映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』

2011年02月25日 | Weblog
よい

スタンリー・キューブリック 監督
ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン、キーナン・ウィン、スリム・ピケンズ、ピーター・ブル、トレイシー・リード 出演

アメリカ軍基地の司令官が、ソ連の核基地の爆撃指令を発した。司令官の狂気を知った副官は、司令官を止めようとするが逆に監禁されてしまう。大統領は、ソ連と連絡を取って事態の収拾を図る。しかし、迎撃機によって無線を破壊された1機が、ついに目標に到達してしまう……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=17858#1



映画館で観るのは数十年ぶりだ。

題材は『未知への飛行』と似ているが、こちらはしっかりしたブラック・コメディ。

チケットを購入するときに、途中で上映が止まる場合がありますがよろしいですか? と言われ、なんだか楽しくなる。フィルムの状態がかなり悪かったのだろう。単なるフィルムの切断ならば、スプライサーとテープで修復できるが、パーフォレーション(フィルムの両サイドにある穴)がやられると、修復がやっかいみたいだ。
新しい作品ならばいやだが、古いフィルムならしかたがない。
以前、『風と共に去りぬ』を観ていたときにフィルムが燃え出す(溶ける?)という経験もしているわたしだ(笑)。覚悟して観た。

ニ回止まったが、もう館内はみんなその情報を知っているのでなんか一体感が増して、集中力が欠けるようなことはなかった。

米ソ関係、イケイケドンドン派と慎重派、空軍と陸軍、さまざまな対立があるなかで、話はどんどん進む。

圧巻は上の写真のところで、それまでは話や脚本による笑いがメインだが、ここはピーター・セラーズの演技による笑いになっている。




わたしの『未知への飛行』の記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/23b52b3f4e3a8badeb08f587681434c2

『シャッター アイランド』

2011年02月23日 | Weblog
ふつう

マーティン・スコセッシ 監督
レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、エミリー・モーティマー、マックス・フォン・シドー、パトリシア・クラークソン、ジャッキー・アール・ヘイリー、イライアス・コティーズ

ボストンの遥か沖合に浮かぶ孤島“シャッター アイランド”。そこに、精神を患った犯罪者を収容するアッシュクリフ病院があり、厳重な監視の下に運営されていた。ところが1954年9月、レイチェルという女性患者が忽然と姿を消してしまう。事件を調べるため、連邦保安官のテディが新たな相棒チャックと共に島を訪れる。折しも、激しい嵐が近づいており、捜査の行方に不安がよぎる。さっそく2人は、患者たちへの聞き込みを開始するが、テディは事件と無関係な“アンドルー・レディス”という人物についての質問を繰り返す。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334301#1



話がつまらない。無駄に長い。幻覚と現実の部分がはっきりしすぎている。

以下ネタバレ





ひとりの狂人のために彼を船に乗せて途中で気づかせて、担当医を都合よく相棒と勘違いするようなおはなし、誰がリアルだと思うんだ? よっぽどおめでたいバカだけだろう。
現実と幻覚とが区別がつかずに苦しむ人は知っているが、これだけはっきり幻覚だとわかる表現で何がしたかったのかもわからない。

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』

2011年02月18日 | Weblog
よい

トッド・フィリップス 監督
ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィナーキス、ヘザー・グレアム、ジャスティン・バーサ、ジェフリー・タンバー、マイク・エップス、マイク・タイソン、ケン・チョン、レイチェル・ハリス 出演

結婚式を2日後に控えたダグは、独身最後の夜を楽しもうと悪友のフィルとステュ、そして義理の弟となるアランと共にラスベガスへと向かう。高級ホテルのスイートを確保して酒を浴びるように飲み、バカ騒ぎする4人。ところが翌朝目覚めると、メチャクチャになった部屋の中には何故か赤ん坊と一頭の虎が。しかも、肝心のダグが行方知れずという緊急事態に。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=334235



特にいい! というほどでもないが、欠点もないコメディ。
トラブルの原因はわかるが、具体的に誰がどういうことをしてトラブったのかという表現がかなり少ないという、めずらしいパターンをしている。

エンディング近くのステュはかっこいい(笑)。

『殺しの分け前/ポイント・ブランク』

2011年02月15日 | Weblog
ふつう

ジョン・ブアマン 監督
リー・マーヴィン、キーナン・ウィン、アンジー・ディキンソン、キャロル・オコナー、ジョン・ヴァーノン、ロイド・ボックナー。マイケル・ストロング、シャロン・アッカー 出演

旧友マルと組んで強盗をした男ウォーカー。しかし犯行が成功したとたん、マルはウォーカーを撃ち、彼の妻を連れて逃亡する。ウォーカーはギャングの協力を得て、復讐の追跡行へ出るが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=8199#1


『ペイバック』の元ネタ、オリジナルらしいが、おもしろくない。

いちど痛い目にあって用心深くなったのはわかるが、この監督の物語の描写のしかたがわたしの好みではないのだ。あの人のことですよ(笑)。

『イージー・シックス』

2011年02月15日 | Weblog
ふつう

クリス・イオヴェンコ 監督
ジュリアン・サンズ、ジム・ベルーシ、キャサリン・タウン、ジョン・サヴェージ、アレックス・ソル、ルース・ウィリアムソン、カイル・ハワード 出演

カタブツの大学教授が学会出席でラスヴェガスにでかけ、同僚の娘でもある元教え子と関係をもち、世界観が変化する。



ストーリーに抑揚がない!

