映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ホーリー・マウンテン』

2015年08月31日 | Weblog
よい

アレハンドロ・ホドロフスキー 監督・脚本・音楽
アレハンドロ・ホドロフスキー、ホラシオ・サリナス、ラモナ・サンダース、アリエル・ドンバール、ホアン・フェラーラ、アドリアナ・ペイジ 出演

錬金術師は、9人の弟子と共に、不老不死の秘法を知る賢者達から秘法を奪う為に、修行の末、賢者達が住む聖なる山(ホーリー・マウンテン)に至るが……。
ストーリーはウィキペディアより
http://bit.ly/1Iw9pBT





本作を観るのは二回目で、前回観たときは難解で後半ちょっとダレるという印象だったが、今回最初にそのまま、次にホドロフスキーのコメンタリーで観ると難解なところはあまりなかった。後半ダレるのは同じ印象だったが……。

前回難解だと思ったのはチリの軍事政権を表現したところあたりだと思う。

世俗的な宗教からタロットカードの世界、錬金術から不死の追求、このあたりを軸に観るとわかりやすい。

そしてあのエンディング……。

『100歳の華麗なる冒険』

2015年08月31日 | Weblog
よい

フェリックス・ハーングレン 監督・製作・脚本
ロバート・グスタフソン、イヴァル・ヴィクランデル、ダーヴィッド・ヴィーベリ、ミア・シャーリンゲル、イェンス・フルテン、アラン・フォード 出演

老人ホームで100歳の誕生日を迎えたアランだったが、何を思ったか窓から脱出して当てのない旅に出る。その道中、ひょんなことからギャングの黒い金が詰まったスーツケースを持ち逃げして追われる身に。それでも、まるで動じる様子のないアランは、途中で知り合った70歳の老人ユーリウスと意気投合、飄々と酒を酌み交わす。そんな恐れ知らずの超マイペース老人アランだったが、それもそのはず、彼はその100年にわたる人生の中で幾多の歴史的節目に立ち会い、フランコ将軍やスターリンはじめ何人もの歴史上の要人と親交を持ってきた、知られざる20世紀の大人物だったのだ。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349678





歴史的な事実をからめたコメディ。

とても完成度が高く、この監督の他の作品をと思い調べたが、本作が映画二作目のようだ。これまでにCMやテレビの監督と演者としてもスウェーデンで活躍中。
↓こちらの記事を参考にしました。
http://eigato.com/?p=20102


爆発にロマンを感じる主人公の人生コメディ。素直な性格に偶然の出会いや出来事が重なりどんどん変な方向へ向かってしまう。

ファベルジェの卵はもっともらってもいいような……。

かなりの数の死者が出るが、その表現がかなりグロいので注意。

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』

2015年08月23日 | Weblog
よい

クリストファー・マッカリー 監督
トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、ショーン・ハリス、アレック・ボールドウィン、サイモン・マクバーニー 出演

イーサン・ハントと彼のチーム“IMF”は、各国の元エリート・スパイたちによって結成され、国際的な陰謀をめぐらす謎の組織“シンジケート”を追っていた。しかしその矢先、IMFはCIA長官によって解散を命じられ、メンバーはバラバラに。その後、単身でシンジケートの実体解明を進めていたイーサンは囚われの身となってしまう。その窮地を救ったのは、なんと敵側のスパイと思われた謎の美女イルサだった。やがて秘かにベンジーらチームのメンバーを再集結したイーサンは、敵か味方か分からないイルサをも、その能力を買ってチームに加えると、シンジケートを壊滅すべく史上最大の不可能ミッションに挑むのだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352384





映画館で観た。

最初と最後が呼応しているのはすばらしい。しかし……。
敵の連絡先に罠を仕掛けて、なおかつそこのエージェントにバレずにいるというのはハードルが高すぎるというかありえない気がする。そして、どちらもガスの効きが遅い(笑)! ラスト、ふつうは自殺するだろうに。

ジェレミー・レナーも最初と最後が呼応している。脚本がうまいと、こういう呼応はよく出てくるし、楽しい。

レベッカ・ファーガソン静かな美人と思いきや、ときどきド派手になる(そこもいい)。

サイモン・ペッグの存在感が増してきたのも嬉しい。

『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』

2015年08月22日 | Weblog
よい

オリヴィエ・ダアン 監督
ニコール・キッドマン、ティム・ロス、フランク・ランジェラ、パス・ベガ、パーカー・ポージー、マイロ・ヴィンティミリア、デレク・ジャコビ、ロバート・リンゼイ、ジェラルディン・ソマーヴィル、ニコラス・ファレル、アンドレ・ペンヴルン、 ロジャー・アシュトン=グリフィス 出演

