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110番/119番で位置通知、携帯各社が4月導入

2013-02-25 22:05:24 | Weblog

            110番/119番で位置通知 

               携帯各社が4月導入  

“携帯電話、IP電話等からの110番通報における位置情報通知システムの運用について”.
  警察庁生活安全局地域課 (2011年4月25日)

http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/jouhou/190126unyou.html

http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki/hasshinchihyouji.pdf

110番/119番で位置通知、携帯各社が4月導入 

 NTTドコモ、KDDIおよび沖縄セルラー、ソフトバンクモバイルは、携帯電話から110番などの緊急通報があった場合に、発信場所の位置情報を警察などに自動的に通知する「緊急通報位置通知」機能を2007年4月1日以降に導入すると発表した。

 「緊急通報位置通知」は、対応する携帯電話から110番/118番/119番の緊急通報があった場合に、警察・消防など通報受理先に携帯電話の発信場所を自動的に通知するというもの。

 GPS機能を搭載した「緊急通報位置通知」対応端末では、GPS測位による位置情報が提供され、それ以外の端末では、基地局の場所や電波到達範囲などから算出される位置情報が提供される。

 2007年4月1日以降、同機能に対応するエリアは順次拡大される。4月1日導入予定の地域は、110番通報は北海道網走支庁管内、東京都(島しょ部一部のぞく)、神奈川県、愛知県、大阪府、奈良県、118番通報が全国、119番エリアについては現在調整中としている。

 なお、通報する際に、電話番号の頭に「184」を付加すれば、位置情報は通知されない。ただし、生命などに差し迫った危険があると判断された場合は、通報先機関が位置情報を取得する場合もあるという。

 1月10日の「110番の日」に伴って、警察庁では2006年1月〓11月までの110番通報件数を公表。同期間内に全国の警察で受理した110番通報件数は834万6,315件で、このうち、携帯電話やPHSからの受理件数は505万4,828件と全体の60.6%を占めた。110番通報の約1.7件に1件の割合で、携帯電話などから通報されていることになる。

 同庁では、「緊急通報位置通知」が導入された場合であっても、電波の受信状態などによって実際の位置とは異なる位置情報が通知される場合があるとして、従来通り、通報する際に口頭での所在地や目標物を伝えるよう求めている。同様の要請は、今回ドコモ・KDDI・ソフトバンクからもなされている。

 総務省は2005年10月、緊急通報時の位置情報通知機能について、省令案を提出。この中で、2007年4月の施行を目指していた。

 同省の省令案、警察庁の資料でも対象となるのは3G端末となっている。NTTドコモでは「GPSを使った位置測位については903i以降から対応」としており、そのほかのFOMA端末は基地局ベースの位置情報が通知される。KDDIでは、10日に発表された「ジュニアケータイ A5525SA」、「Sweets cute」、「A5523T」がGPSによる「緊急通報位置通知」に対応。今後発表される端末は一部機種を除いてサポートされる見込みで、近い将来標準機能になる予定とのこと。また、基地局ベースの位置通知については、第2世代を含む現在稼働する全てのau端末で対応する。ソフトバンクでは、現在発売している「910T」「811T」「810T」「904SH」「904T」、および12月に発表された子供向け端末「コドモバイル 812T」がGPS通知に対応、そのほかの3G端末は基地局ベースとなる。

 なお、緊急通報位置通知の対象外となるウィルコムでは、「いずれ対応するかもしれない。今後依頼があれば」としている。 


個人保証:中小企業融資、原則認めず 法制審、民法改正検討

2013-02-18 10:42:39 | Weblog

            個人保証:中小企業融資  

                原則認めず 

               法制審、民法改正 

個人保証:中小企業融資、原則認めず 法制審、民法改正検討

毎日新聞 2013年02月18日 東京朝刊

http://mainichi.jp/select/news/20130218ddm001010056000c.html

 銀行や貸金業者が中小企業などに融資する際に求めてきた個人保証について、法制審議会(法相の諮問機関)が原則として認めないとする民法改正案を本格的に検討することが分かった。個人保証は事業者の資金調達を容易にする半面、善意で保証人を引き受けた人が高額の請求を受け、自己破産や自殺に追いやられる悲劇も生んできた。検討通りの民法改正が実現すれば、長年の慣行が根本から見直されることになる。

