映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ホーンズ 容疑者と告白の角』

2016年04月10日 | Weblog
よい

アレクサンドル・アジャ 監督
ダニエル・ラドクリフ、マックス・ミンゲラ、ジョー・アンダーソン、ジュノー・テンプル、ケリ・ガーナー、ジェームズ・レマー、キャスリーン・クインラン、ヘザー・グレアム、デヴィッド・モース 出演

ある日、街のマドンナだった美女メリンが森の中で惨殺死体となって発見される。すぐに恋人のイグに疑いの目が向けられ、イグは住民の激しいバッシングやマスコミの執拗な追及に晒される。恋人を殺されたばかりか、濡れ衣まで着せられ、絶望の淵に立たされるイグ。そんなある日、目覚めると、彼の頭から2つの角が生えてきた。パニックに陥ったイグだったが、奇妙なことに、その角を見ても誰も驚かず、そればかりかイグに対して本音や秘密を自ら打ち明けてしまうのだった。この角に不思議な力があることに気づいたイグは、その力を使って真犯人を突き止めるべく事件の真相解明に乗り出すのだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=351518#1





キリスト教の七つの大罪をゆるやかに見せているのかとも思うが、自信はない。

空の酒瓶に手を伸ばして瓶が倒れて転がるという演出、これはコメディか陳腐なのかと思ったら、基本は前者であった。

だって悪魔の力を使って人をひとり殺した犯罪者を探すっていうのが、どうにも「役不足」だもの(笑)。

したがって、前半のコメディ部分がかなりいい。
医者のところ、「お前は育てにくかった……」のところなど最高である。

しかし……、以下ネタバレ







悪魔の力が犯人探しとうまくマッチせずに、結局偶然ロザリオを見つけたあたりから判明しだすのがおもしろくない。ミステリーの組み立てと解法がヘタなのだ。


それと、警察署の近くの酒場に車に乗って酒を飲みに出かけるというのが理解できない。

『西鶴一代女』

2016年04月10日 | Weblog
よい

溝口健二 監督
田中絹代、山根寿子、三船敏郎、宇野重吉、菅井一郎、進藤英太郎、大泉滉、清水将夫、加東大介、小川虎之助、柳永二郎、浜田百合子、市川春代、原駒子、毛利菊枝、沢村貞子 出演

奈良の荒れ寺に集まる街娼たち。年老いたお春は羅漢堂に入り、過去に出会った男の面影を思い浮かべていた。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=135671



某所のストーリー紹介に「島原の郭に売られたお春は、気に入られた客の住み込み女中となるが」とあるが、おそらく違う。年季が明けて自由の身になったお春が住みこみ女中として笹屋に行ったわけで、そこの主人はお春の過去を知らない。お客にお茶を出したらその人が島原でも客だったのでバレたのだ。

物語の終わり方としては、久しぶりの親子対面のときに無礼討ちにあうのがベストだと思う。「何かあったのか?」、「はっ、狂女が迷い込みましたので無礼討ちにいたしました」、「そうか……」、その場を見ようともせずに立ち去る子供……、これで終われば最高なのだが、それだと悲惨すぎるのだ(笑)。

時間の省略、竹林の中のカメラの動きがすばらしい。

三船敏郎と宇野重吉の顔くらいすぐにわかる……と思っていたが、わからないくらいに若い!

以下ちょっとネタバレ






尼寺を追い出された者が托鉢できるのだろうか? などと思うが、あれがないと観ている者がほっとできないのだ。

また、
街娼のことを,江戸では夜鷹(よたか),京都では辻君,大坂では惣嫁(そうか)または白湯文字(しろゆもじ)などと呼んだ。
コトバンクより
http://bit.ly/23sostF

ということは知っていたほうが、わかりやすいかもしれない。




淀川長治さんとおすぎさんの対談番組がネットにあって、本作を観るきっかけになりました。溝口監督の『日本橋』も観たくなったが、現存しないようだ。

『ビッグ・アイズ』

2016年04月08日 | Weblog
よい

ティム・バートン 監督
エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、ダニー・ヒューストン、ジョン・ポリト、クリステン・リッター、ジェイソン・シュワルツマン、テレンス・スタンプ、ジェームズ・サイトウ、デラニー・レイ、マデリン・アーサー 出演

1958年。離婚を決意したマーガレットは、幼い娘ジェーンを連れて家を飛び出す。女手一つで娘を育てるため、サンフランシスコのノースビーチで似顔絵描きを始めたマーガレット。彼女はそこで口が上手く社交的な男性ウォルター・キーンと出会い、結婚する。ある日、マーガレットの描く瞳の大きな子どもの絵が、ひょんなことから世間の注目を集めるようになる。するとウォルターは、その“ビッグ・アイズ”を自分の絵と偽り売りまくる。それを知り抗議するマーガレットだったが、口八丁手八丁のウォルターにまんまと言いくるめられてしまう。以来、世間にもてはやされるウォルターの陰で、黙々と絵を描き続けるマーガレットだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=350425





みんないいが、旦那役のクリストフ・ヴァルツとディーアン役のクリステン・リッターの演技が特にいい。

気の毒な話だし、親権を奪われることを回避するのが大きな目的だったとは思うが、基本的にマーガレットに男を見る目がないということが、ディーアンの発言でわかる。



ディーアンの存在が当時の女性のスタンダード、基準的な女性像を表しているのではないか。

裁判のシーンは完全にコメディ。

『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』

2016年04月08日 | Weblog
よい

セス・マクファーレン 監督
セス・マクファーレン、シャーリーズ・セロン、アマンダ・セイフライド、ジョヴァンニ・リビシ、ニール・パトリック・ハリス、サラ・シルヴァーマン、リーアム・ニーソン 出演

時は西部開拓時代。生まれる時代と場所を間違えた臆病なオタク青年アルバート。マッチョな男たちがささいなトラブルで殺し合いを繰り広げる野蛮なこの町で、羊飼いをしながらひっそりと暮らしていた。そんなある日、酒場の乱闘騒ぎに巻き込まれたアルバートは、ひょんなことからミステリアスな美女アナと恋仲に。射撃の名手でもあった彼女に銃の手ほどきを受け、少しずつ男としての自信をつけていくアルバート。ところがそこに、泣く子も黙る西部一の大悪党クリンチが現われる。なんと彼は、アナの旦那だったのだ。案の定、クリンチの怒りを買ってしまい、絶体絶命の窮地に陥るアルバートだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349118





軸となる「いい話」があって、その枝葉末節を徹底的に笑える要素(ひどいシモネタも辞せず)で修飾した作品。
酒場で起こったケンカの危険回避方法など、映画好きを喜ばせるところも多い。

シャーリーズ・セロンは『プロメテウス』、本作、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』とほとんど肌を露出せずに荒野が舞台の作品ばっかり出演しているような気がするが、荒野が大好きなのかもしれない。本作でもよかった。できればもっと肌を露出させてほしい。

決闘シーンが3回あるのも珍しいのではないか。

ミラ・クニス!