映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『突撃』

2009年04月28日 | Weblog
ふつう

スタンリー・キューブリック 監督
カーク・ダグラス、ラルフ・ミーカー、アドルフ・マンジュー、ジョージ・マクレディ、ウェイン・モリス、リチャード・アンダーソン、ティモシー・ケリー、スザンヌ・クリスチャン、バート・フリード 出演

第一次大戦中、現場の状況を知らないフランス軍上層部はドイツ軍の「アリ塚」を48時間以内に占拠せよという無謀な命令を下す。フランス軍が敗退した責任を取らせるために3人の兵士が軍法会議にかけられ、ダックス大佐がその弁護役につく。



ふつうストーリー紹介はどこかの引用をするのだが、適当なところがなかった。ダックス大佐(カーク・ダグラス)が軍法会議にかけられるという間違いを載せているところが多く、うまくまとまっていないので今回は自作した。

前にも書いたかもしれないが、キューブリックは一流の映像作家ではあるが、二流の物語作家でもあるのだ。
戦闘シーンも軍法会議シーンもすばらしく美しい。
しかし、全体としてひとつの物語を描写しているとはいいにくく、エンディングの歌のシーンもわかりにくい。

キューブリックは「戦争の全側面について」描こうと努力したのかもしれないが、それは作品の完成度を損ねたとしか思えない。

参考URL
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/Paths%20of%20Glory.html

『鴨川ホルモー』

2009年04月27日 | Weblog
鴨川ホルモー - goo 映画

ふつう

本木克英 監督
山田孝之、栗山千明、濱田岳、石田卓也、芦名星、パパイヤ鈴木、笑福亭鶴光、石橋蓮司、荒川良々 出演

二浪して京大生になった安倍は、喜んだのも束の間、目標を失い、すっかり5月病状態だった。そんな時、「青竜会」という謎のサークルからコンパに誘われる。何のサークルか分からないが、とりあえず参加すると、そこで安倍の“理想の鼻”の持ち主、早良京子と出会う。先輩たちは「普通のサークル」と言うだけで、何のサークルなのか一向に分からないが、彼女目当てで入部。そして、ついに安部は「青竜会」の実態を知ることに!


この監督の笑いのツボは笑えない。わたしの好みとは違うのだろう。
そして脚本が惜しい !
後半の展開は栗山千明の有無を言わさぬ一方的な強さの強調か、栗山千明と芦名星の一大バトルでカタルシスをむかえるべきであった。
そのどちらでもない肩すかしのエンディングになっている。

山田孝之があることを提案して京都に黒い雲のようなものがあらわれる。それはよい。
しかし、それとともに登場した首をしめるような音をだすオニ(式神)は、いったいなんのために出てきたのか? さっぱりわからない。神の怒りか?

『12人の怒れる男』

2009年04月25日 | Weblog
12人の怒れる男 - goo 映画

ふつう

ニキータ・ミハルコフ 監督
セルゲイ・マコヴェツキー、ニキータ・ミハルコフ、セルゲイ・ガルマッシュ、ヴァレンティン・ガフト、アレクセイ・ペトレンコ、ユーリ・ストヤノフ、セルゲイ・ガザロフ、ミハイル・イェフレモフ、アレクセイ・ゴルブノフ、セルゲイ・アルツィバシェフ、ヴィクトル・ヴェルズビツキー、ロマン・マディアノフ、アレクサンドル・アダバシャン、アプティ・マガマイェフ 出演

ロシアでチェチェンの少年がロシア軍将校だった養父を殺害するという事件が起きた。少年は第一級殺人の罪に問われ、検察は最高刑を求刑。有罪となれば一生刑務所に拘束される運命だ。審議が終了し、市民から選ばれた12人の陪審員は、改装中の陪審員室の代わりに学校の体育館に通された。携帯電話も没収され、全員一致の評決が出るまで幽閉されることに。12人の長い長い審議が始まった。



