映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『リトル・ランボーズ』

2011年01月24日 | Weblog
よい

ガース・ジェニングス 監督・脚本
ビル・ミルナー、ウィル・ポールター、ジェシカ・スティーヴンソン、ニール・ダッジェオン、ジュール・シトリュク、エド・ウェストウィック 出演

1982年のイギリス。郊外の町に暮らす少年ウィルは、父親のいない家庭に育った小学5年生。家族が戒律の厳しい教会に属しているため、テレビや映画はおろか、ほとんどすべての娯楽を禁じられる窮屈な日々。それでも持ち前の豊かな想像力で健気に生きていくウィル。そんなある日、ひょんなことから学校きっての悪ガキ、リー・カーターと知り合う。そして、彼の自宅で生まれて初めての映画「ランボー」を観て、強い衝撃を受ける。すっかりランボーに夢中のウィルは、リーが兄のビデオカメラで作ろうとしていた自主映画に参加、自ら“ランボーの息子”になりきって主演するのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337480



評判がいいのは知っていたが、観る決め手になったのは『銀河ヒッチハイク・ガイド』の監督だからだ(笑)。

映画製作、フランス人(笑)、主人公の家庭(信教)問題、リー・カーターの家庭問題(あまり時間は割かれていないが)のパートがあると思うが、まとまりが悪い。
なぜまとまりが悪いのかというと、おそらく監督にとって家庭(信教)問題がまだナマナマしくて、作品として事実の消化が不十分だからだ。そうなると当然バランスが悪くなるし、つながりが唐突すぎるようなところもいくつかでてくる。

しかし、それでもなお、最後のアレでやられた(笑)。もう、想定内、予想通り、べったべたであるのだが、それでもいいのだ! 

映画好きになる理由はいくつもあるが、彼の場合は映画しかなかったのかもしれないと思わせてくれるのだ。

『ソーシャル・ネットワーク』

2011年01月24日 | Weblog
よい

デヴィッド・フィンチャー 監督
ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、アーミー・ハマー、マックス・ミンゲラ、ブレンダ・ソング、ルーニー・マーラ 出演

2003年の秋。ハーバード大学の学生にして天才プログラマー、マーク・ザッカーバーグは、恋人にフラれた腹いせに、学内のデータベースをハッキングして、女子学生たちの顔写真を使った人気投票サイトを作ってしまう。そんな彼の技術に目を付けたエリート学生が、学内交流を目的としたサイトへの協力を持ちかける。しかしマークは、親友のエドゥアルドを誘って、ハーバードの学生を対象としたソーシャル・ネットワークのサイトを立ち上げる。するとそれは瞬く間に登録者を増やし、急速に拡大していくのだったが…。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337475



ええとですね、おもしろいのですが、そのおもしろさが『バトル・オブ・シリコンバレー』と同質であり(似た題材だから当然かもしれませんが)、あちらは登場人物がもう少し多くて、なおかつ、人物描写に深みがあったのですが、こちらにはそれがない。それと、もしかしたら人種問題にまで拡大されそうな、執着・せせこましさの強調はあまり楽しくはなかった。

字幕スーパーが読みにくいところがいくつかあった。特に最後。

わたしの『バトル・オブ・シリコンバレー』の記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/586918bc5bae61373fdd2bca49a98d88

『グリーン・ホーネット』

2011年01月24日 | Weblog
よい

ミシェル・ゴンドリー 監督
セス・ローゲン、ジェイ・チョウ、キャメロン・ディアス、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ジェームズ・オルモス、デヴィッド・ハーバー、トム・ウィルキンソン 出演

ロサンゼルス。幼少期に母を亡くし、新聞社の創業者である父に厳格に育てられるも、その反動で放蕩息子に成長したブリット。彼はある日、父が蜂に刺され急死するという悲劇に直面してしまう。そして、突然社長の座に就いたブリットは、父の運転手カトーから驚愕の事実を知らされる。実は天才発明家であるカトーは、父と秘密裏に数々のハイテクマシンを発明していたのだった。父の遺志を継いで正義に目覚めたブリットは街に蔓延る悪党の一掃を決意し、グリーンのスーツとマスクに身を包んだ自分たちを“グリーン・ホーネット”(緑の蜂)と命名する。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337723



ヒーローものというよりもコメディ色が強い。
これまでのミシェル・ゴンドリーがお好きな方や、彼の作家性に期待する人にはオススメできないのだが(笑)、作品としてあまり欠点のない、よい作品。
今回彼は脚本にも原案にも参加していないのだ。

