映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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2008年に映画館で観た特によかった映画

2008年12月31日 | Weblog
今年も特によかった映画を挙げたい。
全体の印象として、数は増えたのだが、その分小粒になったような気がする。


『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/27126c816f67a0b68f5fd81c6c8bb6d7
ティム・バートンはたとえ原作ものでもティム・バートンであった。

『テラビシアにかける橋』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/d17fac77a7e38b04669dbea63930d438
ジュヴナイルものだと思うが大人の観賞に耐える。子どもの演技がうまい。

『潜水服は蝶の夢を見る』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/3cdcf1a4ff9a3de25993f1ed6b311f7d
主人公が冷静なのがおもしろい。悲しんでばかりではないのだ。

『バンテージ・ポイント』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/824d28e9ca6ba47d4e62cbd9b218e044
テンポのよいアクション・サスペンス。時間がちょうどよい。

『NEXT-ネクスト-』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/29cb678bd28d26fc22cd3c74c0ec009b
エンディングを許せるかどうかで評価ががらりと変わる。逃げるところがおもしろい。

『ノーカントリー』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/79f089f3e4b2730bbe1f6cf5ee5d168a
ひとつの物語だけが進むのではなく、重層的な世界を感じさせてくれる作品。

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/28c0c275bab812853978019330e425f4
アルカイダはアメリカが生み出したということがわかるコメディ。

『ダークナイト』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/9ff8b27481aa4a28bf116b8b0d7bf912
子ども向けではないヒーローもの。ある意味悪夢的でもある。

『百万円と苦虫女』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/a675928b5c592566e234bdac1b509446
邦画はほとんど観ないが、これはかなりよかった。

『ウォンテッド』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/924350be68e80f2c7eec91e61b0a5381
これもエンディングの評価が分かれるが、そこまではかなり楽しい。

『イースタン・プロミス』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/1135a55b9d48dbdd4c34497b2f933030
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』と比べると落ちるが、裸にカミソリは痛い。

『TOKYO!』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/ccbb1c880a21ced08035f62b4b5ef4ff
蒼井優かレオス・カラックスが好きならば観なければならない(笑)。

『落下の王国』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/70c673f697d2da8dd743d967c5dd23d1
ターセムは信用できる、と思わせる作品。

『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/fe73509638e384a58f7f5f0b7add5880
これって最高だね、と笑って言える人とは友達になれると思う(笑)。


以上14作品。
『ダークナイト』のデキは出色である。あんなものをアメリカ映画で作られたらたまったものではない、と思わせるような内容であった。

ここのサイト内検索はヒットしないことがあるので、URLもつけた。興味をもたれたかたは参照してください。もう少し詳しい(ほんのちょびっとですが)わたしの感想があります。

『ワールド・オブ・ライズ』

2008年12月29日 | Weblog
ワールド・オブ・ライズ - goo 映画

ふつう

リドリー・スコット 監督
レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング、ゴルシフテ・ファラハニ、オスカー・アイザック、サイモン・マクバーニー、アロン・アブトゥブール、アリ・スリマン 出演

ロジャー・フェリスはCIAで最高の腕を誇るスパイ。世界中の戦場で常に死と隣り合わせの彼の任務を決めるのは、遠く離れた安全な場所で、時には子供の世話をしながら命令を下すベテラン局員エド・ホフマン。彼らの目的は、地球規模の破壊を含む爆破テロ組織のリーダーを捕まえること。正体不明のその男を罠にかけるには、味方すらも欺く完璧な嘘をつかなければならない。世界を救うのは、いったい誰のどんな嘘なのか…?

