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中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,265話 「リベンジ退職」に至ることのないようにするには

2025年05月21日 | 研修

 「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「気が滅入るVTRでしたね」

これは先日放送されたTBSのブロードキャスターに出演していた脚本家の三谷幸喜さんが、あるVTRを見た後に語った言葉です。

番組では「リベンジ退職」(退職する際に勤務していた会社に対して文字通り仕返しや復習をすること)を取り上げていたのですが、近年増加しているとのことでした。

番組でリベンジ退職の具体的な行為として取り上げられていたものとしては、顧客に対する会社の不誠実な対応を許せないと感じていた人が退職後に顧客に暴露するメールを送付するもの、社内の安全基準に違反していることを知らしめる動画をSNSに投稿し、その結果会社が多額の賠償金を支払ことになったというもの、部長のパワハラに耐えられなかったために部長の悪事を役員に伝えたもの、退職時に全てのアカウントのPWを変更したものなど、その例は枚挙にいとまがないようです。さらに、私自身が以前に聞いた例としては、引継ぎをせずに突然退職するといったものがあったのですが、これもリベンジ退職に該当するのだそうです。

このようにリベンジ退職が増加している背景には何があるのでしょうか。理由の一つとして、売り手市場により以前に比べ転職がしやすくなったことから、どうせ辞めるのであればそれまでの職場や人間関係などに対するマイナスの感情を払しょくするために、様々な形でリベンジしようとするということがあるようです。

そこまでに至る心情には怒りや屈辱、失望などの感情や自尊心が強く傷つけられるなど相当のストレスがあったであろうことは想像に難くないです。しかし、ここまでの行為に及ぶ前に他に何か手段はなかったのだろうかと思わざるを得ません。当の本人にとってもリベンジの結果「心からすっきりした」などと言えるようなものにはならないのではないように思います。

また、こうしたリベンジ退職の結果、その組織もダメージを受け、場合によっては業績にも少なからぬ影響を受けるなどといった可能性もあると考えられます。

先述の三谷幸喜さんの「気が滅入る」という感想は、こうしたことを踏まえたものではないかと感じていますが、私自身も同じ思いを持っています。

それでは、このようなリベンジ退職を招かないようにするために、組織としてはどうすればよいのでしょうか。

まずは、従業員の疑問や不満などを早い段階で把握して、怒りが爆発してしまう前に組織としてしっかり対応することが大切であると考えます。これは必ずしも離職防止策ということだけではなく、日ごろから社員が様々な疑問などを積極的に表明でき、それを受け止めてきちんと対応する体制をつくること、異を唱えられても受け止められる組織風土の醸成が必要なのではないかと考えます。しかし、これまで本ブログでも何度も書いてきているとおり、そうした風土の醸成といったものは言うは易しで、一朝一夕でできるものではないこともまた事実でしょう。しかし、多くの組織においては社員の定着がこれまで以上に大きな課題となっていくであろう中では、真っ先に必要になるものなのではないでしょうか。

少々心配なのは、今後「リベンジ退職」というイメージしやすい言葉に触発されて、こうした行為を行おうとする人が増えていってしまうことがないかということです。そのためにも、働きやすい職場環境を作るという意味は、今まで以上にますます重くなっていくように思います。

同時に、もし社員が退職を決断した場合には「立つ鳥跡を濁さず」という言葉にもあるように、リベンジではなく双方が納得できる形にすることが何よりも望まれます。そのためにも日ごろから良好な職場環境を構築することが何よりも大切だと考えます。

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