自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

グレート・ジャーニーから得た言葉

2006年10月05日 | 自由の森のこんなこと
 今週は文化人類学週間です。と言っても、たまたま二つの企画が重なっただけなのですが。

 一昨日のパプア・ニューギニアの舞踊に続いて、人類の気の遠くなる年月をかけた旅を逆に歩いた、グレート・ジャーニーの関野吉晴さんの話を聞きました。


 廊下でご挨拶した時、正直言って予想外の人物で驚きました。もっと野生的でゴツイ感じの人物だと思っていました。しかし、この人があのグレートジャーニーの男かと思うほど、「普通の」方でした(失礼)。もちろん風貌が、ですが。講演での話しぶりも、何かを自慢げに語るのでもなく、一つ一つの場面をていねいに話しかけるようで3時間があっという間でした。


 「今、月がどういう形かわかる人はいますか?」


 という問いかけにまず、ドキッとさせられます。会場の300人程の参加者のほとんどが意識せずに生きています。現代の日本では月の満ち欠けは生活に無関係。月明かりをたよりにすることはほとんどありません。


 「私たちのまわりから人工物を取り払っても生きていくことはできるが、自然を失って生きていくことはできない」



 「私たちは大地に生かされている」



 一見あたりまえのようだけれども、彼の旅の経験から湧き出した言葉がとても説得力を持って受け入れられます。



 後半は、医者としての関野さんならではの話が展開されます。
「モンゴルの人々が野菜がなくても生きていけるのは、馬乳酒の微生物の助けがあるから」
「地球上で集めて最も重い生物は微生物なんです」

「ラッキーとハッピーは違う。ラッキーを手に入れられても、ハッピーにはなれない」」
「5000日旅をしてわかったことはそんなことなのかと言われそうだが、家族とともに暮らせること、思ったことを言えること、好きな仕事に就けること、行きたい所にいけること、あたりまえの事を自分の生きているところで守ることが大事」

でも、やっぱり時間をかけて得た言葉だと思います。


おにざわ

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