映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『赤い影』

2010年11月29日 | Weblog
わるい

ニコラス・ローグ 監督
ドナルド・サザーランド、ジュリー・クリスティ、ヒラリー・メイソン、
クレリア・マタニア、マッシモ・セラート、アンドレア・パリジ 出演

イギリスの考古学者ジョン(サザーランド)は妻のローラ(クリスティ)と訪れたベニスで盲目の霊媒師と出会い、事故で失ったばかりの娘の溺死体の幻影を見る。謎の真相の糸をたぐりに、霊媒師を通じて娘とコンタクトを取り、意外な事実に突き当たる二人……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=444



まことにつまらない。無駄に長い、ストーリーもおもしろくない、映像も美しくない、特に取り柄がない。

以下ネタバレ







霊感の強い男が霊媒師のアドバイスを無視して行動したら死んじゃった、という一行で済む話を無駄に引き伸ばした作品。

『フレディVSジェイソン』

2010年11月29日 | Weblog
ふつう

ロニー・ユー 監督
ロバート・イングランド、ケン・カージンガー、ジェイソン・リッター、モニカ・キーナ、ケリー・ローランド、ロックリン・マンロー 出演

フレディが人々の夢に侵入し殺戮を繰り返した惨劇からすでに10年。現在、エルム街にあるフレディの古い屋敷に住む家族は、フレディの復活を怖れて夢を見ないよう細心の注意をしていた。もう若者たちの中にフレディの存在を知る者はほとんどいなかった。こんな状況はフレディにとってとても耐えられるものではない。そんな時、フレディはもう一人の殺人鬼ジェイソンの存在を知る。彼を利用することで再び地獄から這い出てエルム街に恐怖をもたらすことができると思いついたフレディは、さっそくジェイソンの夢に忍び込むのだったが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=241630



もうこういうのはあわなくなったのかなぁ……、歳かなぁ……。

もともと怖いのは苦手でスプラッタは特に避けてきたのだが、フレディのほうは独特の美意識があると思っていて興味があった。

まあ理屈のつじつま合わせを優先して、作品のデキ・恐怖感をつぶしてしまったようである。

『THE CODE/暗号』

2010年11月24日 | Weblog
わるい

林海象 監督
尾上菊之助、稲森いずみ、松岡俊介、斎藤洋介、佐野史郎、柏原収史、宮迫博之、坂井真紀、成宮寛貴、貫地谷しほり、宍戸錠、松方弘樹 出演

川崎市で時限爆弾を使った同時多発テロが発生。しかし、探偵事務所5の探偵507が爆弾コードを難なく解読、みごと爆破を未然に防ぐことに成功する。功績を挙げた彼にさっそく上海支部から新たな暗号解読の依頼が。それは、これまでに見たこともない配列の暗号だった。かつてない難問を前に、興奮を抑えられない探偵507は、自ら上海に乗り込み、暗号解読に挑むのだったが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=332139


脚本が尻下がりに悪くなる(笑)。
どんどんつじつまがあわなくなるのだ!

稲森いずみを美しく撮る→成功しているところもあるが、ふつう。
自分がかっちょいいと思っていた俳優(宍戸錠)をかっちょよく見せる→失敗。
江戸川乱歩的なおどろおどろしさ→前半はいいが後半は……。

そして徹底的に主人公をないがしろ(いいとこなし)にして見せ場がない(笑)。

恋愛・暗号・アクションどれもまともになっていないストーリーがひどい。
いままで百発百中で一撃必殺のあの人が、最後の戦いではずすはずす(笑)。かっちょわるいしテンポもわるい。

『夢みるように眠りたい』のエンディングから始まるオープニングはよかった。

『過去のない男』

2010年11月22日 | Weblog
よい

アキ・カウリスマキ 監督・制作・脚本
マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン、アンニッキ・タハティ、ユハニ・ニユミラ、カイヤ・パリカネン、サカリ・クオスマネン、マルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカ、エリナ・サロ 出演

ある日列車に揺られ、夜のヘルシンキに流れ着いた一人の男。公演のベンチで夜明けを待っていた彼は突然暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負う。男は病院で奇跡的に意識を取り戻すが、過去の記憶を全て失っていた。身分証もなく、自分の名前すらも分からない有様。しかし、幸運にもそんな彼にコンテナで暮らす一家が手を差し伸べ、男は彼らと共に穏やかな生活を送り始める。そして救世軍からスープが振る舞われる金曜日。男はコンテナの主人に連れられ支給場所へとやって来る。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=240353



