無実の人の口座凍結で抗議へ
無実の人の口座凍結で抗議へ
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170714/5136761.html金融機関の通帳を盗まれたり、なくしたりした人が、振り込め詐欺などの犯罪グループに口座を悪用され、警察などの口座凍結の措置によって、新たな口座を作れなくなるケースが相次ぎ、改善の申し入れにも応じられていないとして、大阪の弁護士などの団体が近く、警察庁や全国銀行協会などに、抗議文を提出することになりました。
大阪の弁護士や司法書士などで作る団体によりますと、知らない間に口座が凍結されたという相談が、去年、全国から50件ほど寄せられ、詳しく調べたところ、多くは盗まれたりなくしたりした通帳が、知らない間に振り込め詐欺などの犯罪グループの手に渡っていたケースだったということです。
警察庁は、犯罪に使われた口座の名義人をリストアップして金融機関に知らせ、口座の凍結を要請します。
金融機関は口座の凍結を実施するとともに、リストの人物が新たに口座を開くことも事実上、拒否しているということです。
このため、犯罪には関わっていないのに給与の振り込みが受けられなくなったり年金や奨学金を受け取れなくなったりして、生活に大きな支障をきたす人が出ているということです。
団体は、「甚大な人権侵害が起きていて、口座凍結の運用の改善を申し入れたのに応じられていない」として、警察庁と全国銀行協会、それに金融庁に近く、抗議文を提出し、犯罪に関わっていないことが分かった名義人は速やかにリストから削除し、口座の凍結を解除するよう求めることを決めました。
司法書士の前田勝範さんは、「今のままの運用では無実の人が救われない。警察庁や銀行協会には真剣に見直しを考えてほしい」と話しています。
一方、全国銀行協会は、「口座凍結の運用方法については改善を協議していて、すでに改善した点もあるが、犯罪対策にかかわることなので具体的には明らかにできない」としています。