キャサリン・タウンはかわいい。

エンディング近くのラスヴェガスでの騒動はテンポよく、おもしろかった。

『キック・アス』

2011年02月15日 | Weblog
よい

マシュー・ヴォーン 監督
アーロン・ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、マーク・ストロング、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ 出演

ハードバイオレンス・アクション・コメディ。
アメコミ好きでスーパーヒーローに憧れるニューヨークの高校生デイヴ。ある日彼は、インターネットで手に入れたコスチュームを身に纏い、勧善懲悪のヒーロー“キック・アス”として街に繰り出す。しかし、何の能力も持たない彼は最初のパトロールでチンピラにボコボコにされ重傷を負ってしまう。ところが、その治療で体中に金属を埋め込み、神経の損傷で痛みにも鈍感になったデイヴは無類の打たれ強さを身につけていた。そして、懲りずにパトロールを再開したデイヴ。すると、その様子を野次馬が動画サイトにアップしたことからキック・アスの名はたちまち知れ渡り、一躍時の人に。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337482



映画好きをくすぐる仕掛けが随所にちりばめられた作品。
主人公が邪魔で(笑)、ヒット・ガールとビッグ・ダディを主役にすれば、もっとキレのある作品になったかもしれない。

ちょっと長い。

『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』

2011年02月15日 | Weblog
ふつう

平山秀幸 監督
竹野内豊、ショーン・マッゴーワン、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、板尾創路、光石研、柄本時生、近藤芳正、酒井敏也、ベンガル、トリート・ウィリアムズ、ダニエル・ボールドウィン、阿部サダヲ、唐沢寿明 出演

1944年。日本軍にとっての重要拠点であるサイパン島は、圧倒的な物量に勝るアメリカ軍の前に、陥落寸前まで追い込まれていた。そしてついに、サイパン守備隊幹部は日本軍玉砕命令を発令する。そんな中、玉砕を覚悟しながらも生き延びた大場栄大尉は、無駄死にすることなくアメリカ軍への抵抗を続けることを決意する。そんな彼のもとには、その人望を慕って、上官を失った兵士や民間人たちが集まってくる。やがて彼らは、サイパン島最高峰タッポーチョ山に潜み、ゲリラ戦を展開していく。その統率された部隊に翻弄されるアメリカ軍は、大場大尉を“フォックス”と呼び、警戒を強めていくが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337962



70近い父と一緒に観た。
彼は50年ほど前に自衛隊にいて、彼が言うには、はじめ米軍のM-1銃で一級射手の資格をとったが、配置換えになったあとはこの映画に出てくる銃の、菊のご紋をとったような旧式の銃をもたされてやる気がなくなったが、ちょっと見てみたくなったのだそうだ。

ジープの型式が新しすぎたり、上官に逆らって戦闘行為をするシーンが二箇所あるなど、映画を撮った人が「戦争を知らない」人間だと父は指摘したが、まあ戦争を知っている人たちだけで戦争映画を撮るのは日本ではもう無理である。

わたしの目では、唐沢寿明が圧巻でほかの日本人の役者さんたちの演技も悪くない。しかし、アメリカ軍側の演技力がひどかった。特に司令官役。

フォックスと呼ばれるような知恵者に見えるシーンもちょっと少ない気がした。

長い。

『くもりときどきミートボール』

2011年02月11日 | Weblog
ふつう

フィル・ロード、クリストファー・ミラー 監督・脚本
声の出演 ビル・ヘイダー、アンナ・ファリス、ブルース・キャンベル、ミスター・T、ジェームズ・カーン、アンディ・サムバーグ、ニール・パトリック・ハリス

風変わりな発明ばかりしている青年の新発明により、空からいろいろな食べ物が降ってくるようになった町で繰り広げられる大騒動をコミカルに描く。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333712



ストーリーがおもしろくない。
しかし、笑える部分もかなりある。

CGの技術はかなりのものだと思う。特に水とゼリーのところ。

お父さんのたとえ話とスターウォーズエピソードⅢっぽいところの熊は笑った。

『毎日かあさん』

2011年02月08日 | Weblog
よい

小林聖太郎 監督
小泉今日子、永瀬正敏、矢部光祐、小西舞優、正司照枝、古田新太、大森南朋、田畑智子、光石研、鈴木砂羽、柴田理恵、北斗晶、安藤玉恵、遠山景織子 出演

締め切りに追われる漫画家サイバラ リエコは、6歳の息子ブンジと4歳の娘フミを育てる二児の母。子育てと仕事で目が回るような忙しい日々を送っていた。そんなサイバラの夫は元戦場カメラマンのカモシダ。現在、アルコール依存症と格闘中で入退院の繰り返し。しかも、克服どころかますます悪くなる一方。ついにサイバラは離婚を決意するのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338075



原作者の西原理恵子に惚れたのは20年近く前のことである。
『まあじゃんほうろうき』での自虐ギャグと弱者ゆえの毒の堅持が魅力で、ほかの作品もいくつか読んでいた。
そんな彼女の作品の中で、鴨志田穣さんとの出会い、結婚、出産くらいまではフォローしていた。

本作では徹底的にダメ人間として描かれているが、実際には年収が1000万を超えたときもあったはずである。夫婦でイベントにでたときに公表されたはずだ。

離婚の前後からわたしも西原作品を熱心には読まなくなったので、どういう事情かあったのかわからなかったのだが、本作を観るとそういうことだったのかと思ってしまう。

これも本作では描かれていないが、鴨志田さんは海外でヤク中だったと西原作品で描かれているのだ。国内でアルコール依存症でもしかたないのかもしれない。

と、ここまで個人の思い入れだけで書いてきたが、では、思い入れのない人が観たらどうなるのか?

話がありがちで、後半急いだ印象だが、ちゃんとした演技でちゃんとした話なので、悪くはない。ふつう以上のデキ。