映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
コメントのところをクリックするとコメントできます。

2007年に映画館で観た特によい映画

2007年12月31日 | Weblog
2007年1月は、体調不良で映画館では観ていない。
よって、2月以降で特によかった映画を挙げる。


『ラッキーナンバー7』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/6611e3a8619cc0c37e0313ec35f1bc87
ユーモア、ミステリ、バイオレンスの加減が絶妙。

『硫黄島からの手紙』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/a0ae945e052c551b78f591f5c9e936e1
日本の製作会社はクリント・イーストウッドにお金を出せば、これを邦画として
作れたはずである。

『世界最速のインディアン』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/395e40be42b05364b8854e4dd5374e3e
かっちょいい老人の話。日本のオッサン、オバサンは映画を観る意欲はあるのに、
観る価値のある作品が少なく、宣伝も下手だ。これは価値ある作品。

『今宵、フィツジェラルド劇場で』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/e96fd033015e2af84c0ace3cf401ef37
ロバート・アルトマンの遺作。あのエンディングはすばらしい。

『舞妓 Haaaan!!!』
あまり観ないが、ここで邦画が出てくる。
植木等の遺作ということと、クレージーキャッツの映画のようなサラリーマンのサクセスストーリーになっていることをぬきにしても、ハイテンションコメディとして楽しめる。

『サイドカーに犬』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/ceae95b47e28b27833f906843f4e2348
こんなのが出てくるとまだまだ邦画も……、と思わせるが製作形態が従来とは違うらしい。
それでもいい映画であることに間違いない。

『パリ、ジュテーム』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/78fbb026911b7f6b3b654eab979aca4b
短編のオムニバスだが、集中力がもたない人(わたしだ)には最適。
さまざまな話、スタイルがあるが、今でもときどき思い出す、スティーブ・ブシェミ !

『ボルベール<帰郷>』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/b7f4d01bc8554d839bdac5be1997e265
見ごたえのある作品。母と娘の関係の二重写しがすばらしい。

『華麗なる恋の舞台で』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/f7022f4fc00634fd509eaddfe7d0fc65
俳優の演技力を楽しみたい人にはおすすめ。

『デス・プルーフ in グラインドハウス』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/fd084074cd10e7c8b16bdb38f7c46af5
男を殺してスカッとしたい ! という人むけ(笑)。

『プラネット・テラー in グラインドハウス』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/9a5cd359815b894a8c75652ed1374672
この作品の中の『マチェーテ』という架空の作品が、製作されているようだ(笑)。
こういうノリの作品は大歓迎。

『グッド・シェパード』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/47eda3f73f130abaa46fa7dfef627738
『華麗なる恋の舞台で』に続いて、マイケル・ガンボン出演作品が……。
ということは、おそらくわたしは彼が好きなのだろう。
年間を通して振り返ると、自分で気づかないことに気づかされる。

『ボーン・アルティメイタム』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/2ceae4df9f9fca6d5ed08fec5072163b
マット・デイモンも今年はよく楽しませてくれた。
この作品はアクションもすばらしいが、タイミングにつきる。
思わず声が出そうになった。『ボーン・スプレマシー』を観てから楽しむこと。


以上13作品。1年で13本も特によい映画に出会えたとは幸いである。
ここのサイト内検索はヒットしないことがあるので、URLもつけた。興味をもたれたかたは参照してください。もう少し詳しい(ほんのちょびっとですが)わたしの感想があります。

『スパイダーマン3』

2007年12月27日 | Weblog
よい

サム・ライミ 監督
トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、 トーマス・ヘイデン・チャーチ、トファー・グレイス、ブライス・ダラス・ハワード、ジェームズ・クロムウェル、ローズマリー・ハリス、J・K・シモンズ、ビル・ナン、エリザベス・バンクス、ディラン・ベイカー、テレサ・ラッセル、クリフ・ロバートソン、ジョン・パクストン、テッド・ライミ、ブルース・キャンベル、パーラ・ヘイニー=ジャーディン、エリヤ・バスキン、マゲイナ・トーヴァ、ベッキー・アン・ベイカー、スタン・リー 出演