もはやリドリー・スコットは映像だけの作家になってしまったのだろうか? 映像が美しいのは認めるとしても、それ以外におもしろいアクションもおもしろいサスペンスもまったく感じられない。

勝手なことを言う上司とそれに振り回される有能な部下という関係は、最後まで楽しむことができる。しかし、あの最後のカラクリは誰にでもわかってしまう。

徹底的に現場のプロであるはずのディカプリオが、彼女に関してだけは考えが甘いのがストーリーにそぐわない。

体内に発信機のようなものを埋め込んでいると観客に思わせるような演出があったが、車数台で砂嵐を起こしたときに見失ったことから、体内には埋め込んでいなかったようだ。

以下ネタバレ








「彼女を見張っているというか、見守っている」のであれば、何が起こったのか把握できていて当然である。したがって、最後に何が起こるのかも容易に想像できてしまう。

なんで上司(ラッセル・クロウ)が無茶ばかりいうのかの説明などを入れると、もしかしたらマシになっていたかもしれない。

拝啓天皇陛下様

2008年12月26日 | Weblog
拝啓天皇陛下様(1963) - goo 映画

よい

野村芳太郎 監督
渥美清、長門裕之、左幸子、中村メイ子、高千穂ひづる、藤山寛美 出演

山田正助はもの心もつかぬうち親と死別し世の冷たい風に晒されてきたから、三度三度のオマンマにありつける上、何がしかの俸給までもらえる軍隊は、全く天国に思えた。意地悪な二年兵が、彼が図体がでかく鈍重だからというだけで他の連中よりもビンタの数を多くしようと大したことではなかった。ただ人の好意と情にはからきし弱かった。

純粋な、天皇大好きっ子、軍隊大好きっ子の半世紀。
「せきし」ということばを始めて知った。ネットで調べれば意味はすぐにわかるだろうが、映画を最後まで観てもわかるようになっているのがうまい。

喜劇なのに邪魔にならない程度に、軍のダークサイドについても触れている。浦上准尉の話は本スジからは独立している(主人公渥美清とからまない)。

ほんものの山下清が1シーン、掲示板を読んでいるところに出ている。

『ヒットマン』

2008年12月24日 | Weblog
ヒットマン - goo 映画

ふつう

ザヴィエ・ジャン 監督
ティモシー・オリファント、ダグレイ・スコット、オルガ・キュリレンコ、ロバート・ネッパー、ウルリク・トムセン、ヘンリー・イアン・キュージック、マイケル・オフェイ、エリック・エブアニー、ジェームズ・フォークナー 出演

エージェント47は、遺伝子操作によってエリート暗殺者となり、コードネームでのみ世に知られている。彼のトレードマークは、命取りにもなる優雅さと揺るぎない精巧さ、そして仕事への確固たるプライドだ。そんなエージェント47でも、自らの人生の“予定調和の乱れ”を予測出来なかった。理由は、自分でも思いがけない良心という感情の目覚めと、謎のロシア人女性に抱いた、初めて経験する感情だった…。

原作はテレビゲームらしい。そして、ゲームを知っている人には評判がかなりよさそうなのだが、そんなものはこの独立した作品だけしか知らないものには関係ない。

なぜ凄腕の主人公を罠にはめる必要があるのかが、さっぱりわからない。
最初にきちんと説明して身代わりの犯人を用意しておけば、それですべてがまるくおさまるような気がする。

それよりも、ヒットマンたちがみんな坊主頭に本当のバーコードというのが笑わせる。
そんなわかりやすい特徴が暗殺者にあるものなのか……(笑)。

原作とはかけはなれるだろうが、タイトルを「坊主大戦争」とかにしてコメディにすれば受けたかもしれない。上の写真は一番の笑いどころ。

『ジャンパー』

2008年12月22日 | Weblog
ジャンパー - goo 映画

ふつう

ダグ・リーマン 監督
ヘイデン・クリステンセン、ジェイミー・ベル、レイチェル・ビルソン、サミュエル・L・ジャクソン、ダイアン・レイン、マイケル・ルーカー 出演

普通の高校生デヴィッドは、ある日凍結した川に落ち、図書館への瞬間移動を体験した。そして彼はその力を悪用し、銀行から大金を盗み取る。その後、母の失踪から人が変わってしまった父との生活を離れ、ニューヨークで「世界中のどこへでも瞬時に移動できる」という自由を満喫していたデヴィッド。しかし、パラディンというグループの存在と、その組織に自分が追われていることに気づく。そして、偶然出会った同じジャンパーと協力し、何千年も続くというジャンパーとパラディンとの戦いに巻き込まれていく。

