映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ウォッチメン』

2009年03月31日 | Weblog
ウォッチメン - goo 映画

ふつう

ザック・スナイダー 監督
マリン・アッカーマン、ビリー・クラダップ、マシュー・グード、カーラ・グギーノ、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジェフリー・ディーン・モーガン、パトリック・ウィルソン、スティーヴン・マクハティ、マット・フルーワー、ローラ・メネル 出演

ケネディ暗殺事件、ベトナム戦争、キューバ危機…。かつて世界で起きた数々の事件の陰で、<監視者>たちがいた。彼らは人々を見守ってきたヒーローであり、“ウォッチメン”と呼ばれていた。そして今、一人の男が暗殺されたことからすべては始まった。殺害現場に残された血が付いたスマイル・バッジ。殺されたのはかつてのウォッチメンだった…。

世界観、完璧 !! ストーリー、おもしろくない(笑)!!

たいていどこのサイトでもかつてのヒーローが次々と……、とあるが、殺されるヒーローはひとりだけじゃないかな?
公式サイトにあるトレイラーに、「次々と殺されていく」という表現があるからしかたがないが、それは広報が無能か作品に対する愛がないからであって、それを鵜呑みにする必要は個人のブログではないのだ。

このストーリーは『ダークナイト』と同じなのよ。『ダークナイト』よりあとに出来上がったくせに、面白さはそれ未満(はっきり)、ストーリーはほぼ同じではあまり意味がない。しかも長すぎるし……。

善悪がわからなくて悩んでいる人がいてもいいが、そういう人たちがこんな作品で熱狂してもむなしいだけである。だいたい熱狂している人たちは『ダークナイト』を観ているのだろうか。

ちなみに写真の右から二番目の人はバットマンではありません(笑)。

『ウィンダミア夫人の扇』

2009年03月28日 | Weblog
よい

エルンスト・ルビッチ 監督
メイ・マカヴォイ、バート・ライテル、アイリーン・リッチ、ロナルド・コールマン、エドワード・マーティンデル 出演

O・ワイルドの戯曲『ウィンダミア卿夫人の扇』の翻案映画化。いわゆる風俗喜劇、世話もの(Comedy of Manners)の傑作と言われているこの原作は、オットー・プレミンジャーによっても'49年に映画になった。かつての恋人との間に一人娘を作りながらも彼と別れたアーリン夫人は、社交界デビューを飾った娘を遠まきに眩しくみつめる。やがてウィンダミア卿夫人となった娘の前で、卿との関係も噂される恋多き女として登場する母親に真実の告白はできない。それを知って両者の間で立ち往生するウィンダミア氏。しかし、そんな夫を誤解している妻は、実の母のかつて犯したのと同じ不倫のあやまちに走ろうとする。これをなんとか制止しようとする母だったが……。

上記解説はオールシネマからの引用
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=2291#1

ちょっと気になったことがある。
上記オールシネマのデータでは上映時間が72分。世界的に有名な映画のデータベースIMDbでは、USA版で89分とある。そしてアマゾン日本版では115分となっており、わたしが観たのは淀川さんの解説が冒頭に入っている115分版であった。
この違いがどこからくるものなのか、ご存知の方がいれば教えていただきたい。
わたしはラスト30分になるまで若干冗長と思えるところもあったのだが、72分や89分など、100分を切るとなるとその印象も変わってくるはずである。

さて、ラスト30分がサスペンスフルであり、それまでの部分と好対照である(笑)。

サイレント映画をあまり観ていないからはっきりとはいえないが、説明的にするためか動きがゆっくりしているところが多かった。

パーティー会場での女性たちのユーモラスな動きがおもしろい。

スカーレット・ヨハンソンの『理想の女』は同じ原作を元にしている。もちろんこちらはトーキーで全体的にうまくまとまっている。

『理想の女』のわたしの感想。
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/627db2feb9e18409bffd7e2b3869f17a

