映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ブラックブック』

2007年11月29日 | Weblog
ふつう

ポール・ヴァーホーヴェン 監督
カリス・ファン・ハウテン、トム・ホフマン、セバスチャン・コッホ、デレク・デ・リント、ハリナ・ライン、ワルデマー・コブス、ミヒル・ホイスマン、ドルフ・デ・ヴリーズ、ピーター・ブロック、ディアーナ・ドーベルマン、クリスチャン・ベルケル 出演

1944年、ナチス占領下のオランダ。美しいユダヤ人歌手のラヘルは、南部へ逃亡する途中、ドイツ軍により家族を殺されてしまう。レジスタンスに救われたラヘルは、エリスと名を変え、髪をブロンドに染めレジスタンス運動に参加する。彼女はその美貌を武器にスパイとしてドイツ人将校ムンツェに近づいていくが、その優しさに触れ、次第にムンツェを愛するようになってしまう。一方、レジスタンス内では裏切り者の存在が浮かび上がる。

女性の愛を描いたものとしての女性映画、戦争映画、ミステリー映画それぞれの要素があるのだが、トータルバランスがよくない。
どれかの要素を削ったほうが完成度は高まったのではないか。

隠しマイクをしかける場所はエリス(カリス・ファン・ハウテン)に一任されたが、それがフランケン(ワルデマー・コブス)の部屋であることが観客を納得させられない。

ブラックブックの登場が遅すぎる。

この内容で映画が戦後から始まる。

これらのために、それぞれの要素のよさが相殺されてしまうのだ。

『リービング・ラスベガス』

2007年11月26日 | Weblog
よい

マイク・フィギス 監督
ニコラス・ケイジ
エリザベス・シュー、ジュリアン・サンズ、リチャード・ルイス、スティーヴン・ウェバー、ヴァレリア・ゴリノ、ローリー・メトカーフ、ジュリアン・レノン、キャリー・ローウェル、ボブ・ラフェルソン、ルー・ロウルズ、R・リー・アーメイ、ショウニー・スミス、ザンダー・バークレイ、マリスカ・ハージティ 出演

アルコール依存症の男と娼婦の話。

世界ダメ人間協会推奨作品。身にしみるなぁ~、おい。

何度「二度と来るな」と言われたのだろう。三、四回か。
このようにして男は居場所を、自分の世界をなくしていくのだ。

もちろん原因は男にあるのだが、ねじれた心を持っていると自覚している男には、それをどうすることもできない。

「話をするだけでいい」とか、映像と音楽がスタイリッシュすぎてこのストーリーとはマッチしていないのではないかと思うが、それでもダメ人間にはグラッときてしまう作品。

『悪女』

2007年11月23日 | Weblog
よい

ミーラー・ナーイル 監督
リース・ウィザースプーン、ガブリエル・バーン、リス・エヴァンス、ジョナサン・リス=マイヤーズ、ジム・ブロードベント、ロモーラ・ガライ、ボブ・ホスキンス、アイリーン・アトキンス、ジェームズ・ピュアフォイ、ジェラルディン・マクイーワン 出演

貧しい芸術家とコーラス・ガールの娘との間に生まれたベッキー・シャープ。彼女は幼くして孤児となってしまう。だが、上昇志向の強いベッキーはある日、ピット・クローリー卿宅で娘たちの家庭教師となったことを機に、上流社会進出への道を切り開いていく。やがてロンドンに降り立ち、機知と妖艶な美貌を武器に男を次々と手玉に取っていくベッキー。そしてついに、権力者のステイン侯爵という強力な後ろ盾を得て社交界の花形となるのだが…。

イギリスの作家サッカレーの『虚栄の市』の再映画化。
ストーリーはおもしろいし、映像も美しい。
監督はインド系の女性監督で、原作(サッカレーもインド生まれらしい)を若いときに読んでいたそうで、立派な作品に仕上げてある。

