映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ボーイ・ミーツ・ガール』

2013年12月25日 | Weblog
よい

レオス・カラックス 監督・脚本
ドニ・ラヴァン、ミレーユ・ペリエ、キャロル・ブルックス、アンナ・バルダッチニ、ハンス・メイヤー 出演

親友に恋人を奪われ、彼を殺そうとし思いとどまったアレックスは同じ様な境遇のミレーユを知る。彼女が向かうパーティ会場に潜り込み、近づきになった途端、二人は恋の情熱を燃やすが、彼女は別れたばかりの恋人との悶着をひきずっており……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=21326





ピンボールに夢中になって彼女を忘れるなよ(笑)。

あのエンディングは青春のバカさかげんを表現しているのか? 

ふだんは隠している自分史地図、短いシーンだけれども、とても魅力的で美しい。

『横道世之介』

2013年12月18日 | Weblog
よい

沖田修一 監督
高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛、朝倉あき、堀内敬子、井浦新、國村隼、きたろう、 余貴美子 出演

長崎の港町で生まれ育った横道世之介、18歳。この春、大学進学のために上京。少々お人好し過ぎるものの、明るく素直な性格で周囲の人々を魅了していく。そんな世之介は、入学式で出会った倉持一平や同級生の加藤雄介らと友情を育む一方、年上の女性・片瀬千春に片思いをしたり、あるいはお嬢様の与謝野祥子との間に淡い恋が芽生えたりと大学ライフを謳歌していくのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341931





なげぇ~よ(160分)。

小説家志望の黒田大輔のところはまったく物語の展開に必要ないし、冒頭の都会人のイメージした田舎もんの強調も陳腐だ。ばあちゃんは帰省中に殺してもよかったんじゃないか……。といいたくなるほど長い。無駄に!

貝アレルギーは実在する。親戚にひとりいる。

話はおもしろいし、出演者の演技もいいし、ちょっともったいない。


『ビフォア・サンセット』

2013年12月18日 | Weblog
よい

リチャード・リンクレイター 監督
イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、ヴァーノン・ドブチェフ、ルイーズ・レモワン・トレス、ロドルフ・ポリー 出演

9年前、ユーロトレインの車内で偶然出会い、ウィーンの街で一夜だけを共にしたアメリカ人のジェシーとフランス人のセリーヌ。半年後の再会を約束したものの、それは果たされぬまま9年の月日が流れた。作家となったジェシーは、パリの書店で行なわれたキャンペーンの席で遂にセリーヌとの再会を果たす。喜びを分かち合う2人だったが、彼らに残されていた時間はジェシーがNY行きの飛行機に乗るまでの、たった85分間。2人はパリの街をさすらいながら、9年の空白を埋め合わせるかのように、それぞれの思いを語り合うのだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=320662





おもしろいのだが、完全に『 ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』の続編である。したがって、前作を観ていないと楽しめない。

ぎこちなさが目立つ「打ち解けなさ」がいい。答えの出ないエンディングもいい。

男女ともにプライベートは安定していないのだが、セリーヌの「心は死にかけている女」というセリフからもわかるように、夢も希望も失いかけている女性の露骨なあせりもまたいい。

『ムード・インディゴ うたかたの日々』

2013年12月18日 | Weblog
よい

ミシェル・ゴンドリー 監督
ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、ガド・エルマレ、オマール・シー、アイサ・マイガ、シャルロット・ルボン 出演

お金に不自由せず、働かずとも優雅に暮らす気ままでナイーヴな資産家コラン。ある日、無垢な魂を持つ美女クロエと出会い、一目で恋に落ちる。そのまま愛を育み結婚した2人。ところが、そんな幸せな日々は長くは続かなかった。ある日突然、クロエは肺に睡蓮の花が咲く奇病に冒されてしまったのだ。コランはクロエを救うべく奔走するが、高額な治療費のために彼の財産は底をついてしまう。そこで人生で初めて働き始めたコランだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346297





映画館で観た。インターナショナル版(95分)とディレクターズカット版(131分)があるが、ディレクターズカット版で観た。

なんかキャストの名前表記がオフィシャルサイトと映画サイトで違うのがいや。

現実的に立ち向かうことが厳しいつらさに関して、幻想的に回避したり、ひねくって笑いにするのがこの監督の得意技ではないだろうか。

タイプライター・センターとカクテルピアノでたいていの人間はやられるし、やられない人は観てもあまり楽しめないのではないか……。ヴィジュアルとガジェットにかなり力がはいっている。警察の車もすばらしいデザインと動きであった。