『山のあなた 徳市の恋』

2009年03月28日 | Weblog
よい

石井克人 監督
草なぎ剛、加瀬亮、マイコ、広田亮平、宮永リサ、黒川芽以、三浦友和、渡辺えり子、松金よね子、洞口依子、堤真一 出演

新緑の山道を歩く目の不自由なふたりの按摩。一人は、前を歩く人の数から性別までピタリと当てる鋭い勘の持ち主、徳市。もう一人は、その良き相棒、福市。春先からの仕事場となる山の温泉場へ向かっていたふたりを、東京からの女性、三沢美千穂を乗せた馬車が追い越していく。やがて、温泉場の按摩宿泊所に落ち着いた徳市と福市。そこへ、宿屋の鯨屋から呼び出しがかかる。さっそく治療に向かった徳市は、お客として待つ美千穂と再会する。いつしか、この謎めいた女性、美千穂に惹かれていく徳市だったが…。

上記ストーリーはオールシネマからの引用
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329666

オリジナルは清水宏監督の1938年の『按摩と女』で、脚本、カメラアングル、役者の動きをほぼ忠実に再現したらしい。石井克人監督はリメイクではなく、カヴァーだとしている。

高音質、高画質はすぐにわかるが、造形・美術に関してもかなりこだわっているようだ。旅館の鯨屋が最初に出てきたときに驚いた。

そして、マイコの不思議な魅力と存在感、草なぎ剛のひたすらな演技がすばらしい。

草なぎ剛がこんな変な映画に出演するのがこれまた不思議だ。

『バンク・ジョブ』

2009年03月25日 | Weblog
バンク・ジョブ - goo 映画

よい

ロジャー・ドナルドソン 監督
ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、リチャード・リンターン、スティーヴン・キャンベル・ムーア、ダニエル・メイズ、ピーター・ボウルズ、キーリー・ホーズ、コリン・サーモン、ピーター・デ・ジャージー、ジェームズ・フォークナー、シャロン・モーン、アルキ・デヴィッド、アリスター・ペトリ、マイケル・ジブソン、ジョージア・テイラー、デヴィッド・スーシェ 出演

イースト・ロンドンで中古車ディーラーを経営するテリーは、知り合いの女性マルティーヌから銀行強盗の話を持ちかけられる。「一生に一度のチャンス」と説得され、計画実行を決意する。テリーは総勢7人の実行メンバーを集め、地下トンネルを掘り金庫への侵入に成功する。しかし、その盗んだ貸金庫の中には、犯罪組織はもちろん、イギリス政府や警察、王室までもが関係する秘密が預けられていたのだ…。




この監督は『スピーシーズ/種の起源』から『世界最速のインディアン』までやっている。ということは、かなり信頼できる腕だとわかる。

登場人物たちが悪党だらけ、しかも市井(しせい)の悪党から(笑)、警察権力を笠にきた悪党、対外諜報の政府機関などよりどりみどり。
あまりにも入り乱れすぎて、サフロン・バロウズに依頼(強要)したあの男がどこの人なのかよくわからなかった(まあ政府機関のどこかというのはわかるのだが)。

飽きることのない展開が楽しめる。

王室のスキャンダルは皆が知るところだし、2年ほど前には日本のSNSサイトでも皇族関係者の乱れた日々の日記が注目され、削除されたのは有名である。

わたしは映画館で観たのだが、本日3月25日にDVDが発売らしい(笑)。

『ザ・マジックアワー』

2009年03月25日 | Weblog
ザ・マジックアワー - goo 映画

ふつう

三谷幸喜 監督・脚本
佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、小日向文世、寺島進、戸田恵子、伊吹吾郎、浅野和之、市村萬次郎、柳澤愼一、香川照之、甲本雅裕、近藤芳正 出演

港町・守加護(すかご)でクラブ「赤い靴」の支配人を任されている備後は、ギャングのボス・手塩の情婦・マリに手を出したのがバレて大ピンチ。5日以内に幻の殺し屋・デラ冨樫を探し出して連れて来なければ命はないと脅される。が、デラの居場所に皆目見当もつかない備後は替え玉を仕立てる苦肉の策に出る。そこで白羽の矢が立ったのが売れない俳優・村田大樹。主演映画を撮りたいと村田を騙し守加護へ連れて来るのだった。

『THE 有頂天ホテル』では、豪華多数キャストを十分に使いこなして楽しくおもしろいおはなしを展開していたが、今回は話がそれほどおもしろくない上に、なぜこんなにキャストが必要なのかもうちょっと少ないほうがよりおもしろくできたんじゃないの? と思わせるデキであった。