長い(160分)!!
陪審員たちが個人の過去や心情を吐露するところがありえないし、おもしろくない。もちろんありえないことを映画作品にしてもいいのだが、それならばすくなくともおもしろさは保っていただきたい。

陪審員制度のおもしろさならばオリジナルのシドニー・ルメット版がはるかに上だし、ロシアの民族的な問題を扱うには表面的なことしか出てきていない。

エンディング近くで最後に有罪を主張したところあたりを拡大すれば、オリジナルにはないおもしろさを提案できたかもしれない。

『スピード・レーサー』

2009年04月23日 | Weblog
スピード・レーサー - goo 映画

よい

アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー 監督・脚本
エミール・ハーシュ、クリスティナ・リッチ、マシュー・フォックス、スーザン・サランドン、ジョン・グッドマン、キック・ガリー、ポーリー・リット、ロジャー・アラム、RAIN(ピ)、真田広之、リチャード・ラウンドトゥリー 出演

レーシング一家に育ったスピードは、レース事故で死んだ兄の遺志を継いでレーサーとなり、地元のレースでぶっちぎりの優勝を果たした。その才能に目をつけたローヤルトンからスポンサーの申し出を受けるが、家族と共にレースに出ることを望みこれを断る。するとローヤルトンの態度が一変、すべてのレースは八百長で、スピードは勝てないと言い放つ。その言葉を証明するようにレースでの妨害が始まり…。



ええと、上の写真のような輝度の高い、極彩色の映像を許せるならば最高 !
許せないならば最低 ! という評価になるのではないか。
わたしは許せた。

それよりも、極端なキャラクター設定による勧善懲悪、家族を大事にする兄弟など日本人のツボをおさえた(つまり、オリジナルの『マッハGoGoGo』を尊重した)つくりになっているのがとてもよい。

日本男子(この場合は男の子と考えてもらいたいが)の夢と希望をかなり理解した作品である。大人と女性は見なくてもよい(笑)。

『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』

2009年04月18日 | Weblog
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 - goo 映画

ふつう

ロブ・コーエン 監督
ブレンダン・フレイザー、ジェット・リー、マリア・ベロ、ジョン・ハナー、ラッセル・ウォン、リーアム・カニンガム、ルーク・フォード、イザベラ・リョン、アンソニー・ウォン、ミシェル・ヨー 出演

幸福だが退屈な日々を過ごしていたリックとエヴリンの夫妻は、秘宝「シャングリラの眼」を届ける任務を受け、一路上海へ。ジョナサンや息子アレックスと再会し、アレックスが発掘した皇帝のミイラを見学しに向かうが、皇帝の復活を目論むヤン将軍に襲われてしまう。「シャングリラの眼」を手にしたヤン将軍は、秘宝の力で皇帝のミイラを目覚めさせることに成功。リックたちは謎の女性リンと共に逃亡した皇帝とヤンを追うが……。


<クリスタル・スカル>と比べてかなり良心的だとは思うが、それでもふつう。

序盤の状況説明にもたつくのと、盛り上がりに欠けるのが惜しい。
しかも簡単にいろいろと重要そうな登場人物を殺してしまうし。

美人の奥さんがかなりそうではなくなったような気がする(笑)。

『ひぐらしのなく頃に 誓』

2009年04月13日 | Weblog
ひぐらしのなく頃に 誓 - goo 映画

わるい

及川中 監督・脚本
前田公輝、松山愛里、飛鳥凛、あいか、小野恵令奈、三輪ひとみ、田中幸太朗、矢部美穂、大高洋夫、川原亜矢子、大杉漣 出演

昭和58年初夏。昼にはセミの、夕暮れにはひぐらしの声が鳴り響く雛見沢村。両親が離婚し、雛見沢村に戻って1年が経つ竜宮レナは、前原圭一たちクラスメイトと楽しい毎日を送っていた。しかし、父親が交際相手に騙されていることを知ったレナは、今の幸せを守るために一人で立ち向かう。それを機に、不可解な行動が目立ち暴走していくレナ。心配した圭一たちはレナを救おうと動き出すのだが…。



yahooのオンライン試写会で観た。

ひどすぎる……。こりゃ脚本が悪いなと思ったら、監督と同じ人であった……。
あまりにもひどすぎるのでちょっと調べてみたら、『ひぐらしのなく頃に』という同人ゲームが大元らしい。