主人公とケイトーが能力全開になるときになぜか(笑)目が光り、一瞬にして状況把握ができるのだが、主人公がそうなったときのお花畑(笑)にかろうじてミシェル・ゴンドリーらしさを感じることができる。

ストーリーは単純明快でよい。キャメロン・ディアスが善人なのか悪人なのかはじめはわからなかった。後半の彼女の暴力シーンもよい。

ケイトーがちょっと太りすぎかもしれない。

チャドノフスキーもけっこういい。

『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』

2011年01月20日 | Weblog
よい

マイケル・チミノ 監督
ミッキー・ローク、ジョン・ローン、アリアーヌ、ヴィクター・ウォン、レナード・テルモ、レイ・バリー、キャロライン・カヴァ、エディ・ジョーンズ、トニー・リップ、デニス・ダン 出演

大胆活残忍な暴力支配でニューヨーク中を震撼させるチャイニーズ・マフィア。組織中で勢力を拡大しつつある若き幹部ジョーイ・タイが古い麻薬組織を改変しようとしていた。一方、チャイニーズ・マフィア壊滅に自らの存在意義を賭ける刑事スタンが組織本部へ乗り込み、挑戦状を叩き付けるのだが……。
ストーリーはアマゾンより
http://amzn.to/fctbH8



港のところからラストにかけて、軽いというかあっけないところと、潜入捜査官の殺害シーンを除いたすべてのアクション・バイオレンスシーンがヘタクソなところ以外はいいのだ(笑)。

もうちょっと底冷えのするような恐ろしさを感じさせてほしいのだが、本作ではそこまでのものはない。

しかし、ミッキー・ロークのダメさやもやし工場の中国人など、人間の魅力とストーリーはおもしろい。

『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』

2011年01月11日 | Weblog
ふつう

今敏 監督
声の出演 岩男潤子、松本梨香、辻親八、大倉正章、秋元洋介、塩屋翼、堀秀行、篠原恵美、古川恵実子、新山志保

人気絶頂期にアイドル・グループから脱退し、女優に転身を図った美少女・未麻。ある日、彼女のもとに熱狂的ファンらしい人物から脅迫めいたFAXが届く。やがてその行為はエスカレートし、未麻は次第に身の危険を感じるが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=153473#1



意欲的なアニメーション作品だが、脚本がつまらない。
映像がふつう以上、ストーリーがふつう以下、総合ふつう。

テレビドラマの撮影中にいろいろな事故や殺人事件が起きる。これは1998年の作品だが、たいてい撮影中止や放映中止にならないか?

それと、おかしな人がありえないくらい多めに出てくることと、アニメーションによって余計にわかりにくくしているような印象を受けたことが、減点対象。

なぜタイトルが『パーフェクト ブルー』なのかわからなかった。

『バトル・オブ・シリコンバレー』

2011年01月05日 | Weblog
よい

マーティン・バーク 監督・脚本
ノア・ワイリー、アンソニー・マイケル・ホール、ジョーイ・スロトニック、ジョン・ディマジオ、ジョシュ・ホプキンス、ジェマ・ザンプローニャ 出演

アップル社の設立者であるスティーブ・ジョブズと、マイクロソフト社の設立者であるビル・ゲイツのストーリーを描く、コンピュータ業界の話題を上手に演出したドラマ。 アップル社がMacintoshを作るに至った経緯、その後なぜ、どのようにしてジョブズがレイオフされたのか、なぜここまでマイクロソフト社のビルゲイツが巨大に成長していったのかを描いている。
ストーリーはウィキペディアより
http://bit.ly/djkEeH



まあ、
http://bit.ly/cmIVRA
(ウィキペディアのスティーブ・ジョブズの項目)
ここに書いてあることでアップルを追い出されるまでの主要なイベントが、多少ジョブズに悪意的に(笑)描いていあるだけなのだが、おもしろい。

