いっちょー会

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住宅セーフティネット法改正の波紋 シェアハウス普及に弾みか 空き家改修費用、1戸100万円補助

2017-05-16 14:45:26 | Weblog

                           住宅セーフティネット法改正の波紋 

                                シェアハウス普及に弾みか 

                           空き家改修費用、1戸100万円補助   

住宅セーフティネット法改正の波紋 シェアハウス普及に弾みか 空き家改修費用、1戸100万円補助
http://www.jutaku-s.com/newsp/id/0000032346&goread=ON

 今秋にも施行される見込みの改正住宅セーフティネット法に関心が寄せられている。空き家などを再生し、住宅弱者(住宅確保要配慮者)の入居を拒まない賃貸住宅として民間家主が都道府県などに登録する制度が創設されたからだ。中でも、シェアハウスが同登録制度の対象に加えられたことから、その普及に弾みがつくのではないかと関係者の期待が高まっている。更に登録基準を満たすための改修費については、1戸当たり最高100万円の補助が受けられることも話題を呼んでいる。

 同改正法は4月19日の参議院本会議で全会一致で可決・成立した。セーフティネット制度は、自力では良質な住宅を確保することが困難な人たちを対象に国や地方公共団体が公的住宅(URや公社の賃貸、特定優良賃貸など)の供給を促進し、生活の安定を図るのが主な目的。
 今回の改正は空き家対策と連動させ、空き家や空室などを改修した民間賃貸も対象とするなど、その政策手段の幅を大きく広げたのが特徴。

 そのため、一戸建て住宅の空き家を再生し、5LDKの間取りなら入居者は5人までとするなど、良質なシェアハウスの供給を理念としている日本シェアハウス協会(山本久雄会長)は、今回の改正をシェアハウス普及の大きなチャンスと捉えている。

 ただし課題もある。シェアハウスの全個室を住宅確保要配慮者(高齢者、子育て世帯、低額所得者など)向けとすることは、その経営上リスクが大きい。もちろん、改修費補助は必ずしも全室を要配慮者向けとする必要はない。例えば、5室のうち3室を専用住宅として登録するのであれば最大300万円の補助が受けられる。しかし、シェアハウスの契約期間は「6カ月〓1年未満」が多く、入居者の入れ替わりが激しい。登録期間は10年以上となっているので、何室を専用住宅とするかの判断が極めて難しい。

 シェアハウス運営事業者にとって気になる点は他にもある。例えば登録基準によると個室面積は「1人1室で9m2以上」とされているが、母子家庭で親子が同じ部屋に入居する場合はどうなるのか(面積要件が9m2よりも広くなるのか)、高齢者とは何歳以上なのか、自宅を所有している単身高齢者がシェアハウスに移り住む場合も対象となるのか、入居者が外国人の場合も対象となるのかなどである。

 更に高齢者や外国人が収入分位25%以下の低額所得者として家賃補助(国費上限2万円/月)を受ける場合の要件はどうなるかなど、現段階では不明な部分も多い。これらの点について、国土交通省は近日中にも明らかにしたいとしている。

格差拡大も背景に

 【解説】 国土交通省がシェアハウス(共同居住型住宅)を住宅セーフティネット制度の対象に加えた背景には、いくつかの社会事象が関与している。

 一つは、民間の戸建て空き家が増加傾向にある中シェアハウスとしての再生・利活用には社会的意義を見出しやすいということだ。例えば、今後増加する単身高齢者の住み替え先として、多世代が共生できるシェアハウスは高齢者だけが集うサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは異なるタイプの受け皿となり得ること。また、若年層や一人親世帯などで顕著になりつつある経済的格差拡大を踏まえると、賃料が比較的低廉で自助・互助を基本コンセプトにしているシェアハウスはこれからの居住形態として重要な社会インフラとなる可能性が高いことなどである。

 特に、依然として高齢者などの入居を断る民間家主が多い中で、”一つ屋根の下”に集う疑似家族が民主的に生活ルールを定めていけるシェアハウスは、ある意味最も先進的な賃貸住宅とも言えるからである。 (本多信博)


「生活保護費」を搾取する貧困ビジネスが横行、行政も黙認…返還命令判決が一石投じた

2017-05-02 19:45:33 | Weblog

                              「生活保護費」を搾取する貧困ビジネスが横行 

                                    行政も黙認…返還命令判決が一石投じた 

「生活保護費」を搾取する貧困ビジネスが横行、行政も黙認…返還命令判決が一石投じた
https://www.bengo4.com/c_5/n_6034/

「貧困ビジネス」で生活保護費を搾取されたとして、男性2人がかつて入居していた宿泊施設側に対して、保護費の返還などを求めた訴訟の判決が3月、さいたま地裁であった。脇由紀裁判長は「生活保護法の趣旨に反し、違法性が高い」として、施設の経営者に計約1580万円の支払いを命じた。

