「明日香村の大字に伝わるはなし」は、明日香村文化協会発足40周年記念事業として、奈良県明日香村の39の大字に伝わる「はなし」を、聞き取り調査されたものを収録されたものです。
この中から、邸宅に関わる「はなし」を数回に分けて紹介したいと思います。
第2回目は、明日香村大字岡にある「嶋田邸」と「岡本邸」でした。
第3回目は、明日香村大字飛鳥にある「旧大島邸」と「森邸」です。
明日香村大字飛鳥にある「旧大島邸」と「森邸」は、「飛鳥坐神社」前の大通りにあります。
この通りには、江戸末期から明治にかけての古い住宅が残っています。最近、電柱の地中化の工事がなされ落ち着いた雰囲気の素敵な場所です。
〇「旧大島邸」は、1870年に呉服商が建てた住宅を1904年に農家の大島家が買い取りしました。
主屋は、2階の天井が通常より低い「つし2階建て」と呼ばれる造りをしており、離れやとともに木造2階建てで瓦葺きです。いずれも装飾性の高い格子窓の「虫籠窓」を備えています。江戸時代の民家の形式を今に伝えています。
現在は国の登録有形文化財となっていますが、「ブランシエラビイラ明日香」の一部として用いられ宿泊できます。
〇「森邸」
大通りの中程にある「森邸」は、天保年間(1830年~1844年)に建てられた住宅です。江戸時代、高取藩のお殿様が通られる時のお休みどころになっていたと言われています。この大通りの中では、一番古い建物です。現在は、簡易郵便局と酒店をされています。