映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『仮面ライダー THE NEXT』

2008年10月28日 | Weblog
仮面ライダー THE NEXT - goo 映画

よい

田崎竜太 監督
黄川田将也、高野八誠、加藤和樹、石田未来、森絵梨佳、益子梨恵、六角慎司、未來貴子、嶋田久作、斎藤洋介、田口トモロヲ 出演 声の出演 納谷悟朗

死体の顔が切り刻まれ惨殺されるという連続殺人事件が発生している頃、仮面ライダー1号こと本郷猛は、高校教師として普通の生活を送っていた。彼はある日、教え子・琴美と共に超人気アイドルChiharuの住むマンションを訪れる。琴美とChiharuは親友なのだが、最近Chiharuと連絡を取ることができないのだという。すると突然2人の前に、ショッカーの怪人チェーンソーリザードと6人の仮面ライダーが現れる。猛は琴美を守るために、仮面ライダーに変身して戦闘に身を投じるが……。

にせライダーがバイクに二人乗りをしていること、田口トモロヲが出演していること(笑)、そしてあのエンディング……。これらのことから総合すると、ああこの作品は低予算で猟奇的趣味なのだなということがわかる。

その猟奇的な部分が舌足らずで、なぜプロダクションの社長が最初の犠牲者にならずにファンがなるのか、ファンの居場所をどうやって知ったのか、洗脳する前に怪人だけ増やしてもショッカーに反抗する勢力が増える可能性が大だったのではないかとつっこみどころ満載だが、低予算だからゆるす(笑)。

それでもアクション・シーンがなかなかかっちょよく、敵を倒したときのエクスタシーがある。各ライダーの登場シーンも凝っている。

最初の犠牲者の母が風祭ゆき(!)。

『トゥルーへの手紙』

2008年10月27日 | Weblog
ふつう

ブルース・ウェバー 監督
ダーク・ボガード、エリザベス・テイラー(ともに作中の別作品の映像) 出演

ファッション・フォトグラファーとしても世界的に有名なブルース・ウェバーが手掛けたドキュメンタリー・エッセイ。熱心な愛犬家でもあるウェバーが、 9.11のテロ事件を境に激変した世界情勢を憂い、愛犬“トゥルー”へ手紙を綴る、という形式で語られる、愛と平和へのメッセージ。

個人の強い想いいれがありそうだ、ということは十分にわかるのだが、それを他人である客に理解してもらおうとする一般化、普遍化がなされていない。

9.11でショックを受けたのはわかる。しかし、なぜそこからダーク・ボガードやエリザベス・テイラーの話になるのか、第二次大戦の話になるのか、がわからない。

編集が唐突な印象を受ける。

「荒城の月」のジャズバージョンがあるのを初めて知った。

『TOKYO!』

2008年10月20日 | Weblog
TOKYO! - goo 映画

よい

ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ 監督
藤谷文子、加瀬亮、伊藤歩、妻夫木聡、大森南朋、でんでん、ドゥニ・ラヴァン、ジャン=フランソワ・バルメ、香川照之、蒼井優、竹中直人、荒川良々 出演

駆け出しの映画監督アキラと共に上京してきたヒロコ。部屋探し、就職…、物事が上手くいかない中で、ヒロコは自分の居場所が次第になくなっていくのを感じる。(「インテリア・デザイン」)東京の下水道から出没する謎の怪人「メルド」。人々が恐れる中、ついに大きな事件が起こり…。(「メルド」)10年間引きこもりの生活を続けている一人の男。ある日、配達に来た美しい少女と目が合い…。(「シェイキング東京」)

有名な監督が東京を舞台にした短編映画。

ほかの方が一勝一敗一引き分けと表現されていて(笑)、観る前からいろいろと考えるところがあったが、わたくし的には二勝一引き分けというところ。

ミシェル・ゴンドリーの「インテリア・デザイン」はよい。
序盤のセリフがわざとらしくてすこしいらついたが、後半は彼の持ち味がよく出ていた。

レオス・カラックスの「メルド」はふつう。
『ポーラX』のわけのわからなさからは脱出しているように思えるが、この作品をウンコと評する人がいたとしても、それはそれでしかたがないように思える(笑)。

