映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『水の女』

2010年06月28日 | Weblog
よい

杉森秀則 監督・脚本
UA、浅野忠信、HIKARU、江夏豊、大浦龍宇一、石井光三、ぼんちおさむ、YUKI、小川眞由美 出演

父と共に関西の小さな町で銭湯を営んでいる涼。彼女の身の回りで何かある時は必ず雨が降るため、涼には“雨女”とあだ名がついていた。結婚直前、婚約者と父が同時にこの世を去った時も雨が降っていた。唯一の家族を失った涼は、しばらく銭湯を閉めて旅に出る。旅から戻ると見知らぬ男・優作が勝手に上がり込んで食事をしていた。涼は驚きながらも不思議な魅力の優作に惹かれていく。火を見ると落ち着くと言う優作に釜場を任せ、銭湯の営業を再開した。互いに何も問いかけることなく、奇妙だが幸せな毎日が続くと思われたが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=239919



説明が難しい作品だが、映像が美しい。
浮世離れした女と浮世離れした男の話がメインだが、廃れつつあるむかしながらの銭湯がおもな舞台でそれに付随する富士山の絵の職人、煙突掃除夫など、この作品全体が浮世離れしているというか、異世界を描いていると捉えることもできる。

主人公と樹海で出会い、のちに絵の職人に弟子入りするユキノ役のHIKARUがいい。それぞれの役者さんが皆すばらしい存在感を出しているが、その中でも特に目をひく。

何回か人の死を描いているが、どれも表現がヘタクソである(笑)。

ノーマル阪でもすこし長い印象なのだが、さらに長いディレクターズカットがDVDに収納されていて、そちらのほうが話は通じやすい。

『息もできない』

2010年06月23日 | Weblog
よい

ヤン・イクチュン 監督・製作・脚本
ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン、チョン・マンシク、ユン・スンフン、キム・ヒス、パク・チョンスン、チェ・ヨンミン、オ・ジヘ 出演

借金の取り立て屋をしているサンフンは、母と妹を死なせた父親に対する激しい怒りと憎しみを抱えて生きていた。常に苛立ち、情け容赦ない暴力を振るっては周囲を怖がらせていた。ある日サンフンは、道端で唾を吐き、偶然通りかかった女子高生ヨニのネクタイを汚してしまう。見るからに強面のサンフンに対しても怯むことなく突っかかっていくヨニ。最悪な出会いを果たした2人だったが、不思議とウマが合い、奇妙な交流が始まる。ヨニもまた、ベトナム戦争の後遺症で精神を病んだ父親との間に確執を抱えていたのだった。そんな中、ヨニの弟ヨンジェが偶然にもサンフンの手下となり取り立ての仕事を始めるのだが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=335197#1



邦画、アジア系の作品が苦手なのを承知で言うが、いまのところ今年の上半期ベスト作品。

中崎タツヤの漫画で乱暴なことばと暴力でしか感情が表現できない男というネタがむかしあったが、それの映画阪といえるかもしれない。

韓国でひどい父親を持つということがどれほどの重荷・トラウマになるのかが主人公を中心に描いてある。

姉と弟が同じ人間と関わりをもつようになることと、主人公の最後がちょっと好みではないが、それでも完成度はかなり高い。

漢江のデートのところはほろりときた。

姉さんの存在が序盤? だったが、後半で理解できた。

マンシク役のチョン・マンシクがいい。

『迷子の警察音楽隊』

2010年06月22日 | Weblog
ふつう

エラン・コリリン 監督・脚本
サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、サーレフ・バクリ、カリファ・ナトゥール 出演

ちょっと昔の話。イスラエルに新しくできたアラブ文化センターでの演奏を依頼されたエジプトの警察音楽隊。さっそく揃いのスーツに身を包み、イスラエルの空港に降り立つ一行。しかし何かの手違いか、空港に出迎えの姿はなく、誇り高き団長トゥフィークは自力で目的地を目指すことに。ところがたどり着いた先は、目的地と似た名前の全く別の場所。そこは、ホテルなんて一軒もない辺境の町。途方に暮れた一行は、食堂の美しい女主人ディナの計らいで、3組に分かれ、食堂、ディナの家、そして常連客イツィクの家に分宿して一夜を過ごすことになるのだったが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=328959#1



