中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第874話 テレワークと孤立感の関係

2020年01月08日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働けるようになる」を実現する人材育成社です。

「在宅勤務の日は集中して仕事をしています。人から話しかけられることがなく集中できるので、オフィスにいるときよりもたくさん仕事をしていますよ」

これは先日、テレワークを導入している企業に勤めている知り合いから聞いた言葉です。この知り合いは週に2日間、在宅で勤務しているとのことです。

総務省の平成29年通信利用動向調査によると、働き方改革の一環としてのテレワークの導入率は13.9%であり、テレワーク導入企業のうち在宅勤務の導入率は29.9%とのことです。今春より中小企業でも時間外労働の上限規制が導入されることになり、テレワークのニーズはますます高まるものと推測されます。

テレワークのメリットとしては、冒頭の知り合いの例のように仕事の生産性が高まったり、育児や介護を担っている人は仕事との両立がしやすくなったり、通勤時間を他に活用したり、あるいはオフィスのスペースの削減につながるなどと言われています。

一方、デメリットとしては上司が部下を適切に評価することが難しくなったり、テレワークを使ってもなお的確な情報共有が難しくなったりなど、こちらも複数あるようです。

私自身の体験や在宅勤務をしている人の話を聞いている中で一番のデメリットだと感じるのは、職場の同僚や上司と離れた場所で仕事をするということは、オフィスで働く場合に比べ何気ない雑談などの対面コミュニケーションの機会が減ることになる点です。

それは時間の経過とともに、やがては対人関係が希薄になり孤立感にもつながってしまいかねないと考えられるのです。

オフィスで仕事をしているときには「今、ちょっといいですか?」という他者からの問いかけがあんなにも煩わしく感じたり、隣の席の人の電話で話す内容で気が散ったり、パソコンのキーボードの音がうるさく感じたりしたこともありました。

ですから、本来であれば在宅勤務によりそれら周囲の雑音がなくなることで集中力アップにつながり仕事の生産性が向上するはずなのに、孤立感を感じることによって逆に仕事の効率が下がってしまうのです。

確かに私自身の経験から考えても、アイディアを出したりする際には、はじめのうちは1人で黙々と考えることも有効なのですが、最終的な結論を出す際には他者に話をすることによって自身の考えやアイディアが整理されると感じることはしばしばあります。

他者に自分のアイディアを説明する際には、まず頭の中で整理して組み立てることが必要になりますし、それを声にすることで「私はこのようにしたかったんだ」だと自分の考えがあらためて整理されたりするのです。

また、自分では曖昧模糊としているアイディアについて、他者が質問をしてくれたり問題点を指摘してくれたりすることでブラッシュアップされ、さらに良いアイディアにつながることも少なくありません。

このように考えると、仕事を含めて人間には他者とやり取りすることが欠かすことができない、大きく言うと他者との関係の中でこそ生かされていると言えるのかもしれません。

冒頭のとおり、テレワークや在宅勤務のメリットは大きなものがあり、今後取り入れる企業は間違いなく増えていくことでしょう。しかし、単に「他でやっているから」ということでなく、仕事の生産性は他者との関係の中で育まれる面があることをきちんと踏まえた上で導入していただきたいと考えています。

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第873話 管理という言葉の意味

2020年01月05日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「社員は自ら育つもの。上司が育てようとすると失敗します。」以前、あるセミナーで著名な(?)経営コンサルタントの方がそう言いました。そして「優れた企業は社員の自主性に任せ、管理などしないものです。管理とは無駄なことなのです。」と続けました。

それを聞いた私は「おや?このコンサルタントは管理の意味をわかっていないな。」と思いました。

たしかに、社員を管理しようとすれば、ルールを決め、教育を行い、それを維持するための仕組みを作らなければなりません。その手間とコストは組織の規模に比例して大きくなります。それを無駄なことだと言っているのです。

では、全てを社員の自主性に委ね、管理をほとんどしない、そのような企業は現実にあるのかといえば、もちろん「ありません」。

このコンサルタント氏は、管理という言葉を「規則に従わせる」という意味(だけ)で使っている点で、非常に浅はかであると言わざるを得ません。本来、管理とは「組織における経営資源(ヒト・モノ・カネ)を効果的に活用する」ことです。