 法制審は09年、明治時代にできた民法の契約・債権分野を今の時代に合ったものに改めるよう、当時の千葉景子法相から諮問され、専門部会を設けた。個人保証を原則無効とする改正案は近く部会がまとめる中間試案に盛り込まれる見通しで、事務局の法務省民事局は試案を最終案までの「7~8合目」と位置づけている。

 部会では個人保証の中でも、経営者本人が会社の債務を保証する「経営者保証」は例外として認める案が検討されている。ただし、会社の返済が滞り経営者が貸手から裁判を起こされた場合、裁判所が経営者の支払い能力などを考慮して保証債務を減免できる救済制度の新設などを考える。

 一方、住宅ローンやアパートの賃貸借契約、奨学金の借り入れなどで求められている個人保証は今後も認め、契約時に借り手の債務や財産の有無などを保証人に説明するよう、貸手に義務付けることを検討。説明義務を果たさなかった場合は保証契約を取り消すことができるとする。

 また、保証契約の成立後も(1)保証人の問い合わせに応じて借り手の債務残高を伝える(2)借り手の支払いが遅れた際はできるだけ速やかに保証人に知らせる--などの情報開示を義務付け、怠っていた間の遅延損害金は受け取れないような仕組みも検討される見込み。

 中間試案の公表後は、法改正の原案となる改正要綱案の作成を目指す。要綱案の取りまとめには1年以上かかるとみられ、民法改正案の国会提出は再来年以降となりそうだ。【伊藤一郎、井上英介】

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■ことば

 ◇個人保証

中小企業などが融資を受ける時に「会社が返済できなくなったら代わりに自分が返す」と、個人が貸手に約束すること。経営者自身や家族、親類、友人が保証人になることが多い。ほとんどのケースは、保証人が債務者と同じ立場で無条件で請求に応じなければならない「連帯保証」となっている。


クローズアップ2013:なくなるか個人保証 第三者「人質」の悲劇
http://mainichi.jp/opinion/news/20130218ddm003010181000c.html

 ◇「迷惑はかけられぬ」追い込まれ経営者自殺

 民法の大幅改正に挑む法制審議会で、中小企業への融資に求められてきた個人保証をなくす改正案が浮上している。背景には、経営破綻に何の責任もない第三者が多額の保証債務を背負い、借り手も追い込まれる「保証被害」が続いてきたことがある。長年の慣習を断ち切り、個人に頼らない仕組みをどう広げていくか、公的な支援の拡充も求められる。【伊藤一郎、種市房子、井上英介】