1956年、人気絶頂の中、26歳という若さで突然ハリウッドから引退し、モナコ大公レーニエ3世の妻、モナコ公妃となる道を選んだグレース・ケリー。その“世紀の結婚”から6年、彼女はいまだに宮中のしきたりに馴染めず、孤立感を募らせる息苦しい毎日を送っていた。そんな時、ヒッチコック監督から次回作「マーニー」のヒロイン役を直々にオファーされ、心ゆれるグレース。ところが折しも、モナコが国家存亡の危機に直面してしまう。フランスのド・ゴール大統領がモナコに過酷な課税を強要し、一触即発の緊張状態に陥ってしまったのだ。大国フランスを相手にやがて万策尽きるレーニエ。そんな夫を支え、愛する家族と国家を守るため、グレースはある覚悟を胸に行動を開始する。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349144





ニコール・キッドマンは美しいスターである。しかし、スター映画だからといって、こんなにめったやたらと彼女のバストアップが多いのはいかがなものか。やけくそに多い。

それを除けば、サスペンス要素がほどよく効いたグレース・ケリーの人間ドラマとして楽しめる。

「裏切り者が誰か」がわかったあとのニコール・キッドマンが、けっこう怖い。

『救命艇』

2015年08月22日 | Weblog
よい

アルフレッド・ヒッチコック 監督
タルーラ・バンクヘッド、ウィリアム・ベンディックス、ウォルター・スレザック、メアリー・アンダーソン、ジョン・ホディアク、ヘンリー・ハル、ヘザー・エンジェル、ヒューム・クローニン、カナダ・リー 出演

第二次大戦下、魚雷攻撃を受けた船から脱出した生存者たちが一隻の救命艇にたどり着く。そこには様々な人種・職業・身分の人々がいたが、この極限状況下では平時の人間関係が維持できるはずもなかった……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=5659





冒頭どアップの煙突がひとつ海に沈むだけで、ああ巨大客船が沈没したんだなぁと思わせる演出がうまい。

それぞれの生存者に物語があり、それらが徐々にわかってくるところがおもしろい。

なぜ手術をしたんだ? 印象を良くするためか?

新聞広告、笑った。

あのエンディングは偶然要素が強すぎて、現代ではなじみにくい。

『ニンフォマニアック Vol.2』

2015年08月16日 | Weblog
ふつう

ラース・フォン・トリアー 監督・脚本
シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ、ジェイミー・ベル、クリスチャン・スレイター、ウィレム・デフォー、ソフィ・ケネディ・クラーク、ミア・ゴス、ジャン=マルク・バール、ウド・キア 出演

快感への飽くなき欲求に突き動かされ、見境のないセックスを重ねてきたジョーだったが、ついに不感症に悩まされる事態に。ジェロームと家庭を持ち、子どもも生まれるが、不感症が治らないことへの不安は募るばかり。怪しげなセックス・セラピストのもとに通い、ますます倒錯した性体験を重ねていくジョーだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349615





話が唐突である。なんだよ後継者って?

あの時に弾が出ないだけならまだしも、どうしてあの時には弾が出るのだ?

あのエンディングはありきたりだ。

『ニンフォマニアック Vol.1』

2015年08月16日 | Weblog
よい

ラース・フォン・トリアー 監督・脚本
シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ、クリスチャン・スレイター、ユマ・サーマン、ソフィ・ケネディ・クラーク、コニー・ニールセン、ヒューゴ・スピアー 出演

冬の凍てつく路上で行き倒れていた女性ジョーを自宅アパートで介抱する年配紳士セリグマン。心配する彼に、ジョーは驚くべき生い立ちを赤裸々に語り出す。幼い頃から“性”に強い関心を持っていた彼女は、15歳の時に青年ジェロームを相手に初体験を済ませると、あとは欲望のおもむくままに男たちとの行きずりのセックスを重ねていく。ある時は、幼なじみのBとチョコレートを賭け、長距離列車の中でハントした男の数を競うジョー。そんな中、最初の相手ジェロームと思いがけない再会を果たすジョーだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349614





『ダンサー・イン・ザ・ダーク 』の映像美や『ドッグヴィル』のあけすけなところから、この監督はホモ・セクシャルではないのかと思っていたが、確認はとれなかった。しかし、本作でのサタイアの効いた映像表現(それは鬱三部作などといいながら、明らかにシモネタコメディ要素に悪意をミックスしている)は、やはりある種のホモっぽい印象を受けた。ユマ・サーマンのうざいことうざいこと……。