ポン・ジュノの「シェイキング東京」はよい。
序盤がおもしろく、後半になるとその勢いが落ちてしまうがどうにかこうにか。
彼のはさすがに日本の雰囲気というか空気となじんでいるようなつくりになっている。

ミシェル・ゴンドリーとレオス・カラックスの新作が観られるというだけで、元はとれる。

『フライボーイズ』

2008年10月18日 | Weblog
フライボーイズ - goo 映画

よい

トニー・ビル 監督
ジェームズ・フランコ、ジャン・レノ、マーティン・ヘンダーソン、ジェニファー・デッカー、タイラー・ラビーン、フィリップ・ウィンチェスター、アブダル・サリス、デヴィッド・エリソン、ダニエル・リグビー 出演

欧州で第一次世界大戦が激化する中、フランスに渡ったアメリカの若者ローリングスは、戦闘機のパイロットに志願する。そこには同じくアメリカからやってきた若者たちがいた。ルノー大佐の下、パイロットとしては素人の彼らを、一人前の戦闘機乗りにする訓練が始まった。ローリングスは仲間たちと友情を育んでいく一方、フランス人女性と恋に落ちる。やがてドイツ軍飛行隊との戦いの日が来た。それは予想を超える過酷なものだった。

戦闘シーンの迫力だけがいい(笑)。
たいしたストーリーもないし長すぎるという欠点もあるのだが、男はこーゆーのにひかれるのだ。
恋愛要素の部分が無駄で(笑)、その分カットして短くすればもっとすばらしい仕上がりになっていたのではないか。

『マーゴット・ウェディング』

2008年10月18日 | Weblog
よい

ノア・バームバック 監督
ニコール・キッドマン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ゼイン・パイス、ジャック・ブラック、ジョン・タートゥーロ、フローラ・クロス、キアラン・ハインズ 出演

性格に問題大アリ姉妹の物語。
ノア・バームバック監督の前作『イカとクジラ』の続編的、姉妹編的な存在としてもとらえることができる。

わたしは西川美和監督の『ゆれる』を評したときに、「地縁・血縁のどろどろした部分の描き方が、あくまでも都会人からみたもので、あっさりしすぎていて田舎に住む者としては、ものたりない、というか納得がいかない」と書いたが、そのどろどろした部分を思いっきり強調して、作品として成立するギリギリのところまで突き詰めるとこのような作品(本作)になるのではないかと思った。

『ゆれる』のわたしの記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/265eb50d03b67459a3d3f77fdd5f6402


家族の見苦しいところ、信じられないところ、醜いところのオンパレードになっている。言うなということをすぐに息子に話してしまう姉、姉の欠点を姉の息子に話してしまう妹、妹の部屋をあさる姉、結婚相手のトラウマを姉にあっさり話してしまう妹。なぜそういうことをするのかというと、「血がつながっているから」としか説明できない。

アマゾンなどではこの作品をハートウォーミングコメディとして説明されているようだが、コメディ要素はあるにせよ家族の醜さを意識したドラマくらいのものだろう。

木が象徴的に使われている。木が家族の体系、血のつながり・過去からの進化を示す樹形図のようなものとして表現されているのではないか。
だからこそ枝の先端で行き詰ってしまう姉とか、木を切断しようとしてこっぴどい目にあってしまう恋人とかが活きてくる。

『イカとクジラ』と同様にこの作品でも特に救いはない(笑)。たんたんと問題が提出され、それに対応した各家族の表情が描かれているだけである。

『イカとクジラ』のわたしの記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/116b99e364b5f7653db0e65fb60ebf13

『ゲット スマート』

2008年10月14日 | Weblog
よい

ゲット スマート - goo 映画

ピーター・シーガル 監督
スティーヴ・カレル、アン・ハサウェイ、アラン・アーキン、ドウェイン・ジョンソン、テレンス・スタンプ、ケン・ダヴィティアン、マシ・オカ、ネイト・トレンス、ビル・マーレイ 出演