女性の才能だけで社交界をのしあがっていく姿を、当時の風俗と会話をまじえて描いてある。


オリジナルの映画『虚栄の市』は、今ならyahoo動画で観ることができる。

http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00290/v01141/v0114100000000353789/

展開が早すぎてとまどうかもしれないが、基本は同じ。こちらのほうがコメディ要素が強い。

『シュガー&スパイス 風味絶佳』

2007年11月21日 | Weblog
ふつう

中江功 監督
柳楽優弥、沢尻エリカ、大泉洋、チェン・ボーリン、木村了、濱田岳、岩佐真悠子、サエコ、佐藤二朗、板倉俊之、光石研、奥貫薫、金田明夫、高岡蒼甫、夏木マリ 出演

東京・福生市。高校を卒業した志郎は“とりあえず”ガソリンスタンドで働く日々。自分を「グランマ」と呼ばせるアメリカかぶれの祖母は、“必需品”を連れてよくスタンドを訪れている。そんなある日、ガソリンスタンドに新たなバイトとして乃里子が入ってきた。彼女と一緒に過ごす時間が増えるにつれ、志郎は乃里子に、これまで味わったことのない感情を抱くようになる。一方乃里子も志郎の優しさに魅かれるようになり…。

純情な中高生向きラブストーリーか。

女のところに元カレがやってきてそこに今カレが仕事から戻ってくる。ここまでならば、よくあることかもしれない。そこに、東京を離れた友人が夜なのに突然やってくる……。
職場に退社の挨拶に女が来たが、すれちがいで遅れて男がやってくる。女を追いかけるために自転車で駆け出す男。車が止まっているときは何もせずに、車が動き出してから自転車で追い始める男……。

このように演出がなっていない。

男の未熟さを強調すべきなのだが、柳楽優弥の演技力が沢尻エリカよりも上なために、どっちが年上の設定なのかも伝わりにくい。

夏木マリのキャラクターのおもしろさを引き出せば、ジジババたちにも受ける可能性はあったのだが、そうなってはいない。

1時間ドラマを無理に2時間の映画にしたような印象。

『サンシャイン2057』

2007年11月19日 | Weblog
ふつう

ダニー・ボイル 監督
キリアン・マーフィ、真田広之、ミシェル・ヨー、クリス・エヴァンス、ローズ・バーン、トロイ・ギャリティ、ベネディクト・ウォン、クリフ・カーティス、マーク・ストロング 出演

2057年。太陽の消滅が目前に迫り、地球は滅亡の危機に瀕していた。最後の希望は宇宙船・イカロス2号に搭乗した8人のクルーたち。彼らは太陽に核兵器を打ち込むことでその再生を行うという、極限の任務を任されていた。順調に航行を続けるイカロス2号だったが、そこに突然遭難信号が送られてくる。送信元はかつて同じミッションに失敗したイカロス1号。8人は協議の末、イカロス1号とのランデブーを試みようとするが…。

徹底的にリアリティがない作品。
最初にミスが起こるが、宇宙船のシステムにダブルチェックはないのか。
しかもこの乗組員たちが精神的に弱すぎるというか、哲学的すぎる(笑)。
人類最高の英知が集まっただろうに、なさけない人間が多すぎるのだ。

イギリス人の太陽に向ける想いは伝わるが、作品としておもしろくはない。

後半ホラーになるのだが、その説明も不足しているために、無理矢理の脚本のようにみえてしまう。
地球上のすべての核物質を使ったり、奇跡的に植物が生き残りそれを大事に思わせたり、くさいところが多すぎるのもいただけない。

