映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『エリジウム』

2013年09月25日 | Weblog
ふつう

ニール・ブロムカンプ 監督・脚本
マット・デイモン、ジョディ・フォスター、シャールト・コプリー、アリシー・ブラガ、ディエゴ・ルナ、ワグネル・モウラ、ウィリアム・フィクトナー、ファラン・タヒール 出演

2154年。人口増加と環境破壊で荒廃が進む地球。その一方、一握りの富裕層だけは、400キロ上空に浮かぶスペース・コロニー“エリジウム”で何不自由ない暮らしを送っていた。そこには、どんな病気も一瞬で完治する特殊な医療ポッドがあり、美しく健康な人生を謳歌することが出来た。そんなエリジウムを頭上に臨みながら地上で暮らす男マックスは、ロボットの組み立て工場で過酷な労働に従事していた。ある時彼は、工場で事故に遭い、余命5日と宣告されてしまう。生き延びるためにはエリジウムで治療する以外に道はない。そこでマックスはレジスタンス組織と接触し、決死の覚悟でエリジウムへの潜入を図る。ところが、そんな彼の前に、一切の密入国を冷酷非情に取り締まる女防衛長官デラコートが立ちはだかる。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=345620





映画館で観た。

ニール・ブロムカンプ監督の前作『第9地区』が社会派SFコメディアクションだったのに対して、本作ではコメディ要素がほとんどない。ほとんどなくてもよいのだが、だからといって面白みまで少なくなってしまってはやはり減点対象になってしまうのだ。

あんな立派な警察ロボットやセキュリティロボットがいるのなら、主人公のやっていた仕事をどうしてロボットにやらせないのだ? 生産効率は気にしているのに。
世界観を観客に納得させるまでの力がない。

また貧富のふたつの世界の描きこみも不足していて、真に迫った物語になっていない。

どっちも好きだが、ジョディ・フォスターがあっさりしすぎ(笑)で、シャールト・コプリー(『第9地区』の主人公)を重用しすぎだ!

人間の脳内記録を人間に写すことの意味もよくわからない。結局PCで使ってたし。オチのためのギミックか? 映画『J.M』の影響か?

『アメリカン・プリズン』

2013年09月22日 | Weblog
よい

ジェイソン・アダムス 監督
エド・ハリス, ブライアン・プレスリー, タラジ・P・ヘンソン, エイミー・マディガン 出演

息子・チャンスの親友の父親を殺害し、20年間服役しているリアムは、刑務所でボスの座に君臨していた。別の刑務所で服役していたチャンスは出所し、平穏な生活を誓うが……。
ストーリーはアマゾンより
http://amzn.to/18hMDQd





原題は「ONCE FALLEN」。アメリカの刑務所というのはあまりいいタイトルではない。

エド・ハリスいい!

様々な問題を含めすぎて未消化な部分もあるが、おもしろい。

親子、貧富、男女、セックス、人種、DVなどの問題が扱われている。

賭けファイトのところはちょっと余計かも。

隠し場所に気づく展開がアマい。

『新・三バカ大将 ザ・ムービー』

2013年09月21日 | Weblog
わるい

ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー 監督
ショーン・ヘイズ、ウィル・サッソー、クリス・ディアマントポロス、ラリー・デヴィッド、ジェーン・リンチ、ソフィア・べルガラ、ジェニファー・ハドソン、クレイグ・ビアーコ 出演

両親に置き去りにされ孤児院で育った三人の兄弟ラリー、カーリー、モー。院長やシスターたちは彼らを引き取り優しく育てるが、里親が見つからない三人はやんちゃなまま中年になり、まだ孤児院で暮らしている。財政難を抱える孤児院が取り壊されるかもしれないと聞いた三人は、83万ドルにのぼる債務を返済するため町へ出るのだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=344587#1





これが本当にコメディで有名なファレリー兄弟の作品なのかと疑いたくなるくらいデキがわるい。
わたしが素直に笑えたのはシャケ農場のシーンくらいで、あとはほんとにおもしろくない。

いついつまでにお金を用意しないと孤児院が閉鎖されてしまう、というのは『ブルース・ブラザース』と同じ設定であり割とよくありそうだが、問題はそれをどうやってエンディングまでコメディとして成立させていくのかの部分が失敗している。よほど製作過程に問題があったのではないだろうか。