ストーリー、脚本のデキが実にひどい。
ジャンパーの違法行為を取り締まるのがパラディンのように見えるが、彼らもまた身分詐称、殺人というりっぱな違法行為をやっている。そこまでしてジャンパーを倒そうとする理由がわからない。

「わるい」という評価でもいいのだが、わたしはマスター・ウィンドゥとアナキンの第二ラウンドと脳内変換ができたので(なんか変な武器も出てくるし)、まあふつうという評価にした。

日本のシーンは無意味。

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

2008年12月18日 | Weblog
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド - goo 映画

よい

ポール・トーマス・アンダーソン 監督・脚本
ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、ケヴィン・J・オコナー、キアラン・ハインズ、ディロン・フレイジャー、バリー・デル・シャーマン 出演

一攫千金を夢見るダニエル・プレインヴューは、幼い1人息子を連れて石油の採掘を行っていた。ある青年から、「故郷の広大な土地に石油が眠っている」と聞いた彼は、パートーナーのフレッチャーと共に米西部の小さな町、リトル・ボストンに赴き、安い土地を買占め、油井を掘り当てる。しかし、油井やぐらが火事になり、幼い息子は聴力を失う。精神に混乱を来した息子を、プレインビューは彼方の土地へ追いやってしまう。

アメリカの超現実主義者の一代記。
邪悪なものを見抜く力があるために、どんどん孤独になってしまう(それだけ善人がいない)不幸を丹念に長すぎるくらいに描く。

冒頭10分以上ほとんどセリフがない。それだけで緊張感が一気に高まってしまう。
アメリカにおける石油採掘のあくどさを扱った作品はこれまでにもあったが、これはそれに石油とは直接関係のない人間不信という要素を加えて深みを増している。

『大いなる陰謀』

2008年12月18日 | Weblog
大いなる陰謀 - goo 映画

ふつう

ロバート・レッドフォード 監督
ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズ、マイケル・ペーニャ、デレク・ルーク、アンドリュー・ガーフィールド、ピーター・バーグ 出演

ベテラン・ジャーナリスト、ジャニーン・ロスは、未来の大統領候補と目されるジャスパー・アーヴィング上院議員の独占インタビューに赴き、対テロ戦争の新作戦について知らされる。同じ時刻、カリフォルニア大学の歴史学教授マレーは、優秀であるのに勉学に身が入らない学生トッドを呼び出し、志願兵となった教え子2人の話を始める。そして、アフガニスタンでは志し高い2人の若き兵士が最前線に送られていた。

非常に民主党色の強い作品。
いまだに9.11とイラクが関係があったとかなりの人が信じているアメリカにとっては、これくらいの作品が必要なのかもしれない(映画業界は民主党よりというのもあるが)。

戦場・大学・議員事務所とみっつのパートがあるのだが、議員事務所のパートのメリル・ストリープが活かされていない。トム・クルーズのオーバーアクションを目立たせるため、というのもあるかもしれないが(笑)、それにしてもものたりない。

問題提示をしたかったのだろうが、これくらいでは満足できない。

『キリング・ミー・ソフトリー』

2008年12月14日 | Weblog
キリング・ミー・ソフトリー - goo 映画

ふつう

チェン・カイコー 監督
ヘザー・グラハム、ジョセフ・ファインズ、ナターシャ・マケルホーン、イアン・ハート、キカ・マーカム 出演

ロンドンに住むアメリカ人キャリアウーマンのアリス(ヘザー・グラハム)は、出勤途中に不思議な男アダム(ジョセフ・ファインズ)と出会う。まもなく2人は言葉もなく惹かれ合い、アダムの自宅で激しく愛を交わす。