東洋人が三人出てくるが、これはカットされた裏設定がほかにあったか、最初から欧米でのヒットを見込めず、東洋での人気に頼ったのかもしれない。

『スモーキン・エース』

2007年11月19日 | Weblog
よい

ジョー・カーナハン 監督
ライアン・レイノルズ、レイ・リオッタ、アリシア・キーズ、アンディ・ガルシア、ジェレミー・ピヴェン、ベン・アフレック、ピーター・バーグ、タラジ・ヘンソン、クリス・パイン、マーティン・ヘンダーソン、ジェイソン・ベイトマン、コモン、ネスター・カーボネル、ジョセフ・ラスキン、ジョエル・エドガートン、 トミー・フラナガン、ケヴィン・デュランド、モーリー・スターリング、アレックス・ロッコ、ウェイン・ニュートン、クリストファー・ホリー、スコット・ハルバースタッド、マシュー・フォックス 出演

ラスベガスで人気のマジシャン、エースは、ギャングたちと付き合っているうちに、自らもギャング稼業を始めてしまった。結果失敗し、あげくの果てに逮捕されてしまったエースは、終身刑を免れるためにFBIとの司法取引に応じようとしていた。エースの裏切り行為にご立腹のマフィア界の超大物・スパラッザは、 100万ドルの賞金を出し謎の暗殺者を調達する。だがその噂はすぐさま広がり、世界中のプロの殺し屋たちがエースを狙いはじめていた。一方、エースからマフィアの情報を期待するFBIは、エースの身を守れるのだろうか!?

殺し屋たちの群像劇。
もっともノーマルな殺し屋が最初にやられ、あとは全員ヒトクセあるやつばかり。
そのヒトクセを楽しむ映画。

写真は本筋とはまったく関係ないが、わたしがはまったシーン。カラテ・キッドもどきがいい。

日本語版で観たほうが、終盤の話は理解しやすいかもしれない。

『やじきた道中 てれすこ』

2007年11月17日 | Weblog
ふつう

平山秀幸 監督
中村勘三郎、柄本明、小泉今日子、ラサール石井、笑福亭松之助、淡路恵子、間寛平、松重豊、山本浩司、吉川晃司、鈴木蘭々、星野亜希、藤山直美、國村隼、笹野高史 出演

時は太平。大阪で“てれすこ”と呼ばれる不思議な生物が捕獲され、人々の話題を集めていた。その頃、江戸、品川の遊郭「島崎」では、売れっ子花魁(おいらん)のお喜乃が、新粉細工職人の弥次さんに、本物そっくりの指を粉で作らせて、お客に「想いの深さを表す切り指」と偽って渡し、金をせしめていた。そんな中お喜乃は、沼津にいる病気の父に会うため、遊郭を抜け出し、一緒に逃げて欲しいと涙ながらに弥次さんに頼む。

この豪華キャストでこのデキとは、監督と脚本(安倍照雄)の能力が低い。
タイトルにあるてれすことは元々落語のお題だが、ストーリーとまったくからんでいない。主演の三人のはなしとてれすこのはなしが別撮りなのはかまわないが、なぜタイトルにまでいれたのか理解に苦しむ。

『幕末太陽傳』と比較するのも酷だが、あちらは落語を知らなくてもおもしろい作品として成立しているのに対し、こちらは落語を知っていてもあまりおもしろいとはいえない。きついスケジュールだったのかもしれないがテンポが悪すぎる。

笑福亭松之助の存在感がかなりいい。

『ボーン・アルティメイタム』

2007年11月16日 | Weblog
よい

ポール・グリーングラス 監督
マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、パディ・コンシダイン、エドガー・ラミレス、ジョーイ・アンサー、コリン・スティントン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン、トム・ギャロップ、コーリイ・ジョンソン、ダニエル・ブリュール 出演

CIAの極秘プロジェクト<トレッドストーン計画>によって、暗殺のスペシャリストに鍛え上げられたボーン。例え記憶を失ったとしても、その過去からは逃れられない。モスクワでも、彼は警官隊に追われていた。真夜中、潜入した病院で自ら傷を手当てしようとするボーンの脳裏をよぎった奇妙なイメージは、失ったまま完全には取り戻せずにいる重要な“過去の断片”だった。