極秘諜報機関「コントロール」で情報分析官を務めているスマートの夢は、エージェントとなって活躍する事。ある日「コントロール」本部が犯罪組織「カオス」に襲われ、すべてのエージェントの身元が知られてしまう。そのため、顔が知られていないスマートはエージェントに昇格。整形した美人エージェント99 と組んで、カオスの陰謀を暴く使命を受ける。張り切るスマートだが、失敗の連続。しかしついに敵ボスの居場所を突き止める。

とても上質なデート・ムービー。
したがって、わたしの好むような「毒」は感じられない。

敵側のボスの名前のギャグがよかった。

レーザー光線のところやパラシュートのところなど、どこかで観たことのあるシーンが多いが、それがリスペクトやパロディなのか、アイデアの剽窃なのかわかりにくい。
テレビシリーズの車を使うところも、なにか義務感でやっているような印象を受ける。

ビル・マーレイのところはよい。
シモネタが案外多い。

『デイ・ウォッチ』

2008年10月08日 | Weblog
デイ・ウォッチ - goo 映画

ふつう

ティムール・ベクマンベトフ 監督
コンスタンチン・ハベンスキー、マリア・ポロシナ、ウラジミール・メニショフ、ガリーナ・チューニナ、ヴィクトル・ヴェルズビツキー、ジャンナ・フリスケ、ディマ・マルティノフ、ワレーリー・ゾルツキン、アレクセイ・チャドフ 出演

人間界に生きる「異種」は光と闇に分かれ、それぞれを「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」と呼ばれる番人が監視していた。ナイト・ウォッチのアントンは駅で人間襲撃事件が発生したとの報を受けて研修生のズヴェトラーナと共に急行するが、犯人をとり逃してしまう。その犯人はアントンの息子で闇の異種・イゴールだった。一方闇の異種のリーダー・ザヴロンはイゴールが現場に残した帽子を盗み出そうと画策し…。

前作を見ていないとほとんど理解できないのではないか。
「デイ・ウォッチ」らしき人が出てくるが、その人が主人公ではない。主人公は前作と同じ「ナイト・ウォッチ」の人だ。

親子関係や女性関係で悩む主人公というのは前作と同じで、特にこの作品で新しいと思わせるところがない。単なる前作の続きにしかなっていない。

「異種」というのも主人公の息子の能力が出てくるが、ほかに「異種」らしきものがほとんど出てこない。

ときどき意外なタイミングで出てくるユーモアはよい。
DVD版は劇場版より長いようで、よくない。

それでさぁ、なんでも願いが叶うチョークって設定がもう厳しいのよ。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』

2008年10月04日 | Weblog
ライラの冒険 黄金の羅針盤 - goo 映画

ふつう

クリス・ワイツ 監督
ニコール・キッドマン、ダコタ・ブルー・リチャーズ、サム・エリオット、エヴァ・グリーン、クリストファー・リー、トム・コートネイ、デレク・ジャコビ、ダニエル・クレイグ、チャーリー・ロウ 出演

我々の暮らす世界とは似て非なる平行世界のイギリス・オックスフォード。ジョーダン学寮で育てられた孤児のライラは、ダイモンのパンタライモンや親友ロジャーらと共に、騒がしい日々を送っていた。しかし街では次々と子どもが連れ去られる事件が発生し、親友ロジャーも姿を消してしまう。そしてライラ自身もコールター夫人に連れられジョーダン学寮から旅立つことに。旅立ちの日、彼女は学寮長から黄金色の真理計を手渡され……。

話の詰め込みすぎに由来するおもしろくなさを、アクションシーンや見た目のはでさでごまかそうとしたが、それほどうまくいっていない。

主人公以外の魅力ある登場人物がコマギレで、じっくり楽しむことができない。それでいてちゃちなCG(主人公とニコール・キッドマンの乗る馬車のようなものとか)や、迫力のない熊の戦いなどをみせられても不満がつのる。

シリーズ物としてこれからおもしろくなる可能性は十分に感じられるが、この作品だけの評価としては「ふつう」になってしまう。