「管理」に対応する英語にmanagementがありますが、manageには「なんとかする」「うまく(やりくり)する」という意味があります。

管理とはmanageする、すなわち企業が目指す目的を達成しようと、限られた人材、設備、資金を使って「やりくり」することなのです。

もし経営資源が無限にあれば、コンサルタント氏が言うように「管理などしなくてよい」のです。しかし、そんな組織など存在しません。ということは、管理しなければ人は辞めていき、設備は破損し、資金は枯渇します。

経営資源のうち、設備(工場や社屋からパソコンや事務機、文房具に至るまで)、資金(キャッシュ、売掛金、借入金から日々の交通費に至るまで)についてはしっかりと管理している企業は多くあります。

しかし、いちばん大切な経営資源である人(社員)については、あまり気をつかっていない経営者が多いようです。そのくせ「人財」などと言ったりします。「財」はあくまでもお金や物のことです。人をそのように扱うのは間違いです。

人は「人材」です。材とは生きている人間の才能のことです。何度かこのブログでも触れていますが、李白の詩、「将進酒」に次の一節があります。

天生我材必有用

「天が私にこの才能を授けたのだ。必ず用いられる日が来る。」という意味です。

すべての社員には「材」があります。それは管理する(上手く扱う)ことで木のようにすくすくと伸びて行きます。

経営者の皆さん、人材を育成することに思い切って資金を投じてください。そのために今年は「管理」職を育てることを最重目標に設定しましょう。管理職が正しく部下をはじめとした人材を管理・育成する。管理職も自らを管理・育成する。

社員を育てることは会社を育てることです。

万が一それを怠るなら、あなたの会社に未来はありません。

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第871話 他人がどう思うかより、自分がどうしたいのかを優先する

2019年12月25日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「質問力」という言葉を聞くようになって久しいです。

確かに適切に質問をすれば、情報収集できる量も質も上がると思います。では、あなたは質問することは得意ですか?それとも苦手でしょうか?

弊社が研修やセミナーを担当させていただく際に、大勢の受講者がいる前で「質問はありますか?」と尋ねても、そこで質問をする人は多くはありません。

しかし、休憩時間になったり研修やセミナーが終了した際には、テーマによっては10人位の質問者が列をなすこともあります。そこで尋ねられる内容は共通していることが多いため、研修やセミナーの時間中に質問をしてくれたら、受講者全員で共有することができるのにと思いますが、どうやら大勢の前で質問することはそんなに簡単なことではないようなのです。

また、研修でグループ演習後に発表していただくような場面でも、発表後に他のグループから質問が出ないときには、「質問または感想をお願いします」と他グループの人を指名することがありますが、大半の人は質問ではなく感想を言うことが多いようです。

もちろん、疑問に思っていることがないのであれば無理に質問する必要はないのですが、それにしても圧倒的にプラスの感想を言う人が多いのです。

なぜ質問ではなく感想が多いのか。また、個別であれば質問をする人はたくさんいるのに、大勢の前では積極的に質問ができないのはなぜなのでしょうか。

改めてこのことを考えてみると、多くの人は「質問」に対して敷居を高くしすぎてしまっているように思えます。「質問する以上は、きちんとした質問をしなければならない」と考えてしまうあまり、質問すること自体をためらってしまうのです。

たとえば質問した結果、周囲の人から「そんな簡単な質問をして稚拙だな」と思われたり、「もしかしたら、既に説明されていたことを自分が聞き逃してしまっているかもしれない」などと必要以上に考えすぎてしまったりする。その結果、質問自体をしないというある種の自己防衛に走ってしまうのではないでしょうか。

確かに、「適切に質問する」ためには、話の内容をしっかりと聞いてきちんと理解したうえで、疑問点を質問する際にもそれをわかりやすく伝える能力は求められます。しかし、もし大勢の前で質問することをためらってしまう理由が周囲の反応を過剰に気にしすぎてしまうことにあるのだとしたら、結果として大切な機会を失ってしまっていることになってしまい、何とももったいない話です。