まいった。時間構成がすばらしい。シリーズものの鑑といえよう。
最低でも二作目『ボーン・スプレマシー』を観ておくと、楽しみが倍増する。

教育係の人があっさりしているが、ほかはかなりよい。
全体の規模はまねできないが、格闘シーンやバイクチェースシーンくらいは予算のない邦画でも見習ってもらいたい。ていうか、見習え。

ちなみに、エシュロンとは

アメリカ合衆国により軍事目的で作られた電話、ファックス、電子メールメッセージなどを傍受するスパイ組織網

ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AD%E3%83%B3

『インビジブル2』

2007年11月14日 | Weblog
わるい

クラウディオ・ファエ 監督
クリスチャン・スレイター、ピーター・ファシネリ、ローラ・レーガン、デヴィッド・マキルレース、ウィリアム・マクドナルド、サラ・ディーキンス、ジェシカ・ハーモン、ソーニャ・サロマ 出演

ライズナー研究所で謎めいた殺人事件が発生する。捜査に当たるターナー刑事は現場を引き継いだ国防総省から締め出しをくらい、代わりに犯人の次の標的と目される科学者マギー・ダルトンの警護を命じられる。事件の真相について堅く口を閉ざすマギーだったが、見えない犯人の襲撃を受けたことでターナーにすべてを打ち明ける。事件の背後には、軍による究極の武器“姿なき戦士”を作る極秘研究が存在した。そして、透明化による最大の懸案だった副作用を抑える緩和剤が開発され、特殊部隊のマイケル・グリフィンが被験者として透明人間となるが、そこには思いも寄らぬ陰謀が隠されていた…。

演技は悪くはないが、シナリオが悪い。
最初に事件があるが、なぜそこで事件が起こるのかの必然性がない。もっと人が少ないところでやればいいのに。
次に、透明人間を軍が待ち構えている。ナイトビジョン(暗視装置)で見分けることができるというのを知っている。これを取り逃がすのだ。
終盤刑事と透明人間の対決がある。おもむろにナイトビジョンを用意する刑事。なんで ? それまで一回も使用したことがないのに。
また、透明人間が必要としている薬剤をなぜ与えなかったのかの説明がよくわからない。
クリスチャン・スレイターがもったいない。『アローン・イン・ザ・ダーク』といい、ひどい作品の常連にするのはまだはやいぞ。

『悪魔とダニエル・ジョンストン』

2007年11月12日 | Weblog
よい

ジェフ・フォイヤージーク 監督
ダニエル・ジョンストン、キャシー・マッカーティ、ジャド・フェア、ギビー・ヘインズ、マット・グローニング、ルイス・ブラック、ビル・ジョンストン、メイベル・ジョンストン、ディック・ジョンストン、マージ・ジョンストン、サリー・ジョンストン、 ブライアン・ビーティ、デイヴ・ソーンベリー、ジェフ・タルタコフ、ローリー・アレン、スティーヴ・シェリー 出演

その名はダニエル・ジョンストン。1961年生まれ。厳格なキリスト教原理主義の一家の末っ子として生まれた彼は、ロックやコミック、そして映画作りに熱中する少年~青年時代をすごす。しかしそんな彼の姿は、家族にとっては反社会的な姿にしか見えない。やがて彼は自作自演のカセットテープを作り出し、周囲に配り始める。運良く80年代の音楽シーンやMTVの流れに乗った彼は、「有名になりたい」願望も相まり、一躍脚光を浴びることに。しかしそれはまた、彼の精神が病んでいく始まりでもあった…。

ミュージシャンでありアーティストのダニエル・ジョンストンに関してはなにも知らずに観たが、彼の詩はこころに迫ってくる。

父親の操縦する飛行機のキーを取り上げ外に投げ捨て、墜落するというとんでもないこともやる人だが、ローリー・アレンという大学時代のあこがれの女性をず~~っと思い続け、そのことを何度も曲にしていたりする。
DVDのおまけではいっていた、その彼女との26年ぶりの再会のシーンは感動的だ。

