中学の学習発表会はどの発表もよく準備されたものでした。
なかでも、正直ブッタマゲタのは中1理科の発表でした。ステージの公開実験はアルミの飲料容器と1斗缶を大気圧で押しつぶす実験でした。中の水を沸騰させて水蒸気を充満させ、その後、ふたを閉めて急激に冷やすことで、内部が真空に近い状態になり、外からの圧力で押しつぶされます。
休みには、それの拡大版として中庭でドラム缶で同じ実験が行われました。ところが、ドラム缶は水をかけてもかけてもびくともしませんでした。
発表会が終了後、中1チームは再度挑戦。
今度は、火力を強めて出てくる水蒸気を多めにします。
さて、いよいよ冷却。
もうもうたる湯気でドラム缶も見えなくなりました。
しかし・・・・やっぱりドラム缶には変化なし。
担当の後藤幹さんの表情には焦りと困惑の色がありありと。
すでに冷却し始めてから数分が経過。ダメなんじゃない?とあきらめて帰ろうと後ろを向いたその瞬間、バアン!!と大音響がとどろきました。びっくりして振り向くと見事にドラム缶がべっこりへこんでいました。
ドラム缶にかかっていた力は朝青竜が130人が乗っかった力なんだそうです。中学1年の理科では、大気圧のような力や熱をツブツブの概念で理解できるような授業を展開してきました。空気の粒子なんて見えないのに、ものすごい力がかかっているのですね。いま、こうやって人間が生活できるのが不思議です。
鬼沢真之