『ル・アーヴルの靴みがき』

2013年09月21日 | Weblog
よい

アキ・カウリスマキ 監督・脚本・製作
アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル、エリナ・サロ、イヴリーヌ・ディディ 出演

北フランスの港町ル・アーヴル。かつてパリでボヘミアン生活を送っていたマルセル。今はここル・アーヴルで靴みがきの仕事をしながら、愛する妻アルレッティとつましくも満たされた日々を送っていた。しかしある日、アルレッティが倒れて入院してしまう。やがて医者から余命宣告を受けたアルレッティだったが、そのことをマルセルには隠し通す。そんな中、マルセルはアフリカからの密航者で警察に追われる少年イドリッサと出会い、彼をかくまうことに。そして、母がいるロンドンに行きたいという彼の願いを叶えてあげるべく、近所の仲間たちの協力を得ながら密航費の工面に奔走するマルセルだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341933





厳しい現実なんだ。少々あまくても、それが上質なデキならば大目に見よう。

話の題材は現実の問題から。しかしそこから声高に解決策を主張するようなおもしろくない映画にするのではなく、カウリスマキ独自の優しいタッチとユーモアで観客の心までもやわらかくしてくれる。

演技のかたさ・ぎこちなさが目立つところもあるが、それは監督の指示だとメーキングにあった。

『ヘンゼル&グレーテル』

2013年09月21日 | Weblog
ふつう

トミー・ウィルコラ 監督・脚本
ジェレミー・レナー、ジェマ・アータートン、ファムケ・ヤンセン、ピヒラ・ヴィータラ、ピーター・ストーメア 出演

両親に捨てられ、森の奥深くの“お菓子の家”に迷い込んだヘンゼルとグレーテル。そこに住む魔女に捕えられたふたりは、すきを見て魔女をかまどに突き落として生還する。―15年後、大人になった兄妹は魔女ハンターとして賞金稼ぎの日々を送っていた。ある日、子供の誘拐が多発する村から事件の解決を依頼され、黒魔女ミュリエルを追うことになるが、魔女は彼らの出生の秘密を握っていて……。
ストーリーは公式サイトより
http://dvd.paramount.jp/h_g/





武器がいいだけで主人公たちは弱そう(笑)。

88分という短さは評価できるが、ありきたりの展開とあと出し設定で誰にも文句をいわせない(いうけど)やりかたはあまりおもしろくない。

そして、どうせあと出し設定であれば、エドワードは主人公たちのお父さんでもよかったんじゃないか。

『サイド・エフェクト』

2013年09月11日 | Weblog
よい

スティーヴン・ソダーバーグ 監督
ジュード・ロウ、ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタム、アン・ダウド、ヴィネッサ・ショウ 出演

インサイダー取引の罪を犯した最愛の夫マーティンの収監に心を痛めた若妻エミリー。うつ病に苦しめられた末、ようやくマーティンが出所した矢先に自殺未遂を起こして入院する事態に。そんなエミリーの担当となった精神科医のバンクスは、彼女に新薬を処方し、症状の改善を図る。ところが新薬の副作用で夢遊病を発症したエミリーは、ある時ついに夢遊病の状態で夫を刺殺してしまう。担当医のバンクスは薬を処方した責任を追及され、窮地に追い込まれるが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346151





映画館で観た。

いちど観ただけなので自信がないが、これ患者(ルーニー・マーラ)が飲んだとされる薬は新薬か? 

患者に医者の居場所がなぜわかったのかがわからなかったが、あとは納得できた。基本は1トリックにめくらましがたくさん仕込んであるサスペンス。ミステリーではない。よって、謎解きを楽しみたい人には不向きかもしれない。

「サイド・エフェクト」は「副作用」という意味。むかしウディ・アレンの作品集に『ぼくの副作用』というのがあった。

『マン・オブ・スティール』

2013年09月08日 | Weblog
ふつう

ザック・スナイダー 監督
ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン、アンチュ・トラウェ、アイェレット・ゾラー、クリストファー・メローニ、ラッセル・クロウ、ハリー・J・レニックス、リチャード・シフ 出演

