映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『インスタント沼』

2010年02月23日 | Weblog
インスタント沼 - goo 映画

ふつう

三木聡 監督・脚本
麻生久美子、風間杜夫、加瀬亮、相田翔子、笹野高史、ふせえり、白石美帆、松岡俊介、温水洋一、宮藤官九郎、渡辺哲、村松利史、松重豊、森下能幸、松坂慶子 出演

出版社に勤めるハナメは、ビミョ~な女性誌の編集者。微妙すぎて売り上げが伸びず、ついに休刊。会社を辞め、好きな男にもフラれ、人生をやり直そうと思った矢先に、ハナメの父親が沈丁花ノブロウという知らない男である事実を知る。確かめようと実家に行くと、母親は河童を探しに行って池に落ち、病院に運ばれていた。手紙の住所を頼りに、沈丁花ノブロウを訪ねると、そこは「電球商店」という怪しげな店だった。



90分くらいにまとめればもしかしたらよい印象になったかもしれない作品。

麻生久美子の明るさは大切だと思うが、伊吹吾郎の神主のシーンは必要だろうか(伊吹吾郎にはまったく罪はないのだが)?

細部におもしろいところはあるが、トータルな作品としてはおもしろくない。これが三木聡作品の共通の特徴になるのはもったいない。『転々』くらいの満足度をコンスタントに我々に与えてほしい。

『アパルーサの決闘』

2010年02月21日 | Weblog
ふつう

エド・ハリス 監督
ヴィゴ・モーテンセン、エド・ハリス、レネー・ゼルウィガー、ジェレミー・アイアンズ、ティモシー・スポール 出演

悪がのさばる町アパルーサ。名うてのガンマン、ヴァージル・コールは町に正義を取り戻すべく保安官として雇われる。彼は相棒のエヴェレット・ヒッチと共に、牧場主のブラッグ率いる悪党一味と対峙していく。そんな中、この町にやって来た美しき未亡人アリソン・フレンチ。やがてコールは、この謎めいた未亡人に惹かれていくが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333844#1



話が薄い ! 男ふたりを主人公にしようとして失敗し、魅力を相殺してしまっている。

エド・ハリスにヴィゴ・モーテンセンとレネー・ゼルウィガーの西部劇という成功を約束されたすばらしいキャストに脚本がついていけなかった。

レネー・ゼルウィガーがかなり損な役をやっているが(ある意味画期的ですらある)、それが前半部分ではわかりにくい。

実に絵になるショットが多いと思ったら、撮影監督がディーン・セムラーという有名な人がやっているそうだ。

『コンドル』

2010年02月18日 | Weblog


よい

シドニー・ポラック 監督
ロバート・レッドフォード、フェイ・ダナウェイ、クリフ・ロバートソン、マックス・フォン・シドー 出演

N.Y.で各国の雑誌・書籍の分析を行っていたCIAの末端組織、17部9課のオフィスが何者かに襲撃され、調査員たちが射殺される。だが、コードネーム“コンンドル”ことターナーだけは、裏口から外出していたため事なきを得る。ひとり生き残ったものの状況がわからず怯える彼は、保護を求めてCIA本部に連絡。だが、迎えにきた男もまたターナーの命を狙っていた。孤立無援となった彼は、独力で真相を突き止めようと決意する。




荻昌弘さんの月曜ロードショーで観て以来、いつかちゃんと観たいと思っていた作品。今回、DVDを購入して観た。

一流の殺し屋が二流のエージェントを追い詰めるのだが、エージェントは自分の専門分野の知識を徹底的に活用して都市でのサバイバルに挑戦する。

上の写真の殺し屋役のマックス・フォン・シドーが静かな恐怖と緊張を見事に出している。手袋を拾っただけで怖い !



フェイ・ダナウェイがちょっと変わった写真家役で出ていて、このキャラクターもおもしろい。

直接的な作品の評価とは関係ないかもしれないが、デジタルリマスターではないので、画質はそれほどよくない。
それと、こちらは許せないのだが、字幕スーパーをキャンセルできないし、その字幕の字体が最悪である。冒頭の画面上部に出てきたときにはめまいがした。

また、できれば日本語版が存在する部分だけでもいいから入れてほしかった
ユニバーサルさんは反省して、ファンへの貢献とはどういうものなのかを真摯に考えるように。出せばいいんでしょ、くらいに考えていたらこれまでのように映画ファンは減っていくぞ。

『私がクマにキレた理由(わけ)』

2010年02月17日 | Weblog
私がクマにキレた理由(わけ) - goo 映画



よい


シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ 監督・脚本
スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、アリシア・キーズ、クリス・エヴァンス、ニコラス・リース・アート、ドナ・マーフィ、ポール・ジアマッティ 出演

