長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

日米首脳会談、日本は正念場

2021-04-19 07:57:49 | 活動
初の日米首脳会談が終りました。

バイデン大統領就任後、日本が初めての首脳会談の相手に選ばれた事は、同盟国の証として胸を撫で下ろしています。 今朝も新聞や、各報道では、様々な評価がされていますが、概ね無難にこなしたのではないかとされています。 首脳会談の照準はやはり対中政策でした。 これは当然のことですね。

安全保障、人権、北朝鮮問題、サプライチェーン、環境問題、貿易問題など議論されるべきテーマは網羅されたと思います。 それぞれのテーマで、両国に多少の温度差は感じられるものの、歩調は合わさっているのではないかと思います。

安全保障について、尖閣諸島に日米安全保障条約5条が適用され、自衛隊と米軍の共同訓練の強化、台湾海峡の平和と安定の重要性が確認された事は、特に評価できます。 なんと1969年の佐藤ニクソン会談以来、台湾について明記されたのですから。 しかしいつも思うことです。 5条適用云々が確認されたことで安心はしていられません。 あくまでも尖閣諸島が日本によって施政下にあると言うことが条件です。 冷ややかに見れば、連日のように中国海警局の船が領海侵入しているようではそれも危ういと言わざるを得ません。

人権については温度差がありました。 経済を中国委ねてきた日本勢は、ジェノサイド認定は留保し、制裁にも慎重であるとの態度。 米国は人権弾圧をジェノサイドと認定し、当局者の資産凍結や制裁発動を可能とする法律を整備しています。 やはり日本の国会における人権侵害非難決議を携え訪米してもらうべきでした。 G7の中で制裁法を持たぬ日本が果たすべき方向性は決まっているはずです。 米国曰く、「民主主義と先制主義の戦い」であるならば、経済に影響があろうとも日本は腹をくくらなければならぬ局面に来ているのです。 足並みを乱す形となれば、中国に対抗する、「自由で開かれたインド太平洋」を掲げる同士国の結束に悪影響を及ぼしかねないのです。

サプライチェーンに関しては、日本は米国よりも2周3周遅れの感が否めません。 これもまた背景には中国との経済関係が箍となっています。 米国は徹底的に中国のハイテク覇権を封じる調達網構築を目指しています。 今回まだ詳らかにはなっていませんが、サプライチェーンや、経済安全保障に関する議論こそ、日本が米国からその判断を突きつけられた最大テーマだったかもしれません。 いよいよ正念場です。

あまり報道されていないことで私が関心を持っているのは、楽天がテンセント子会社による出資を受けようとしていることについて、米国が懸念を持っており、日本政府が経緯を説明、今回の日米首脳会談においてどのような影響を及ぼしたか。 米国が主導するクリーンネットワーク構想とは、将来的に国家の運営のカギを握る5Gなどに関する通信ネットワークの中に絶対に中国勢を入れないと言うものです。 そしてこのクリーンネットワーク構想に楽天もソフトバンクも参入するべく米国政府にサインをしているのです。 にもかかわらず中国勢から、それも米国が最も疑いを持っている、テンセントから出資を受けるなどと言う行為に打って出た楽天は、明らかに米国との約束を破っているのです。 不思議なことにこの尻拭いをなぜ日本政府がやらなければいけないのでしょうか。

今週の国会はおそらく日米首脳会談の成果についての議論が盛り上がっていくでしょう。 武漢ウィルス対応も目の前にある危機としてしっかりと乗り越えていかなければならぬことではありますが、この際、解決すべき事柄に優先順位をつけるわけにはいきません。

あれもこれも同時並行で、全てを網羅する形で日本の国益を守り抜いていく決意です。
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