クリプトン星で生まれたその赤ん坊は、滅亡を悟った父に最後の希望を託され、地球へと送られた。地球にたどり着いた彼は、ジョナサンとマーサの夫婦に拾われ、クラーク・ケントとして育てられる。次第に超人的な能力に目覚めていく少年時代、養父からはその能力を使うことを固く禁じられていた。周囲との違いに孤独と葛藤を抱えながら青年へと成長したクラークは、やがて自分探しの旅に出て、自らの使命を確信する。そんなある日、クリプトン星の生き残り、ゾッド将軍がクラークの存在に気づき、彼を追って地球へと襲来する。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=343546





映画館で2D字幕版で観た。

キャラクターに魅力がない。あるとすれば、ローレンス・フィッシュバーンとリチャード・シフくらい。

脚本が雑。これに関してはあとでネタバレして書く。

ケヴィン・コスナーが死んだのは災害が原因ではなく、あんなタイミングであんなことを言ったダイアン・レインのせいなのに誰もそれに気づかない。ほんとうにスーパーな能力があるのなら人に気づかれずにさっさと助けんかい!

本作は『スーパーマン II/冒険篇』のリメイクだといえるが、オリジナルを劣化させたものとしか思えない。あちらは見事にキャラが立っていたのに……。それとそこそこ成功していたと思われる、『スーパーマン リターンズ』の立ち位置がおかしくなってしまう。本作の制作が時期尚早なのだ。

アメリカ人には周知の事なのかもしれないが、主人公は平気で地球で成長したのに、ほかのクリプトン星人たちが地球の大気で苦しむのがわからない。

なんでもかんでも目から光線出してカタをつけるな!

新しいことをやろうとする意欲だけが暴走した失敗作かもしれない。

以下ネタバレ







アレとアレをぶつけたら特異点がうまれてファントムゾーンになる! ……まったく説得力がない。これを納得させるためにはラッセル・クロウにそれっぽい説明をさせなければならないのだが、それもかなり不足している。そしてそのことを聞いたエイミー・アダムス、伝えるタイミングが違うだろうが!
できたらできたで、クリプトン星人達だけを吸い込んでしかも主人公とゾッド将軍だけは吸い込まない。あの鍵がしばらく動かなかったのは無理やり盛り上げようとするためのダメイベントだ。

『ホワイトハウス・ダウン』

2013年09月06日 | Weblog
よい

ローランド・エメリッヒ 監督
チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、マギー・ギレンホール、ジェイソン・クラーク、リチャード・ジェンキンス、ジョーイ・キング、ジェームズ・ウッズ 出演

議会警察官のジョン・ケイルは、娘エミリーが憧れるジェームズ・ソイヤー大統領のシークレットサービスになるべく面接に臨むも不採用に。しかしエミリーの悲しむ顔を見たくないケイルは、一緒にホワイトハウスの見学ツアーに参加する。ところがその時、突然の大爆発とともに謎の武装集団が乱入し、ホワイトハウスを占拠するのだった。この大混乱の中でエミリーと離ればなれとなってしまったケイル。娘を助け出したい一心の彼は、やがてソイヤー大統領の窮地を救うと、2人で協力しながらテロリストたちに立ち向かっていくのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=345554#1





映画館で観た。

エメリッヒは大画面にかぎる!

おそらくこの監督には見せたい画はあっても、わからせたいストーリーはないかうすいか、読解能力が低いのだろう。シナリオが大雑把だという傾向がある。

本作もわかりやすい前フリがいくつかあったが、それでもこれまでと比べるとストーリーがちゃんとしていた。

以下ネタバレ







ジャベリンがあることを最初に報告すれ!


そして、ジェームズ・ウッズがなぜああいういうことをしてしまったのかがよくわからない。奥さんには息子のためにと言ったはずだし、そのあとで否定もしたと思う。結局右派的な思考だったということか?