無事に大学を卒業したものの、人生の方向性を決められない21歳のアニー。就職活動も上手く行かず、公園で途方に暮れていた彼女は、1人の少年を事故から救う。少年の母親ミセスXに名前を聞かれ「アニー」と答えたところ、彼女は「ナニー(子守り兼教育係)」とカン違い。こうしてひょんなことからX家の“ナニー”となったアニーは、5歳の息子グレイヤーに振り回されながら、アッパー・イーストの超高級アパートに暮らすX家の生活を観察し始める。





コメディとしてちゃんと(つまり、スカーレット・ヨハンソンに頼りすぎることなく)おもしろく、ポール・ジアマッティなどの主人公以外の演技も楽しめる。



なぜナニーになったのかの説得力がないのと、話の展開があたりまえすぎるのが弱点だが、後半にいくほど盛り上がってくる。

その最高の盛り上がりはアレなのだが、それは自分でたしかめよう。

『ジュリー&ジュリア』

2010年02月15日 | Weblog
<a href="http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD15235/index.html" title="ジュリー&ジュリア - goo 映画" target="_blank">ジュリー&ジュリア - goo 映画</a><br>

よい



ノーラ・エフロン 監督・脚本
メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥッチ、クリス・メッシーナ、リンダ・エモンド 出演

1949年、ジュリア・チャイルドは外交官の夫ポールの任地パリで、芸術的なフランス料理の洗礼を受ける。好奇心旺盛で食べることが大好きなジュリアは、大胆にも名門料理学校コルドン・ブルーのプロ養成クラスに飛び込むのだった。それから半世紀を経たニューヨークで、ジュリー・パウエルは夫エリックに励まされながら、ジュリアの著した料理本の全レシピを1年365日で制覇し、ブログに掲載することを決意する。





ジュリアにしても最近まで存命で、まだ関係者がうるさいからかもしれないが、わかりにくい(あいまいな)部分がいくつかある。

ジュリアに関してはスパイ関係のところと、妹にこどもができた知らせで泣くところ、ジュリーに関してはADDのところである。



それらを除けば、時代を隔てた結婚をした女性の生活の対比と料理を中心としたドラマとして楽しめる。

メリル・ストリープとスタンリー・トゥッチの演技合戦は見ものである。

写真のロブスター・キラーのところは明らかに日本人と感覚が違う。目の前で生物が死ぬのが耐えられないのだ。

最後のバターはやりすぎ&迷惑(笑)。

『ヤッターマン』

2010年02月15日 | Weblog
<a href="http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD13548/index.html" title="ヤッターマン - goo 映画" target="_blank">ヤッターマン - goo 映画</a><br>

よい

三池崇史 監督
櫻井翔、福田沙紀、生瀬勝久、ケンドーコバヤシ、岡本杏理、阿部サダヲ、深田恭子 出演

高田玩具店の1人息子のガンちゃんは、父親の開発途中のヤッターワンを完成させ、ガールフレンドの愛ちゃんと共にヤッターマン1号、2号としてドロンボー一味と戦っていた。ある日、考古学者の海江田博士の一人娘、翔子からドクロストーンを探しに行ったまま行方不明になっている博士を探し出して欲しいと頼まれる。ヤッターマンに変身したガンちゃんと愛ちゃんはヤッターワンを出動させ、一路、博士のいるオジプトへ向かう!





ありた~~~~ !!!



深田恭子をねっとりと楽しむためのR-20作品(ウソ)。
これをこどもに見せてはいけない。
おっきなおともだちだけで楽しめばよろしいのだ。

『ターミネーター4』

2010年02月15日 | Weblog
ターミネーター4 - goo 映画

わるい

マックG 監督
クリスチャン・ベイル、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン、ムーン・ブラッドグッド、ジェイダグレイス、ヘレナ・ボナム=カーター 出演

時は2018年。核戦争で荒廃した世界は、人工知能搭載のスーパーコンピューター“スカイネット”に支配されていた。生き残った人々は抵抗軍を組織し、機械との最後の戦いに備えていた。部隊のリーダーであるジョン・コナーは、“スカイネット”がやがて自分の父親となるカイル・リースの命を狙っていると知り、彼を探し始める。一方、ターミネーターがさまよう荒野をたくましく生き抜く少年カイルは、核戦争のことも、今が何年かさえもわからない屈強な男・マーカスと出会う。



映像とアクションはよいのだが、脚本が最低のためにまったくおもしろくなかった。

マーカス・ライトを送り込んでガンで死んだ博士がさっぱりわからない。詳しくはTVシリーズを見てねということかもしれないが、わたしはそんなにヒマではないし、この作品はこの作品だけでの完成度を持たなければならないはずである。

