映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ヒトラーの贋札』

2009年01月26日 | Weblog
ヒトラーの贋札 - goo 映画

ふつう

ステファン・ルツォヴィツキー 監督・脚本
カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール、デーヴィト・シュトリーゾフ、マリー・ボイマー、ドロレス・チャップリン、アウグスト・ツィルナー、マルティン・ブラムバッハ 出演

第二次世界大戦中のドイツ。ユダヤ人強制収容所の一画に、各地から集められた職人たちが働く秘密工場があった。パスポートや紙幣の偽造で逮捕されたサリーは、そこでかつて自分を逮捕したヘルツォークが、大量の贋ポンド紙幣をばら撒き、イギリス経済を混乱させる目的の「ベルンハイト作戦」の指揮を執っていることを知る。作戦が成功すれば家族や同胞への裏切りになる。しかし完成できなければ、死が彼らを待っているのだった…。

怒りが限界を超えると耳に綿が詰まったように、一時的に聴覚が衰える。この演出は良かった。わたしも実際に経験したことがある。

しかし、そのほかに特によいところがない(悪いところもないが)。

こういう史実にのっとったように見せて、誰にもわからないような詳細な部分でフィクションかもしれない部分を挿入するというやり方(本作がそうだとは断言できないが)は感心できない。

あのオープニングもあまりよくない。

『余命』

2009年01月25日 | Weblog
余命 - goo 映画

ふつう

生野慈朗 監督
松雪泰子、椎名桔平、林遣都、奥貫薫、市川実和子、二階堂智、かとうかず子、宮崎美子、橋爪功 出演

敏腕外科医・百田滴は結婚10年目にして妊娠する。過去に乳がんを患い、子供を授かることを期待していなかっただけに、カメラマンの夫・良介と至福の時間を味わう。しかし喜びもつかの間、全身性の乳がんが再発する。出産は38歳の滴にとって最後のチャンス。しかし産んだところで自分は育てられない。子供を諦めて治療に専念すべきか、ガンの進行を早めることになっても子供を生むか、病を知り尽くした滴は苦渋の決断を迫られる…。

yahooのオンライン試写会に当たって観た。

唐突な過去へのまいもどりで、最初のがんで再発したら完治不能という前フリのあとで唐突な結婚の申し込み。そして唐突な最初のベッドシーン(←いらない)。
はじめの20分でこの監督が無能なのだろうと判断した。

それと乳がんの啓蒙という面もあると思うのだが、女医が乳房をひとつ切除したくらいで「女じゃなくなる」という表現はいかがなものか。実際の患者さんに対しても失礼であろうし、医者としてもおかしいのではないか。

自分の卒業した学校へはいっていくのはともかく、あんな都合のいい作文があるか? ドラマの作り方がへたくそ。

仲のいい夫婦なのに、問題をひとりでかかえこむところがわからない。なぜあそこで旦那を仕事に行かせたのか。

エンディングもどうだろう(笑)。無駄に長いくせに、ヘッドギアの男の子やプレゼントの筆記具の扱い方が杜撰。

演技や題材が悪いのではなく、監督が悪すぎたのだろう。

『僕らのミライへ逆回転』

2009年01月20日 | Weblog
僕らのミライへ逆回転 - goo 映画

ふつう

ミシェル・ゴンドリー 監督・脚本
ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファロー、メロニー・ディアス、シガーニー・ウィーヴァー 出演

いまだにビデオテープしか置いてない街角のレンタルショップ。そこは30年代に活躍した伝説のピアニストの生家だというが、いまや再開発のため取り壊しの運命に。そんな中、店員のマイクは店長から店の留守を預かる。やる気満々のマイクだが、近くのトレーラーハウスに住む友人ジェリーが起こした「事件」のせいで、店の全ビデオの中身が消去されてしまう。困った二人は自分たちで映画をリメイクし、それを客に貸し出すのだが…。

