長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

身を切る改革の欺瞞

2015-04-17 17:56:37 | 国会
私も朝から晩まで「身を切る改革」、所謂、政治改革を叫んできた一人であったことを白状しつつ記したいと思います。私は、何時しかこの概念はあくまでも内向きな議論であり、有権ウケを狙った、実に無責任な議論であるということに気づきました。

リストラして企業利益をあげる手法と同じとまでは言いませんが、身を切る改革は聞こえの良い単なるポーズであって、物事の根本治療には至らないのです。

その議論には有権者と政治家との間に不可欠なある緊張感が欠落しています。議員は選ばれる立場であり、議員を選ぶのは有権者であるという緊張感です。「議員たるもの身を切るべき対象である」というのが、身を切る改革の大前提です。有権者はそんな議員しか選んでいないのでしょうか?

デフレ経済、「安かろう良かろう」ばかりが持て囃されて、物の価値よりも値段が安いことが支配的概念となり日本経済は疲弊してきました。価格は高いけれど、より価値のあるものを世に送り出しても見向きもされない。価格競争に勝てなければ商売が成り立たなかった時代を経て、私たちはその落とし穴にようやく気付き始めたのです。

どの議員がどのような発言を行い、どのような仕事をしているのか? ということよりも、定数を削減した議会、歳費を削った議員、退職金を削った首長が支持されるということは、有権者は議員としての仕事の中身を見ていないということになり兼ねません。これほど無責任な相互関係はありません。身を切った政治家が必ず優秀な筈もありません。

選ばれし議員が、烏滸がましくも有権者の代表として、歳費に見合う、いやそれ以上の仕事をしているかどうか? その審判が選挙という手続きであるならば、この際、政治改革が前面に出た議論というのは、甚だ寂しいものがあります。

統一自治体選挙後半戦、政治とカネの問題は由々しき事態ですが、有権者の皆さんがそんな議員を選ばなければ問題は瞬時に解決するのです。

有権者も政治家も緊張感を持って、中身の議論に集中できる選挙であって欲しいと希望し、私も不断の努力をして参る覚悟です。
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