映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ドライヴ』

2012年04月30日 | Weblog
よい

ニコラス・ウィンディング・レフン 監督
ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、クリスティナ・ヘンドリックス、ロン・パールマン、オスカー・アイザック、アルバート・ブルックス 出演

自動車修理工場で働く孤独で寡黙なその男は、卓越したドライビング・テクニックを買われ、映画のカースタントマンとして活躍する一方、夜には強盗の逃走を手助けする闇の仕事も請け負っていた。そんなある日、同じアパートに暮らす人妻アイリーンとエレベーターで遭遇し、一目で恋に落ちる。次第に距離を縮めていく2人。彼女の夫スタンダードは服役中で、今は幼い息子との2人暮らし。ほどなくスタンダードが出所してくるが、彼は服役中に多額の借金を背負ってしまい、強盗を強要されていた。男は妻子のためにスタンダードの強盗計画のアシストを引き受けることにするのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341123



映画館で観た。

奇妙な味の作品。恋愛・アクション・ハードボイルド(主人公が寡黙だという点で特に)。

オープニングのクレジットがピンク(赤紫っぽい)だという点、ベッドシーンがない点、その割に極端すぎる暴力描写がある点などから、もしかしたらこの監督はゲイなのかもしれないと思った。

評価はふつうでもいいのだが、ロン・パールマンが出てくるというだけでプラス評価になるのだ!

シャノン役のブライアン・クランストンもいい。ふだんはいいオッサンなのだが、金のにおいがするとことごとく間違った方向へと暴走してしまうというおもしろいキャラクターを演じている。

世界が狭すぎるということと後半雑っぽく見えるのはシナリオのせいかも。

『おわらない物語 アビバの場合』

2012年04月30日 | Weblog
よい

トッド・ソロンズ 監督・脚本
エレン・バーキン、スティーヴン・アドリー=ギアギス、リチャード・メイサー、ジェニファー・ジェイソン・リー、デブラ・モンク、シャロン・ウィルキンス、マシュー・フェイバー、ウィル・デントン、ヒラリー・B・スミス、ダントン・ストーン、スティーヴン・シンガー 出演

12歳になったアビバは、両親の友人の息子ジュダと関係を持ち妊娠する。アビバの妊娠を知った両親はショックを受け、いやがるアビバをむりやり病院に連れて行き中絶手術を受けさせる。中絶した赤ちゃんが女の子だと聞かされたアビバは、その子を“ヘンリエッタ”と名付ける。母になる夢を諦めきれないアビバは、ついに家を出るのだった。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=322043#1





トッド・ソロンズ監督の『ハピネス』は観たと思うのだが、記事が見つからない。


これはおもしろい!  
ひとりのキャラクターを8人が演じることがどうしても目立ってしまうが、話自体がおもしろい。

(おそらくアメリカを中心とした)社会の様々な問題が提示されるのだ。そしてそれは原題の「回文」が表しているように、明快な解決策はない。
その答えのでない問題だらけ世界をおもしろく描くことができるのが、この監督の最大の魅力である。

一番上の写真の男子が着ているTシャツ、なんだこのダサさは(笑)。

『ランド・オブ・ザ・デッド』

2012年04月18日 | Weblog
よい

ジョージ・A・ロメロ 監督・脚本
サイモン・ベイカー、デニス・ホッパー、アーシア・アルジェント、ロバート・ジョイ、ジョン・レグイザモ、ユージン・クラーク 出演

ある日突然、謎の原因で死者が甦り、人間を襲ってはその新鮮な肉に喰らいつく。襲われた人間もまた生ける屍=ゾンビとなり果てしのない増殖を繰り返し、もはや生き残った人間はごく少数にまで減っていた。人間たちは二つの川に挟まれた土地に要塞都市を築きゾンビの侵入に怯えながら生活していた。そんな中にあって都市の中心にそびえる高層ビルでは一部の金持ちと権力者が贅の限りを尽くした優雅な暮らしを満喫していた。彼らは高級な生活を維持するために傭兵軍を組織し、都市の警備と、外の世界から物資を調達してくる任務に当たらせていた。ところが、こうした生活に不満を抱く人間が一部に出始める一方、ゾンビの中にもある驚くべき変化が起こっていた。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=322540#1



怖い系は苦手なのだが、この監督の作品はシナリオがしっかりしていて楽しめる。
といっても、モノクロの『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』とショピングモールに逃げ込む『ゾンビ』しか観ていないと思うが。