おしい!! リメイクするというワン・アイデアに頼りすぎである。
キャストを豪華にするよりも、脚本の完成度を上げることに時間をかけるべきであった。

リメイクシーンのはじめの数本はよいが、一気にたたみかける見せ方のところはあまりおもしろくない。
ジャック・ブラックはキング・コングのリメイクに2回出たことになるのか(笑)。

ラスト・シーンは予定調和であろうとなんだろうと、映画好きにとってはたまらない。

元ネタは知らなくても気にしなくていい。

『RADIO ON』

2009年01月19日 | Weblog
よい

クリストファー・ペティット 監督
デヴィッド・ビームス、リサ・クロイツァー、サンディ・ラトクリフ、アンドリュー・バイアット、スー・ジョーンズ=デイヴィス、スティング 出演

1970年代のイギリス。工場で働きながらラジオDJを務めるロバートは、自殺した兄を死に追いやった原因を探そうと、車で旅に出ることを決意する。ロンドンからブリストルへの長い旅。その道の途中で、彼は様々な人々と出会う。そしてその幾多の出会いによって、徐々に彼の旅の目的は変わっていくのだった…。

というストーリーはあまり意味がなくて……(笑)。

その場にいられない、はみ出してしまう・さまよう個性や理由があって、あとは各地の景色とエピソードで十分だ。本作は音楽もかっちょいい。

主人公が必ずしも善人やかっこいい人でないのだが、独自の行動基準があり、それがうかがえるエピソードがよい。

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

2009年01月13日 | Weblog
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 - goo 映画

ふつう

スティーヴン・スピルバーグ 監督
ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ、レイ・ウィンストン、カレン・アレン、ケイト・ブランシェット、ジョン・ハート、ジム・ブロードベント、イゴール・ジジキン、アラン・デイル 出演

1957年.相棒マックに裏切られ、スパルコ率いるソ連工作員の魔手から危うく逃れたインディ。大学も強制休職となり街を出ようとしていた彼に、マットという若者が声をかけてきた。いわく「伝説の古代秘法“クリスタル・スカル”を手に入れられる」という。その言葉を信じ、インディはマットと共にペルーへと向かう。そこでようやくクリスタル・スカルを手に入れるものの、待ち構えていたスパルコたちに捕らえられてしまい……。

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『マイノリティ・リポート』でも思ったが、もうスピルバーグにはSFは撮ってほしくない。
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ということを。『宇宙戦争』のリメイクのところで書いているのだが、もう映画を撮らなくてもいいんじゃないか(笑)。

多少わくわくしたのは軍の倉庫に入りこむまで。あとは凡庸。

映画的な文法でいえば、アクションがひと段落したあとで「カチャッ」という音がして主人公に向けられた銃口のアップ、主人公の諦め顔でホールド・アップという流れだと思うのだが、本作ではいきなり銃口が主人公に向けられている画があって主人公の諦め顔がくる。これでは盛り上がることができない。

核をコメディ的に扱っているのを観るのは二本目(一本目は『博士の異常な愛情』)だと思うが、なじめなかった。

インディ・ジョーンズシリーズに関しては、
1>2≧3>4
という式が成り立つのではないか。

『エクスマキナ』

2009年01月05日 | Weblog
EX MACHINA -エクスマキナ- - goo 映画

わるい

荒牧伸志 監督
声の出演 小林愛、山寺宏一、岸祐二、沢城みゆき、五十嵐麗、高島雅羅、辻親八、加瀬康之、コング桑田、土師孝也、深見梨加

2138年、オリュンポス。人間とサイボーグ、そしてクローン技術で作られたバイオロイドが共存するこの街で、デュナンと彼女のパートナー・ブリアレオスは、特殊部隊ES.W.A.T.の隊員として暮らしていた。しかしある作戦でデュナンをかばったブリアレオスが負傷。瀕死となった彼の代わりに、デュナンに新たなパートナー・テレウスが配属される。彼はなんと、ブリアレオスの遺伝子を元に作られたバイオロイドであり……。

2007年に作られたフル3DCG作品だが、レベルの低さにがっかりさせられた。
グラスをまともにつかめない3DCG人形。それだったら、音で処理するなどして、そんなシーンを入れなければいいのだ。登場人物のアップになればなるほど、観るに耐えない。

ここまでがビジュアルについて。以降はストーリーについて。

コネクサスのアイデアがみえみえであり、なおかつ警察側がそれに気づくのが遅すぎる。観客にわからせるタイミングが早すぎるのだ。

金属製だと思われる頭がミミズ腫れを起こすのはおかしくないか?