歴史と地理に弱くてもそれほど困らないつくりになっていた。

ローラースケート場みたいなところでのデート指南はよかったが、あとはず~~っととまどいというか躊躇というかおずおずとした様子の連続である。

かつての敵国で今でもそれほど仲はよくなくて、かたや大都会かたやど田舎に住み、それでも共通するものがあることがわかるとほっとできるが、それ以上のことはなにも起こらない。

変わりがないことの強調で喜ぶ人々もいるのかもしれないが、わたしはあまりおもしろみを感じなかった。

『M★A★S★H マッシュ』

2010年06月19日 | Weblog
よい

ロバート・アルトマン 監督
エリオット・グールド、ドナルド・サザーランド、トム・スケリット、ロバート・デュヴァル、サリー・ケラーマン、ジョー・アン・フラッグ 出演

朝鮮戦争下の移動米軍外科病院に3人の軍医が配属された。腕はピカイチの名医だが、やることなすことすべてにおいて型破り。仕事が終わると、寸暇を惜しんでは猥雑極まりないイタズラに精を出す。

ストーリーはウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/M%E2%98%85A%E2%98%85S%E2%98%85H_%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5



芯となる話はないが、前半のいやな医者(ロバート・デュヴァル好演)を追い出す話と後半のアメリカン・フットボールの話がメインでその間も笑えるエピソードでつないでいる。

そのふざけ方が徹底していることがすばらしく、たとえば、上の写真は『最後の晩餐』のパロディなのだ(笑)。
このときの歯科医ペインレスの救い方の表現もよく、ヘリコプターの中でなにかを思い出して微笑む除隊した婦長(ジョー・アン・フラッグ)でこのエピソードはおわる。

スピーカーによる基地内放送もすべては理解できなかったが、使い方がシャレている。

『アイアンマン2』

2010年06月14日 | Weblog
よい

ジョン・ファヴロー 監督
ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェル、ミッキー・ローク、サミュエル・L・ジャクソン 出演

 “アイアンマン”であることを自ら公表し、世間を騒然とさせたトニー・スターク。彼の勝手なヒーロー行為は国家問題にまで発展し、パワード・スーツ没収を命じられるハメに。一方、そんなトニーの報道を憎悪の目で見つめる男。彼はトニーに対し、ある恨みを募らせていた。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=335567



それほどよくないのだが、スカーレット・ヨハンソンと別れた妻に免じて……(笑)。

新設定を不自然に挿入されても違和感があるだけである。もうちょっとスマートなシナリオを心がけてもらいたい。

アイアンマンの敵がアイアンマンタイプというのはもう飽きた。

作品のデキもギャグも前作のほうがよかった。本作を観る前に前作をどうぞ。

『こわれゆく世界の中で』

2010年06月14日 | Weblog
ふつう

アンソニー・ミンゲラ 監督・脚本
ジュード・ロウ、ジュリエット・ビノシュ、ロビン・ライト・ペン、マーティン・フリーマン、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファーミガ、ラフィ・ガヴロン、ポピー・ロジャース 出演

ロンドンのキングス・クロス。建築家のウィルは、この地区にオフィスを開き、都市再開発の巨大プロジェクトを請負っていた。私生活では映像作家リヴとその娘と暮らしていたが、心のバランスを崩して苦しむ娘の存在がリヴとウィルの間に暗い影を落としていた。そんな時、彼のオフィスが2度も窃盗の被害に遭う。やむを得ず自ら夜のオフィスを見張り始めたウィルは、やがてオフィスに侵入しようとしていた少年を発見、少年の身辺を探るうち、次第に彼の母親アミラに心惹かれていく。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=326852



