映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『カムイ外伝』

2010年08月26日 | Weblog
ふつう

崔洋一 監督
松山ケンイチ、小雪、伊藤英明、大後寿々花、小林薫 出演

17世紀の日本。すさまじい階級社会の中で最下層の子として生まれたカムイにとって、強くなることが生き抜くための条件だった。はからずも忍びの道へと進んだカムイだったが、やがて自由を求めて忍びの世界を抜け出す。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=332894#1



脚本(宮藤官九郎、崔洋一)がクソ。おもしろくない。

戦いを描くときに大きく分けて弱対弱、強対弱、強対強のパターンがある。もちろんそれぞれにおもしろく見せるやり方はある。

本作での主人公はこども時代の描写を除いてすでに強者として描かれている。そこに半兵衛(小林薫)という強者が現れて舟からあっさり落とされる。

これ以降、登場人物の誰が強者で誰が弱者なのかの表現が乱れ過ぎなのだ。都合よく強くなったり弱くなったりしている。

半兵衛が馬の足を切断する。その理由はのちにわかるのだが、なぜ領主の馬でなければならないのかがさっぱりわからない。頭のよさそうにみえる半兵衛が、これまでにも同じことをやってきたのか? やっていないとおかしいのだが……。

後半のほうで大勢の人間が死ぬのだが、シナリオ上の処理がめんどうだからああいう殺し方をしたのではないかと思ってしまう。

鹿のCGがすごすぎる(笑)!

『チェンジリング』

2010年08月23日 | Weblog
よい

クリント・イーストウッド 監督
アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール、ジェイソン・バトラー・ハーナー、エイミー・ライアン、マイケル・ケリー 出演

1928年、ロサンゼルス。シングルマザーのクリスティン・コリンズは、9歳の息子ウォルターを女手一つで育てる傍ら電話会社に勤め、せわしない日々を送っていた。そんな彼女はある日、休暇を返上してウォルターをひとり家に残したまま出勤する羽目に。やがて夕方、彼女が急いで帰宅すると、ウォルターは忽然と姿を消していた。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=332551



アンジェリーナ・ジョリーとこの役がマッチングしていないのではないかと思っていたが、入院するあたりから気にならなくなった。そこあたりから物語に引き込まれたのだろう。

なにせ実話に基づいているものだから暗くおわりそうなものだが、最後の30分はあとあじをよくするための作業で、それがあるために明るい印象になってもいるが長くもなっている。

汚れ役だが刑事のジェフリー・ドノヴァンがよかった。

『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』

2010年08月23日 | Weblog
よい

ジョー・カーナハン 監督
リーアム・ニーソン、ブラッドリー・クーパー、クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン、ジェシカ・ビール、シャールト・コプリー、パトリック・ウィルソン 出演

奇抜な戦略家のハンニバルをリーダーに、二枚目のフェイス、怪力のB.A.、パイロットのマードックら米軍のバラエティーに富んだ精鋭で結成された特殊部隊“Aチーム”。それから8年後、数々の特殊ミッションを遂行してきた彼らは、すでに米軍の生ける伝説と化していた。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336061



見て損はないこの夏最強の娯楽作品。

ド派手なアクション、飽きさせない展開、ちりばめられたコメディ要素。完成度の高い作品だ。

最後の戦闘シーンが夜のためか、いちばん地味に見えた(笑)。

どの俳優もすばらしいのだが、『第九地区』で主演もしたシャールト・コプリーのクレイジー・パイロットぶりは特に目をひいた。

『クリミナル・サイト~運命の暗殺者~』

2010年08月23日 | Weblog
よい

マイケル・キートン 監督
マイケル・キートン、ケリー・マクドナルド、トム・バストウネス 出演

夫の暴力から逃れ、シカゴに移り住んだケイトは、新しい仕事を始めるも周囲に溶け込めずにいた。そんなある日、彼女はマンションでひとりの男性・ローガンと出会う。

ストーリーはアマゾンより
http://amzn.to/9OI6vK



映像にとても力をいれた(撮影クリス・シーガー)作品。

アクションに期待すると間違える。これはとても静かな恋愛映画なのだ。

前半クリスマスの孤独を強調しながら話が進むので受け入れやすい展開なのだが、主人公のプロフェッショナルらしからぬところがひとつ、それとあの最後もアマいというかわざとらしい。