ファッショナブル・エロ・サスペンス(笑)。よって、エロ度もサスペンス度ももの足りない。

101分の作品で最初の60分が幸せな主人公か、セックスシーン。残り41分になってサスペンスが始まり(笑)、謎解きというか答え合わせまでしなければならない。深みを求めないバカップル用のデートムービーと考えていいだろう。

以下ネタバレ











容疑者がふたりしかいない(笑)!!
しかもそのうちひとりは、どう見ても夫婦喧嘩としか見えない。警察が取り上げるようなことではないのだ。だとすると犯人は一択となる(笑泣)。サスペンスがおまけとするならば、もっとねっとりとしたセックスシーンを最後までもってきてほしかった。
夫がもっとうまく説明していれば、結末は変わっていたかもしれない。

『トランスフォーマー』

2008年12月12日 | Weblog
トランスフォーマー - goo 映画

よい

マイケル・ベイ 監督
シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル、ジョン・ヴォイト、ジョン・タートゥーロ、レイチェル・テイラー、タイリース・ギブソン、アンソニー・アンダーソン、ケヴィン・ダン、ジュリー・ホワイト 出演

探検家を祖先に持つサムは冴えない高校生。やっとのことでオンボロのスポーツカーを手に入れたものの、同じ高校のミカエラを家に送る途中に車はエンスト。せっかくの関係を深めるチャンスもどこかしまらない。その日の夜、彼のスポーツカーが突然家から走り去った。自動車泥棒だと思い必死で追いかけるサム。その先で彼は常識を疑うような光景を目にする。それは、巨大なロボットが歩き回る姿だった…。

近年特に中身・深み・重みのない、見た目のハデさだけの作品を連発する、マイケル・ベイ監督の集大成的作品。この作品でも中身のなさは比類なきものとなっているが、その変形(トランスフォーム)シーンのCGの芸のこまかさ、戦闘シーンの迫力と、カット割りのわかりにくさと多さで144分もの時間をどうにかこうにかもたせている。

カタールでの戦闘や、キューブを持ってビルの上に人力で上るのがほんとに必要だったのかというと、絶対に必要ではなく、それくらいだったらカットしてもっときびきびした作品を撮れよと望むのがふつうなのだが、マイケル・ベイのマイケル・ベイたるゆえん、バカで中身のない映画を観終わったあとに何も残らないデートムービーのためには、あの無駄が必要であったのだろう。

あの親父さんのキャラクターはよい。

『地球の静止する日』

2008年12月12日 | Weblog
地球の静止する日 - goo 映画

ふつう

ロバート・ワイズ 監督
マイケル・レニー、パトリシア・ニール、ヒュー・マーロウ、サム・ジャッフェ、ビリー・グレイ 出演

ワシントン上空に奇怪な船体が現われ、着陸するとクラートゥ(マイケル・レニー)という、奇妙な服をまとい英語を喋る男が現れた。彼は他の遊星から飛来し、危害を加えるものでないと云ったが、警備兵は彼に向かって発砲した。すると船体から巨大なロボットのゴートが現われ、周囲の武器をすべて破壊しようとした。だがクラートゥはロボットをとどめた。

冷戦時代の核の恐怖を取り上げたSF映画。

UFOのデザインや設定(出入り口があるのに切れ目が見つからない、人間の力では破壊できない)がすばらしいし、友好的な宇宙人というのも珍しいのだが、今となっては展開がかったるいと感じさせる部分がある。

もうちょっと少年(ビリー・グレイ)と仲良くなる部分があれば、説得力が増したかもしれない。

飛行機を落とさずにほかを静止させるような能力があるのであれば、もっとスマートなコンタクトのしかたがあったのではないか(笑)。

『チェルシーホテル』

2008年12月08日 | Weblog
チェルシーホテル(2002) - goo 映画

ふつう

イーサン・ホーク 監督
ユマ・サーマン、ロザリオ・ドーソン、ヴィンセント・ドノフリオ、マーク・ウェバー、ケヴィン・コリガン、クリス・クリストファーソン、チューズデイ・ウェルド、ナターシャ・リチャードソン、スティーヴ・ザーン、ロバート・ショーン・レナード、ジミー・スコット 出演