スタートがかなり下のほうから始まるので、ちょっといいことがあるとそれがかなり嬉しいこと、楽しいことになる。

後半で都合が良すぎることがいくつかあるが、許せる範囲。

なお、主人公のマルック・ペルトラは2007年12月31日に亡くなっている。死因は発表されていない。『かもめ食堂』の「コピ・ルアック」の人でもある。  合掌

『処刑人』

2010年11月21日 | Weblog
よい

トロイ・ダフィー 監督・脚本
ウィレム・デフォー、ショーン・パトリック・フラナリー、ノーマン・リーダス、デヴィッド・デラ・ロッコ、ビリー・コノリー、デヴィッド・フェリー、ドット・ジョーンズ 出演

敬虔な二人の兄弟が悪人を処刑せよとの神の啓示を受け、その通り行動するバイオレンス・アクション。サウスボストンに住むコナーとマーフィーのマクマナス兄弟。二人は行きつけのバーでロシアン・マフィアとトラブルを起こし、自宅を襲撃され相手を殺してしてしまう。事件は正当防衛が認められ無事釈放されるが、留置場の中で彼らは、神から“悪人を処刑せよ”との啓示を受けていた。出所した兄弟は早速大量の武器を調達し、ロシアン・マフィアのボスが集まるホテルへ向かう……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=162863



かなり前にいちど観たのだが、ブログには書いていなかったようだ。『ドグマ』と区別がつきにくい……。

前半の食肉処理場での女性との喧嘩がわからないのと、もともとテンポがいいのに後半急ぎすぎるのが欠点だが、あとはよい。

主人公のふたりの兄弟もいいのだが、ホモで善人で優秀なFBI役のウィレム・デフォーがもの凄い(笑)! できればトンチンカンな部下にお使いをさせるギャグは、ずっと続けてほしかった。

『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』

2010年11月08日 | Weblog
ふつう

鴻上尚史 監督
深田恭子、椎名桔平、塚本高史、中村雅俊、清水美沙、西村雅彦、井上順、佐藤千亜妃  出演

脚本家の谷山真由美は関東テレビからスペシャルドラマの脚本を依頼されたものの、締め切りを過ぎてもいまだ1行も書けずに困っていた。たまりかねた局側は、冴えないプロデューサー向井正也を送り込む。何でもするから書いてくれという向井に、恋をしないと書けないからと、自分と恋に落ちてと迫る谷山。こうして、ようやく書き始めた谷山だったが、主人公の設定を勝手に“人気女流作家”から“くたびれた主婦”に変えてしまう。何とか思いとどまらせようとする向井だったが、編成部ではそんな谷山に見切りをつける動きも出始め……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337256



鴻上尚史は恋愛に呪われていると思っていたが、もしかしたら、恋愛に呪われていると思いたいのかもしれない。

ロマンチック・コメディの定型と破調、劇中劇中劇の三層構造など、仕組みはしっかりしているし、深キョンのためのスター映画という位置づけも意識されている。

しかし、元カレの登場と向井の過去はもっさりしているし、締切りギリギリにパソコンで原稿を書いているのに、わざわざプリントアウトして持っていくという面倒くささ。もちろん、オリジナルはわたさないという前フリはあったものの、井上順が味方だとわかった後ならば彼にファックスをおくるなり、バイク便ってものもあるだろうが!
無駄なところに時間をかけているようにみえるのだ。

デート・ムービーには適している。

『レベルポイント』

2010年11月08日 | Weblog
よい

ジョナサン・カプラン 監督
マイケル・クレイマー、パメラ・ルドウィグ、マット・ディロン、L・スチュアート、ヴィンセント・スチュアート、トム・ファーガス、ダイガー・トンプソン、ハリー・ノーサップ、
アンディ・ロマノ、エレン・ガー 出演

新興都市の開発が失敗しかける中、そのしわ寄せが若年層にまで影響を及ぼす。
娯楽施設の建設が遅れ、唯一のたまり場的存在の「センター」も警察や権力者から目の敵にされ、閉鎖の危機に瀕していた。