今やピーター・パーカーの人生は順風満帆そのものだ。スパイダーマンとしてはNY市民にヒーローとして愛され、大学では成績トップ、ブロードウェイ・デビューを果たした恋人MJとの関係も良好で、ついにプロポーズを決意する。ところが、謎の黒い液状生命体に取り憑かれ、復讐と憎しみの感情に支配されたブラック・スパイダーマンになってしまう。そんな彼の前にこれまでになく手強い敵サンドマンとヴェノムが現れる……。

ダーク・スパイダーマンもかっこいいが、なんといってもダーク・ピーター・パーカーがダサかっこいい。これがなかったら評価は下がっていたはずだが、最高である。

今回戦う敵は3人いるが、どれもそれほど戦う理由がないのがストーリーとしては弱い。ピーター・パーカーの説明不足が招いた結果ともいえる。
しかし、デザイン、見た目のよさでそれを補っている。

電光掲示板で流れるニュースを見るピーターに話しかけてくる老人がいるが、これが原作者のスタン・リーのようだ。

『緯度0大作戦』

2007年12月27日 | Weblog
よい

本多猪四郎 監督
ジョセフ・コットン、宝田明、岡田真澄、リチャード・ジャッケル、大前鈞、リンダ・ヘインズ、中村哲、中山麻理、平田昭彦、シーザー・ロメロ、パトリシア・メディナ、黒木ひかる、黒部進 出演  声の出演 納谷悟朗、冨田耕生

海底油田の調査に、潜水球で大陸棚探険に出かけた、物理学者田代健、海洋地質学者ジュール・マッソンと記者ペリー・ロートンの三人は、不思議な潜水艦アルファー号に救われた。乗組員はマッケンジー艦長、部下の巨漢甲保、物理学者で女医のアン・バートンの三人。重傷のマッソンのために、彼らの基地「緯度0」に艦を帰港させた。そこは海底二万メートル、人工太陽の下のパラダイスだった。

版権が海外にあったらしく、ソフト化にかなり時間がかかった作品(レーザーディスクでは出ていたという話もあり。未確認)。ゴジラの併映として短縮版を観たことがあったが、長いバージョンは初めて。

オトナの目で観るとツッコミどころ満載ではあるが、子どもの頃のワクワク感を思い出すことはできた。

敵役に情婦がいたり、女の嫉妬が描かれていたり、中山麻理が必要以上にもだえていたり(笑)と、オトナ向けの内容もはいっているのだが、そこにグリフォン、コウモリ人間などの子ども要素が入り混じり、対象年齢を搾れていない。

エンディングも不思議なものなのだが、これはウィキペディアで理解することができた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%AF%E5%BA%A60%E5%A4%A7%E4%BD%9C%E6%88%A6

『恋とスフレと娘とわたし』

2007年12月25日 | Weblog
よい

マイケル・レーマン 監督
ダイアン・キートン、マンディ・ムーア、ガブリエル・マクト、パイパー・ペラーボ、トム・エヴェレット・スコット、ローレン・グレアム、スティーヴン・コリンズ、タイ・パニッツ、マット・シャンパーニュ、コリン・ファーガソン、トニー・ヘイル 出演

若い頃に夫を亡くし、女手ひとつで3人の娘を育ててきたダフネ。母と三姉妹は親友のように仲が良く、連れ立って出かけることもしばしばだ。そんなダフネ唯一の気掛かりは、いまだ結婚の決まっていない三女のミリー。おっちょこちょいで、これまでダメ男にばかり引っ掛かってきたミリーを心配するあまり、ダフネは自分で相手を探すことを決心。本人に内緒でWEBサイトに花婿募集の広告を出し、応募してきた男たちを片っ端から面接するが…。