『時をかける少女』

2007年11月11日 | Weblog
ふつう

細田守 監督
声の出演 仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月、垣内彩未、関戸優希

明るく元気な高校2年生、紺野真琴は、優等生の功介とちょっと不良な千昭と3人でいつもつるんで野球ばかりして楽しい毎日を送っていた。そんなある日の放課後、真琴は理科準備室で、突然現れた人影に驚いて転倒してしまう。その後、修復士をしている叔母・芳山和子のもとへ自転車で向かった真琴は、ブレーキの故障で踏切事故に遭ってしまう。死んだと思った瞬間、真琴はその数秒手前で意識を取り戻す。その話を和子にすると、和子は意味ありげに、それは“タイムリープ”といって年頃の女の子にはよくあることだと、冗談とも本気ともつかない説明をするのだった。

悪くはないのだが、オジサンジェネレーションが考えたようなスガスガシサが鼻につく。力のはいった背景とはいっていないキャラクターとの落差、主人公のドジっぷりがありえないほどのひどさ。どこに落としたのかわからない装置を未来人が理科準備室に探しに来る不思議さ。
どうもうまく話にのめりこめない。

アニメとCGの融合はうまくいっていると思う。

『エイリアン/ディレクターズ・カット』

2007年11月10日 | Weblog
よい

リドリー・スコット 監督
トム・スケリット、シガーニー・ウィーヴァー、ジョン・ハート、ヤフェット・コットー、ハリー・ディーン・スタントン、ヴェロニカ・カートライト、イアン・ホルム、(声の出演)ヘレン・ホートン 出演

巨大な宇宙貨物船に侵入した一匹の異星生物の恐怖。地球への帰途についていた宇宙貨物船ノストロモ号は、謎の救難信号を受けて未知の惑星に降り立つ。そこには異星人の船があり、船内には無数の奇怪な卵が存在していた。卵から飛び出した奇妙な生物が顔に貼り付いた航宙士ケインを回収し、ノストロモ号は再び航海につくが、彼の体内にはすでに異星生物の幼体が産みつけられていたのだ。ケインの腹を突き破り姿を表したエイリアンは脱皮を繰り返し巨大に成長、一人また一人と乗組員を血祭りにあげていく……。

書いたつもりで書いていない(ブログ内検索ではヒットしない。ほんとか?)。

リドリー・スコットが作ったふたつの傑作SF映画のひとつ(もうひとつは『ブレードランナー』)。その傑作たるゆえんは、細部にまでこだわる美術、理想的な未来像(ユートピア、レーザー光線、もっともらしいロボットなど)とはかけはなれた世界観、追っているつもりが追われている恐怖などにある(これらは両作に共通する)。

また、リドリー・スコットお得意の光テラテラ(換気扇越しなどに漏れてくるゆれる光)もこの頃の作品では嫌味ではなく、効果的に働いている。

前半は非常に静かでエイリアンもなかなか登場せず、後半になって音もハデでエイリアンも活発になる。

ディレクターズ・カットは劇場公開版よりも1分短く、船長がエサ(もしくは幼体の成長のためのマユ)としてとらわれているシーンが追加されている(同じようなシーンが4にもあった)。

『ふたりの5つの分かれ路』

2007年11月07日 | Weblog
ふつう

フランソワ・オゾン 監督
ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ステファン・フレイス、ジェラルディン・ペラス、フランソワーズ・ファビアン、アントワーヌ・シャピー、マイケル・ロンズデール、マルク・ルシュマン 出演

離婚手続きを終えたマリオン(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)とジル(ステファン・フレイス)は、小さなホテルの部屋で性急に肌を重ねる。虚しい錯覚に気づいたマリオンは、セックスが終わったあと、すぐに立ち去る。そして時計の針は逆さまに回り出す。

