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第940話 オンライン研修は状況対応が難しい

2020年07月22日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「研修は一つの会社の同じ階層に対し同じ内容で行ったとしても、実施する回によって受講者の反応はその都度異なる」

これは、弊社が日々研修を担当させていただいている中で感じていることです。

たとえば同じ属性の社員であっても、個々はそれまでの経歴や経験等が異なるため理解度に差が出ます。またその時々の受講メンバーの組み合わせによっては、研修が盛り上がったり反対に盛り上がりに欠けてしまったりすることも珍しくありません。

このような状況は、受講者が講師の話を聞いているときの表情や姿勢、演習の正解度、さらにはグループ演習への参画度合いなどによって確認することができます。

特に、演習に取り組んでいる際に記入している内容を背中越しに覗いたときや、グループ演習時にディスカッションの内容を脇で聞いていると、とてもよく状況が見えてきます。それらを通して得た情報を基に、私たち講師は補足の説明を付け加えたり、研修内容の難易度を多少上げたり下げたり調整するなどして、その都度対応しています。

また、ここで得られた情報は研修終了後に研修担当者に提出する報告書にも反映させることはしばしばありますので、貴重な情報として有効活用できるのです。

ところが、コロナ禍の影響等で多くの研修が対面型からオンライン型に変わったことにより、上記で記したような状況に対応することが難しくなったと感じています。

もちろん、オンライン型研修でも画面を通して受講者の表情を確認することはできるのですが、やはり対面型研修の時のように直接顔を見るのとは大きく異なり、表情の細かい部分までは分かりづらいのです。このため、オンライン型研修ではきちんと理解が深まっているのか、それとももう一度説明した方がよいのか、積極的に研修に参加しているのか、そうではないのか等を確認することがとても難しいのです。

先日の本ブログでも書いたように、オンライン型研修では対面型研修の時と比べ、チャット機能を使って質問する人は明らかに増えています。したがって、質問が出なければ「理解が深まった」としてプログラムを進めていくこともできます。とは言え講師の側からすると今一つ個々の反応がつかみきれないことから、「質問がないのだからよし」としてどんどん進めてしまってよいものか、少々不安に感じることが増えてきていることも事実なのです。

しかし現実問題として、今後はすべての研修を以前のように対面型に戻すことは難しいことは明らかです。たとえば上記の課題を改善する一つとして、研修の区切りのタイミングにアンケート機能等を使って個々の受講者の理解度を集計し、きちんと把握したうえでその後の進め方を調整していく等、オンライン型研修だからこそのメリットを積極的に活かしていかなければならないと改めて感じている今日この頃です。

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