ニューヨークのチェルシー・ホテルに集う都市生活者の心模様を詩的に描いた作品。監督はこれがデビューとなる、「トレーニング・デイ」などの俳優として知られるイーサン・ホーク。

『ブラックサイト』のところでgoo映画の作品紹介を批判的に書いたが、この作品に関してはgoo映画のあらすじを読むことによって、作品だけでは理解できない登場人物の関係を理解することができた(笑)。

グランドホテル形式をとっているのだが、それらのエピソードにオチらしいのものがないので(唯一車に乗るのがオチらしいオチだろう)、とてもわかりにくい。

チェルシーホテルというのは実在していて、むかしは有名人がたくさんいたところらしい。

音楽もいいし、いい味を出しているとは思うが、このわかりにくさ、とっつきにくさは感心しない。

『ブラックサイト』

2008年12月08日 | Weblog
ブラックサイト - goo 映画

ふつう

グレゴリー・ホブリット 監督
ダイアン・レイン、ビリー・バーク、コリン・ハンクス、ジョセフ・クロス、メアリー・ベス・ハート、ピーター・ルイス、タイロン・ジョルダーノ、パーラ・ヘイニー=ジャーディン、ティム・デザーン、クリス・カズンズ 出演

オレゴン州ポートランドを舞台に、自身のWEBサイトに生々しい殺人の映像をライブで載せているシリアル・キラー。彼に苦しめられる犠牲者の運命を握っているのは、罪悪感もなく、好奇心だけでサイトにアクセスする世界中66億人の人々。彼のサイトのアクセス数が増えれば増えるほど、犠牲者たちの死期は早まってしまう。さらに悪いことに、犯行を重ねれば重ねるほどサイトの存在は知れ渡り、アクセス数は増えて被害者の死に至る時間は短縮されていく。ネット犯罪専門のFBI捜査官ジェニファーは、焦りをつのらせながらも必死に手がかりを探るのだが…。

上の内容説明の文は今回も含めたいていgoo映画からの引用であるが、「好奇心だけでサイトにアクセスする世界中66億人の人々」という表現は間違いである。作品の中で、国内(アメリカ)からしかアクセスできないというくだりがある。
あまりにもひどい間違いや、ミステリーの結末まで書いてしまうようなネタバレのときにはこちらで手を加えるが、しょせんネットの知識はこんなものという実例としてそのままにしておく。

閑話休題。非常にもったいない。
アクセス数が増えれば増えるほど死に近づくというワンアイデアに頼りすぎで、そういう犯人をどのようにして追い詰めるのかがまったく考えられていない。
被害者たちの連関に気づくのが遅すぎる。
努力が実っての犯人逮捕ではなく、偶然によるものでは共感できない。

『キサラギ』

2008年12月06日 | Weblog
キサラギ - goo 映画

よい

佐藤祐市 監督
小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之、酒井香奈子、宍戸錠 出演

知る人ぞ知るアイドル如月ミキが自殺をして一年が経ち、一周忌追悼会に集まった5人の男たち―家元、オダユージ、スネーク、安男、イチゴ娘。ファンサイトの常連である彼らはそこで初めて顔を合わせた。それぞれオタク心を通わせながら、彼女の思い出話に花を咲かせる。誰しもが「自殺なんかする娘じゃない」と思っていた。そして誰かが「彼女は殺されたんだ」と。この発言をきっかけに、男たちの侃々諤々の推理が始まった…。