ウィキペディアの項目
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B2%E3%81%90%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%8F%E9%A0%83%E3%81%AB

アニメ化もされている名作らしいのだが、この映画作品は駄作であった。
以下、駄作の駄作である点を挙げていくと、

意味のない女子小学生の身体測定シーンがある。
 もちろん、ロリコン変態野郎のためのサービスショットであるが、見せ方にまったく芸・エロスを感じない。こだわりがあってそのようなシーンをいれたのではなく、義務感で挿入していることが伝わってくる。

作品後半で「11:46」というデジタル表示がいきなり出てくる。
 あまりにも意味がなく、唐突過ぎて笑ってしまったのだが、この監督は作劇とか演出法というものを学んでいないのだ。その後16:00にあるイベントがあるとわかるが、それにしても突然すぎる(笑)。

「15:57」という表示があり、「容疑者確保に失敗しました」と報告する警官。
 あの状況で失敗はないぜ。演技(というか動き)は素人だし。

その16:00のイベントで、まったく確認もせずにストップスイッチを押してしまう登場人物。
 どうしてあそこにストップスイッチがあるとわかったのか? 上下逆になるように置いていたら、それでおしまいである。

すっごいタイミングで人工的なスモークとしか思えない霧が出てくる。
 出てきてものすごく簡単にきれいになくなるのだけどね(笑)。

お父さんはどこに行ったのか?

先生はどのようにして助かったのか?

女生徒のリボンの色と結び方がみんな違うのは意味がなかったようだ。

軍人を思わせる人たちはなんのために出てきたのか?

川原亜矢子は誰に殺されたのか?



こんな監督ばっかりだったら、日本映画は元々暗いのにまっくらになってしまうぞ。

監督と同じ苗字の人がエグゼクティブ・プロデューサーとして名前があるところが気になった。

大杉漣の出演シーンのみはよかった。そこだけはしっかりと引き締まっていた。

『スターシップ・トゥルーパーズ3』

2009年04月12日 | Weblog
スターシップ・トゥルーパーズ3 - goo 映画

よい

エド・ニューマイヤー 監督・脚本
キャスパー・ヴァン・ディーン、ジョリーン・ブラロック、ボリス・コジョー、スティーヴン・ホーガン、アマンダ・ドノホー、ステリオ・サヴァンテ、マーネット・パターソン 出演

地球連邦軍とバグスの戦争開始から11年。戦況が泥沼化する中、ロク・サン基地で指揮を執るリコは、総指令官アキーノの訪問を受けた。アキーノと一行の中には戦友のボリス、ローラの姿も。2人と旧交を温めるリコだが、そんな時バグスが基地へ侵入。必死に抵抗を試みるもロク・サン基地は壊滅してしまう。しかもリコは反逆罪に問われ、絞首刑に処されることになってしまい……。


B級バカ映画の名作(笑)。
『死ぬにはうってつけの日』という変な歌、1作目にもあった国家称揚のテレビCM、歩兵のマヌケな死に方など、ツボをしっかりおさえている。

脚本にアナがありすぎるが(極端な話、Q爆弾をあの星にすぐに落とせばそれでおわる話をえんえんと引き伸ばしている)、独特なマヌケ世界を創り出し、そこそこの見せ場もあり(マローダーの出番は少なすぎであるが)、ほどほどの爽快感をもってエンディングを迎えている(笑)。

