映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『永遠のこどもたち』

2010年03月29日 | Weblog
よい

J・A・バヨナ 監督
ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ、ジェラルディン・チャップリン、マベル・リベラ、モンセラート・カルーヤ 出演

海辺に建つ古い孤児院で他の孤児たちと楽しく暮らしていた少女ラウラ。やがて彼女は里親に引き取られ、孤児院を後にする。30年後、医師である夫カルロスと7歳の息子シモンと共に、再びこの地に戻ってきたラウラ。彼女は閉鎖されていた孤児院を買取り、障害を持つ子どもたちのための施設として再建するため、開園準備を進めていた。そんな中、シモンがイマジナリー・フレンドを相手に楽しげに遊ぶようになり、かすかな不安を感じ始める。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329774#1



ギレルモ・デル・トロが製作総指揮を執っているからか、印象が『パンズ・ラビリンス』と似ていた。あちらよりも映像美的に落ちるが、ストーリーの展開・雰囲気に共通する印象がある。

現代の話だと思うが、こどもがいなくなった割には警察の捜し方があまい。旦那もいいかげんで、霊媒師をよんできてまだ金を請求されたわけでもないのに追い出してしまう。

これは無理にホラーと考えたりせずに、死者の幻想世界とつながってしまった人間の話として観るとより楽しめるのではないか。

『リダクテッド 真実の価値』

2010年03月27日 | Weblog
ふつう

ブライアン・デ・パルマ 監督・脚本
パトリック・キャロル、ロブ・デヴァニー、イジー・ディアス、マイク・フィゲロア、タイ・ジョーンズ、ケル・オニール、ダニエル・スチュワート・シャーマン 出演

2006年、イラク。サマラ米軍駐屯地。カメラで仲間たちを撮るサラサールは、ビデオ・ダイアリーを撮影し、映画学校に入学しようと目論んでいた。しかし彼は検問所の担当のため迫力ある映像が撮れず、不満気味。そんなある日、一台の車が減速の指示を無視して検問所へと迫ってくる……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329776



戦争によって事実が隠蔽される、レイプなどのいやなことが起こる、兵士たちがおかしくなる、これらは別に今回が初めてのことではなかろうし、ドラマとしてもドキュメンタリーとしても特におもしろみはない。

どちらかに比重をかけてもらいたかった。

『俺たちに明日はないッス』

2010年03月23日 | Weblog
ふつう

タナダユキ 監督
柄本時生、遠藤雄弥、草野イニ、安藤サクラ、水崎綾女、三輪子、ダンカン、田口トモロヲ 出演

比留間、峯、安藤(安パイ)は、無為で虚しい童貞の日々を送る17才のダメ高校生3人組。同級生の友野とヤリたくてしょうがない比留間は、その友野が担任の吉田とラブホテルから出てくるところを目撃してしまう。一方、峯は公園で倒れていた同級生ちづを助けたことで急接近。しかし、物心ついた頃から父親と2人暮らしのちづは、性に関する正しい知識をまるで持ち合わせておらず、興味ばかりが先走り、峯のほうが怖じ気づいてしまい……。そしてデブの安パイは、巨乳の女子・秋恵から告白され、思いがけずラブラブとなるが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=331150#1



惜しい。6人のキャラクター、3組のカップルの話はありえるし、おもしろい。しかし、それらをひとつの作品内にまとめることがうまくいっていない、不自然なのだ。

わたしは決して巨乳好きではないが、ムナカタさんと安パイの話ははじめからおわりまでおもしろかった。あの酒屋さんのこどもの反応がいい。

性春ものとしてはかなりよいデキではあるが、このままよりもみっつそれぞれを別の作品にしたほうがよかった。

『シャーロック・ホームズ』

2010年03月23日 | Weblog
よい

ガイ・リッチー 監督
ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、マーク・ストロング、ケリー・ライリー、エディ・マーサン 出演

19世紀末のロンドン。若い女性が次々と不気味な儀式を思わせる手口で殺される連続殺人事件が発生。ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)も捜査に手こずる中、名探偵シャーロック・ホームズがこの難事件解決に立ち上がる。はたして、持ち前の超人的な観察力や記憶力、推理力でたちまち犯人の居所を突き止めるのだった。だがその犯人、邪悪な黒魔術を操るブラックウッド卿は、巨大な闇の力とのつながりをほのめかし、すぐ復活すると言い残して処刑される……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334016