上映時間約108分中、最初の1時間くらいがとてもおもしろかった。
ほぼ男だけの登場人物で、いかにムサクルシサを少なくし、いかに部屋のセマクルシサをごまかすかにかなりの努力をしていることが伝わってくる。
塚地武雅と香川照之が押さえ気味でボケ役、小栗旬と小出恵介がハイテンションでツッコミ役、ユースケ・サンタマリアがいつも通り(に見える)でボケ・ツッコミの両方をやっている。

後半に想定の範囲内のストーリー展開とひとつのサービスサプライズがあるが、それらが余計だったのではないかと思われる。どうせだったら最後まで男だけの喜劇を貫き通してほしかった(笑)。

歌のシーンはよい。

『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』

2008年12月04日 | Weblog
トロピック・サンダー/史上最低の作戦 - goo 映画

よい

ベン・スティラー 監督
ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr、ブランドン・T・ジャクソン、ジェイ・バルチェル、ダニー・マクブライド、スティーヴ・クーガン、ビル・ヘイダー、ニック・ノルティ、ブランドン・スー・フー、レジー・リー、マシュー・マコノヒー、トム・クルーズ、ジョン・ヴォイト、トビー・マグワイア 出演

ベトナム戦争の映画のために、三人のスターがベトナムのロケ地にやってきた。落ち目のアクションスターのスピードマンは返り咲きのチャンスを賭け、下品なコメディで人気のポートノイは芸域を広げるのが目的。そして演技派のラザラスは、黒人軍曹の役のために肌を黒くする手術まで受けるほどの役者バカ。しかし撮影は進まず、困った監督はリアリティを出すために彼らをジャングルに放り込む。しかしそこは本当の無法地帯だった…。

バカ映画受難の時代であるらしい。この作品も公開規模がかなり小さいそうだ。

しかし、世の中からバカが消え去らないようにバカ映画もほろぶことはないのだ!

ベン・スティラーとジャック・ブラックはいつもの通りだとして(笑)、もの凄いのはロバート・ダウニー・Jrである。この前までアイアンマンで主人公をはった人間とは思えない。オーストラリア出身の白人が演技にのめりこむあまり肌を黒く染めて黒人役をやる、という設定(笑)を見事にこなしているのだ。
オスカーを取れる取れないの基準を彼が話しているのだが、あれはマジであろう。

有名人がカメオ出演しているが、トム・クルーズに関してはカメオではないだろう。かなりず~~と出ている(笑)。

『地獄の黙示録』がどのような経緯であのような作品になったのか、監督のいうことをきかない俳優がいると映画作製はどうなるのか、を描いた喜劇。
有名な戦争映画を観ていると、似たようなシーンがでてくるようだ。

戦争映画なので、かなりリアルなはらわたが序盤にいっぱい出てくる(笑)。

『デス・レース』

2008年12月01日 | Weblog
デス・レース - goo 映画

よい

ポール・W・S・アンダーソン 監督
ジェイソン・ステイサム、タイリース・ギブソン、イアン・マクシェーン、ナタリー・マルティネス、ジョーン・アレン 出演

民間企業が刑務所を運営している近未来。凶悪な犯罪者を収容するターミナル・アイランドでは、“デス・レース”と呼ばれる残酷なカーレースが行われ全世界に中継されていた。元レーサーのエイムズは親子三人で慎ましい生活を送っていたが、ある夜何者かに襲われ、妻殺しの濡れ衣を着せられた上、ターミナル・アイランドに収容される。彼は刑務所を牛耳る冷酷な所長ヘネシーから、“デス・レース”への出場を持ちかけられた…。

ロジャー・コーマン監督の『デス・レース2000年』のリメイクらしいが、残念ながらそちらは未見だと思う。


マリオ・カート実写版にリアルな美人(ナタリー・マルティネス)が加わったと考えれば、あとはたいしたストーリーはない。

迫力のある映像と音響を映画館で楽しみたい人向けの作品。

テンポもよすぎるくらいで、唯一余計だと思われるのはエンディングのほのぼのシーンくらいか(笑)。