ロマン・デュリスがいろいろな意味でとても不器用なのだが、あれはやはり全男性を象徴しているのだろうな。

アイサ・マイガ(サルトルもどきをアレした人)がもしかしたら、全女性の悲しみを象徴しているのかもしれない。

『ゼロ・グラビティ』

2013年12月17日 | Weblog
よい

アルフォンソ・キュアロン 監督
サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー、声の出演 エド・ハリス

地上600kmの上空で地球を周回しているスペースシャトル。今回が初めてのミッションとなる女性エンジニアのストーン博士は、ベテラン宇宙飛行士コワルスキーのサポートを受けながら船外での修理作業に当たっていた。その時、ロシアが自国の衛星を爆破したことが原因で大量の破片が軌道上に散乱し、猛烈なスピードでスペースシャトルを襲う。衝撃で漆黒の宇宙へと放り出された2人は互いを繋ぐ1本のロープを頼りに、絶望的な状況の中、奇跡の帰還を信じて決死のサバイバルを繰り広げるが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346608#1





劇場で字幕版 3Dマスターイメージ方式で観た。

いや、もうひとり、すぐに死んじゃうやつがいただろうが! 有名な映画サイトにも名前が載っていない。CGか?

観たことのない映像を見せるという点でかなり満足することができた。

登場人物が少ない、カット数が少ない、宇宙が多いから黒が多いなどから、閉塞感がとても強い。

サンドラ・ブロックのドジっ子ぶりが強調されすぎているのがちょっとつらい。たとえば、2枚目の写真のISSにもどれたところなど、タンクトップ姿で休憩するのが長すぎる。

あのラストを観ると、タイトルは原題の『グラビティ』でもよかったんじゃないかと思う。

『 ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』

2013年12月17日 | Weblog
よい

リチャード・リンクレイター 監督
イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、アーニ・マンゴールド、ドミニク・キャステル 出演

列車の中で偶然出会った一組の男女。二人は意気投合して列車を途中下車し、ウィーンの街をあてどもなく歩く。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎ、やがてお互いの生活に帰る朝がやってくる……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=26400





最初に列車の中で声をかけること以外はイーサン・ホークの態度が消極的すぎてちょっと意外であった。

しかし、まあそういうこともあるだろうし、展開が自然な感じでよかった。

21:30からの芝居はどうなったんだ! 一応説明はあるが、あれはちょっと(笑)……。

エンディングがいい。

『ジャンゴ 繋がれざる者』

2013年12月12日 | Weblog
よい

クエンティン・タランティーノ 監督・脚本
ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン、ドン・ジョンソン、ローラ・カユーテ 出演

南北戦争勃発前夜のアメリカ南部。賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・シュルツは、お尋ね者三兄弟の顔を知る黒人奴隷ジャンゴを見つけると、彼の鎖を解き放ち、三兄弟の追跡に繰り出す。その後、ジャンゴの腕を見込んだシュルツは、彼を賞金稼ぎの相棒にして2人で旅を続けることに。しかし、そんなジャンゴが真に目指す先は、奴隷市場で生き別れた最愛の妻ブルームヒルダのもと。やがて、彼女が極悪非道な農園領主カルビン・キャンディに売り飛ばされたことを突き止めたジャンゴとシュルツ。2人はキャンディに近づくため、ある周到な作戦を準備するのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=342722#1





圧倒的なサービス精神の脚本と編集能力の低さで有名なクエンティン・タランティーノ監督・脚本作品(165分)。

西部劇にもアメリカの歴史にも詳しくないので十分に理解しているとは言えないが、おもしろかった。

三人兄弟を倒すところまでが前半で、後半とうまくつながらない……かと思いきや、今回はちゃんとつながっていた。

奴隷格闘の知識がまったくないのだが、あれも実際にあったことなのだろう。

汚れ役もちゃんとこなすレオナルド・ディカプリオはもうちょっと評価されてもいいんじゃないか?

クリストフ・ヴァルツはあっさりしすぎ(笑)。

『SUSHI GIRL 』

2013年12月12日 | Weblog
よい

カーン・サクストン 監督
トニー・トッド、ジェームズ・デュヴァル、ノア・ハサウェイ、アンディ・マッケンジー、マーク・ハミル、コートニー・パーム、千葉真一、ダニー・トレホ 出演

強盗の罪で6年間を刑務所で過ごしたフィッシュ。仲間について一切口を割らず、ただ一人服役した彼がようやく出所の日を迎えた。そんな彼の出所を祝うべく、昔の仲間4人が寿司の女体盛りで出迎える。しかし彼らの関心は、6年前の強盗事件で消えてしまったダイヤの行方のみだった。それをフィッシュが知っていると信じる4人は、彼にダイヤのありかを吐かせようと情け容赦ない拷問を開始するが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=344169





