鈴木伯周 出演

レコード屋もライブハウスもないサイタマ県北部のフクヤ市。地元のニート青年IKKUの夢はいつか世界的なラッパーになること。仲間のTOM、 MIGHTYたちとヒップホップ・グループ“SHO-GUNG”としてライブを実現しようと奮闘中。しかし、TOMもMIGHTYもそれぞれおっぱいパブのバイトや実家のブロッコリー作りに忙しく、IKKUとの温度差は広がるばかり。そんなある日、IKKUは高校の同級生千夏と偶然再会する。東京でAVアイドルとして活躍し、地元に帰ってきたばかりの千夏。そんな彼女に自分の夢を鼻であしらわれてしまうIKKUだったが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333026#1



埼玉じゃないから、サイタマだから。深谷(ふかや)じゃなくて、フクヤだから。

むかし根岸吉太郎が『遠雷』で描いた栃木県を彷彿させる作品。

80分の中で、とりえのない街の鬱屈した気分とヘタレキャラの主人公が徐々に前向きになるのがいい。

竹田先輩役の上鈴木伯周が存在感がある。

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』

2010年09月13日 | Weblog
ふつう

ニールス・アルデン・オプレヴ 監督
ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、スヴェン=ベルティル・タウベ、イングヴァル・ヒルドヴァル、レナ・エンドレ、ステファン・サウク、ビヨルン・グラナート、ペーター・ハーバー、エヴァ・フレーリング 出演

40年前、ストックホルムの孤島で忽然と姿を消したひとりの少女。彼女の血縁である大企業グループ重鎮が捜索を依頼したのは、名誉毀損で有罪判決を受けたジャーナリストのミカエルだった。彼は、背中にドラゴンのタトゥーを入れた女性調査員リスベットの協力を得て、事件の裏に潜む忌まわしい真実を暴き出していく……。

ストーリーはアマゾンより
http://amzn.to/9MfSge



ミステリーというのは探偵役(本作では雑誌記者)と同じ情報を与えられて、最後にそれらを組み立てて犯人を探し出すという基本構造がある。
そしてミステリーのおもしろさは①その情報の組み立て方や②犯罪トリックのオリジナリティ、③登場人物たちの性格などで構成されるべきだ思うのだが、本作において①と②のおもしろさはほとんどない。
③に関してもドラゴン・タトゥーの女だけキャラクターづけがされていて、ほかの登場人物たちはたいしたことはない。

おそらくこの監督の映画の叙述方法が間違いなのだ。
犯人がわかったあとでうだうだと30分も続けたりするのもその証左である。無駄に長すぎる。

ブルーのセーターを着た男が怪しいと思ったら警察にもその情報を渡すか、家族会議で見せれば片がつくだろうが! 

『レポゼッション・メン』

2010年09月11日 | Weblog
ふつう

ミゲル・サポチニク 監督
ジュード・ロウ、フォレスト・ウィッテカー、リーヴ・シュレイバー、アリシー・ブラガ、カリス・ファン・ハウテン、チャンドラー・カンタベリー 出演

人工臓器の進歩で延命が可能となった近未来。しかし、人工臓器は高額なため、人々は製造元のユニオン社が用意する高利のローンを組まなければならなかった。そしてひとたび滞納すれば、ユニオン社が送り込む回収人“レポメン”によって、否応なしに人工臓器を回収される非情な現実が待っていた。レミーとその相棒ジェイクは、そんなユニオン社の中でも指折りのレポメン。しかしレミーは、この仕事に批判的な妻の希望を聞き入れ、足を洗うことに。ところが最後の仕事に向かった彼は、回収の最中にアクシデントに見舞われ気絶してしまう。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336631#1



一定以上のデキはクリアしているし、わたしの好みなのだが……。

SFでシニカルであのエンデイングとなると、どうしても『未来世紀ブラジル』を想起してしまう。
似ていてもいいのだが、あの完璧な世界観・美術・絶望感と比べてしまうとどうしても見劣りしてしまうのだ……。

肉体的なアクションで差別化できるはずなのだが、それも悪くはないが成功とまではいいきれない。



わたしの『未来世紀ブラジル』の記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/c49ab6943a809b10188981e267e283cf