 ◇人間関係依存の慣行、今も

 「責任感の強い夫だったので、保証人に迷惑をかけられず、ああするよりほかなかったのでしょう」。神奈川県の女性(55)は訴える。土木会社を営んでいた夫(当時56歳)が自ら命を絶ったのは07年6月。ちょうど、加入した生命保険の保険金が自殺でも下りるようになった日だった。
 順調だった経営が不況で失速。夫は97年、女性とその親族を保証人に、商工ファンド(当時)から500万円を借りた。高金利で借金は膨らみ、2年後には月々15万円の返済のため消費者金融から借り入れる悪循環に陥った。
 04年、商工ファンドからさらに500万円借りる際、保証人の追加を求められた。友人や従業員にもなってもらった。夫婦で倒産や自己破産の道も話し合ったが、「そうすれば保証人に取り立てが行ってしまう」と踏み切れず、ヤミ金融にまで手を出した。
 夫は女性あての遺書を残していた。「本当に好きでした。生まれ変(わ)れたら、いっぱい幸せをあげたい。もっと長く一緒に暮(ら)したかった。許して下さい」。娘には「お父さんらしい事、ひとつも、してやれなかったネ」とわびていた。
 残された女性は保証人を頼んだ身内から心ない言葉も浴び、苦しみは今も続く。「人を死に追いやるような仕組みは、もうなくしてほしい」
 保証被害がクローズアップされたのは10年以上前、事業者金融の商工ファンドや日栄が社会問題化した時だった。銀行の貸し渋りを背景に貸出残高を伸ばし、高利で返済に行き詰まる中小企業が続出。脅迫的な取り立てや不動産の競売で破産や自殺に追い込まれるケースが相次いだ。
 背景には、人間関係に依存するゆえの問題がある。経営者に「迷惑はかけないから」と頼み込まれ、経営状況や保証のリスクをよく知らないまま、家族や親類、友人などが保証人の判をつく。そうした慣行が借り手も保証人も追い込んできた。
 貸金業を巡る問題では、国は07年以降、利息制限法を超すグレーゾーン金利の撤廃や年収の3分の1を超す貸し付けの禁止などに乗り出し、消費者金融による個人の多重債務被害は沈静化しつつある。
 その一方、個人保証の問題は中小企業の資金調達を助ける面もあり、手つかずだった。
 日弁連は昨年、個人保証を原則禁止すべきだとする意見書をまとめた。弁護士や司法書士でつくる「保証被害対策全国会議」事務局長の辰巳裕規(ひろき)弁護士は「保証人を引き受ける第三者は何ひとつ恩恵を受けず、リスクのみを背負わされる。債務者も保証人を人質に取られ、深みにはまっていく。貸手が負うべきリスクを個人に押しつける仕組みは間違っている」と指摘。法制審の議論の行方に期待する。

 ◇公的支援、拡充が急務

 多くの被害を生んできた個人保証だが、中小企業側や金融業界からは「借りられなくなって困る事業者が多数出かねない」との声も上がる。
 こうしたことから、法制審の議論は、経営者本人が自社の借り入れの保証人となる「経営者保証」は例外として認める流れにある。一方、なくすことが検討されている「第三者保証」については金融庁が11年7月、大手金融機関への監督指針で、原則禁止。銀行などでは既に第三者保証を取らない融資が始まっている。
 国の金融審議会で専門委員を務める上柳(うえやなぎ)敏郎弁護士は「『保証人』という人的担保への依存から脱却した金融機関は、借り手の将来の事業収益などを担保とする方向に動き始めている。経営者保証も『しっかり経営してくれ』と覚悟を促す意味合いが強く、債権回収の手段としては、あまりあてにされていない」と指摘する。
 問題は、銀行が求める担保を用意できず、ノンバンクや事業者金融を利用せざるを得ない企業だ。中小企業の経営者は手形の不渡りを回避する時など、どんなに高利でも借りざるを得ない場面がある。現在は第三者の保証人を立てて借りているが、個人保証が認められなくなれば借入先を失うとの不安は消えない。
 東京都では、短期間の審査でつなぎの資金を貸し出す制度を設けている。上柳氏は「中小企業の緊急的な資金需要は切実だ。税金をさらに使うことには議論もあるが、第三者保証を認めないならば、自治体や信用保証協会がそれに代わる保証や短期融資などの制度を充実させていく必要がある」と提言する。


8月から「特別控除」廃止=生活保護改革、就労後押しー厚労省

2013-02-14 12:17:55 | Weblog

          8月から「特別控除」廃止  

              生活保護改革  

            就労後押しー厚労省   

8月から「特別控除」廃止=生活保護改革、就労後押し―厚労省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130214-00000013-jij-pol
時事通信 2月14日(木)2時32分配信

 厚生労働省は13日、生活保護受給者の年間就労収入から、1割までを経費とし
て差し引くことができる「特別控除」を8月支給分から廃止する方針を固めた。
その一方で、毎月の収入に認めている「勤労控除」の内容を拡充し、受給者が働
く意欲を持てる仕組みをつくる。