たとえば、「彼ったら3分もたないの……」、「眠ったあとのいびきがいや……」などの男が聞いたら自殺したくなるようなガールズ・トーク満載の女性向けコメディ。

コメディとしては及第点以上だが、ドラマとして観るとものたりなく感じる人もいるかもしれない。

娘三人と母(ダイアン・キートン)、それに恋人ふたりと子どもで十分なのに、そこにジョニーの父親(スティーヴン・コリンズ)まで出てきてああいうことをさせるものだから、人物の処理がやや雑になっている。

しかし料理と動物というわたしの大好物を出している(特に料理のほうはうまく使ってある)ので、好印象である。

韓国式エステのところがよかった。

『タロットカード殺人事件』

2007年12月24日 | Weblog
よい

ウディ・アレン 監督
スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン、ウディ・アレン、イアン・マクシェーン、チャールズ・ダンス、ロモーラ・ガライ、フェネラ・ウールガー、ジュリアン・グローヴァー、ヴィクトリア・ハミルトン、ジム・ダンク、ケヴィン・R・マクナリー、アンソニー・ヘッド、ジョン・スタンディング 出演

夏休みを利用してロンドンの友人宅に滞在中のアメリカ人学生サンドラは、遊びに行ったマジック・ショーで、敏腕新聞記者ストロンベルの幽霊に遭遇し、巷を震撼させる連続殺人事件の犯人が青年貴族ピーター・ライモンであるという特ダネを明かされる。ジャーナリスト志望のサンドラはスクープをものにしようと、三流マジシャンのスプレンディーニこと同じアメリカ人のシドと組んで上流階級のピーターに近づく。

ミステリー仕立てのコメディ。しかし、今回の製作意図はスカーレット・ヨハンソンとウディ・アレンが仲良くなるのが第一のため(笑)に、『マッチポイント』のような重みはまったくない。

それでも久しぶりにスクリーンで観るウディ・アレンの自虐ギャグは冴えているし、無駄のないキビキビとしたテンポは気持ちいい。

重厚でないウディ・アレンが好きな人にはおすすめ。
彼は決して考えさせる作品ばかりを作る人ではないのだ。

主人しか知らない金庫室の暗証番号はわかるのに、真犯人はわからない幽霊(笑)。

『流れる』

2007年12月23日 | Weblog
よい

成瀬巳喜男 監督
田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、中北千枝子、松山なつ子、杉村春子、岡田茉莉子、泉千代、賀原夏子、宮口精二、仲谷昇、加東大介、竜岡晋、栗島すみ子 出演

大川にほど近い花街にある芸者置屋、つたの家。ここに職業安定所の紹介でやってきた女中・梨花は女将つた奴に面会、呼びにくいからといきなり名を“お春”に変えられてしまったものの無事採用が決まり、さっそく住み込みで働くことになるのだった……。

玄人文化の衰退、男と女の関係の変化のなさ、引き芸ともいうべき抑えた演技、相手によって違う態度の妙。見所満載である。

田中絹代もそうだが、いるだけで存在感がある粟島すみ子の貫禄が凄い。ただものではないというのが素人にもわかる。

加東大介の中北千枝子の前と山田五十鈴の前での態度の変化、山田五十鈴の女将としての態度と粟島すみ子の前での態度、別れた旦那を待つときの表情の変化がすばらしい。

鋸山の宮口精二が、静かな雰囲気を壊すおもしろい役をやっている。

『ワイルドバンチ ディレクターズカット』

2007年12月22日 | Weblog
よい

サム・ペキンパー 監督
ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、エドモンド・オブライエン、ストローザー・マーティン、エミリオ・フェルナンデス、ボー・ホプキンス、ジェイミー・サンチェス、L・Q・ジョーンズ、アルバート・デッカー、ダブ・テイラー、アルフォンソ・アラウ 出演