アクション・コメディとしてはよい。ミステリー要素はほとんどない(笑)。デート向け。

以下ネタバレ






シャーロック・ホームズで「教授」ときたらもう、ひとりしかいないのだ(笑)。だからもったいをつけるのであれば、「教授」ということばは最後にしか使ってはいけないのだ。それを途中にもってくるのはいかがなものか……。

ほとんど唯一のミステリー、死者の体温の低下をどのようにしてごまかしたのかがわかりにくい。シャクナゲから抽出した薬でそういうことができるのか? できるのであれば、セリフでちゃんと表現してほしかった。

あとあの装置は(笑)……。

『その土曜日、7時58分』

2010年03月21日 | Weblog


よい

シドニー・ルメット 監督
フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、マリサ・トメイ、アルバート・フィニー、ブライアン・F・オバーン、ローズマリー・ハリス、マイケル・シャノン、エイミー・ライアン、サラ・リヴィングストン、アレクサ・パラディノ 出演

娘の養育費もまともに払えない冴えない男、ハンク。そんな彼に兄のアンディはある強盗計画を持ちかける。狙うのはなんと彼らの両親が営む宝石店。ハンクと は対照的に、会計士として働き、美しい妻ジーナにも恵まれて不自由ない生活を送っているかに見えたアンディにも緊急に金が必要なワケがあった。ためらうハ ンクだったが、アンディに言葉巧みに説得されてしまう。しかし、いざ実行に移す段になって怖じ気づいたハンクは、男を金で雇い、自分は車で待機すること に。すると、宝石店から予想もしていなかった銃声があがり、強盗が失敗に終わったことを悟るハンクだったが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=331269



家族の暗いドラマ。
兄弟の話よりも親子の関係がメインとなる。

物語・人間関係の描き方にはやりの時間ずらしの手法がとられているが、混乱するほどこみいってはいない。冒頭のベッドシーンはあまり必要なかったかもしれないが、基本が男たちの話なのでサービスとして入れられたのかもしれない。

シナリオに映画ファンむけのしかけがあり、そのベッドシーンで「リオのせいにしろ」というのがわからなかったが、どうやら日本ではビデオスルーされた『アバンチュール・イン・リオ』という作品のことらしい。
さらに、旦那を殺された嫁の兄がイーサン・ホークと交渉するシーンで「チコと呼んでいいか?」と尋ね、フィリップ・シーモア・ホフマンに対しては「しかめ面だな グルーチョと呼んでも?」と言う。
これはおもに戦前に活躍したコメディアン、マルクス兄弟のことなのだ。興味をもった方は検索してみるといい。

映像と演技はかなりいい。

『ライトスタッフ』

2010年03月19日 | Weblog


よい

フィリップ・カウフマン 監督・脚本
サム・シェパード、スコット・グレン、エド・ハリス、デニス・クエイド、フレッド・ウォード、チャールズ・フランク、ランス・ヘンリクセン、スコット・ポーリン、バーバラ・ハーシー、パメラ・リード、キャシー・ベイカー、ヴェロニカ・カートライト、メアリー・ジョー・デシャネル、キム・スタンレー 出演

1950年代後半、宇宙計画でソ連に遅れをとったアメリカは、マーキュリー計画を実現させるべく、急遽7人のパイロットを選出。新世界へ旅立つヒーローとして、彼らの前途は約束されてはいたが、ロケットも未完成の計画は無謀ともいえるものであった。その一方で、初めて音速の壁を破った伝説のテスト・パイロット=チャック・イエガーは、自らの手で大空へ挑戦し続けていた……。



長い(笑)! 今TOHOでやっている午前十時の映画祭でも同じだが、193分もある(最初に映画館で公開されたのがカット版だった)。

DVDをいくらか持っているが、裏も表も記録面というのはこれくらいではなかろうか(両面・1層ディスクと表記してある)?