路上生活をしていた男性2人は、2005年から2010年にかけて、この経営者が運営する埼玉県内の宿泊施設に入居した。生活保護費を施設側にわたす代わりに食事の提供を受けたが、手元には月2万円ほどの小遣いしか残されなかった。また、6畳程度の部屋を2人で使用し、食事は安価で栄養バランスを欠いたものだったという。

「貧困ビジネス」の違法性を認め、賠償を命じた初めての判決だということだ。今回の判決のポイントと貧困ビジネスの実態について、貧困問題に取り組む戸舘圭之弁護士に聞いた。

●新宿などの路上生活者を勧誘していた

「今回の裁判で被告となった埼玉県内にある『株式会社ユニティー』は、有名な悪徳貧困ビジネス業者です。
『救済係』と呼ばれる従業員が、東京都の新宿や上野などで、路上生活者らに対し、『埼玉に福祉の寮があるので来ませんか』『1日500円あげるよ』『3度の食事は心配しなくていい』などと声をかけて、勧誘していました。

それに応じた路上生活者らは、埼玉県内にあるユニティーの寮に連れて来られて、そこから福祉事務所に生活保護を申請し、ユニティーの寮で生活をしていました。

しかし、生活保護費はすべてユニティーが没収し、入所者には1日500円が渡されるだけ。食事や居住環境も劣悪で、食事の材料のお米はくず米といっていいほど、粗末なものでした」

●「貧困ビジネス」を違法とした画期的な判決

「今回の判決は、生活保護が憲法25条に基づいて『健康で文化的な最低限度の生活』を保障していることを確認したうえで、『被告は、原告らから生活保護費を全額徴収しながら、原告らに対して、生活保護法に定める健康で文化的な最低限度の生活水準に満たないサービスしか提供せず、その差額をすべて取得していたのであり、かかる被告の行為は、生活保護法の趣旨に反し、その違法性は高い』と断じました。

さらに、『結局、被告の本件事業は、生活保護費から利益を得ることを目的とし、路上生活者らを多数勧誘して被告寮に入居させ、生活保護費を受給させた上でこれを全額徴収し、入居者らには生活保護基準に満たない劣悪なサービスを提供するのみで、その差額を収受して不当な利益を得ていた』と認めました。

そのような内容の契約は公序良俗に反し無効であり、被告がおこなったことは『原告らの最低限度の生活を営む権利を侵害』しているとして損害賠償の支払いを命じたのです。

また、原告のうち1名は、被告が経営する工場で働かされていた際、指を切断する大ケガをしたことから、この点についても被告に責任があるとして、損害賠償の支払いが認められました。

この判決は、生活保護の利用者を食い物にしている貧困ビジネス業者の行為を『健康で文化的な最低限度の生活を営む権利』を侵害する違法なものと断じた点で画期的です。

そして、このような業者が大手を振って存在していることを黙認(場合によっては積極的に利用)している福祉事務所(行政)に対しても、警鐘を鳴らすものといえます」


●貧困ビジネスが横行している

「公園や駅構内などで、路上生活を余儀なくされている方々に対して、いわゆる貧困ビジネス業者が声をかけ、生活保護を受給させたうえで、保護費の大半をピンハネする被害が相次いでいます。

このような業者は、住まいやお金がなく生活をしていくのが困難な人に対して、あたかも救済してあげるかのようなそぶりをみせながら、実際には劣悪な施設に住まわせ、食事なども粗末なものしか提供しないなど、貧困状態にある人々を食い物にしています。

貧困ビジネス業者からしてみれば、『野宿するよりましじゃないか』『食事も住む場所も提供しているのに文句を言うな』とでも思っているのかもしれませんが、法律にしたがって生活保護制度を受給すれば、ピンハネされることなく生活保護を受給でき、アパートに住むことも可能です。

わざわざ貧困ビジネス業者のお世話になる必要はまったくありません。貧困状態にある人を食い物にする貧困ビジネス業者が跋扈(ばっこ)することを許さないためにも、生活保護制度をはじめとする制度を周知し、使いやすくすることが重要です」

●「劣悪な施設への入所を行政が積極的にすすめている」

「今回の件は、貧困ビジネスをおこなう民間の悪徳業者の責任が問われました。

ただ、忘れてはならないのは、こういった貧困ビジネス業者の存在を許し、場合によっては積極的に利用している行政(福祉事務所)の存在です。

生活保護制度は、今回の判決がいうように、『健康で文化的な最低限度の生活を営む権利』(憲法25条)を保障するための制度であり、生活に困窮したら誰でも、貧困になった理由に関係なく、いつでも『権利』として利用することが可能な制度です。

住まいのない人に対しては、個室のアパート等の安心できる住居を保障することが国家の責任として定められています(居宅保護の原則)。

にもかかわらず、現状では、ホームレス状態の方が、生活保護を申請してもアパートへの入居を認めずに、劣悪な施設への入所を行政(福祉事務所)が積極的にすすめている実態があります。

今回の判決は、このような施設収容を前提とした生活保護行政のあり方にも一石を投じたという意味でも、非常に画期的だと考えます」