『クローバーフィールド/HAKAISHA』

2009年04月12日 | Weblog
クローバーフィールド/HAKAISHA - goo 映画

ふつう

マット・リーヴス 監督
マイケル・スタール=デヴィッド、マイク・ヴォーゲル、オデット・ユーストマン、ジェシカ・ルーカス、リジー・キャプラン、T・J・ミラー 出演

ニューヨークのとある高級アパート。東京への転属が決まったロブのためにサプライズ・パーティが開かれている。そんな中、突然、とてつもない爆音が響き渡る。表を見ると、外では大爆発が起きている。そこに何かが飛んでくる…近くのビルに激突し、地面に落下したのは自由の女神の頭だった…。―コードネーム “Cloverfield”と呼ばれるビデオ映像。かつてセントラル・パークと呼ばれた場所で見つかったものである。




バカなハッド(T・J・ミラー)のキャラクター設定は最高であったが、それ以外は特におもしろいところはなかった(笑)。

ハッドのバカさは笑えるのだが、その他の人間の行動のバカさ加減が納得いかない。悪いほう悪いほうへ、どんどん死に近づいていくのだ。目の前で人が死んでいるのに、助かる可能性が高いほうへむかわない登場人物たち(笑)。

以下ネタバレ







ゴジラ映画を逃げる人間の視点で描いたらどうなるか、というアイデアはよかったが、できあがった作品はそれほどたいしたことはなかった。
敵は怪獣なのに核を落とす前に音による警報だけで、ことばによる予告がないのはなぜだ。むしろことばだけで予告したほうが効果的ではないのか(笑)。

『ぼくの大切なともだち』

2009年04月07日 | Weblog
ぼくの大切なともだち - goo 映画

ふつう

パトリス・ルコント 監督
ダニエル・オートゥイユ、ダニー・ブーン、ジュリー・ガイエ、ジュリー・デュラン、ジャック・マトゥー、マリー・ピレ 出演

フランソワは、自分の誕生日のディナーに集まった全員から「お前の葬式には誰も来ない」と言われ、ショックを受ける。そして反論するうちに、「10日以内に親友を連れてくる」という賭けをする事に。早速、友人たちにコンタクトを取るフランソワだが、そこで誰も彼を親友だとは思っていない事を思い知る。そんな時、タクシー運転手ブリュノの親しみやすさを目にしたフランソワは、彼に人と仲良くなるコツを学ぶ事にするが…。



傍若無人の美術商がオークションで古代の壷をテレビプロデューサーと競り合い、勝つ。
美術商がクイズ好きのタクシードライバーと知り合いになる。
そして、上記のような賭けになる。

これらのこと自体に無理がありすぎる。脚本が不完全なのだ。もう何が起こるのかがバレバレである。

無論、ドライバーの寂しそうな表情・愛人の悲しそうな表情など、すばらしいところもあるのだが、この組み立て方には不満が残る。

『人のセックスを笑うな』

2009年04月05日 | Weblog
人のセックスを笑うな - goo 映画

ふつう

井口奈己 監督
永作博美、松山ケンイチ、蒼井優、忍成修吾、市川実和子、藤田陽子、MariMari、あがた森魚、温水洋一、桂春團治、ニューマリオネット 出演

美術学校に通う19歳の磯貝みるめは、新任のリトグラフの講師ユリに絵のモデルを頼まれる。アトリエに連れて行かれ、されるがままにするすると服を脱がされてしまう。以来、20歳年上のユリにすっかり骨抜きにされて2人で過ごす濃密な時間にのめり込むが、ある日、夫がいることをさらりと告げられ愕然とする。突然現れた年上の女に振り回されて一喜一憂するみるめを同級生のえんちゃんは複雑な思いで見つめていた。




恋人どうしの楽しい時間をすくいとることには成功しているが、作品としての物語性の表現には失敗している。

固定カメラの多用が、生理的に我慢できるレベルを超えている。
しかも、固定カメラに固執しているかと思えば、教室(彫刻室?)に引っ張りこんでキスするところではカメラが動いている。

恋人どうしの楽しい時間をすくいとるためだけには、長すぎる。

忍成修吾と蒼井優のキスシーンはアドリブのようにみえる。