『ショッピング』

2013年09月05日 | Weblog
ふつう

ポール・アンダーソン 監督・脚本
サディ・フロスト、ジュード・ロウ、ショーン・パートウィー、ジョナサン・プライス 出演

近未来、イギリスのとある廃虚と化した工場地帯を舞台に、窃盗グループを取り仕切る若者の、スリルと危険に満ちた青春を描いた作品。
ストーリーはallcinemaより





バイオハザードシリーズ、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』、『エイリアンVS. プレデター』などの監督ポール・アンダーソンの初監督作品であり、ジュード・ロウの映画デビュー作品である……という映画史的な価値はあるが、内容はふつう。

時代設定を近未来にした理由がわかりにくい。

エンディングが予想通りであっさりしすぎている。

主人公と敵対する不良グループのボスが子供じみた主人公と対照的に描かれていて、そこはおもしろかった。

『ブリューゲルの動く絵』

2013年09月05日 | Weblog
ふつう

レフ・マイェフスキ 監督
ルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク 出演

16世紀のフランドル地方。農村の一日が始まる。画家のブリューゲルは、友人であり収集家のヨンゲリンクから、異端者を迫害する支配者の横暴を主題とする作品を求められる。それに応えるブリューゲル。やがて風車は動きを止め、いつしかフランドルの風景の中に、十字架を背負わされたキリストや我が子の運命を嘆く聖母マリアの姿が現われる。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=340746#1





映像と音声にこだわっているのは理解できる。しかし、知識のない客に理解させようとする努力がとてもたりない。

映画開始30分ほど話が進まない! 会話もほとんどない!

『バベルの塔』『雪の中の狩人』など寓話や農民の風俗を主題にした作品で知られる16世紀フランドル絵画の巨匠ピーテル・ブリューゲルの代表作の一つ『十字架を担うキリスト』を題材に、その絵画空間を映画の中に完全再現し、名画に秘められた謎を解き明かしていく異色のアート・ムービー……
だそうだ。この解説もallcinemaから

『96時間/リベンジ』

2013年09月05日 | Weblog
ふつう

オリヴィエ・メガトン 監督
リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、ラデ・シェルベッジア、リーランド・オーサー、ジョン・グライス、D・B・スウィーニー 出演

かつて、娘キムを誘拐した人身売買組織をたった一人で壊滅した元CIA秘密工作員のブライアン・ミルズ。誘拐事件のトラウマを克服しつつあるキムや元妻レノーアとの復縁を願い、2人を海外旅行に誘う。やがて、トルコのイスタンブールで仕事を終えたブライアンのもとにレノーアとキムが合流する。だが翌日、バザールに2人で出掛けたブライアンとレノーアは、謎の男たちの襲撃を受け拉致されてしまう。2年前の事件でブライアンに息子たちを殺されたアルバニア人、ムラドが周到な復讐計画を実行に移したのだった。ブライアンは捕まる直前、ホテルに残ったキムに携帯で緊急事態を告げ、身を隠すよう指示するが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=343946





前作よりもデキが悪い。
「このテンポのよさと短さ(93分)は評価されてよい」というのがわたしの前作の評価だったのだが、本作では「テンポのよさ」がちょっと失われている。

前作から2年後という設定らしいが、執念深い血縁者たちの説明と説得力がたりない。

まぬけで手のかかる元嫁と娘というのはアリかもしれないが(笑)、主人公の手錠のはずれかたは前作も含めてイージーすぎる!

なにかの作戦行動でもないのに、外国での殺人行為が許されるのか?



前作『96時間』のわたしの記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/af24e758cecc5013acfc3611e55c3a67

『ハングリー・ラビット』

2013年09月05日 | Weblog
ふつう

ロジャー・ドナルドソン 監督
ニコラス・ケイジ、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ハロルド・ペリノー 出演

ニューオーリンズの高校教師ウィルは、愛する妻ローラと平凡ながらも幸せな毎日を送っていた。そんなある日、ローラが何者かに暴行され、重傷を負って病院に運ばれる。突然の悲劇に激しく動揺するウィル。するとそこへ謎の男サイモンが近づき、代わりに犯人を殺してやると代理殺人の契約を持ちかけてくる。代金は不要で、後で簡単な頼みを引き受けてくれればいいというものだった。逡巡の末に、その提案を受け入れてしまうウィルだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=342071#1





監督が『バンク・ジョブ』、『世界最速のインディアン』のロジャー・ドナルドソンなので期待していたのだが……。

ちょっとネタバレ。






前半はおもしろいのだが、バスをおりるシーンあたりから調子がおかしくなる。
「主人公をいい人にしておく」のが目的のような話の展開で首をひねりたくなるのだ。
そして、エンディングもあまい!

「おまえの無実を証明するビデオがある」とあまいことを言ったら、しばらくためて主人公の心の迷いを見せなければ! 発砲するのが早すぎる。あれじゃ意味が無い。