いわゆる「場の空気」など、同調を求める日本の組織においては、いまだに「出る杭は打たれる」という風潮が残っていることも否定はできないでしょうから、確かに「空気を上手に読める」ことは無駄にはならないでしょう。

しかし、周囲がどう思うかということを気にしすぎてしまうと、前述のとおり自分を育てる大切な機会を失ってしまうことになるのです。

周囲を大切にすることはもちろん大切です。でもその前に、まず自分はどう思うのか、どうしたいのか、それを考えることが何よりも大切なはずです。そうでなければ、結果的に「一番大切であるはずの自分がいつも後回し」になってしまうのです。

今後、大勢の前であっても何か気になったことがあるときには、ぜひ、いつもより少しだけ勇気を出して思い切って質問してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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第870話 御用聞きを見習おう

2019年12月22日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。

「働き方改革も良いけど、仕事を途中で放り出して帰るのはどうかと思うよ」ある中小企業の経営者の方の言葉です。たしかに、仕事が終わらないのに「ノー残業デー」だからと、職場から出されるのは困るという声もあります。

しかし、この言葉ははっきり言って「他責」つまり、自分たちの努力や工夫を放棄して「働き方改革」に責任をなすり付けているだけです。

第一に、「働き方改革」とは仕事が残っているのに帰らされることではありません。定時までに仕事を終わらせて、残業をせずに帰ることです。そう、「帰らされる」のではなく「帰る」のです。

受け身で仕事を進めている限り、「上司が」「お客様が」「下請先が」仕事の進行にいろいろと口や手をはさんできます。でも、それは本当に「仕方がない」ことでしょうか。

当社のコンサルティングや研修で口を酸っぱくして言っているのは「先手」を打つことです。上司はもちろんお客様に対しても「先手」を打つことで、仕事の進め方をかなりコントロールできます(もちろん100%はあり得ません)。

「でもね、お客さんが5時頃になって電話してきて、XXを明日の午前中までにやって欲しいって言うんだよ。残業するのは仕方ないじゃないか」あなたはそう言うかもしれません。そうですね、仕方がありません。

では、お客様が急に電話してくることは全く予想外だったのでしょうか。

きっとそのお客様は、急な依頼をしてもあなたが応えてくれることをわかっていたのだと思います。あなたとは長い付き合いがあって、お客様はあなたを信頼しているのでしょう。

ということは、あなたも長い付き合いの中で、お客様の仕事の内容や進め方を十分知っているはずです。それならば「急な依頼」はある程度予測できたはずです。もし、全く予測できなかったとしたら、受け身の仕事しかしてこなかったことになります。

「御用聞き」と言う表現は、人の(特に営業担当者の)能力を低く見るときに使う言葉です。ところが、ほとんどの「御用聞き」は「先手」を打ちます。

大変古い話で恐縮ですが、私の子供の頃(昭和40年代)は、近所の酒屋さんがまさに御用聞きに回っていました。

母が「お酒を2本と醤油とみりんを1本ずつお願い」と言うと、「はい、毎度ありがとうございます。あ、お味噌もそろそろ少なくなっていませんか。ちょっとお高いですけどすごく良いのが入ったんです。ためしにいかがですか」といったやり取りを聞いたことがあります。

これは単なる「口上手」ではありません。顧客1軒1軒の大体の使用量と在庫状況をメモしてあるのです。もちろん、PCなどない時代ですから、ざっくりとしたものです。なので、予測がズレることもあります。

それでも、かなりの確率でお客様の要求(ニーズ)を先取りしていました。それに、お客様が当面必要なものはないとしても、「XXは足りてますか?」と聞いてくれた方が安心(そして信頼)できます。

お客様からの急な依頼で残業せざるを得ない、そんなことが何度も起こるようなら、あなたは「御用聞き以下」です。

まずは、御用聞きを見習ってはいかがでしょうか。

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第869話 きれいにするのがゴールではない

2019年12月18日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「10秒以内」

これはある企業の「ルール」なのですが、何についてのルールか想像がつきますか?