1913年の動乱のメキシコ。パイクをリーダーとする5人のアウトローたちが、革命派の将軍マパッチから米政府の輸送列車の襲撃を依頼される。パイクたちは見事、列車から武器弾薬の強奪に成功するが、マパッチは約束の金の代わりにパイクたちに襲いかかる。100人を超える軍隊を相手に、5人は死闘を展開する……。

強盗、鉄道会社が雇ったハンター、メキシコ軍、アメリカ軍、村人と勢力分布が複雑で前半はもたつくが、後半はとんとん拍子に進んでいく。

よくいわれるスローモーションによる暴力シーンよりも(今となってはそういうシーンに慣れているから)、男たちのキャラクター設定にこの映画の真骨頂があるのではないか。

ひとつの目的のために集まってはいるが、それぞれの男たちに過去をにおわせ事情を持たせることにより、深い物語を創り出している。

なぜ簡単な作業のエドモンド・オブライエンにも均等に分け前を配分するのか、なぜ敵であるロバート・ライアンの行動や性格をウィリアム・ホールデンは理解できるのか。ジェイミー・サンチェスの村へのこだわりなど、男がしびれる物語がちりばめてあるのだ。

そして最後の戦いに向かう4人のゆっくりとした行進と笑み。すっげぇとしかいいようがない見せ場である。

『ぼくの最後の恋人』

2007年12月22日 | Weblog
よい

イー・トンシン 監督
ダニエル・ウー、ミリアム・ヨン、アレックス・フォン、テレンス・イン、ビンセント・コック 出演

腕はイイが商才の無いシェフとカフェ経営を夢見る女酒豪。そんなふたりのちょっぴりビターでほんのりスィートなロマンチック・ラブコメディ。

yahoo動画の抽選で当たったので観た。

気楽に観られるラブコメ。料理の要素がはいっているので、「ふつう」から「よい」になった。
夢を追いかけて結婚できない男と女の話。

前半の演技というかアクションがワンテンポずれているような、もたつく印象があったが、後半は気にならなかった。

ボスがけっこういい役(笑)。

『スリザー』

2007年12月20日 | Weblog
よい

ジェームズ・ガン 監督
ネイサン・フィリオン、エリザベス・バンクス、マイケル・ルーカー、グレッグ・ヘンリー、ブレンダ・ジェームズ、タニア・ソルニア、ジェナ・フィッシャー、ロイド・カウフマン、ロレーナ・ゲイル 出演 声の出演 ロブ・ゾンビ

アメリカ南西部のとある街。街の有力者・グラントは、昔の女友達のブレンダと一緒に飲んだ勢いで森へと赴き、異様な物体を発見する。するとそこから何かが飛び出し、グラントの腹を突き刺すと、体内へと侵入した。その後街では不審な事件が続発。グラントは不可思議な行動を取るようになり、ブレンダも失踪してしまう。警察署長のビルは妻スターラの協力をあおぎ、グラントを容疑者として捜査するが……。

ホラー・コメディ。
この作品に怖さを求めてはいけない。
恐怖映画への愛と、笑いがこめられた作品なのだから。
宇宙生物が人間に憑依して、憑依された人間はゾンビ状態になってしまう。しかもこれまでに憑依された生物たちの記憶が残り、なおかつ人間の意識もあるという複雑な設定が、案外あっさりと描写されている(笑)。

あなたはどのような感情を持つだろうか ?
ほのかに恋心を寄せている人妻が、目の前で鬼の様相をして血だらけで人間を串刺しにするのを見たら(笑)。

女性客を意識したのか、出てくる男が徹底的にダメ人間。

エンド・ロールが流れても席を立たないこと。映画好きへのサービスも忘れていない。

『洲崎パラダイス 赤信号』

2007年12月17日 | Weblog
よい

川島雄三 監督
新珠三千代、三橋達也、轟夕起子、植村謙二郎、平沼徹、松本薫、芦川いづみ、牧真介、津田朝子、河津清三郎、加藤義朗、冬木京三、小沢昭一、田中筆子、山田禅二、菊野明子、桂典子、加藤温子、隅田恵子 出演