あのバイク型のターミネーターのアクションシーンはすばらしいのだが、空飛ぶタイプがあればあんなの必要ない。すぐに人間側に利用されているし(笑)。

マーカス・ライトがカイル・リースを殺せるチャンスはいくらでもあったのにそれをしない。ぬるいぜ。

アクション映画としてはよいかもしれないが、『ターミネーター4』を名乗るような完成度では到底ない。なんだあのでっかいやつは。

『PARIS(パリ)』

2010年02月13日 | Weblog
PARIS (パリ) - goo 映画

ふつう

セドリック・クラピッシュ 監督・脚本
ジュリエット・ビノシュ、ロマン・デュリス、ファブリス・ルキーニ、アルベール・デュポンテル、フランソワ・クリュゼ、カリン・ヴィアール、ジル・ルルーシュ、オリヴィア・ボナミー、メラニー・ロラン、オドレ・マルネ 出演

ある日、ダンサーのピエールは心臓病で余命わずかと告げられる。シングルマザーのエリーズは弟のピエールの身を案じ、子どもたちを連れて彼のアパートに同居し始めた。やがてピエールは向かいに住む大学生のレティシアが気になっていく。しかし、歴史学者のロランもまた、レティシアを愛し始めていた。一方、離婚後も元妻とマルシェで働くジャンは、買い物に来るエリーズに好意を寄せるようになっていた。



きくきょうさんのブログの文章があまりにも魅力的で、それにひかれて観た。

わたしの世界=物語はだれかの世界=物語の一部であり、つながっている……、というテーマはいいのだが……。

つながりすぎである(笑)。それらがさりげなくにおいたつような描き方ならば評価はもっとあがるのだが……。

それと、この作品中の登場人物ではっきりと死が描かれている人がひとりと、死を連想させられる人がふたりいる。

物語の帰結や転換に死を使うのは安易である。死を描くのならばひとりで十分であるし、三人も死と結びつけるのならばもっとデキのよい仕上がりにしてもらいたい。

『ゴースト・オブ・ガールフレンズ・パスト』

2010年02月09日 | Weblog
ふつう

マーク・ウォーターズ 監督
マシュー・マコノヒー、ジェニファー・ガーナー、マイケル・ダグラス、ブレッキン・メイヤー、レイシー・シャベール、ロバート・フォスター、アン・アーチャー、エマ・ストーン、ダニエル・サンジャタ、ノーリーン・デウルフ 出演

独身主義のコナーは電話一本で数人の女性と一度に手を切るような男だ。弟ポールの結婚式に出席しても、ロマンスをさげすむような言動を繰り返し、招待客をドン引きさせてしまう。
せっかくの結婚式が台なしになるかと思われたそのとき、コナーの目の前にかつて捨てた女性達が生霊となって現れる。
生霊達はコナーをつれて、過去、現在、未来へタイムスリップ。
コナーの女性遍歴をたどる旅は笑いと発見の連続で、考えさせられることばかりだった。なぜコナーはこんなにも無神経な男になってしまったのか。
心を入れかえ、真実の愛とめぐり合うことはできるのか。

ストーリーはアマゾンより
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%88-Blu-ray-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BA/dp/B002PHBIES




幽霊が三人出てきて現在・過去・未来……という設定は『3人のゴースト』と似ていると思ったら、チャールズ・デイケンズの『クリスマス・キャロル』が元ネタらしい。

幽霊は4人出てくるし、そのうち少なくともひとりは生霊だし(笑)、あまり話がまとまっていない。

主人公がねっからのプレイボーイ(死語?)でなければ話が成立しないのに、初恋の相手と対するときは常に(最初から)中途半端な善人の面が出てきてしまっていてしらけてしまう。


『愛のむきだし』

2010年02月04日 | Weblog

愛のむきだし - goo 映画

よい

園子温 監督・脚本
西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、尾上寛之、渡辺真起子、渡部篤郎 出演

幼い頃に母を亡くし、神父の父テツと二人暮しのユウ。理想の女性“マリア”に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていた。しかしテツが妖艶な女サオリに溺れてから生活は一変。やがてサオリがテツのもとを去ると、テツはユウに毎日「懺悔」を強要するようになる。父との繋がりを保つために盗撮という罪作りに没入していくユウ。そんな彼はある日、罰ゲームで女装している最中に、ついに理想の女性ヨーコと巡り合うが……。





長すぎる(237分!)がおもしろい !!

人間がゆがめられていく過程は丁寧に描いてあるが、インチキ宗教脱却部分が雑。したがって、後半のほうが弱い印象を受ける。

あの盗撮時のポージングがどうも納得いかない(笑)のと不必要に多い。もうちょっと短くしてくれてもいいんじゃないか。

安藤サクラもすばらしいが、あの終わり方は手抜きだろう。