本作ではリビング・デッドに進化の要素を入れて、行き場所のない富裕層、下層階級、リビング・デッド三様を描いている。

意思の疎通、道具の使用、花火大好き、そして水というリビング・デッドの新展開はあまり感心しないが、控えめな演出になっている。

特典映像についていた、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のふたりがロメロに会って本作に出演するという内容は尊敬の念にあふれていてとてもよかった。

『クロエ』

2012年04月16日 | Weblog
わるい

アトム・エゴヤン 監督
ジュリアン・ムーア、リーアム・ニーソン、アマンダ・セイフライド、マックス・シエリオット 出演

大学教授の夫デビッドとひとり息子のマイケルとともに何不自由ない毎日を送る産婦人科医のキャサリン。しかしある日、夫デビッドの携帯を見た彼女は教え子との浮気を疑い始める。不安が募り、浮気の確証を得たいと考えた彼女は、若く美しい娼婦クロエに夫を誘惑してもらい、その時の夫の反応を探ることに。ほどなく、デビッドに接近したクロエから詳細な報告を受け始めるキャサリンだったが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=339156#1



前半は更年期障害っぽい妻を描いて悪くないのだが、まさか後半がああなるとは……。

映像は美しい。

ある事実をつきつめられて動揺し、車をぶつけるジュリアン・ムーア。ここまではいい。しかしだ、その彼女の目の前でわざとらしく自転車でこけるアマンダ・セイフライト、これは許せん。ここあたりからおかしくなってくる。

髪飾りを初めて会ったときに渡そうとするのは、つじつまあわないんじゃないか? 次に会いに行ったのはジュリアン・ムーアのほうだぞ。

『ドライブ・アングリー』

2012年04月15日 | Weblog
よい

パトリック・ルシエ 監督
ニコラス・ケイジ、アンバー・ハード、ウィリアム・フィクトナー、ビリー・バーク、シャーロット・ロス、クリスタ・キャンベル 出演

カルト教団に娘を惨殺された上、幼い孫がさらわれた男、ジョン・ミルトン。大排気量の車を駆って怒りの復讐と孫の奪還に向かった彼は、途中で拾った勝気なウェイトレスのパイパーと共に、カルト教団へと迫っていく。しかし、そんなミルトンの前に、FBIを名乗る不気味な追跡者が立ちはだかる。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=339843#1





3Dで劇場公開された作品を2Dで観た。

とてもグラインドハウス臭のする、つまりB級エロ・アクションを意図的に狙った作品。

『シューテム・アップ』にもあったセックスしながらの銃撃戦があるが、これは『シューテム・アップ』のほうがデキはいい。しかし、警察への事後報告のシーンなどオネエチャンが反芻しているように見えるところはなかなか工夫している。

ストーリー上無理があってもにこやかにヘラヘラ観るのが正しい鑑賞法なので、気にせずに楽しもう。

携帯電話を移動式電話と言わせたりするところもよい。

『おとなのけんか』

2012年04月14日 | Weblog
よい

ロマン・ポランスキー 監督
ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリー 出演

ニューヨーク、ブルックリン。11歳の子ども同士が喧嘩し、片方が前歯を折るケガを負う。ケガを負わせてしまった側のカウアン夫妻がロングストリート夫妻の家に謝罪に訪れ、和解の話し合いが行われる。お互いに社交的に振る舞い、話し合いは冷静かつ友好的な形で淡々と進んでいくかに思われたが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341534



映画館で観た。

俳優の演技をじっくりと楽しめる上品なコメディ(ゲロは出てくるが……)。

4人しか登場人物がいないのでみんな水準以上の演技だが、特にジョディ・フォスターがいい。

79分十分楽しめる。

クリストフ・ヴァルツと彼の携帯もいい。

『U・ボート』

2012年04月10日 | Weblog
よい

ウォルフガング・ペーターゼン 監督・脚本
ユルゲン・プロフノウ、ヘルバート・グリューネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン、ベルント・タウバー、マルチン・ゼメルロッゲ、クロード=オリヴィエ・ルドルフ、オリヴィエ・ストリッツェル、アーウィン・レダー、ハインツ・ホーニヒ、ウーヴェ・オクセンクネヒト、オットー・ザンダー 出演