短い作品(96分)で、ダメ男ばかり三人を引きよせる能力もどうかと思うが、友人を探してドアをあけっぱなしで立ち去るのもいかがなものかと……(笑)。

『現金に体を張れ』

2010年08月22日 | Weblog
よい

スタンリー・キューブリック 監督・脚本
スターリング・ヘイドン、マリー・ウィンザー、コリーン・グレイ、ヴィンセント・エドワーズ、ジェイ・C・フリッペン、テッド・デ・コルシア、ティモシー・ケリー、エリシャ・クック・Jr 出演

ジョニーは出所したばかりにも関わらず、競馬場の売上金強奪を企み仲間を集める。周到な準備の末、いよいよ決行の時が来るが、計画が成功したかに思えた瞬間、思わぬ展開がジョニーたちを待っていた……。

ストーリーはオールシネマより「
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=7263#1



現金と書いて「ゲンナマ」と読む。

時間軸ずらしの元祖のような作品。もちろんその時間軸ずらしにはちゃんとした必然性がある。

序盤テンポが良すぎて、英語が苦手な人(わたしだ!)は混乱するかもしれない。

そしてその小気味いいテンポを意図的に破壊するのが、マリー・ウィンザー(写真右)である! この異様なねっとり感はただごとではない。もうここだけで、これから起こるすべての悪いことの元凶が彼女だとわかる(笑)。

事件が起こるまでの展開はすばらしくおもしろいのだが、起こったあとの展開が物語収束のためだけのもので、予定調和すぎて今ではおもしろくない。

主人公はスターリング・ヘイドンでいいのだが、あの序盤だとそれがわかりにくい。

『スモーキン・エース2』

2010年08月20日 | Weblog
ふつう

P・J・ピース 監督
トミー・フラナガン、ヴィニー・ジョーンズ、トム・ベレンジャー、オータム・リーザー、マルタ・イガレータ、モーリー・スターリング、クレイン・クロフォード、クリスjトファー・マイケル・ホリー、アーニー・ハドソン、マイケル・パークス、ロスガー・マシューズ 出演

交通事故で妻子を失い車椅子の身で働いてきたFBI情報分析官ウィードは、何故か突然、暗殺のターゲットに! 4月19日午前3時に彼を殺せば報酬は300万ドル、タイムリミットは24時間!



ヒトクセある殺し屋たちのヒトクセを楽しむ映画だった前作に対し、今回はヒトクセの強調が足りない。

キャラクターはみな魅力があるのに、戦闘シーン、・死なせ方に芸がないのだ。

わたしの好きなヴィニー・ジョーンズなど、とてももったいない。

ノリもいまひとつである。

前作『スモーキン・エース』のわたしの記事。
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/6e936e9b9073a1f250da0fd597f841aa

『鉄男 THE BULLET MAN』

2010年08月17日 | Weblog
よい

塚本晋也 監督
エリック・ボシック、桃生亜希子、中村優子、ステファン・サラザン、塚本晋也 出演

塚本監督が世界を視野に満を持して放つ全編英語による新たなる“鉄男”の物語。激しい怒りとともに鋼鉄の肉体へと変貌していく男の姿を、パワフルかつスピード感あふれる音と映像で綴ってゆく。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334821


わたしの住んでいるところでは、8月14日から一週間の上映だった。

人間の内側にある力(怒りがもっとも近いがそればかりではない)を外側に具現化するとこんな作品になるような気がする。

主人公が地下から出てからの戦闘シーンが最高である。一気に血液が沸騰し、まばたきもできなくなる。

これまでのシリーズと比べると、「わかりやすさ」にも気をつかっているのがわかる(笑)。

桃生亜希子のキャラクターがちょっとブレているようにも感じられる。前半の狂気が後半では常識に抑えられている。

この短さ(71分)はいい。

音楽もよかった。わたしの観たところでは、もうすこし爆音でもよかったくらいだ(笑)。

『パブリック・エネミーズ』

2010年08月17日 | Weblog
よい

マイケル・マン 監督
ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール、ビリー・クラダップ、スティーヴン・ドーフ、スティーヴン・ラング 出演