行くあても金のあてもない男と女。残った金は数十円。勢いで乗ったバスでたどりついたのは遊郭だった。

1956年(売春防止法が成立した年)の作品。
当時の赤線地帯の雰囲気というよりも、その周囲にいた人々の雰囲気を描いている。

基本はダメ人間なのだが、そのダメさを自覚・理解しているので取り立てて責めることもなく責められることもなく、なんとなくその場になじんでしまう。

子どもの様子がおもしろく、知らない人がやってきても平気なのだが、だからといってすっかりうちとけるわけでもない。一時的な人間に対する自分の安全の守り方を自然に習得しているのだ。

三橋達也のダメさ、新珠三千代のこずるさがすばらしい。カタギを象徴している芦川いづみもかわいい。

川島雄三監督が『幕末太陽傳』よりも好きな作品と言っていた作品。
テンポのよさはこれでも変わらない。

『毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレート』

2007年12月16日 | Weblog
ふつう

スティーヴン・シャインバーグ 監督
ニコール・キッドマン、ロバート・ダウニー・Jr、タイ・バーレル、ハリス・ユーリン、ジェーン・アレクサンダー、エミー・クラーク、ジュヌヴィエーヴ・マッカーシー、ボリス・マクギヴァー、マルセリーヌ・ヒューゴ、エミリー・バーグル、リン・マリー・ステットソン、クリスティーナ・ルーナー、マット・セルヴィット、デヴィッド・グリーン 出演

1958年、ニューヨーク。裕福な家庭に育ったダイアン・アーバスは、ファッション・カメラマンである夫アランのアシスタントとして働きながら、心の中には常に自分のいる世界に居心地の悪さと不安を感じていた。そんなある日の夜、ダイアンは隣に越してきた、マントで全身を覆い、マスクを被った男・ライオネルの異形に激しく心を奪われる。そして意を決し、カメラを手に彼の部屋のベルを鳴らす……。

日常生活への違和感から異形のものたちに魅かれるところまでは理解できるのだが、そのあとの表現がぬるい。

ふたりの子どもが存在感のある演技をしているのだが、それが活かされていない。
ニコール・キッドマンが脱ぐシーンになると、露骨な代役になるのも興ざめ。脱ぐシーンがなくても成立するだろうに。

『カオス』

2007年12月16日 | Weblog
よい

トニー・ジグリオ 監督
ジェイソン・ステイサム、ウェズリー・スナイプス、ライアン・フィリップ、ジャスティン・ワデル、ヘンリー・ツェーニー、ニコラス・リー、ジェシカ・スティーン、ロブ・ラベル、ジョン・カッシーニ、デイモン・ジョンソン、ポール・ペリ、キーガン・コナー・トレイシー、ナターシャ・マルテ、タイ・オルソン、テリー・チェン 出演

武装した強盗団が銀行を襲撃。人質をとり立てこもった彼らのリーダー・ローレンツは、包囲する警察に対し、交渉人としてコナーズ刑事を呼ぶよう要求する。コナーズは以前担当していた事件での失態で謹慎処分中だったが、新人のデッカーとコンビを組むことを条件に謹慎を解かれて現場に復帰。強盗事件現場での交渉に乗り出した。そんなコナーズに対しローレンツは「混沌<カオス>の中にも秩序はある」と謎めいた言葉を残し……。

ちょっびりハデなアクションと謎解きがミックスされた、非常にテンポのよい作品。

ミステリ好きの人にはもの足りないかもしれないが、ひとつのヒントを追いつめるとそこで新たなイベントが起こり、それをさらに追いつめるとまた新たなイベント……、という構造で、力を入れずに楽しむことができる。