そして、193分もあるのにサム・シェパードの部分はものたりないのだ(笑)。もしくは逆に、後半に出てくる彼のシーンはカットしてもよかったかもしれない。

宇宙開発史となると、どうしても国威発揚的な、アメリカ万歳的なくだらなくてくっさいシーンが多いかと思いきや、逆にアメリカのバカ的なところが数々出てくる。次々と失敗するロケット、勘違いしている副大統領など……。

男くさすぎるかもしれないが、宇宙飛行士それぞれの奥さんもポイントをおさえて描かれている。

『パニッシャー:ウォー・ゾーン』

2010年03月17日 | Weblog
よい

レクシー・アレクサンダー 監督
レイ・スティーヴンソン、ドミニク・ウェスト、ジュリー・ベンツ、コリン・サーモン、ダグ・ハッチソン、ダッシュ・ミホク、ウェイン・ナイト 出演

最愛の家族を殺された辛く悲しい過去を持つフランク・キャッスル。彼はそれまでの自分自身と決別し、法で裁けぬ凶悪犯に正義の制裁を加える孤高のヒーロー “パニッシャー”となって、街にはびこる諸悪に独り立ち向かっていた。そんなフランクの次なるターゲットは、ある巨悪な犯罪組織の中にあって最も邪悪な人物、ビリー・ルソッティ。彼の居場所を突き止めたフランクは奇襲を仕掛け、ルソッティに私刑を執行する。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333093#1



アメコミの三度目の映画化。

アクションのテンポがいい。
それと、グロテスクなシーンもかなりあるのだが、それをユーモラスに見せようとする工夫がうかがえるのもよい。

敵の親玉が子分をスカウトするときバックに国旗が出ていたり、そいつらに対抗するためにロシアンマフィアを利用するという民族問題を刺激するようなところもよい。

映像もかなりよい。

前作のわたしの評価
http://blog.goo.ne.jp/jm131/s/%A5%C8%A5%E9%A5%DC%A5%EB%A5%BF

『フィッシュストーリー』

2010年03月15日 | Weblog
よい

中村義洋 監督
伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田岳、森山未來、大森南朋、渋川清彦、大川内利充、眞島秀和、江口のりこ、山中崇、波岡一喜、高橋真唯、恩田括、石丸謙二郎、中村有志、芦川誠、野仲イサオ、大谷英子、田村圭生、草村礼子、上田耕一 出演

2012年。彗星の衝突まであと5時間と迫った地球。世界の終わりを目前に、いつもと変わらぬ様子のレコード店。そこに流れていた曲は『FISH STORY』。それは、1975年、あまりにも早すぎたばかりに全く売れぬまま姿を消していったパンクバンド“逆鱗”がレコーディングした最後の1曲だったのだが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=331765#1



ムリヤリ感が強すぎるが(笑)、爽快感もある。

主人公がいない(もしくは薄い)話。というのも、それぞれの時代のシチュエーションと関連性を楽しむつくりだからだ。

コメディ要素を楽しみたい人は濱田岳の情けなさ(もう天下一品である)や多部未華子の泣き顔(日本一泣き顔がおもしろい女優かもしれない)を楽しめばいいし、演技を楽しみたい人は大森南朋の二役や石丸謙二郎との掛け合いの間を楽しめばいいし、悪趣味な人は伊藤淳史の吹き出物を見つめればいい。

結局多部未華子を守る人間までは話がつながったが、多部未華子本人の経緯がよくわからなくていいのか? という疑問は残るが、ゴレンジャーの姿や『アルマゲドン』というつまらない映画の話なども出てくるので、よしとしよう。

『マルタのやさしい刺繍』

2010年03月15日 | Weblog
ふつう

ベティナ・オベルリ 監督
シュテファニー・グラーザー、ハイジ・マリア・グレスナー、アンネマリー・デューリンガー、モニカ・グブザー、ハンスペーター・ミュラー=ドロサート 出演

スイスの小さな村、トループ村。夫に先立たれ、生きる意欲を持てずにただ漫然と毎日をやり過ごす80歳のマルタ。そんなある日、彼女はふとしたきっかけから、若い頃に抱いた夢のことを思い出す。それは、自分でデザインして刺繍したランジェリーの店を開くこと。そして、ふさぎがちな彼女を心配していた友人たちの後押しで、もう一度夢に向かって動き出すマルタ。しかし、昔ながらの保守的な考え方が支配的な村では、マルタのささやかな夢さえも破廉恥と非難されてしまい……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329740