『あなただけ今晩は』を思わせるようなセットはすばらしい。

『バンガー・シスターズ』

2009年03月22日 | Weblog
ふつう

ボブ・ドルマン 監督・脚本
ゴールディ・ホーン、スーザン・サランドン、ジェフリー・ラッシュ、エリカ・クリステンセン、エヴァ・アムリ、ロビン・トーマス、マシュー・キャリー 出演

ロサンジェルスの場末のライブハウスでウェイトレスとして働くスゼットは、60年代後半、相棒のヴィニーと2人で“バンガー(ヤリマン)・シスターズ”としてその名を轟かせた伝説のグルーピー。しかしそれも今や昔の話、ある日彼女は新しい店長からあっさりクビを言い渡されてしまう。そこでスゼットは、今では弁護士夫人に収まっているというかつての相棒ヴィニーの住むアリゾナのフェニックスに向かう。途中、脚本家くずれの潔癖症中年男ハリーを道連れになんとかヴィニーの家の前まで来たスゼットだったが、そこには過去を封印し良妻賢母を演じるヴィニーの姿があった…。

以上、オールシネマからの引用
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=241326#1

中盤までむかしのコメディの王道を行くような順調な展開であったが、ラスト20分の話のまとめかたがひどすぎた。
ジェフリー・ラッシュが卒業式のシーンだけなぜか姿を消したり(笑)、無理にエンディングに向かいましたという雰囲気がありありである。

スーザン・サランドンがなぜはじけたのかの説明が足りない。我慢に我慢を重ねる姿がもうすこし必要であろう。

『アフタースクール』

2009年03月20日 | Weblog
よい

内田けんじ 監督・脚本
大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子、田畑智子、北見敏之、大石吾朗、奥田達士、尾上寛之、桃生亜希子、山本圭、伊武雅刀 出演

紹介しにくい内容だが、オールシネマによると……
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329681

母校の中学校で働く人のいい教師、神野。夏休みにもかかわらず部活動のために出勤していた彼は、そこで同級生だと名乗る男と出会う。男は、神野の同級生で親友のエリートサラリーマン、木村の行方を追っていた。神野はちょうどその朝、仕事で全然つかまらない木村に代わって産気づいた彼の妻を病院へ運び、そのまま出産に立ち会ってきたところだった。そんな神野に男は、昨日撮られたという写真を見せる。そこには、若い女性と車に乗り込む木村の姿が。動揺する神野は、男の強引なペースに引きずられるように木村捜しを手伝わされるハメになるのだったが…。

映画が始まって1時間くらいで、「違うんじゃ?」、「あれ?」という違和感・混乱が起きてくる。それらを楽しむ映画である(笑)。

作品内の話(しくみというべきか?)自体に無理がありすぎるのを許せれば、後半はすいすいと進んでしまう。

DVDで観る人はコメンタリーがオススメ。田畑智子の役を紹介するとどうしてもネタバレになってしまうために、<謎の女役>と紹介されたそうだ(笑)。

常盤貴子はもともと美人だが、薄幸の美女役がはまっている。

警察の真の目的地(あえて変な表現にしています)は強調しすぎである。あれだけ繰り返されてしまうと、これは何かあるなとわかってしまう。

『エレジー』

2009年03月17日 | Weblog
よい

エレジー - goo 映画

イザベル・コイシェ 監督
ペネロペ・クルス、ベン・キングズレー、パトリシア・クラークソン、デニス・ホッパー、ピーター・サースガード、デボラ・ハリー、ソニヤ・ベネット、ミシェル・ハリソン、チェラー・ホースダル 出演

著名な大学教授デヴィッドは、今日もテレビで自分の著書を解説している。表面的には「成功者」の彼だが、家庭はとうの昔に壊れ、息子とも良い関係を築けない。また、女性には愛よりもSEXを求める日々を送っていた。そんな彼の前に美しい学生コンスエラが現れる。娘ほど歳の離れた彼女にデヴィッドはひと目で虜になり、親密な関係になる。しかし、いつか来る「別れ」を恐れ、デヴィッドは彼女との関係に一線を引こうとする。

