中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,149話 リスキリングを始める

2023年01月11日 | キャリア

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「生き残るものは大きなものでも強いもでもない。変化していくものだ」

これは、作家で日本大学の理事長をしている林真理子さんが著書の「成熟スイッチ」(講談社現代新書2022年)の中で語っている言葉です。この本の中で林さんは、成熟について「昨日のままの自分だと、少しつまらないよ」「ちょっとしたことでもいいから何か新しいことをして、昨日とは少し違った自分になってみる。」また、「成熟にはキリがありません。毎日新しいスイッチを入れながら、自分の変化を楽しむことができたら、なんて素敵な人生でしょう。」と言っています。

林さんの活躍はここで改めて紹介するまでもありませんが、作家として様々な賞を受賞するだけでなく、それ以外にも次々と新たなポジションに就いています。それは本人が欲したものばかりではないのでしょうが、一方で欲しいと考えたものは必ず手に入れているようにも見えます。そして、そのための努力は惜しまない、ゴールを設定しない林さんの生き方に私は一読者としていつも刺激を受けています。

さて、最近は「リスキリング」の重要性が大きく叫ばれるようになり、政府も具体的な支援に力を入れることを明言しています。そのために、「人への投資」に5年間で1兆円を投じ、従業員にリスキリングをさせた企業や働き手への助成金も強化する方針とのことです。個人も学び直しをしたいと思えば、その機会を得られる環境が整いつつあるわけです。

しかし、こうした報道を見聞きする度に私がいつも思うのは、はたして今度こそ日本に「学び直し」という考え方が根付くのだろうか?ということです。なぜなら、わが国ではこれまでにも「リカレント」、「生涯学習」など多少意味合いは異なるものの、「学び」をキーワードとする言葉が30年位前から何度も取りあげられてきていますが、どれも今ひとつ根付いていないように感じるからなのです。実際、「学びなおし」への参加率は35%とOECDの平均よりも5ポイント低いのが実情で、諸外国と比べリスキリングへの関心が薄いことが問題視されているのです。

それでは、今後組織や個人が「リスキリング」に対してどうすれば積極的に取り組むことができるようになるのか、そのためにはどうすればよいのでしょうか。この答えはなかなか簡単には出ないように思います。それは、日本人の国民性から言って林さんのように変化を楽しむことができる人は限られているように思えるからなのです。

しかし、このまま立ち止まっているわけにはいきません。ありきたりのことかもしれませんが、まずは「ありたい自分」、つまり自分が手に入れたいものを少しでも具体的にイメージしてみるところから始めることなのではないかと思います。そして、林さんのように何か新しいことを少しずつでも始め、昨日とは異なる自分になっていく、その変化を楽しむことなのだと思います。

私自身、年の初めの今だからこそ新しいスイッチを入れることから始めてみたいと考えています。

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