毎年、この時期になると雑誌やテレビなどで整理・整頓に関する特集が組まれます。また、仕事納めの日には、机やキャビネット等の片づけをすることが年中行事となっている企業も多いと思いますが、あなたの会社ではいかがでしょうか?

しかし、せっかく一日かけてきれいにしても、仕事始めから2週間くらいが経過すると、また元の木阿弥になってしまい、あっという間に机の上に書類が山積みになってしまう人も少なくないようです。

もちろん、そういう状態になったとしても、不思議と本人には書類のありかに検討がつくようで、山積みになっている中から必要書類を上手に引き出せる人がいます。

本人にとっては全く問題がないようなのですが、しかし、いざその人が休んだり、外出先から「あの書類を探してほしい」と頼まれたりすると、他の人間は全く見つけることができないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

さて、冒頭の「10秒以内」はトヨタ自動車のルールです。同社では書類を10秒以内に取り出すことが暗黙のルール」になっているとのことです。同時に「大勢の人が共有して使うものは、他人が30秒で探せるように定位置を決める」こともルールになっているそうです。(トヨタの片づけ OJTソリューションズ 中経出版)

書類やモノを探すための時間は、ただ消費だけするだけでそこからは何も生み出しません。

コクヨ株式会社の調査によると、人は1日に平均20分も探しものに時間を費やしているそうです。1週間で考えると100分もの時間探し物をしていることになってしまい、何とも長い時間を浪費していることになりますから、これを何とか解決しなければなりません。

弊社が行っている「仕事の渋滞解消研修」のプログラムでは、書類と仕事に関するモノの整理についても紹介していますが、そこでは「書類やモノの整理は目的ではなく仕事の結果」だとお伝えしています。つまり、片づけること自体を目的にするのでなく、仕事の流れを整理した結果として、机の上がきちんと片付いているということが望ましい状態であるということなのです。

ですから、何も考えずにいきなり机やその周辺の片づけをするのは、それ自体が目的になっているので、時間の経過と共にすぐに元に戻ってしまうということになるのです。

そうならないようにするためには、先ず自分の仕事の流れをフローで捉え、それ毎に何が必要で不要なものは何かを整理して、整頓(必要な書類やモノをすぐに取り出したり、元に戻したりできるようにな置き場所を決める)していくことが大切です。その結果として机の上やキャビネットが片付いている状態になるということです。そうなれば、すぐに元の状態に戻ってしまうということは少ないでしょう。

「片づけてもすぐに散らかってしまう」という人は、先ず仕事の流れを先に整理すること。これがポイントです。

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第868話 ボーナスという手段の使い方

2019年12月15日 | 研修

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

冬のボーナスはいくら位もらいましたか?(あるいは)出しましたか? 経団連の「2019年年末賞与・一時金 妥結状況(加重平均)」によると、東証1部上場で従業員500人以上の企業では1人あたり平均96万4,543円だったそうです。

一方、みずほ総合研究所が12月11日に公表した予測によると、事業所規模5人以上ベースの民間企業の1人あたりボーナス支給額は38万1,904円とのこと。

ずいぶん大きな差がありますね。もっとも経団連の調査では対象の251社中回答があったのは82社ですから、96万4,543円というのは大企業の中でも恥ずかしくない、いや自慢できる支給額を誇る(?)会社の数字だったのかもしれません。

さて、ボーナスはもらってうれしいものですが、不満の声も少なくありません。そして不満の内容も「金額が少ない」ことより「評価が低い」ことが多数を占めています。つまり自分が成し遂げた努力や成果に見合っていないと感じているわけです。

大企業の社員ならたとえ90万円もらったとしても、同世代が平均額(96万4,543万円)だとしたら大いに不満でしょうし、中小企業の社員ならその半分の45万円であっても、同世代が平均額(38万1,904円)なら滅茶苦茶うれしいに違いありません。

日本の社会は平等志向が強いと言われています。たしかに同期入社でボーナスの査定が少しでも違っていると、不平不満の元になることもあるでしょう。

とはいえ、こうした横並びが気になるのは若手社員の頃までです。中堅以上ともなれば社内の評価もある程度定まってきます。いわゆる「仕事ができる」社員は同期より少し早めに昇格し、ボーナスもはっきりと多くなります。