久しぶりに観て損したと思わせた作品。

『憑神』

2009年01月05日 | Weblog
憑神 - goo 映画

ふつう

降旗康男 監督
妻夫木聡、夏木マリ、佐々木蔵之介、鈴木砂羽、森迫永依、笛木優子、佐藤隆太、赤井英和、石橋蓮司、香川照之、西田敏行、江口洋介 出演

幕末。別所彦四郎は、婿養子に行った先から離縁され、兄夫婦の家に居候という、肩身の狭い思いをしていた。あるとき彦四郎は、旧友、榎本武揚と再会する。そば屋の親父が言うには、榎本が出世したのは、向島にある「三囲り(みめぐり)稲荷」にお参りしたからだという。その帰り道、酔った彦四郎は「三巡り(みめぐり)稲荷」を発見。ここぞとばかりに神頼みする彦四郎だったが、それは「みめぐり」違いで、災いを呼び寄せるお稲荷様だった…。

演技力のバランスがとれていない。しかも演技力がある人を最初に出すものだから、余計に後半の印象が悪くなる。

話のオチのつけ方もひどい。観ていて「なるほど」とまったく思えない。

『地球が静止する日』

2009年01月01日 | Weblog
地球が静止する日 - goo 映画

ふつう

スコット・デリクソン 監督
キアヌ・リーヴス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス、キャシー・ベイツ、ジョン・クリーズ 出演

任務遂行のため、ロボットの“ゴート”を従えて地球に降り立った人間型異星人“クラトゥ”。政府や科学者たちが謎の解明に奔走する中、ある女性と義理の息子は、クラトゥの任務に巻き込まれていく。そして二人は“地球史上最大の危機”が、今まさに訪れていることに気付く…。

エンディングがひどいし、あの親子がどうして宇宙人に引っ付いていくのかがわからないし、宇宙船が地球に近寄ってきたのか元からあったのかわからないというろくでもない話であった。

しかし、ジョン・クリーズがノーベル賞受賞の科学者として出てきたときには笑った笑った。あの式が短いのにも驚いたが(笑)。

戦闘シーンというか崩壊シーンに期待していたのだが、その点はまあふつうであった。

ロボットが虫になる必要性があるのだろうか?

『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』

2009年01月01日 | Weblog
K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝 - goo 映画

よい

佐藤嗣麻子 監督・脚本
金城武、松たか子、國村隼、高島礼子、本郷奏多、益岡徹、今井悠貴、斎藤歩、木野花、飯田基祐、猫田直、藤本静、大堀こういち、小日向文世、大滝秀治、松重豊、鹿賀丈史、仲村トオル 出演

1945年の架空都市<帝都>。19世紀から続く華族制度により、極端な格差社会が生じる日本で、世間を脅かしている強盗がいた。“怪人20面相”と呼ばれるその強盗は、富裕層だけをターゲットとし、美術品や骨董品を魔法のようなテクニックで、次々と盗み出すというのだ。頭脳明晰でこれまでも数々の事件を解決してきた探偵、明智小五郎は、サーカスの人気曲芸師、平吉が謎の怪人20面相<K-20>だと疑い、捜査を始めるが…。

ミステリーというよりも、世界観を楽しむ作品。
スティーム・パンクっぽいおどろおどろしさが好きならば、気に入るだろう。

松たか子はコメディに似合うのではないか。

偽善的な小日向文世は怪しいと思ったら……。
木野花はどこに出てきたのかわからなかった。

電磁波撮影装置だかなんだかは、あの立方体の仕組みに最初に気づけば必要なかったってことか?