おもしろくないシナリオ、前半が無駄に長い、エンディングが安易すぎるなど欠点も多いが、魅力もある作品。

ジュリエット・ビノシュも、ロビン・ライト・ペンもジュード・ロウと目を合わせる時間が極端に少ない。これだけでジュード・ロウの孤独が際立ってくる。

そして家庭の不安定を象徴するようなビー役のポピー・ロジャースの演技がいい。

あの娼婦もよかった。

『そして、デブノーの森へ』

2010年06月14日 | Weblog
ふつう

ロベルト・アンド 監督
アナ・ムグラリス、ダニエル・オートゥイユ、グレタ・スカッキ、ミシェル・ロンズデール、マグダレナ・ミェルツァシュ、ジョルジョ・ルパーノ 出演

素性が謎に包まれた世界的ベストセラー作家セルジュ・ノヴァク。その正体は、ユダヤ人の男性ダニエル。ある時、義理の息子の結婚式に出席するためカプリ島に向かっていた船上で、彼は美しい女性ミラと出会う。一瞬にして心奪われ、誘われるままに一夜を共にしたダニエルだったが、翌日、彼女こそが義理の息子の花嫁だったことを知る。しかし、自分と同じポーランド出身でユダヤの言葉であるイディッシュ語が理解できるミラへの想いは断ちがたく、ダニエルは彼女との許されぬ情事を重ねてしまうのだったが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=327544



『NOVO/ノボ』のアナ・ムグラリスがよかったので本作を観たのだが、だめだった。話がおもしろくない。

それでも前半はアナ・ムグラリスが裸になりまくりで頑張ってくれるのであまり飽きないが、後半は退屈であった。

以下ネタバレ







だいたいミステリー仕立てにしようとするのが間違いである。金目当てならば、最初に肉体的な接触があるのはおかしい。

それと、あの名前の取り違えもひどすぎる。なんだあのとってつけたような展開は。

『3-4X10月』

2010年06月11日 | Weblog
よい

北野武 監督・脚本
小野昌彦、ビートたけし、石田ゆり子、井口薫仁、飯塚実、布施絵里、芦川誠、篠原尚子、豊川悦司、井川比佐志、ベンガル、ジョニー大倉、渡嘉敷勝男 出演

ある日、勤務先のガソリンスタンドで暴力団組員にからまれた冴えない青年・雅樹は、逆上しその組員に殴りかかる。しかし、そのことが原因となりガソリンスタンドが暴力団に強請られる事となる。追い詰められた雅樹はそのことを所属する草野球チームのコーチであり、また以前、組長と兄弟分であったスナックのマスターに相談、雅樹に同情したマスターは問題解決のため組に出向くのだが、そのことがきっかけとなりマスターが暴力団と揉め、結果、重傷を負ってしまう。復讐に燃えながらも動けないマスターを見兼ねた雅樹は拳銃を手に入れるため沖縄に飛ぶ……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=87910



北野監督のマジに撮っちゃいけないという照れかくしがギャグとして入れられたような作品。

以下ネタバレ(笑)






沖縄に行ってあんなに苦労したのに、入手した拳銃は車の窓ガラスを割っただけである(笑)。これは画期的である。

ガダルカナル・タカの灰皿でバカ女を殴打するシーンはなんど観てもシビれる!

キャスティングもかなりいい。

『告白』

2010年06月08日 | Weblog
ふつう

中島哲也 監督・脚本
松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原薫、橋本愛

とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると宣言するのだった。その後、森口は学校を辞め、事情を知らない熱血教師のウェルテルこと寺田良輝が新担任としてクラスにやってくる。そんな中、以前と変らぬ様子の犯人Aはクラスでイジメの標的となり、一方の犯人Bはひきこもりとなってしまうのだが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=335612



これ、おそらく原作がもともとわたしとあわないのではないかと思う。

「更生がはじまる。……なんてね」

完全な復讐劇としてならば、まだ評価は高かったと思うが、こんなので更生といわれても不愉快である。仮にそれがホントだったとしたら、少年Bはどうなのか? あの結果が更生といえるのか?
そして、復讐劇ならばあの最後の事件はありえない。あれはあとからの発想である。