もちろん「なぜあいつがあれほど高く評価されるのかわからない!」ということも多少はあるでしょう。しかし、概ね納得できる評価がなされるのが普通です。

そこで経営者の皆さんにひとつ提案があります。

中堅以上の社員全員に率直に「ボーナスの査定(金額)はどのくらい納得できたか」を聞いてみてください。正しい評価がなされていたらそれほど大きな不満は出ないはずです。一方、不満が多かったら「正当に評価されていない」と思っている人が多いということです。

ボーナスをきっかけに「正当な評価とは?さらに能力や業績とは?」について話し合ってみてください。お互いに100%納得することはないでしょうけれど、真摯に話し合うことが仕事へのモチベーションにつながります。

御社がすでに管理職による目標管理の面談を制度化している企業であれば、臆せずボーナスの話を持ち出してみてはいかがでしょうか。ただし「ボーナスの話をするのは、次回のボーナスを増やすためだ」という点をしっかりと合意することが前提となります

ボーナスは、終了した半期の業績に対する評価であると同時に、次の半期のモチベーションを引き出すための手段でもあります。

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第867話 バッドニュース・ファースト Bad News First/Fast

2019年12月11日 | 研修

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「部下がちゃんと報告をしないので困っています」

これは弊社が管理職研修を担当させていただく際に、「部下を育成する中で困っていること」として、必ずとっていいくらいに管理職から出される言葉です。

さて、あなたの部下は報告や連絡をタイミングよくできているでしょうか。

報告や連絡は、企業活動において生命線と言えるくらい大切なものです。しかし、過去の様々な企業の不祥事等を振り返ると、元を正せば報告や連絡がされなかった、あるいはうまくいかなかったことが原因で問題が起きているものが大半を占めているようです。

そのように考えると、報告や連絡がうまくいかないことを部下のせいばかりにして放置することはできないということです。

それでは、部下がきちんと上司に報告や連絡をすべきなのにもかかわらず、スムーズになされないのはなぜなのでしょうか。

以前、この質問を一般職の社員にしたところ、様々な理由が挙げられました。たとえば「過去に上司にマイナスの報告をした際に、いきなり叱られた」、「良かれと思って報告をしたことについて、余計なことに口出すなと言われた」また、「せっかく報告や連絡をしても上司から何のフィードバックがなかったこともあり、報告損や連絡損のような気持ちになった」などです。さらに、根本的な問題として「そもそも報告や連絡をすべきことが良くわからない」という人もいました。

報告や連絡に関しては、「バッドニュース・ファースト Bad News First/Fast」という言葉があります。「いいニュースは後でもよいから、トラブルなどの悪いニュースこそ、いち早く上司に伝える必要がある」という意味なのですが、これは口で言うほど簡単なことではないようです。

そもそも、悪いニュースを報告すること自体が気後れしてしまうことに加え、報告後に上司にきちんと対応してもらえるという安心感が担保できていないと、部下は報告をしなくなってしまいます。

そうすると、リスクを伴う情報が迅速に上司に伝わらないようになり、危機をより深刻化させてしまうことになりかねません。

これを避けるためには、報告や連絡すべきことを職場で意見交換してルール化し全員で共有すること、そしていざ問題が起こった場合には誠実に対応することです。さらにはただ問題視するだけでなく、今後同じようなことが起こらないようにするにはどうすれば良いかを未来志向で考え、前向きに対応する姿勢を企業文化や風土として定着させていくことが必要なのです。

もし、あなたが「部下からタイミングよく報告や連絡を得られない」と思っているのであれば、普段部下の報告や連絡を受けるときにどういう対応をしているのか、一度わが身を振り返ってみる必要がありそうです。

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第866話 「自分には部下を叱る資格なんてない」は危険信号

2019年12月08日 | 研修

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

叱ることとパワハラの違いは、このブログで何度も触れています。場合によっては、上司は部下を「叱って」指導しなければなりません。それを「パワハラになるから」と言って一切何もしないのは、上司としての責任の放棄です。