恋愛ばなしはありきたりであったが、そこに「老年」というワン・アクセントを加えることによって、まあおもしろいこと……。
このカップルは30の年齢差があるのだ。

見るべきところはペネロペ・クルスの裸ではなく(いや、それも観る価値ありだが……)、パトリシア・クラークソンやデニス・ホッパーとのリアル老年どうしの会話である(笑)。
面倒なことを言わないピュアなファックなのよと訴えるパトリシア・クラークソンや、スカッシュのときに行われる老年男性たちのみみっちい会話が最高である。

『自虐の詩』

2009年03月15日 | Weblog
ふつう

自虐の詩(じぎゃくのうた) - goo 映画

堤幸彦 監督
中谷美紀、阿部寛、遠藤憲一、カルーセル麻紀、ミスターちん、金児憲史、蛭子能収、島田洋八、松尾スズキ、Mr.オクレ、佐田真由美、アジャ・コング、斉木しげる、業田良家、竜雷太、名取裕子、西田敏行 出演

ひなびたアパートに住むイサオと幸江。イサオは無口な乱暴者で、仕事もせずに酒とギャンブルに明け暮れる。内縁の妻の幸江がラーメン屋で働き生計を立てていた。少しでも気に入らないものが並ぶとちゃぶ台をひっくり返すイサオだが、幸江は彼を心から愛していた。幸江は幼い頃、母が家出し、父が銀行強盗で捕まったという過去があり、自分は不幸の星の下に生まれたのだと思い込んでいた。しかし、幸江が妊娠している事が分かり…。

前半はかなりおもしろいと思ったのだが、後半、過去のなれそめがわかるあたりから急激に想定内の物語になってしまった感じがする。
しかも熊本さんのオチのつけかたがゾンザイすぎる。とりあえずまとめてみました、という印象が強い。

イサオ(阿部寛)の態度が変わった理由は、かたぎになったからか? それだけでああも態度が変わるのか(しかも乱暴に)? 説明不足だ。

『ゴジラVSメカゴジラ』

2009年03月13日 | Weblog
ふつう

大河原孝夫 監督
高嶋政宏、佐野量子、原田大二郎、小高恵美、中尾彬、宮川一朗太、レオ・メンゲティ、中山忍、ラサール石井、佐原健二、高島忠夫、川津祐介 出演

復活したラドンを調査するためアドノア島を訪れた五条梓たちは、そこで謎の卵を発見、日本に持ち帰った卵からベビーゴジラが誕生する。ベビーを追って京都に上陸するゴジラ。そのころ国連G対策センターは、メカギドラの研究によって、未来兵器・メカゴジラを完成させていた。

紹介文はオールシネマよりの引用
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=86060#1

ストーリーはかなりおもしろいのだが、最後の戦いのあの復活システムだけがどうにも納得がいかない(笑)。そこでへなへなと腰砕けになってしまった。

平成ガメラシリーズで主演した中山忍が出ていることで有名だが、その出番は序盤と終盤にちょこっとしかない。なぜああいう使われ方なのかちょっと不可解。

メカゴジラ単体のデザインはかっこいいのだが、合体するガルーダとかゴジラのデザインはいまひとつ。

『キル・ビル』

2009年03月11日 | Weblog
キル・ビル Vol.1 - goo 映画

よい

クエンティン・タランティーノ 監督・脚本
ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、ルーシー・リュー、千葉真一、栗山千明、ヴィヴィカ・A・フォックス、ジュリー・ドレフュス、マイケル・マドセン、マイケル・パークス、ゴードン・リュウ、麿赤兒、國村隼、北村一輝、田中要次、風祭ゆき、大葉健二 出演

ひとりの女が長い眠りから目覚める。彼女の名は、ザ・ブライド(ユマ・サーマン)。自分の結婚式の最中に、かつて所属していた毒ヘビ暗殺団の襲撃を受け、夫やお腹の子を殺されたのだ。奇跡的に回復した彼女に残されたのは、暗殺団とそのボス―ビル(デヴィッド・キャラダイン)への復讐のニ文字だけだった。ザ・ブライドは伝説の刀鍛冶―服部半蔵(サニー千葉)を訪ね、名刀ハットリ・ハンゾウを譲り受ける。暗殺団のメンバーは5名。その名を記したリストを手に、女刺客の復讐の旅が始まった。キル・ビル…ビルを殺せ!