大恐慌時代に義賊的な振る舞いとカリスマ性で民衆に支持された伝説のギャング、ジョン・デリンジャーの壮絶な運命を映画化した実録犯罪ドラマ。のちにFBIとなる組織を急成長させた男J・エドガー・フーバー率いる捜査チームとの熾烈な攻防を、デリンジャーとビリー・フレシェットとのロマンスを絡めてスタイリッシュに描く。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334507



フィクションの物語としておもしろく観た。

もちろん、ジョン・デリンジャーは実在の人物だし、基本的にほかの登場人物もそうなのだろう。
ただそれは、輪郭を定めるためであってだからといって詳細まですべてがほんとうの話だとは限らない。

ちょっと不愉快だったのが、2時間を超えている作品なのに許可証をもらうシーンがあったことだ。あれは不要であり、あそこも含めてもうちょっと短くしてもらいたい。

『かいじゅうたちのいるところ』

2010年08月09日 | Weblog
よい

スパイク・ジョーンズ 監督
マックス・レコーズ、キャサリン・キーナー、マーク・ラファロ 出演
声の出演 ローレン・アンブローズ、クリス・クーパー、ジェームズ・ガンドルフィーニ、キャサリン・オハラ、フォレスト・ウィッテカー、ポール・ダノ

やんちゃな8歳の少年マックスは、シングルマザーの母と姉との3人暮らし。最近、姉も母もかまってくれず寂しさがつのるマックス。ある日、大好きなオオカミの着ぐるみを着て悪さをしていたマックスは、ついに母を激怒させてしまう。自分の気持ちを分かってくれない悔しさから、マックスはそのまま家を飛び出してしまう。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334288



こどもの世界観を大人にも伝わりやすくしたような作品。
気に入らなければ破壊! 夜は集まって眠る! めったなことでは謝らない(笑)。
それは寂しがり屋の王様なのだよ。

そしてキャロルという人間のマックスとそっくりのキャラクターを目の前に置くことによって、楽しさもつらさもうまく感情表現ができないもどかしさも二倍になるのだ。

『ジャガーノート』

2010年08月08日 | Weblog
よい

リチャード・レスター 監督
リチャード・ハリス、オマー・シャリフ、シャーリー・ナイト、アンソニー・ホプキンス、イアン・ホルム、デヴィッド・ヘミングス、クリフトン・ジェームズ、フレディ・ジョーンズ、ロシャン・セス 出演

“ジャガーノート”と名乗る男から豪華客船ブリタニック号に爆弾を仕掛けたという脅迫状が届いた。警察の必死の犯人捜索が続けられる中、特殊部隊による爆弾処理班は嵐の海へ飛び立つ。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=10255



荻昌弘さんの<月曜ロードショー>以来、テレビでは何回か観た記憶があるのだが、ちゃんとしたパッケージで観るのははじめてだった。残念ながら、日本語吹き替え版ははいっていなかった。

爆弾がしかけられていることがわかった時点で、すぐに天気のいい場所やもよりの港へ移動するのが基本だと思うのだが、それができない場所だったのだろう。

最近では液体窒素などで爆弾を冷却するのが基本で、どちらのワイアーを切るのかなんてありえないという文章を読んだことがあるが、本作の影響で映画の世界では今でもこのパターンが多いようだ。