縦列駐車がいい。

このVol.1にそれなりのエンディングをつけて完結させていたら、評価はもっと高いはずである。簡単にいうと、Vol.2が芳しくなかったのだ。

『リアリティのダンス』

2015年08月16日 | Weblog
よい

アレハンドロ・ホドロフスキー 監督・原作・脚本
ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、イェレミアス・ハースコヴィッツ、アレハンドロ・ホドロフスキー、クリストバル・ホドロフスキー、アダン・ホドロフスキー 出演

1920年代、軍事政権下のチリ。幼少のアレハンドロ・ホドロフスキーは、ウクライナ移民の両親と北部の炭坑町トコピージャで暮らしていた。権威主義的な父の横暴と、アレハンドロを自分の実父の生まれ変わりと信じる元オペラ歌手の母の過剰な愛の中で大きなプレッシャーを感じて育ったアレハンドロ。学校でもイジメに遭い、孤独で辛い日々を送る。そんな中、共産主義者の父は、独裁者のイバニェス大統領暗殺を企み、首都へと向かうが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=347268





『ホドロフスキーのDUNE』が楽しめた人、ホドロフスキーに興味がある人にはおすすめ。

自分の監督作の中で、かなり辛いこと、きついことを修行風にとらえる要因、『ホドロフスキーのDUNE』で自分のことを〈戦士〉といっていた理由がなんとなくわかる。

そして、本作がホドロフスキー作品の中でもっとも理解しやすい作品であろう。

『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』

2015年08月02日 | Weblog
よい

樋口真嗣 監督
三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大、桜庭ななみ、松尾諭、渡部秀、水崎綾女、武田梨奈、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼 出演

かつて、謎の巨人たちが突如出現し、人類の大半を喰い殺した。かろうじて生き残った者たちは、巨大な壁を三重に築き、その内側でどうにか平和な生活を維持していく。それから100年が経ち、人々は壁の内側で平穏な日常を当たり前のように送っていた。幼なじみのミカサ、アルミンと強い絆で結ばれた青年エレンは、壁の外に広がる未知の世界に憧れを抱き、安穏と暮す周囲の人々に苛立ちを募らせていく。そんなある日、想定外の超大型巨人の出現によって壁が崩壊し、人々が次々と巨人に呑み込まれていった。2年後。惨劇を生き延びたエレン、ミカサ、アルミンは、人類が巨人に対抗すべく結成した武装調査団の一員として、決死の外壁修復作戦に臨もうとしていた。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=348867





映画館で観た。

樋口真嗣という人は映画作品の監督よりも、たとえば特撮監督のような作品の一部を負担するときのほうがいい仕事をするのではないかと思っている。簡単にいうと、彼の監督能力には期待していないのだ。しかし、期待してもしなくても作品に接するときはできるだけ虚心で観るように心がけている。そして本作はよかった。

石原さとみが出てくるまでは、妙にカットが多くカチャカチャしていて「あの鳥は海を見たことがあるのかしら」みたいないらつくセリフで落ちつかなかったのだが、彼女が登場してからはそういうことはなくなった。

九州の人間にはわかると思うが、阿蘇や軍艦島が使われているのも嬉しい。

主人公が本郷奏多ではなくてどうやら三浦春馬らしいのだが、男でよかったのはピエール瀧と口だけ番長の三浦貴大で、あとは存在感がなかった。それに比して女はアピールポイントが最低ひとつは用意されていて、前述の石原さとみ、水原希子をはじめみんな魅力的だった。

『サボタージュ』

2015年08月02日 | Weblog
よい

アルフレッド・ヒッチコック 監督
シルヴィア・シドニー、オスカー・ホモルカ、ジョン・ローダー、デズモンド・テスター、ジョイス・バーバー 出演

善良な映画館主を装って破壊活動をする男と、彼の家庭に八百屋の御用聞きを装って近付く若い刑事の対立。危機を察して男は、義弟に時限爆弾の入った包みを、もちろん、それとは知らせず託して運ばせようとする。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=9031





セーラー服は海外でも女子が着ている時代もあったのだな、とわかる作品。

前半の完全なサスペンス作品から、後半の恋愛物への切り替えがうまくできていない。アレ? そんな終わり方でいいのか? とおさまりがよくない。

かわいそうなのが弟で、前半人懐っこくてかわいい性格なのが、お使いを頼まれて出かけるところから急にモタモタしだしてどんどん馬鹿になり、ハミガキのデモンストレーションに捕まるは、わかっていた行進行列で道を横断できないは、バスの中で犬と遊ぶはで、あぁそりゃしかたないかもしれないな……、と思ってしまう(笑)。

さらにその騒ぎのあとが問題で、ここからどんどん恋愛物の要素が強くなる。職務より個人的な感情を優先させて大丈夫なのか? そこをテーマにするドラマも多いというのに、この刑事には迷いがない(笑)。