自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

第31回 公開教育研究会

2015年11月29日 | 自由の森のこんなこと

2日間にわたり、たくさんの方のご参加がありました。
ご来校いただいたこと、この場を借りてお礼申し上げます。




中1の朝のホームルーム(HR)に、教頭と校長とでほぼ毎朝出かけていくのですが、中1の人たちにとっては公開教育研究会というのは初めてのことでもあり、どうして毎年それをしているか、その意味を語ったり、たくさんある分科会のどこかに参画して、次のイメージをつくってもらいたいなぁと思っていました。生徒が分科会を立ち上げることは、みんなが普段感じている問題への意識や関心をどのようにして一緒に考えるのかというイメージを持たなければ実現できません。それに加えて、それなりに体力や勇気も必要。でも、どこかでこの人たちなら出来そうだなという、なんとなくの期待があるのです。



授業公開という場は「普段の授業をこうやってますよ」ということだけでなく、独自のカリキュラムを学校の外に向けて公開する意味があります。「ちゃんとやっています」ことを確かめるだけでなく、「こうやりたい」を試す、大切な場所。
新しく何かを始めようとすることには、いろんに人が鏡になります。そこに映る自分の姿を感じ、確かめ、あるいは批判を受け、新しい何かに肉を付けていくようなこと。




こうした行為は日常の授業でも私たちが日々苦心していることでもありますが、学校の外からの視点や、日常の授業に関わる全員が普段とはちょっと違う雰囲気の中で、普段思っていることや感じている疑問を、授業検討の中で分かちあったり溶けあったりすることで、クラスだったり授業だったり、あるいは自由の森という場が、ひとつひとつの「次」の段階に進んでいくのではないかと考えています。



2日間、あちこちの授業をつまみ食いしながら、わりとたっぷりと過ごしたのは、高校2年の数学の授業でした。やはり、授業で扱う「問い」がおもしろければ、自然にああなんじゃないかこうなんじゃないかと予想してみたり検証してみたりします。

1問目は「南に10km進んで東に10km進んで北に10km進んだら、もとの地点に戻って来た。そこは一体どこだろう? 」という問題。

2問目は、ある条件を与えられて探す点が、実は条件の任意性、つまりどこにイニシャルポイントを持ったとしても、あるポイントが定まるという「定点」の存在の事実に触れる問題。

むずかしい問題は、やはりその構造を知りたくなる。「定点」を見つけて答えは出ますが、どうしてそれが一意に決まるのか、いろいろ宿題を自分につくったりもしています。
なかの。

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