第二次世界大戦中の1941年秋、ナチス・ドイツの占領下にあったフランス大西洋岸のラ・ロシェル港から、1隻のUボート「U96」が出航する。彼らに与えられた任務は、大西洋を航行する連合国側の輸送船の撃沈であった。報道班員のヴェルナー少尉はUボートの戦いを取材するため、歴戦の艦長と古参のクルー、若者ばかりの水兵を乗せたU96に乗り込む。荒れ狂う北大西洋での孤独な哨戒航行、思いがけず発見した敵船団への攻撃と戦果、深海で息を潜めながら聞く敵駆逐艦のソナー音と爆雷の恐怖、そして目の前に突きつけられた死に行く敵の姿…。長い戦いに皆が疲れ、クリスマスには帰港できることを願うが、母国から届いた指令はイギリス軍の地中海要衝であるジブラルタル海峡を突破してイタリアに向え、という非情なものであった。中立国スペインのビゴにて偽装商船から補給を受けたU96は絶望的な戦いに赴く。艦長、ヴェルナー少尉、そして乗組員たちの前には過酷な運命が待ち受けていた。
ストーリーはウィキペディアより
http://bit.ly/mponoD





ディレクターズ・カット(209分)で観た。オリジナルは135分。

はじめの駆逐艦との戦闘をねっとりと描くことによって、潜水艦にとって駆逐艦の存在が恐ろしいものだということがわかる。

艦長の体制批判的な態度があることで、後半の補給シーンが引き立つ。

ヨハンと機関長ががいい!

字幕スーパーで「E機関」というのはおそらく電池式のモーターのことだろう。エンジンだと酸素を消費してしまうからね。

『SUPER 8/スーパーエイト』

2012年04月10日 | Weblog
ふつう

J・J・エイブラムス 監督・脚本
ジョエル・コートニー、エル・ファニング、カイル・チャンドラー、ライリー・グリフィス、ライアン・リー、ガブリエル・バッソ、ザック・ミルズ、ロン・エルダード、ノア・エメリッヒ、ジェシカ・タック、ジョエル・マッキノン・ミラー 出演

1979年の夏。オハイオの小さな町で父ジャクソンと2人暮らしの少年ジョー。ある夜、親に内緒で家を抜け出し、チャールズやアリスら5人の友達と共に駅舎で8ミリ映画の撮影中、列車の脱線事故に遭遇する。またその混乱の中で、8ミリカメラは横倒しになったまま、大破した列車の一部から飛び出してくる“何か”を偶然映し出していた。ほどなくして現場には軍が到着。そして彼らは、ある極秘情報が何者かに知られてしまったと、大規模な捜索を展開する。現場から逃げ帰り、誰にも言わないと誓い合うジョーたち。しかし、町では不可解な事件が次々と起き始め、次第に極秘情報である“何か”の実態が明らかとなっていく……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338676


ザ・ナックのマイ・シャローナを使うなど、はじめの90分はかなり雰囲気のよい青春物語として楽しめた。

しかし、穴に降りるあたりから物語のおもしろい展開よりも製作者の都合が目立ちすぎる進み方となり、あ~~あやっちゃった、で終わる。

この監督・脚本家さんは物語をつくるよりも、おもしろい展開だけを気にしているようなのだ。

『キャット・ピープルの呪い』

2012年04月05日 | Weblog
ふつう

ロバート・ワイズ、G・V・フリッチ 監督
シモーヌ・シモン、トム・コンウェイ、ケント・スミス、ジェーン・ランドルフ、アン・カーター、イヴ・マーチ、ジュリア・ディーン 出演

両親の愛と理解を得られない少女が、魔女の棲む館から持ち帰った指輪に願いごとをすると“見えない友だち”が現われ……。
ストーリーはアマゾンより
http://amzn.to/HgHZGV



監督はG・V・フリッチが途中で解任され、そのあとをロバート・ワイズが引き継いだらしい。

ナスターシャ・キンスキー主演の『キャット・ピープル』(1981)というのが実はリメークで、オリジナルの『キャット・ピープル』(1942)があると最近知った。そして、それを観るつもりで間違えてオリジナルの続編を借りてしまった(笑)。

この作品だけを観ても、誰がキャット・ピープルなのか非常にわかりにくい!