男女の決定的な違いを別れから出会いまで遡って描いた作品。
これね、思い当たるところもあるし、理解できないところもあるだろう。
絶対そばにいてほしいときに男がいなかったりすると……、というのは理解しやすいが、しゃべってほしくないことをしゃべってしまうというのを理解できない男は多いのではないか。

微妙なポイントをついているのはわかるが、作品全体としてそれほどおもしろい作品とはいえない。別れたばかりの人には、つかれて痛いだけと感じてしまう人もいるだろう。

『あるいは裏切りという名の犬』

2007年11月04日 | Weblog
よい

オリヴィエ・マルシャル 監督
ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、アンドレ・デュソリエ、ヴァレリア・ゴリノ、ロシュディ・ゼム、ダニエル・デュヴァル、ミレーヌ・ドモンジョ、フランシス・ルノー、カトリーヌ・マルシャル、ソレーヌ・ビアシュ、オーロル・オートゥイユ、オリヴィエ・マルシャル、アラン・フィグラルツ 出演

フランス、オルフェーブル河岸36番地にあるパリ警視庁に、二人の警視がいた。一人は仲間からの信頼厚く、正義を信じるレオ・ヴリングス。もう一人は権力志向の強い野心家のドニ・クラン。親友だった二人は、同じ女性を愛し奪い合った過去を持ち、今は次期長官の座を競うライバルとなっていた。市内で多発する現金輸送車強奪事件を巡り、交錯する男たちの思惑。ドニの裏切りで、レオはすべてを奪われ投獄される。7年後、再会した二人の運命はどこへ向かうのか…。

上記の説明はgoo映画の説明だが、「同じ女性を愛し奪い合った過去」をにおわせるシーンは1シーンしかなかったし、わかりにくいが、そんなに気にしなくてもいい。また、冒頭の展開が早いために若干混乱するが、それも2回観ればすぐにわかるし、その価値はある。

前半はハデなシーンもあるが、基本は男がしびれるシブイ映画。

ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューとの対立がじわじわと描かれていくので、なんの情報も得ずに観ると(わたしだ)話をミス・リードしてしまいがちだが、じっくり楽しめる作品になっている。

証人となる娼婦がどうして無傷で生き残ったのか、どうやって見ていたのか不思議だが、まあ許せる範囲。

『アローン・イン・ザ・ダーク』

2007年11月03日 | Weblog
わるい

ウーヴェ・ボル 監督
クリスチャン・スレイター、タラ・リード、スティーヴン・ドーフ、 フランク・C・ターナー、マシュー・ウォーカー、ウィル・サンダーソン、マーク・アッチェソン 出演

超常現象の調査員エドワードは、自分と同じ孤児院で育った19人全員が失踪するという怪事件に遭遇する。その背後には、古代アビカニ族の遺物を手に入れ、光と闇の世界を遮る門の封印を解こうと目論む闇の組織の暗躍があった。彼は、人類学者のアリーン、そして彼がかつて所属していた対悪魔殲滅特殊部隊“A.R.C.A.M.<アーカム>713部隊”と協力し、陰謀の阻止に立ち上がる。

おそらくこの監督は、アクションシーンのアイデアだけがあり、ストーリーはあとづけされたのではないだろうか。
そのためのなが~~い前文と(笑)、つじつまがあっているようで疑問がのこりまくりのエンディングをむかえてしまったのだろう。

命がけで守った遺物が、次のシーンでは形が違っていたりする、ツッコミどころ満載の映画。

以下ネタバレ








ハジェンズ教授が悪いのはわかるが、目的がわからない。何をしたかったのかが不明なのだ。

エンディング、行き場がなくて「扉」にたどり着いたと思うのだが、そこから逃げるとなんであんなところに行き着くのか?

しかも主人公(クリスチャン・スレーター)は自分で「扉」を開けようとして、教授が開けようとすると止めにはいる。意味不明である。