ダニー・トレホはほんのちょっとの出演だった……。

こんなきれいな女体盛り(コートニー・パーム)は初めて観た。

いきなり『ダイヤモンドは永遠に』の音楽! かっちょいい。

おわりまで観ると、ストーリーに無理があるが許せる範囲。

『危険なメソッド』

2013年12月12日 | Weblog
よい

デヴィッド・クローネンバーグ 監督
キーラ・ナイトレイ、ヴィゴ・モーテンセン、マイケル・ファスベンダー、サラ・ガドン、ヴァンサン・カッセル 出演

1904年、チューリッヒ。若き精神科医ユングは、精神分析学の大家フロイトが提唱する“談話療法”を新たな患者ザビーナに実践し、彼女の心の奥底に眠る性的トラウマを突き止めて治療に成功する。しかし二人はいつしか医者と患者の一線を越え、愛人関係に。そんな中、一度は師弟のような友情を築いたフロイトとの間にも溝が生じ始めるユングだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=343154#1





サスペンス要素というのは、ザビーナ(キーラ・ナイトレイ)の幼児体験を探っていくところとフロイト(ヴィゴ・モーテンセン)とユング(マイケル・ファスベンダー)の関係悪化の過程の部分を指しているのだろう。どちらもおもしろかった。

しかし、ザビーナの幼児体験が明らかになったあとで、どのようにして治癒できたのかはよくわからなかった。

また、ヴァンサン・カッセル演じるオットー・グロスも独自の存在感で、ユングを患者の立場から刺激する絶妙な立場なのだが、フロイトとほんとうに血縁関係があるのかどうかは本作を見終わったあとでネットで調べて「後継者としてのフロイトの息子候補のひとり」であったことがわかった。

ユングの食欲の強調もおもしろかったが、心理学的にどういうことなのかはもちろんわからない。

『わが青春のマリアンヌ』

2013年12月09日 | Weblog
よい

ジュリアン・デュヴィヴィエ 監督・脚本
マリアンヌ・ホルト、イザベル・ピア、ピエール・ヴァネック 出演

TSUTAYAで借りたフランス語版を観たのだが、ネット上に資料が少なく、MovieWalkerによると「フランス語版とドイツ語の両国版が平行して作られ、二組の配役のもとに同じ場面の撮影が二度ずつ行われた」そうである。

わけありの生徒が多い寄宿学校に、アルゼンチンからやってきたヴァンサンが加わった。動物からも愛されるような魅力を持ったこの少年も、母親の再婚という差し迫った問題を抱えていた。どこの学校でもまじめグループと不良グループに別れるが、彼は誰とでもへだてなくつきあい、寝室は不良グループのひとりと一緒になった。不良グループは「共通の秘密」を持つために、あることを計画する……。





青春のモヤモヤ、もっとわかりやすくすると第二次性徴期以降の性欲や体力や暴力やおろかさや裏切りを、美しく描いた作品。比重は軽いが、女子のそれらをも描いているのも貴重であろう。

みにくくリアルに描くと『台風クラブ』になるのではないかと思う。

以下ネタバレ







主人公の執着の対象が母親から恋人(母親そっくり)に移動し、学校を出て(再婚している)母親のもとへもどるよりも恋人探しにでかける方を選ぶ物語。

これを若いときに観て、影響を受けた人も多いらしい。詳しくは町山智浩さん関連のページを探すこと。

『ポンヌフの恋人』

2013年12月09日 | Weblog
よい

レオス・カラックス 監督・脚本
ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、クラウス=ミヒャエル・グリューバー、ダニエル・ビュアン、マリオン・スタレンス、エディット・スコブ 出演

天涯孤独の大道芸人の青年アレックスは彼が暮らす、パリで最も古く美しいポンヌフ橋で、初恋の痛手と不治の眼病で絶望的な放浪を始めた空軍大佐の娘ミシェルと出会い、革命200年祭に町が沸く中、互いの孤独を確かめ合うように激しい恋を貪る。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=21845





同じ監督の『ホーリー・モーターズ』があまりにもよかったので、旧作を見なおした。
二枚目の写真の百貨店は、『ホーリー・モーターズ』にも出てくる。

以下ネタバレ(笑)






目を治すためにふたりが別れてアレックスが銃を使うところで終わらせておけば、大傑作になったんじゃないかと思う。

その後、刑務所に面会に来たり、その面会で約束したことを中途半端に破ろうとしたりするのが理解できない。しかもあのエンディング!