「たしかに叱ることは部下指導のひとつの手段だということはわかりました。」ある会社の管理職研修で1人の受講者が言いました。「でも、自分には部下にそんな偉そうなこと言う資格はないんじゃないかと思うんです。」と続けたのです。

誰かを批判するときに「あなたにそれを言う資格はない」という言い方をよくします。噛みくだいて言うならば「あなたの現在の立場や普段の言動から考えると、相手を非難したり叱ったり指導したりするのは、やり過ぎだし説得力がないので傍(はた)で見ていて不快になる。」ということでしょう。まして「叱る」などというのはとんでもない!というわけです。

もちろん「資格」というのはたとえ話ですが、部下指導に関してこれほどミスマッチな言葉はありません。

もし、会社の中で「資格」がどうのといった理屈がまかり通ってしまうと、会社は間違いなく崩壊します。叱らないことで誤った行為が正されずそのまま行われ続ければどうなるか、想像に難くありません。

上司が部下を指導し、必要に応じて叱ることは仕事の一部です。「自分には部下にそんな偉そうなこと言う資格はない」と言うのは「自分は仕事を放棄します」と言っているのに等しいのです。それは、大げさなことではなく労働契約法第3条(労働契約の原則)に違反する行為です。

経営者のみなさん、もし「部下を叱る」ことができないという社員がいたとしたら「それは仕事の一部であり、それをしないことはサボタージュである」ということを明確に伝えてください。

それでも「叱り方がわからない」、「部下指導に自信がない」という社員が1人でもいたら会社の将来は危うくなります。そうならないよう、部下を指導する立場にある社員全員に必ず部下指導研修を受けさせてください。

部下指導研修こそあらゆる研修の中で最も必要な研修です。

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第865話 同僚の前で叱ることは「パワハラ」にはならない

2019年12月04日 | 研修

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「同僚など他者がいる前で叱ることは、パワハラにはならないのですか?」

これは先日、弊社がパワーハラスメント(以下パワハラ)研修を担当させていただいた際の、受講者からの質問です。

最近パワハラにかかわる報道などが多くなっていることもあり、これまでにも同様の質問を何度もいただいているのですが、皆さんはこれはパワハラに該当する行為だと思いますか?

弊社では、「(上司として指導(叱る)すべき内容であれば)パワハラには該当しない」と考えています。

厚生労働省ではパワハラの6類型を次のように定義しています。

1. 身体的な攻撃

2. 精神的な攻撃

3. 人間関係からの切り離し

4. 過大な要求

5. 過小な要求

6. 個の侵害

受講者が冒頭のような質問をする背景には、2番目の「精神的攻撃」の例示として「同僚の目の前で叱責される。他の職員を宛先に含めてメールで罵倒される。必要以上に長時間にわたり繰り返し執拗に叱る」と示されているからでしょう。

特に、「同僚の目の前で叱責をされる」という文言が入っているために、同僚など他者がいる前で叱ることはパワハラになってしまうと考えてしまうようです。

しかし、このとおりとすると、遅刻が続いている部下や仕事のミスが続いている部下がいた際に、本来は指導の一環としてきちんと叱らなければならないのに、いちいち他の部屋に行ってしなければならないことになってしまいます。それでは、もし他の部屋が空いていなければ部下を叱るタイミングを失ってしまうことにもなり得ます。

極端に言えば、他の部屋の予約が1週間先まで埋まっていたとして、「同僚の前では叱ることができない」とするのであれば、その間ずっと叱ることができないことにもなってしまうのです。

そういうことになってしまったら、それこそ大切な部下指導をすることができなくなってしまいます。

部下指導はリアルタイムで行うことが原則です。もし、時期がずれて間の抜けたタイミングで叱ったら、叱られた部下の方は何で叱られているのかピンと来なくなってしまうでしょう。

また、遅刻が続いている人やミスが連発している人に対して、上司が叱るなどの指導をしなければ周囲の同僚にも悪影響が危惧されます。具体的には、ルール違反をする人が放置されてしまっているので、職場全体のモラルが低下するなどが起きるわけです。要は、上司の指導を甘くみることにもなってしまいかねないのです。