さて、おっさんの目からすればふつうのデキだが、これを若い悶々としたときに観せられるとガラリと印象は一変する。

自分で生きる術をしらず、他人に自分を伝えることばを知らず、友人とのつきあいは制限され、オトナによって自分と似ているが違うなにかの型にはめられる不満の爆発。
これがこの作品の魅力なのだ。

おそらく日本の地方都市ではこの作品は何か有名な作品の同時上映だったはずである。

「ドリーム・ポリス」より前のチープ・トリックがかなり使われていた。

おそらく、もうちょっと主人公たちが歳をとり行動力を持てれば、『サタデー・ナイト・フィーバー』のような都市脱出の展開になったはずである。彼らの世代には、ああいう方法しかなかったのだ。

『ジョンとメリー』

2010年11月06日 | Weblog
よい

ピーター・イエーツ 監督
ダスティン・ホフマン、ミア・ファロー、マイケル・トーラン、サリー・グリフィン、タイン・デイリー、マリアン・メーサー、スタンリー・ベック、オリンピア・デュカキス、ジュリー・ガーフィールド 出演

昨夕知り合った行きずりの男のベッドで目覚める女。そこから始まる一日足らずの殆どその部屋での出来事と、部屋で交わされる互いを探り合う会話、差し挟まれる男と女の心のモノローグ、そして過去の記憶の場面で構成する舞台劇のような構造の恋愛映画。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=11103



男女の今の心理とこれまでの過去がわかるつくりのドラマ。

男女とも心のゆらぎが如実に表現されるのでわかりやすいのだが、お互いに一緒に住むことが恋愛の大きな段階になっているのがお国柄のせいなのか時代のせい(1969年)なのかが伝わりにくい。

それとエンディングがちょっとあまいかもしれない。

『ミックマック』

2010年11月03日 | Weblog
よい

ジャン=ピエール・ジュネ 監督
ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ、オマール・シー、ドミニク・ピノン、ジュリー・フェリエ、ニコラ・マリエ、ヨランド・モロー、ジャン=ピエール・マリエール、ミシェル・クレマデ、マリー=ジュリー・ボー 出演

不幸な人生を送る主人公が、その原因を作った2大軍事企業を相手に、個性豊かな仲間たちと繰り広げる壮大なイタズラの行方を風刺とユーモアを織り交ぜ綴ってゆく。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336264



小意気なコメディ。
映画のすべてが超大作である必要はないし、クソまじめである必要もないのだ。

こういう作品こそ万人に観てもらいたい。

しかし気になったこともある。
この監督の作品を、『デリカテッセン』、『ロスト・チルドレン』、『エイリアン4』、『アメリ』 、『ロング・エンゲージメント』と観てきたが、ブラックユーモア・ファンタジー・SF・恋愛と種類のちがいはあれど、<変態・グロテスク趣味>という根幹にゆるぎはなかった(笑)。こちとら『アメリ』だけ観て、「うわぁ~素敵」などとほざいているオシャレ系女子とは違うのだ!

もちろん本作でも、銃弾が頭にはいったところや軟体女のシーンなど、監督のオリジナリティを感じさせる部分はあった。しかし、一般化・普遍化へ向かおうとする力を感じてしまうのだ。

彼の趣味の悪さ(笑)は、失わないでもらいたい。

『イントゥ・ザ・ワイルド』

2010年11月02日 | Weblog
よい

ショーン・ペン 監督・脚本
エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、ジェナ・マローン、キャサリン・キーナー、ヴィンス・ヴォーン、ハル・ホルブルック、ブライアン・ディアカー、ザック・ガリフィナーキス 出演

恵まれた境遇にありながらも繊細な感受性ゆえに満たされずにいた青年が、突然すべてを捨て、ヒッチハイクでアメリカを縦断しながら様々な人々との出会いを経て、最後は徒歩でアラスカの荒野へと分け入り、その4ヵ月後に餓死した死体となって発見されるまでの心の軌跡を静かに見つめていく。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329456



主人公の見せ方がずるいくらいにうまい。

主人公のセックスシーンなし、ドラッグシーンなし、おそらく酒を飲むシーンもなかったのではないか。できるだけピュアな存在として描こうとしている。

そして主人公が傷ついた過去のシーンに加え周囲の人間たちの問題もにおわせながら、さまようことの必然性・気持よさを見る者にもわからせる。

そして、ハル・ホルブルック演じるロンのがんこオヤジぶりがいいのだ。愛情表現がヘタな人間だとわからせた上での愛情表現がしみる!