ジョブズの、価値あるものとないものとへの嗅覚の鋭さと態度のキツさとがよくわかる。

元はテレビ・ムービーのようだ。

『男と女の不都合な真実』

2011年01月04日 | Weblog
ふつう

ロバート・ルケティック 監督
キャサリン・ハイグル、ジェラルド・バトラー、エリック・ウィンター、ジョン・マイケル・ヒギンズ、ニック・サーシー 出演

美人で仕事もできるTVプロデューサーのアビーは、理想の男性を追い求めては失敗を繰り返す日々。そんなある時、隣に引っ越してきたイケメン医師コリンと出会う。理想の相手に巡り逢えたと確信し、コリンに惹かれていくアビー。しかし、なかなか彼のハートを射止めることが出来ずに悪戦苦闘。いっぽう職場では、番組のテコ入れと称し恋愛カウンセラーのマイクとコンビを組まされ困惑ぎみ。エッチなジョークと野卑な男の本音トークに反発するアビーだったが、視聴率は急上昇。そんな中、“コリンとうまくいきたければ俺の言うことを聞け”と自信満々なマイクに、自分の恋愛観を棚上げして渋々ながらも従ってみるアビーだったが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334150#1



脚本と撮影にやる気が見られない。

脚本が三人のようだが、たいてい脚本に複数の人がいるときはひとりではまとめられなくなった作品が多いのではないか。

姉か妹の息子への愛情表現がとってつけたようにしか見えない。最初にアイデアとして甥っ子への愛情という要素は挙げられたが、それをワンエピソードにしかできなかったようだ。

それと互いに好きになるのがいつなのかがわからない。だからエレベーターでのエピソードも唐突で、唐突なら唐突なりの見せ方があるだろうにそれもない。

気球のところの撮影がひどすぎる。20年以上前の撮影方法みたいだ。

2010年に映画館で観た特によかった映画

2011年01月02日 | Weblog
今年も特によかった映画を挙げたい。
昨年は『インセプション』以降あまりわたしの食指が動く作品がなかった。
観た順に挙げていく。

『パイレーツ・ロック』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/55ca293642046f05730d80c72461e9bf
とても気持ちのいいコメディ要素の強い作品。

『脳内ニューヨーク』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/ccffd724e015843ecea1f2e61c81cb60
今年は作家の趣味性の強い作品を多く観た気がするが、これもそのひとつ。

『Dr.パルナサスの鏡』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/759044d9bb7f92e24f6efd1c6df75352
テリー・ギリアムの中ではかなりわかりやすいほうの作品だと思う。彼の作品はたいていわたしの高評価である。

『ジュリー&ジュリア』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/2bb6d7a1c772d9f73a32b669b8b482e3
メリル・ストリープのイキイキしている演技がいい。

『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/d7f98fe0ab2af459589a4dc5daef214e
FROGMAN 監督の成功はおもしろい。作品もおもしろい。

『第9地区』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/3fe2cf235dd5656bdc5258f9bc4cef40
欠点の多いシナリオだが魅力もたくさんあるのだ(笑)。

『ニューヨーク、アイラブユー』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/c4481a53d61685da0c717c628512f7d3
こういう短編を集めたものも、それぞれのレベルが高いと楽しめる。

『パリより愛をこめて』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/56161f446f9ca4ead72ff3d2aeab34ed
会話にも魅力のあるアクション・コメディ。

『運命のボタン』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/87f3aaa9e488a34a32ad48e44c6042c0
哲学的で穴もあるのだが、強い印象を与える作品。

『息もできない』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/ae21533ed1cce999e3f29adc0f40a65f
上半期ベストはこれ。

『インセプション』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/613b06037864f6d0375d8ebfcfe468d0
そして下半期ベストはこれ。

『鉄男 THE BULLET MAN』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/4eab9afff783a8b72f405ea144950bd3
趣味を押し通すところと短さがいい。

『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/921ddb8b839eda791fb92437eefbb9ff
最後の戦闘シーンがわかりにくい(笑)ところ以外は全部いい!

『ヤギと男と男と壁と』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/be54ef62237eff37550c8fb13f5e0b7a
バカが必要なのだ……。

『ミックマック』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/9a0194a52d9b7ebe97406ed5d1f8d59c
この監督のグロテスクな趣味は気持ちがいい(笑)。

『ノルウェイの森』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/6c20fb01202086591a8e59996df4ab96
日本のはずなのに日本ではないどこか、を思わせるのがすばらしい。



ここのサイト内検索はヒットしないことがあるので、URLもつけた。興味をもたれたかたは参照してください。もう少し詳しい(ほんのちょびっとですが)わたしの感想があります。

『第9地区』と『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』に出演したシャールト・コプリー、ここには載っていないが『(500)日のサマー』と『インセプション』に出演したジョセフ・ゴードン=レヴィットは、これからもおもしろい作品に出演するような気がする。