力を入れて観るべきは冒頭の事件の説明シーンかもしれないが……。

おそらく本物のカオス理論とはほとんど無関係だと思われるが(笑)、衒学趣味というか東洋趣味というか神秘主義というか、謎解きにある種のテイストを加えることには成功している。特に西洋人には。

『ULTRAMAN』

2007年12月13日 | Weblog
ふつう

小中和哉 監督
別所哲也、遠山景織子、大澄賢也、裕木奈江、広田亮平、永澤俊矢、隆大介、草刈正雄 出演

海上自衛隊二尉・有働貴文(大澄賢也)は、謎の発光体をあびた影響で遺伝子レベルでの変質を遂げてしまう。凶悪な“ザ・ワン”に変身した貴文は防衛庁内の特殊機関に捕らえられる。

おそらくオトナのためのウルトラマンを目指して製作されたと思われるが、失敗している。
オトナというのは子どものときに見たウルトラマンが好きなのであって、オトナが考えたオトナが喜びそうなウルトラマンを求めているのではない。

たとえば、戦隊ものにしてもずいぶん前から隊員どうしの三角関係などを導入して、それなりにオトナも楽しめるストーリーづくりに成功している。
それなのに本作は、設定をオトナっぽくしただけで深い話はない。説明的なセリフが多すぎるのが邪魔になるくらいだ。
本格的な俳優陣をキャスティングしたつもりなのかもしれないが、セリフがひどいとその能力を出すことはむずかしい。

子どもも大人も満足できない中途半端なデキになってしまっている。

主人公を捕獲するために、なぜセスナの中で行ったのか理解不能。地上でやったほうが安全かつ安上がりだろうに。

『フィレーネのキライなこと』

2007年12月08日 | Weblog
ふつう

ロバート・ヤン・ウェストダイク 監督
キム・ファン・コーテン、ミヒル・ホイスマン、タラ・エルダース、ハデヴィック・ミニス、キーナン・レイヴン、カート・ロジャーズ、レオーナ・フィリッポ、リースベット・カーマーリング、ダーン・スフーアマンス、ルーラント・フェルンハウト 出演

とことん勝ち気で直情的な女の子の恋の行方をあけすけなSEX描写とセリフ満載で描いたオランダ発のラブコメディ。

あけすけなSEX描写というよりも、あけすけな女性たちの会話でガハハと笑う映画。
しかし、しょうしょうネタが古いのと、エンディングだけしんみりさせるパターン(しかも謝るのが当たり前すぎることで)がいただけない。

セックスで女性がイッったフリをするのは『恋人たちの予感』(1989)で既出であり、そちらのほうがよい演出になっている。

途中まではテンポもよく、ブッとんだ表現なども楽しかったのだが、後半になるほどその勢いが落ちてくる。

『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~』

2007年12月03日 | Weblog
よい

FROGMAN 監督・脚本・キャラクターデザイン・声の出演

世界征服の野望を目論む秘密結社 鷹の爪団。だが今はそれどころか資金難にみまわれ、家主の執拗な家賃の取り立てから逃れるため夜逃げする。しかし、マシンにピタリと貼り付いていた大家を振り落とそうと暴走を続け、うっかり勢い余って宇宙空間に飛び出してしまった!!

ネットエンターテイナーのFROGMANがネットからテレビ、そして映画へと進出するのにそう時間はかからなかったように見える。

ゆるい絵とときどきするどいギャグ、アイデアと努力で低予算でもおもしろい作品は作れる。

おもしろいのが、バジェットゲージという右側のメーター。CGで予算を使うとどんどんそのゲージが減っていく。減りすぎると絵がますます雑になり、効果音が人の声になる。そのゲージを増やすためには、スポンサーを取り入れるしかないのだ。

むかしCMサイトというところでこの人のアニメを観て以来のファンだが、立派にゆるい作品になっている。

同時上映の古墳ギャルのコフィーもおもしろい。