このストーリーを読むまでどこの国の話かわからなかった(笑)。どうやらドイツ語っぽいなとは思ったのだが。

わたしがスイスのことをよく知らないことがそれほど楽しめなかったいちばんの理由かもしれないが、脚本もピリッとしないし後半急ぎすぎである。

老人の自立の話として観ることもできるが、保守的な男性たちと進取の気性に富んだ女性たちとの話としてもとらえることができる。

長さ(89分)はいい。

『2001年宇宙の旅』

2010年03月08日 | Weblog
よい

スタンリー・キューブリック 監督
ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルヴェスター、ダグラス・レイン(HAL9000の声) 出演

人類の夜明けから月面、そして木星への旅を通し、謎の石版“モノリス”と知的生命体の接触を描く。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16912



TOHOの午前十時の映画祭で観た !!

写真はDVDより。

途中2分ちょっとのインターミッションがあるが、そこに命をかけてトイレへ行くバカものどもへ告ぐ。せめて座席は通路側にしろ。おまえらがセンターにいると、後半が始まったあとでぞろぞろと腰もかがめずに入ってこられて視界を遮られて非常に不愉快である。田舎だけのことかもしれないが、忠告しておいてやる。

この作品を初めてテレビで放映した翌週、淀川長治さんは謝った。テレビではこの作品の美しさが出ていなかったと……。
それ以来、淀川長治さんはわたしの中で信用できる人間になったし、この作品は気になる存在になった。

わたしが意識しているだけでもこれまでに少なくとも二回は映画館で観る機会があったのだが、金がないとか、時間がないとか、気分が乗らないとかで見逃していて、DVDを購入して観ていた。

今回ニュープリントということで、映像的にシャープなものを期待というか予想していたが、そうでもなかった(それが悪いわけではない)。
それよりも、音響面での新鮮味が大きかった。

木星についてからの解釈に苦しむ人もいるかもしれないが、そこまでは単純明快、木星以降は映像的なおまけと考えればいい。

『ダイヤモンド・ラッシュ』

2010年03月06日 | Weblog
ふつう

マイケル・ラドフォード 監督
デミ・ムーア、マイケル・ケイン、ランベール・ウィルソン、ナサニエル・パーカー、ショーガン・シーモア、ニコラス・ジョーンズ、デヴィッド・バラス、ジョス・アックランド、サイラス・カーソン、ダーレン・ネスビット 出演

ロンドンのダイヤモンド取り扱い業者で働くローラは、実力があるにもかかわらずここ3年間昇進のチャンスを逃していた。仕事しかない鬱屈しそうな日常のある日、清掃人のホッブスが驚くべき提案をもちかけてくる。



豪華な出演者だが、トリックがおもしろくなかった。
ちっともスリリングではなかったのだ。

ある復讐劇にもなっているのだが、それが大がかりすぎることと、ほとんど無関係の人にまで迷惑をかけているところとが楽しめなかったところだ。

あの隠し場所は比較的簡単に想像できる場所だし、それを実行できるのかも疑問である。

『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~』

2010年03月02日 | Weblog
よい

FROGMAN 監督・その他もろもろ
声の出演 FROGMAN、川村ゆきえ、もう中学生、板東英二、堂真理子

FROGMANによる人気FLASHアニメの劇場版第3弾。アメリカ合衆国新大統領オババの“核兵器の放棄”宣言によって軍需産業を中心に動揺が広がる中、何者かの陰謀に巻き込まれたレオナルド博士の救出に乗り出した鷹の爪団の活躍を、遊び心あふれるギミックとギャグ満載に描き出す。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334826



タイトルは長すぎるが、ウェルメイドな作品。
話もちゃんとまとまっていて、島根への愛にあふれている。

セリフのおもしろさは1作目から維持している。

バジェットゲージがいつもどったのかわかりにくいところがあったが、これはDVDで確認させようとする作戦か。

豪華な出演陣であったが、MBSの美人人妻アナウンサーの八木早希さんと、同じくいろいろなうわさのある西アナウンサーが出ていたのが個人的にはうれしかった。

おまけに『THIS IS 一等』というDVDまでもらえて、とてもお得感のある作品であった。