 特別控除の上限額は、東京23区内在住の就労者が1人のモデル世帯で年間約15
万円と決められている。しかし、約1割の自治体が導入していない上、制度の運
用方法にもばらつきがあり、自治体から「制度が分かりにくい」「あまり効果が
ない」などの声が上がっていた。そのため厚労省は、制度の簡素化に向けて特別
控除を廃止し、勤労控除と一本化することを決めた。

 現行の勤労控除制度では、同モデル世帯の場合、毎月の収入から8000円まで
は全額控除される。8000円超から約9万3000円までは17.2%、約9万3000円超か
ら24万円までは7.0%と収入額が増えるほど控除率が下がり、24万円からは控除
なしとなる。

 厚労省は、勤労控除を受給者の就労をより促す内容へと見直す。具体的に
は、(1)全額控除される収入額の引き上げ(2)控除率の統一(3)24万円の上限額の
撤廃―などを実施する方針だ。

 保護費のうち食費などの生活費に充てる「生活扶助費」は、8月から15年度ま
での3年間で740億円(7.3%)削減する方針が決まっている。控除の見直しは、
これと同時に実施する。

 また、控除制度以外に、生活保護を受け始めてすぐの受給者が積極的に就職
活動を行った場合、必要経費として保護額を増額する新制度も8月から始める方
針だ。 


「偽装質屋」が問題化

2013-02-11 14:55:29 | Weblog

            「偽装質屋」が問題化  

         違法に貸金業・金利年96%以上  

「偽装質屋」が問題化
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20130209-OYT8T01409.htm

 上限年利109・5%の高金利で金を貸すことができる質屋を装って貸金業を違法に営む「偽装質屋」が、問題化している。数百円の価値の低い担保で数万円を貸す一方、返済できなくても「質流れ」を認めず、元金や利息を取り立て続ける。熊本地裁では昨年10月、熊本市内で同様の貸し付けをしたとして、県内の12人が4業者に計約720万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。(出水翔太朗)

◇違法に貸金業/金利年96%以上

質屋は、利用者が持参してきた一定の価値のある品物を担保に金を貸す。期限内に金を返せなかった場合、「質流れ」となり、質入れした物の所有権が質屋に移ってしまう。
 これに対し、「偽装質屋」は、はさみや雑誌の付録など形だけの担保で金を借りることができる。実質は貸金業だ。

 同訴訟で原告らは、4店の「質屋」が事実上は貸金業者で、改正貸金業法が上限年利を15〓20%に規制しているのに、年利96%以上で金を貸したとして損害賠償を請求。「大柄な男が自宅に取り立てに来て怖かった」、「(返済で)生活が非常に苦しかった」などと主張している。月内に10〓20人が第2陣として原告に加わるという。弁護団の青山定聖弁護士は「高金利で金を貸し、搾り取る。切羽詰まった人を狙い打ちしており、許せない」と批判する。
 これに対し、被告の1人は「違法性は認識していなかった。銀行や消費者金融で金を借りられず困っている人もいるから営業していた」としている。

     ◇

 青山弁護士によると、「偽装質屋」が現れた背景には、改正貸金業法が2010年に完全施行され、上限年利が29・2%から20%に引き下げられるなどしたことがある。撤退する貸金業者が相次ぎ、一部業者が高金利で金を貸すことができる質屋に着目したという。
 質屋営業法で高金利が認められているのは、質物の鑑定に高い技術が必要なことや、質物の保管に空調などコストがかかるためだという。

 県消費生活センターに被害相談が寄せられたのは11年11月以降。「質流れが認められない」、「高金利で返済が大変」といった内容で、12年度(1月末現在)の相談件数は27件。前年度に比べて22件増えた。
 「熊本市質屋組合」(15店、小山茂組合長)にも苦情の電話が寄せられている。組合は同年9月、「このままでは(質屋が)ヤミ金の隠れみのになる」と、取り締まりや指導の強化を求める要望書を熊本北署に提出した。
 小山組合長(65)は「質屋を名乗るなら、法律を順守して本来の営業をするべきだ」と訴えている。

