長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

専門家擬きによる人災

2011-05-17 09:18:34 | 社会
「すべての電源が切れているという事態を想定していない」。だから、マニュアルに存在しない対処を構築してもらうために、専門家の力が必要であったのではないか。

この10日間で原子炉の専門家の話をたくさん聞いた。なるほど、東京電力とは原発のオペレーターであって、原子力工学の専門家ではない。例えば、私が自家用車を運転するオペレーター。何かの故障で動かなくなった場合、問題がエンジンなのか、足回りなのか、電気系統なのかを調べてみても、技術の専門家ではないので想像の領域を脱しない。車を作った人、原発を作った人が専門家。私も、東電も、安全保安院もオペレーターに過ぎない。

普通なら、専門家を呼び、素人対応は行わない。今回の原発事故では現場に専門家がいなかったことが人災。吉田所長は自らの判断ミスも認めつつやるべきことはやったと思うが、本社、そして、官邸に専門家がいない、いたとしても専門家のアドバイスを聞き入れることなく、対処してしまった。その意味で、被害の拡大は人災である。津波で破壊されたのはタービン建屋。原子炉建屋の海側にあったことで、ここでダメージはかなり吸収された。ここまでは自然災害。そして水素爆発からそれ以降は専門家擬きによる人災である。

浜岡原発を停めたことで官邸はにこやかな風に見える。ただ、浜岡を停めてもリスクは同じである。地震で停まらなかった原発は過去になく、「冷やす・封じ込める」も、冒頭記したように、今回のようにすべての電源が切れていればリスクは同じ。電源が確保されていれば今回のようなメルトダウンにはならないし、断層の上にある原発自体が地震により破壊されたとしても、今そこに原発があるのだから、停めようが運転しようがリスクは同じ。リスクが変わらないにもかかわらず、浜岡を停めることで発生する経済的リスクを官邸は考えていない。

本会議の後、永田町では「ある動き」があると思う。
コメント (49)
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