これ、公開時に映画館で観たし書いたと思うのだが見つからない。

まあ名作ですな。
タランティーノの映画に対する愛情が窺える作品。
しかもその愛情は日本映画にかなり注がれている。それは冒頭の深作監督への献辞や千葉真一、青葉屋の女主人役の風祭ゆきからもわかる。

そして、栗山千明、ジュリー・ドレフュスなどの女優の選択眼と扱いがまたすばらしい。

映画序盤のキッチン・バトルはスピード重視、青葉屋の戦いは異文化(日本人から見ると別世界と言ってもいいが)における見せ場重視の戦闘シーンが楽しめる。

『JUNO/ジュノ』

2009年03月09日 | Weblog
JUNO/ジュノ - goo 映画

よい

ジェイソン・ライトマン 監督
エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、オリヴィア・サールビー、J・K・シモンズ、アリソン・ジャネイ 出演

16歳のジュノは、バンド仲間のポーリーと興味本位でしたたった一回のセックスで妊娠してしまう。高校生が子供を育てられるわけがなく、ジュノは親友リアに「中絶するつもり」と報告するが、中絶反対運動中の同級生に「赤ちゃんにはもう爪も生えているわよ」と言われ、産む決心をする。フリーペーパーで子供を欲しがっている理想的な若夫婦を見つけ、里子に出す契約を交わしたジュノは、大きなお腹を抱えて通学する生活を始める。

暗くなりがちな妊娠騒動も環境と運がよければ、どうにかなるかもしれないと思わせる作品。

出産して里子に出すにせよ、堕胎するにせよ、金がかからないシステムというのはアメリカ国内でも限られた地域ではないか。

しかし、この作品でうったえられている内容というのは、そういうシステム的なところではなく、自分を取り巻く環境の中でベスト(いや、すこしでもベターなというべきか)な生き方を目指す女の子なのだ。

だから自分では育てられないと判断したら、できるだけましそうな里親を探す。里親に危機がおとずれたら(自分のこどもに関係してくるからだが)、自分のことのように悲しむ。

主人公の両親たちのメンタリティがうまくわからないが(日本だったら里親の前にまずは親に相談だろう。そして混乱の数々……)、理解のある協力的な態度が気持ちよくもあり、なじみにくいところでもあった。

ソニック・ユースファンは怒るかもしれない(笑)。

『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』

2009年03月03日 | Weblog
よい

エドガー・ライト 監督
サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジム・ブロードベント、パディ・コンシダイン、ティモシー・ダルトン、ケイト・ブランシェット、ピーター・ジャクソン 出演

首都ロンドンで日夜市民の安全を守り続ける勤勉な警察官、ニコラス・エンジェル巡査。その活躍ぶりは誰もが認めるところ。しかし、あまりにも優秀すぎるがゆえに同僚たちの反感を買い、ついにはのどかな田舎町サンドフォードの警察署に左遷されてしまう。事件らしい事件も起こらず途方に暮れるニコラス。おまけに、無理やり組まされた相棒のダニーは脳天気な上に無類の警察映画オタクで、映画と現実を混同してはニコラスを辟易させる。そんな中、突然彼らの周囲で明らかに不審な死が相次いで発生する。ところが町の人々は事故だと言って心配する様子もない。仕方なく、単独で捜査を進めるニコラスだったが…。

ストーリー紹介はたいていgooの映画のコーナーから引用してリンクを張っておくのだが、今回の紹介文があまりにもおそまつだったので、オールシネマからの引用にした。ネタバレはするは、おもしろさは伝えられないは、ろくなものではなかった。愛情のないやつを担当にするな。

ここからの引用です。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=330464


さて、警察物のアクション映画への愛情と独立した作品・脚本としてのおもしろさとにコメディ要素をからめた傑作である。
劇場公開を去年観ていれば、去年のベストになった作品。

犯人が誰なのかというミステリー的な要素は気にせずに、アクションと会話とストーリー展開を楽しもう(笑)。

最後の30分の気持ちよさは見事だ。