あんな暗い(照明がおちている)教室で延々と話す教師はいない。しかもそれがウェルテルまで続く……。

松たか子と岡田将生の演技はよかった。

『NOVO/ノボ』

2010年06月06日 | Weblog
よい

ジャン=ピエール・リモザン 監督
エドゥアルド・ノリエガ、アナ・ムグラリス、ナタリー・リシャール、エリック・カラヴァカ、パス・ベガ、ジュリー・ガイエ、レニー・ブエノ 出演

グラアムは、あるオフィスでコピー係を務めているが、記憶が5分しか持たないという重い障害を患っていた。新しくやってきた美しい派遣社員イレーヌは、そんなグラアムに社内を案内してもらう。事情を知らない彼女は、ちょっと不思議なところのある彼に惹かれ、恋に落ちた。やがてグラアムの症状を知った彼女だったが、常に新鮮な気持ちで恋愛出来ることを楽しんでいた。しかし、グラアムの中に自分との記憶が残されないことに次第に不安を募らせてもいく。そんな時、グラアムの記憶が戻りはじめ、意外な過去が徐々に明らかになる……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=241421#1



アナ・ムグラリスの美しさと撮影(ジュリアン・イルシュ、ゴダールの作品でも撮影を担当している)の大勝利ではないか。

記憶を保てなくなると男はこんなにモテるのか(笑)?

ここではおとなしい写真を使用したが、作品中では男女ともに満足できる裸の多さである(笑)。

恋人どうしの楽しいひとときをいろいろなパターンでみせてくれる。ちょっと問題もあるのだが……。

こどもがつらかっただろうなぁ……。

後半ちょっともたつく。

以下ちょっとネタバレを含んだ疑問






女社長の立ち位置がわからない。従業員が記憶を保てなくなったので浮気に利用したということなのか?

『スターダスト』

2010年06月06日 | Weblog
よい

マシュー・ヴォーン 監督
クレア・デインズ、チャーリー・コックス、シエナ・ミラー、ベン・バーンズ、リッキー・ジャーヴェイス、ジェイソン・フレミング、ルパート・エヴェレット、ピーター・オトゥール、ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロ 出演

イングランドの外れにあるウォール村。小さなその村の端には決して越えてはならない壁があり、一箇所だけ開いた穴は、昼も夜も門番がしっかりと見張っていた。ある夜、18歳の青年トリスタンは、村一番の美女ヴィクトリアの気持ちを勝ち取りたい一心で、壁の向こうに落ちた流れ星を愛の証としてプレゼントすると誓うのだった。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=327707



ヒロイン(クレア・デインズ)にまったく魅力がないこととシナリオが若干あまいことを除いて(笑)、かなりいい。

24時間老人に番をさせるくらいならばさっさと壁を修復すればいいのにとかの常識的なツッコミをいれるヤボは、この作品を観ないように。

ミシェル・ファイファーの美しさと意地汚さ(笑)、ロバート・デ・ニーロの信じられない演技を楽しもう。

それと、生きているときは誰も信用できないくらいの徹底した人間不信の王子たちが、死後は仲睦まじくいたわりあうというのもイギリスの黒っぽさが出ていていい。

『運命のボタン』

2010年06月04日 | Weblog
よい

リチャード・ケリー 監督・脚本
キャメロン・ディアス、ジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラ、ジェームズ・レブホーン、ホームズ・オズボーン 出演

1976年12月16日、朝5時45分、ヴァージニア州郊外に暮らすルイス夫妻宅の玄関のベルが鳴る。しかし、妻のノーマが出ると、そこには誰もおらず、ひとつの四角い箱が置かれているだけだった。そして、夫のアーサーがその箱を開けると、中には赤いボタンが付いた奇妙な木製の装置が入っていた。午後5時、夫妻宅にアーリントン・スチュワードと名乗る男が訪ねてくる。男は夫妻に、赤いボタンを押せば2つのことが起きると告げる。第1にどこかで見知らぬ誰かが死に、第2に現金100万ドルが夫妻のものとなる。決断の期限は24時間。経済的に追いつめられていた2人は、やがて葛藤の末に、ついにボタンを押してしまうのだったが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334339