旦那さんがカードゲームの途中で茫然自失状態になったのがなぜなのかよくわからない。

『ヒューゴの不思議な発明』

2012年04月02日 | Weblog
よい

マーティン・スコセッシ 監督
ベン・キングズレー、ジュード・ロウ、エイサ・バターフィールド、クロエ・グレース・モレッツ、レイ・ウィンストン、エミリー・モーティマー、ヘレン・マックロリー、クリストファー・リー、マイケル・スタールバーグ、フランシス・デ・ラ・トゥーア、リチャード・グリフィス、サシャ・バロン・コーエン 出演

1930年代のフランス、パリ。父を亡くした少年ヒューゴは、駅構内の時計台に隠れ住み、時計の整備をしながら孤独な毎日を送っていた。そんな彼の心のよりどころは、父が遺した壊れたままの不思議な“機械人形”。その修理に悪戦苦闘していたヒューゴは、おもちゃ屋で万引きを働いて店主の老人に捕まり、人形について書かれた大切な父のノートも取り上げられてしまう。そんな中、ヒューゴは老人の養女イザベルと仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探ってゆくのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=340877



映画館で2D英語版で観た。

これ、ソフト化されたときに間違いなく特典映像とか、ディレクターズカットのロングバージョンがはいると思う。

「誰が書いたのか言え!」と尋ねられた時に、どうして即答しなかったのかがひっかかりすぎるが、いい作品。

マーティン・スコセッシはニューヨークが好きすぎるために、作品に悪影響を及ぼしているのではないかと思われることが多々あるが、本作では映画自体が好きすぎることがよい影響を与えている。

映画資料室での出会いもあまいが、映画の先達に対しての尊敬の念にあふれた作品。

フランスなのに英語しゃべっているのはなぜ? とおれは言い続けるかもしれない。

『ブルーバレンタイン』

2012年04月02日 | Weblog
ふつう

デレク・シアンフランス 監督
ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ、フェイス・ワディッカ、マイク・ヴォーゲル、ジョン・ドーマン 出演

かつてはあんなに愛し合っていた結婚7年目の夫婦、ディーンとシンディ。かわいい娘と一緒に暮らしながらも2人の間の溝は深まるばかり。上昇志向が強く、努力の末に資格を取り、病院で忙しく働くシンディにとって、朝から酒を飲み、まともな仕事に就こうとしないディーンの無気力ぶりが歯がゆくてならない。一方のディーンには、シンディがなんでそんなに多くを求めようとするのかが分からない。お互いに不満と苛立ちばかりが募ってしまう。やがてディーンは、危機に陥った夫婦関係を修復すべく、気分を変えようとシンディをラブホテルへと誘うのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338698



よくありすぎる悲劇で、話自体に魅力はない。

見せ方が時制ずらし(過去と現在のエピソードをまぜこぜにしている表現)を使っていて映像も美しいのだが、ほんっとによくある話。

おそらく監督が男性だからだと思うが、冒頭の犬のエピソードなど比較的女性側に不利な表現が多い。

『ピラニア』

2012年04月02日 | Weblog
よい

アレクサンドル・アジャ 監督
エリザベス・シュー、アダム・スコット、ジェリー・オコンネル、ヴィング・レイムス、ジェシカ・ゾー、スティーヴン・R・マックイーン、ケリー・ブルック、リチャード・ドレイファス 出演

観光客でにぎわうヴィクトリア湖。目玉イベント“ウェット・Tシャツ・コンテスト”が開かれている湖畔では、ノー天気な若者たちが乱痴気騒ぎを繰り広げていた。一方、女性保安官のジュリーは、湖で釣り人の老人が行方不明になった事件の調査に向かう。その息子ジェイクは、陽気なポルノ映画監督と知り合い、ガールフレンドのケリーと一緒にロケのお手伝い。しかし、そんな湖の下には誰も知らない地底湖が存在し、太古から激しい生存競争を繰り返しながら、より凶暴な種へと独自の進化を遂げてきた恐るべきピラニアが棲息していた。そしてその殺人魚の大群が、前日の地震で出来た湖底の割れ目を通り、人々がバカンスを楽しむ湖へと流れ込んで来るのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=339377#1



『ピラニア3D』として劇場公開された作品の2D版。

下品サイコ~~~~!
バカオッケェ~~~~!

こういうツボをおさえた作品は大歓迎である。
バカな男の夢が凝縮された傑作。

あの映画監督の意地と性格とちんこが立っている。

長さもすばらしい(89分)。