こうしたことから、「上司として指導(叱る)すべき内容であれば、同僚などの他者がいる前で行うことは全く問題ない」わけです。

ただし、ここで一つ注意をしなければならないのは、6類型の注意書きにもあるように「必要以上に長時間にわたり、繰り返し執拗に叱る」ことで、この場合はパワハラにあたります。

では「長時間」とは何分なのか?これは指導(叱る)すべき内容によるので、一概に何分ということはできませんが、先ずは5分程度を目安に考えてみてはいかがでしょうか。一般的には5分前後であれば、叱る場合であっても長時間に該当はしないと考えられますし、上司の一方通行にはならないはずです。指導(叱る)行為は本来、双方向でおこなわれるべきものです。遅刻を例に考えるならば、どうして遅刻をしてしまったのか?今後遅刻をしないためにはどうすればよいのか?ということを部下本人に話させるなどして双方向で行うことがポイントです。

パワハラ研修を担当させていただくと、「グレーゾーン」に該当するものを教えてほしいという声もよく聴きますが、基本的に先の6要素で示された要件をきちんと押さえていれば、いたずらにグレーゾーンを気にする必要はないと考えます。

もちろん、パワハラ自体は絶対にしてはいけない行為です。同時に、パワハラと捉えられることを恐れるあまり、上司が部下に必要な指導育成を行わないことも見逃すことができない問題なのです。

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第864話 社員の主体性は研修で身につけましょう

2019年12月01日 | 研修

「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

いきなり小学校の話で恐縮ですが、最近は児童に対して「主体的・対話的で深い学び」を重視する教育が求められています(平成29年度小・中学校新教育課程説明会における文科省説明資料「新しい学習指導要領の考え方」より)。

先生による一方的な教育ではなく、児童が話し合いを通じて問題を解決する。その過程で様々なものの見方、考え方や知識を身につけていきます。テレビのニュース番組で見たのですが、(そのときは)先生はほとんど関与せず、子供たちが机を寄せ合ってグループになって話し合いをしていました。

私は大変良い取り組みだと思いました。

そして、こうした教育を受けた人材がこれから社会に出てくれば、企業はより良くなっていくでしょう。もちろん、研修においても大きな成果が期待できそうです。

「ならば、もっと早くこうした教育をしていれば良かったのでは?」そう思われたかもしれません。

しかし、私が小学生だった昭和の時代で(あまりにも昔の話ですみません)このような教育を行うのは不可能だったと思います。先生が関与せず児童の自主性に任せるというのは、少なくとも私のいた学校では(言い方は悪いのですが)動物を檻から放つようなものです。おそらく10分程度で授業が崩壊していたでしょう。児童の数も多かったですしね。

ですから、授業中はとにかく静かに、辛抱強く、先生の話をきちんと聞いていなければなりませんでした。当時(昭和の高度経済成長期)には、与えられた仕事を効率よくこなす人材が大量に必要でした。学校教育もそうした社会のニーズに応える必要があったのです。

そう考えると、小学生の頃から「主体的・対話的で深い学びを身につけること」は、現代の社会のニーズに応えることだということになります。

現在の企業研修の受講対象者は昭和末期から平成にかけて初等教育を受けてきた世代です。そうした人たちに対して「主体性を感じられない」、「対話が苦手だ」という人もいますが、私はそう思いません。

当社の研修では受講者に「主体的・対話的」に取り組むことを求めています。しかし、これはそう簡単ではありません。現代の小学生のように「主体的・対話的」に物事を進めるトレーニングを受けてきたわけではないからです。

それでも研修を通じて伝わってくるのは一種の「素直さ」です。研修中はグループでのワークを重視します。はじめは主体的に参加しなかった受講者も、ちょっとしたコツさえ飲み込んでしまえば、とても上手に話し合いを進めることができるようになります。

現在企業の中核を担っている世代は、トレーニング次第では「大化け」する可能性もあるのです。

社長さん、人事担当者の皆さん、あなたの会社の社員に期待して、ぜひ研修を受けさせてください。主体的に仕事に取り組む人材に変わる余地は大いにあります。

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