◇県センターに相談、民事訴訟も

 「偽装質屋」を巡っては民事訴訟で原告が勝訴した事例があるほか、刑事事件も起きている。
 昨年11月には大分県警が、北九州市の質屋の経営者ら3人を出資法違反(超高金利受領)と貸金業法違反(無登録営業)容疑で逮捕。今年1月には、年金を担保に取られた福岡市の女性が質屋などを訴えた損害賠償訴訟で、福岡簡裁が約69万円の支払いを命じた。

 熊本県警生活環境課は「あらゆる法令を適用して取り締まる」としたうえで、「悪質な業者に金を借りず、経済的に困ったら公的機関などに相談してほしい」と呼び掛けている。
 県は、多重債務者の立ち直りを図る事業を「グリーンコープ生協くまもと」に委託。同生協は収入や支出、負債状況などを確認しながら債務整理や就業についてアドバイスする。また債務整理を始めたか、終えた人には「生活再生貸付金」(年利9・5%)も用意している。

 同生協は「早めの相談が解決の糸口になる。被害が拡大する前に相談してもらいたい」と話している。問い合わせはグリーンコープ生活再生相談室(096・243・2100)へ。


生活保護削減/理解に苦しむ格差是認策

2013-02-05 10:45:34 | Weblog

          生活保護削減  

         理解に苦しむ格差是認策  

生活保護削減/理解に苦しむ格差是認策
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/02/20130204s01.htm

 2013年度政府予算案に、生活保護の支給水準引き下げが盛り込まれた。
 生活扶助費の基準額を受給世帯平均6%強引き下げる。期末の給付見直しと合
わせ、扶助費全体で8%の削減を見込む。節約できる国費は3年間で743億円
になるという。

 最低賃金と生活保護の逆転現象が起き、働いても収入の上がらないワーキング
プア層が増えていることは確かだ。

 しかし、それをもって生活保護給付基準を引き下げるというのでは話の順序が
違う。まず正されるべきは、働きに見合った賃金が支払われていない労働者の置
かれた窮状だ。

 政府は、同じ予算で大規模経済対策によるデフレ脱却を掲げる。その一方で、
一層の格差拡大につながりかねない施策を盛り込む不整合について、どう説明す
るのか。

 社会保障審議会の部会報告書は予算化に先立ち、夫婦と子ども2人の4人世帯
モデルで生活費と支給のギャップが14.2%に達すると指摘した。支給が「生
活に必要な費用より高くなっている」との認識だ。

 報告書が指摘したギャップは「過剰給付」を裏付ける数字とされ、デフレ下で
「勤労者との公平感を保つ」ための論拠とされた。

 だが厚労省の別の試算では、低所得勤労者の生活費と比較した場合に世帯類型
によりまちまちの結果が示された。

 4人世帯モデルで、低所得勤労者の生活費よりも給付が上回ったのは全体の
0.4%。20~50代の単身世帯では23.9%が勤労者の生活費を上回った
ものの、60歳以上の単身世帯では全体の半数以上が生活費を基準額が下回った。

 むしろ生活保護費の総額が増加しそうな数字だ。にもかかわらず、基準額が引
き下げられるのは「経済情勢などを総合的に考慮し、政府として判断する」(厚
労省)ためだ。政治が決めたセーフティーネット(安全網)の縮小にほかならない。

 最低賃金を決める際には、生活保護の給付水準との「整合性に配慮すること」
が求められている。生活保護切り下げは、最低賃金を引き下げる方向に働くのだ。

 民主党の「最低賃金時給1千円」は現実的に困難で、画餅に帰したが、安倍政
権が政策転換を急いだ印象は拭えない。

 社会的格差の縮小に向かうのか、拡大を辞さないと構えるかは、大きな政治選
択となる。転換について、政府は説明を尽くす必要がある。

 新年度予算案には、地方公務員の給与削減を前提とした地方交付税の減額も盛
り込まれている。「国も地方も給与を下げている」というメッセージは、春闘は
じめ労使交渉の場で、労働者側に不利に働くことは言うまでもない。

 問われているのは、組織化されていない働き手や、働くこともままならない人
のための安全網だ。苦境に拍車を掛けてはならない。