前半で余裕を見せる主人公とその後半など、前半と後半での「差」を楽しむつくりになっている。ロイ・キニア演じるパーティーの司会がもっともかっこいいかもしれない。

ガキを厳しくしつけていれば、犠牲者は少なくなっていたかもしれない(笑)。

犯人が見つかるときのアレはいい。

『ファンボーイズ』

2010年08月07日 | Weblog
よい

カイル・ニューマン 監督
サム・ハンティントン、クリストファー・マークエット、ダン・フォグラー、ジェイ・バルシェル、クリステン・ベル 出演

1998年のハロウィン。父親の経営する中古車販売店で働くエリックは、かつて「スター・ウォーズ」に熱狂した高校時代の仲間たちと久々に再会した。話題はもちろん、来年夏についに公開される新作「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」。ところが、仲間の一人ライナスはガンで余命わずか。公開まで待てない一同は、一足早く観るため、ルーカス・フィルムの本拠地“スカイウォーカー・ランチ”に侵入するべく、みんなでアメリカ横断の旅に出るのだが……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336286



オタクのためのオタク映画。これをケヴィン・スミスが撮ってくれたら……と思っていたら、出演していた(笑)。

<トレッキー>というのは映画会社が作った宣伝用のことばであって本当のスター・トレックファンは<トレッカー>と自称する……、ということをスター・トレックファンである知り合いが10年以上前に言っていたが、ほんとにここまで怒るのだろうか(笑)。

この作品のギャグを100%理解するのは無理である。それはわたしがファンボーイズではないからだし、英語ができないからだ。ケヴィン・スミスのところのギャグもわからなかった。

それでも全編にちりばめられたスター・ウォーズ各エピソードのSEにはニヤリとし、どこかで観た顔には驚嘆する(ダース・モール役の人が出ていたとはわからなかったが、出ているとしたらあそこだろう)。

ハリソン・フォードにハズレ映画はないといったとたんに大写しになる看板もいいし、情報提供者がすごすぎる(笑)。

あのエンディングももちろんアレだし、ほろりとさせる。

『サロゲート』

2010年08月02日 | Weblog
よい

ジョナサン・モストウ 監督
ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザムンド・パイク、ボリス・コジョー、ジェームズ・フランシス・ギンティ、ヴィング・レイムス、ジェームズ・クロムウェル 出演

人間の身代わりロボット“サロゲート”が普及し、その常用が不可欠となった近未来。人間は外出せず、サロゲートとの媒介となるスティムチェアーから遠隔操作することで、実生活の全てをサロゲートに委ねていた。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334777



ちょっと話に無理があるのだが、この短さ(89分)、ブルース・ウィリスのサロゲートが痩せ気味でしっかり髪の毛がはえているというギャグ、キャンター博士が某アップルの社長さんに似ていること、そして案外アクションもよかった。

しかし、この監督はあの人を殺してしまうというツボをはずした行為に出てしまったのがいまひとつ受けが悪い理由だろう。

『ソルト』

2010年08月01日 | Weblog
ソルト - goo 映画

よい

フィリップ・ノイス 監督
アンジェリーナ・ジョリー、リーヴ・シュレイバー、キウェテル・イジョフォー、ダニエル・オルブリフスキー、アンドレ・ブラウアー

アメリカCIA本部。優秀な分析官イブリン・ソルトは、突然現われたロシアからの亡命者・オルロフを尋問する。特殊スパイ養成機関の元教官だという彼は、アメリカに長年潜伏してきたロシアのスパイが、訪米中のロシア大統領を暗殺すると予告する。そして、そのスパイの名は「イブリン・ソルト」だと告げる。一転して二重スパイ容疑をかけられたソルトは、身の潔白を訴えるが聞いてもらえず、最愛の夫の身を案じてCIA本部から逃走。だが自宅に夫の姿はなく、何者かに連れ去られた形跡が残っていた……。



ふかみを求めないで楽しむデート・ムービー。

1 オルロフがなんのために出てきたのかよくわからない
2 シュナイダーはやり過ぎである(笑)
3 アンジーが脱がない! あんなのが捕虜になっていたらもう……

これらみっつの欠点を(3に関しては男性だけかもしれないが)許せたら、気軽に楽しむことができるだろう。

アメリカの諜報機関は身元調査がずさんで、容疑者移送に問題がありすぎるようだ。