『ブラザーズ・ブルーム』

2010年09月04日 | Weblog
よい

ライアン・ジョンソン 監督・脚本
レイチェル・ワイズ、エイドリアン・ブロディ、マーク・ラファロ、菊地凛子、ロビー・コルトレーン、マクシミリアン・シェル 出演

子どもの頃から詐欺を繰り返してきた兄弟、ブルームとスティーブン。そんな2人に、現在はバンバンというちょっと不思議な日本人女性も加わっていた。ところが、弟のブルームは足を洗うことを決意、モンテネグロで静かな生活を送ることに。しかし、兄のスティーブンにあっけなく見つかり、これが最後と、大きな仕事を持ちかけられる。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=335966



コン・ゲーム(詐欺師)映画だと思うとふつう以下のデキなのだが、この雰囲気とリズムはかなりよく、コメディ青春映画だと考えれば良作だ。

日本では劇場未公開でTSUTAYA限定レンタルというのは、この作品のデキと比して不幸だと思う。

幼少時代を含め前半のノリが最高で、このままの調子で最後まで進んでくれれば傑作になっただろうに、マクシミリアン・シェル演じるダイアモンド・ドッグが出てきたあたりから様子がおかしくなる。かといって、マクシミリアン・シェルが悪いのではなく、脚本か編集がうまくいっていないのだと思う。
最後のエピソードも不自然で、なぜ彼が絡むようなトリックにしたのか納得しにくい。

菊地凛子の必要性はあまり感じなかったが、がんばっていたし立派なアクセントにはなっていた。

『ホワイトアウト』

2010年09月04日 | Weblog
ふつう

ドミニク・セナ 監督
ケイト・ベッキンセイル、ガブリエル・マクト、コロンバス・ショート、トム・スケリット、アレックス・オロックリン、ショーン・ドイル 出演

アメリカの南極観測所“アムンゼン・スコット基地”。キャリー・ステッコは、この極寒の地で働く唯一の連邦保安官。事件など起こりようもなく、せいぜいが雑用ばかりの退屈な日々を送っていた。ところが、冬を控え、あとは数日後に迫った最終便で帰国の途に着くだけと思っていた矢先、他殺体の発見という驚くべき事件に遭遇する。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334827



冒頭ちょっとしたスペクタクルがある。そして次にケイト・ベッキンセイルのシャワーシーン。この監督は映画の見せ方がわかっている! と思ったら……。

ミステリー・サスペンスの見せ方がわかっていないようなのだ(笑)。
ミステリーなら最後の謎解きでなるほど~と観客を納得・満足させ、サスペンスなら結末がどうなるのかでやはり満足させなければならない。

この作品を見終わったあとのわたしの感想は、「ぬるいわ!」であった(笑)。

特にあの暴力的なやつの正体とラスト(笑)。つまり、ミステリー要素は壊滅的に悪いのだ。なにせ登場人物が少なすぎて、ミステリー好きの人には犯人が限定されやすいのも難ありだ。

それと、南極の状況、基地と基地との関係がとんなものなのかもわからないので、そのへんの説明も不足している。

ケイト・ベッキンセイルがボストーク基地で襲われるが、犯人がわかったあとでそのシーンを見直すとどうしてそれが可能なのかもわからない。

『魔法使いの弟子』

2010年09月03日 | Weblog
よい

ジョン・タートルトーブ 監督
ニコラス・ケイジ、ジェイ・バルシェル、アルフレッド・モリナ、テリーサ・パーマー、モニカ・ベルッチ、トビー・ケベル 出演

太古より人間の知らないところで魔法使い同士の戦いが繰り広げられていた。今は亡き善なる魔法使いマーリンの弟子バルサザールは、恋人の魔法使いヴェロニカの犠牲により、1000年以上に渡りどうにか幽閉している邪悪な魔法使い“モルガナ”にとどめを刺し、戦いを終わらせることができるマーリンの後継者となる“選ばれし者”を探していた。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=335983#1



もっとおもしろくも、もっと激しくも、もっと悲惨にも、もっと深い話にもできた素材をとてもバランスよくまとめた作品。

コメディ要素は多くてもちろん楽しいのだが、後半がいそぎすぎてあっさりなりすぎた感がある。

ドレーク・ストーン役のトビー・ケベルがなかなかの悪趣味でよかったのだが(笑)、やはり後半になるとあっさりしていた。