SFとファンタジーと哲学と自己犠牲をごちゃまぜにして作品化したもの。この監督(リチャード・ケリー)の作品はほかにふたつ観ている(『ドニー・ダーコ』と『サウスランド・テイルズ』)が、どれもその作品要素は変わっていない。
問題は脚本ではないか。観客を納得させる整合性を持ったシナリオが『ドニー・ダーコ』では見事に成功し、『サウスランド・テイルズ』では大失敗している。では本作では? これが意見の分かれるところで、正直ぎりぎりセーフくらいではないか。

例えば、なぜ旦那に図書館でみっつの選択をさせるのか? 周囲をコントロールしてまで経済的な環境を悪くして選択させるのはどうなのか? そこあたりの説明はないし、カットしたほうがわかりやすくなったはずである。

以下ネタバレ








火星人(ということばは本作では使われていないが)の、神にも似ている絶対的な力を持ってはいるが絶対的な善には見えないところ、逆に愚者ではあるのだが人間の思いやりの心や火星人に対する反抗心、これらがおもしろかった。

『パリより愛をこめて』

2010年06月02日 | Weblog
よい

ピエール・モレル 監督
ジョン・トラヴォルタ、ジョナサン・リス・マイヤーズ、カシア・スムートニアック、リチャード・ダーデン、アンバー・ローズ・レヴァ、シェムズ・ダマニ 出演

フランスのアメリカ大使館に勤務するジェームズ・リースは、エリート大使館員にしてCIAの見習い捜査官。華やかな活躍に憧れながらも、いまだ地味な活動ばかりの日々。そんなある日、麻薬捜査のためにCIA本部から凄腕エージェント、ワックスがやって来る。そのパートナーを任され、初めての重要任務に張り切るリース。ところがワックスは、任務のためなら手段を選ばず、人を撃つのさえも躊躇わないあまりにも危険な男だった。人を撃った経験などあるわけもないリースは、ワックスのやり方に戸惑いと反発を覚えるのだったが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336108



序盤がもたつくのと話がありきたりすぎるのが減点なのだが、この短さ(95分)とテンポのよさはかなりよい。

もしかしたらアクションよりもふたりの会話のほうに魅力を感じる人も多いのではないか。

公式サイトのトリビアは参考になった。
http://wwws.warnerbros.co.jp/frompariswithlove/

『私は猫ストーカー』

2010年06月01日 | Weblog
よい(ただし猫好きに限る)

鈴木卓爾 監督
星野真里、江口のりこ、宮崎将、品川徹、諏訪太朗、寺十吾、岡部尚、瀬々敬久、黒沢久子、麻生美代子、徳井優、坂井真紀 出演

イラストレーターの卵ハルは、猫好きが高じて、町で猫を見かけると後を追いかけずにはいられない自称“猫ストーカー”の女の子。そんな彼女は現在古本屋でバイト中。恋愛話が好きな同僚の真由子や、寡黙なご主人とその奥さん、そして子どものいない2人が大切に飼っている猫のチビトムに囲まれ、まったりした時間を過ごす毎日。ところが、ひょんなことからご主人と奥さんの間に不穏な空気が漂い始め、それが原因か、チビトムがある日突然姿を消してしまう。一方ハルのほうも、やたらと道端で出くわす店の常連、鈴木さんに少々困り気味だったが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333788#1



このシナリオ(黒沢久子)の起承転結のなさかげんは特筆に価する(笑)。こんなのをどこかのシナリオ学校で書いたら、怒られるに決まっている。
しかし、猫の魅力はかなり引き出しているのだ(笑)!

今もあるのかどうかわからないが、むかし江古田の南口にデブネコのいる古書店があった。これがまた見事に無反応の猫で、どんなになでても声も出さないし動こうともしなかった。それで猫さみしいときにはときどきさわらせてもらったりしていたのだが、あるときいなくなってしまった。お店には張り紙がされたが、そのとき友人に聞いたのが本作でも語られる猫の死期の話だった。

猫ストーカーだと告白するときに星野真里が涙ぐむが、それほどたいしたことではない。わたしなんか猫ゲリラだ。

星野真里の演技がかなりよい。